リプリー (映画)
『リプリー』(The Talented Mr. Ripley)は、1999年のアメリカ合衆国の犯罪映画。監督はアンソニー・ミンゲラ、出演はマット・デイモン、グウィネス・パルトロー、ジュード・ロウ、ケイト・ブランシェット、フィリップ・シーモア・ホフマンなど。原作は1960年のフランス・イタリア合作映画『太陽がいっぱい』と同一であるパトリシア・ハイスミスの同名小説だが、より原作に忠実なプロットとなっている。主人公トム・リプリーのその後を描いた作品として『リプリーズ・ゲーム』などが映画化されている。
リプリー | |
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The Talented Mr. Ripley | |
監督 | アンソニー・ミンゲラ |
脚本 | アンソニー・ミンゲラ |
原作 |
パトリシア・ハイスミス 『太陽がいっぱい』 |
製作 |
ウィリアム・ホーバーグ トム・スターンバーグ |
製作総指揮 | シドニー・ポラック |
出演者 |
マット・デイモン グウィネス・パルトロー ジュード・ロウ ケイト・ブランシェット フィリップ・シーモア・ホフマン |
音楽 | ガブリエル・ヤレド |
撮影 | ジョン・シール |
編集 | ウォルター・マーチ |
配給 |
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公開 |
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上映時間 | 140分 |
製作国 |
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言語 | 英語 |
製作費 | $40,000,000[1] |
興行収入 |
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前作 | リプリーズ・ゲーム |
ストーリー編集
1950年代のニューヨーク。貧しく孤独な青年トム・リプリーは、ピアノ弾きの代役として出向いたパーティで、借りて着ていたジャケットのために、大富豪のグリーンリーフに息子のディッキーと同じプリンストン大学の卒業生と間違われる。とっさにディッキーの友人を装ったトムは、グリーンリーフにすっかり気に入られ、地中海で遊び呆けているディッキーを連れ戻すように依頼される。これをチャンスと思ったトムは、ジャズが好きというディッキーと話を合わせるためにジャズに関する知識を猛勉強し、イタリアに向かう。 イタリアに着いたトムは、大学の友人を装いディッキーに近づく。父親に依頼されて自分を連れ帰ろうとしているトムに、はじめは反発していたディッキーだったが、トムがジャズに詳しいことを知ると、周りにいないタイプの人間という物珍しさもあり、トムを連れ回して遊ぶようになる。豪華で贅沢なバカンスを共に過ごすうちに、傲慢で身勝手だが魅力的なディッキーにトムは憧れ以上の愛情を抱き始める。しかし、トムの物珍しさにも飽きたディッキーは徐々にトムの存在が疎ましくなる。そして遂にディッキーから激しい罵りの言葉で別れを告げられたトムは発作的にディッキーを殺してしまう。
ホテルに戻ったトムはフロント係にディッキーと間違われたことから、ディッキーになりすますことを思いつく。トムとディッキーの二重生活を巧みにこなし、悠々自適な生活を続けるトムだったが、ディッキーの旧友フレディが現れ、トムを怪しんだことから、フレディを事故に見せかけ殺害する。
ディッキーとしてフレディ殺害容疑をかけられたトムは、ディッキーがフレディ殺害を苦にして自殺したように見せかける。ディッキーの恋人マージはトムを怪しむが、ディッキーが過去に酷い暴行事件を起こしたことがあるため、ディッキーの父親はディッキーがフレディを殺して自殺したと信じるとともに、この件を内密にすることを条件に、ディッキーが受け取るはずだった仕送りをトムが受け取ることになる。一方、トムは以前マージをエスコートしていた青年ピーターと愛し合うようになり、2人で船旅に出る。しかし、その船でトムは、かつてニューヨークからイタリアに向かう船でディッキーのフリをして知り合った名家の令嬢メレディスと出会ってしまう。そして、いまだにトムをディッキーと信じて愛しているメレディスとキスしているところを、メレディスと知り合いであるピーターに見られる。嘘をつき続けることに苦しむトムは愛するピーターをも手にかける。
キャスト編集
- トム・リプリー
- 演 - マット・デイモン
- 貧しく孤独な青年。劇場でボーイとして働いている。ピアノが弾ける。
- マージ・シャーウッド
- 演 - グウィネス・パルトロー
- ディッキーの恋人。物書き。
- ディッキー・グリーンリーフ
- 演 - ジュード・ロウ
- 大富豪の息子。ジャズが好き。仕事をしておらず、遊び惚けている。暴行事件を起こした前科がある。
- メレディス・ローグ
- 演 - ケイト・ブランシェット
- ローグ家の令嬢。
- フレディ・マイルズ
- 演 - フィリップ・シーモア・ホフマン
- ディッキーの旧友。
- ピーター・スミス=キングスレー
- 演 - ジャック・ダヴェンポート
- 御曹司。実は同性愛者。
- ハーバート・グリーンリーフ
- 演 - ジェームズ・レブホーン
- 造船会社の社長。
- ロヴェリーニ
- 演 - セルジオ・ルビーニ
- 警部。
日本語吹替版編集
役名 | 俳優 | 日本語吹替 | |
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媒体収録版 | テレビ朝日版 | ||
トム・リプリー | マット・デイモン | 石田彰 | 水島裕 |
マージ・シャーウッド | グウィネス・パルトロー | 渡辺美佐 | 日野由利加 |
ディッキー・グリーンリーフ | ジュード・ロウ | 大場真人 | 平田広明 |
メレディス・ローグ | ケイト・ブランシェット | 沢海陽子 | 塩田朋子 |
フレディ・マイルズ | フィリップ・シーモア・ホフマン | 井上智之 | 坂口候一 |
ピーター・スミス=キングスレー | ジャック・ダヴェンポート | 遠藤純一 | 宮本充 |
ハーバート・グリーンリーフ | ジェームズ・レブホーン | 大木民夫 | 稲垣隆史 |
ロヴェリーニ警部 | セルジオ・ルビーニ | 原康義 | |
アルヴィン・マッキャロン | フィリップ・ベイカー・ホール | 小関一 | |
エミリー・グリーンリーフ | リサ・アイクホーン | ||
ジョーン | セリア・ウェストン |
- 媒体収録版:VHS・DVD・Blu-ray Disc収録
- テレビ朝日版:初回放送2003年1月19日『日曜洋画劇場』
スタッフ編集
- 監督・脚本:アンソニー・ミンゲラ
- 製作:ウィリアム・ホーバーグ、トム・スターンバーグ
- 撮影:ジョン・シール
- 衣装デザイン:ゲイリー・ジョーンズ、アン・ロス
- 音楽:ガブリエル・ヤレド
作品の評価編集
映画批評家によるレビュー編集
Rotten Tomatoesによれば、批評家の一致した見解は「マット・デイモンの不安にさせる演技がアンソニー・ミンゲラ監督の艶やかな演出と好対照をなす、ダークなツイストを効かせており、『リプリー』は長く尾を引くサスペンススリラーとなっている。」であり、134件の評論のうち高評価は84%にあたる112件で、平均点は10点満点中7.3点となっている[2]。 Metacriticによれば、35件の評論のうち、高評価は31件、賛否混在は2件、低評価は2件で、平均点は100点満点中76点となっている[3]。
受賞歴編集
- 英国アカデミー賞:助演男優賞(ジュード・ロウ)
- ブロックバスター・エンターテインメント・アワード:助演男優賞(ジュード・ロウ)
- ボストン映画批評家協会賞:作曲賞(ガブリエル・ヤレド)
- ナショナル・ボード・オブ・レビュー:監督賞(アンソニー・ミンゲラ)、助演男優賞(フィリップ・シーモア・ホフマン)
- 全米脚本家組合賞:脚色賞(アンソニー・ミンゲラ)
- 全米映画批評家協会賞:助演男優賞(フィリップ・シーモア・ホフマン)
出典編集
- ^ a b c “The Talented Mr. Ripley” (英語). Box Office Mojo. 2022年4月26日閲覧。
- ^ “The Talented Mr. Ripley” (英語). Rotten Tomatoes. 2021年2月23日閲覧。
- ^ "The Talented Mr. Ripley" (英語). Metacritic. 2021年2月23日閲覧。
関連項目編集
外部リンク編集
- 公式ウェブサイト(英語)
- リプリー - allcinema
- リプリー - KINENOTE
- The Talented Mr. Ripley - オールムービー(英語)
- The Talented Mr. Ripley - IMDb(英語)
- The Talented Mr. Ripley - TCM Movie Database(英語)
- The Talented Mr. Ripley - Rotten Tomatoes(英語)