リノ・エアレース

リノで開催されるエアレース

リノ・エアレース (正式名称:Reno National Championship Air Races & Air Show) は、アメリカネバダ州北西部にあるリノにおいて毎年9月に開催されるエアレース[1]1964年に始まった、エア・レースの中で最も長い歴史を誇る[1]。レースの合間に民間航空ショーやアメリカ軍機のデモンストレーション飛行なども行われる。しかし2023年をもってエアレースは終了し、航空ショーのみの開催とする方針が空港当局より示された[2]

T-6クラスのレース

概要 編集

レースは、リノ市街地から北西16km にあるリノ・ステッド空港 (Reno Stead Airport) を起点とし、地表に置かれたパイロンを目印にしたオーバルコースを周回して行われる[1]。2017年現在、6つのクラスに分かれており、そのうち改造無制限のアンリミテッドクラスには第二次世界大戦期の戦闘機をチューンした改造機が参加している。シーフューリーなどのヨーロッパ製の機体も参加しているが、P-51マスタングF8Fベアキャットなどアメリカを代表する機体が多く集まるため、特にアメリカ国内では高い人気を誇る[1]

クラス 編集

  • 複葉機:レース距離5.12km。エンジン出力200馬力前後、最高速度370km/h強
  • T-6:レース距離8.14km。1930~60年代のアメリカの練習機T-6テキサンを無改造で使用するワンメイクレース。最高速度370km/h強
  • フォーミュラワン:レース距離5.02km。このクラスに参加する航空機はエンジンをコンチネンタル・モータース製のO-200(3.28L、100馬力)に統一する。最高速度400km/h強
  • スポーツ:レース距離10.25km。5機以上生産された航空機キットと10.65Lのエンジンを使用。最高速度560km/h強
  • ジェット:レース距離13.4km。指定された機種のジェット練習機を使用。最高速度790km/h以上。
  • アンリミテッド(無制限):レース距離13.65km。重量4,500lb(2,041kg)以上のレシプロ機であれば改造無制限。このクラスに参加する航空機は、一般的にP-51Dマスタング、ホーカー シーフューリー、グラマンF8Fベアキャットを改造したもの。エンジン出力は4000馬力にも及び、最高速度は785km/hを越える。

事故 編集

2011年9月16日、アンリミテッドクラスに参加していたP-51改造機「ギャロッピング・ゴースト英語版」が観客席に墜落する事故が起き、パイロットを含む11人が死亡した[3]。 この事故により同年のレースは中止された[4]

ギャラリー 編集

脚注 編集

  1. ^ a b c d 藤森篤、神谷直彦、桜井健雄『なぜ彼らはプロペラ機を愛するのか?―USAリノのエアレーサーたち』エイ出版社、2004年。ISBN 4-7779-0054-1 
  2. ^ そして伝説へ「世界一危険なエアレース」半世紀の歴史に幕 累積30人超の死者 なぜいま終わるのか”. 乗りものニュース (2023年4月29日). 2023年9月30日閲覧。
  3. ^ 米の競技機墜落、死者9人に 部品脱落が原因か”. 47NEWS(よんななニュース) (2011-09-18 11:14 更新). 2011年9月18日閲覧。
  4. ^ National Championship Air Races Official Statement on Sept. 16, 2011(英語)” (PDF). リノ・エアレース公式サイト (2011-09-16 付). 2011年9月18日閲覧。

関連項目 編集

外部リンク 編集