リボウィリア
リボウィリア(Riboviria)またはリボウイルス域[1]は、2018年に国際ウイルス分類委員会(ICTV)によって提案された、RNA依存性RNAポリメラーゼないしRNA依存性DNAポリメラーゼ(逆転写酵素)によってゲノムが複製されるウイルスを含む分類群[2][3][4]。下位分類として、典型的なRNAウイルスを含むオルソルナウイルス界と、逆転写過程を持つパラルナウイルス界、およびそれらに含まれないいくつかの科などが含まれる[5]。
リボウィリア | |||
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分類(ICTV) | |||
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下位分類(界) | |||
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ボルティモア分類における、III. 二本鎖RNAウイルス、IV. 一本鎖プラス鎖RNAウイルス、V. 一本鎖マイナス鎖RNAウイルス、更には逆転写過程を含む一部のDNAウイルスまでもを含む非常に多様なグループであるが、単一の共通祖先を有していると考えられている[2][3][4]。
分類
編集2019年に国際ウイルス分類委員会(ICTV)によって提案された分類は以下のとおりである[2]
オルソルナウイルス界
編集RNA依存性RNAポリメラーゼによって複製されるRNAウイルスを含む。
- オルソルナウイルス界 Orthornavirae
- ドゥプロルナウイルス門 Duplornaviricota - 2本鎖RNAゲノムを持つ
- キトリノウイルス門 Kitrinoviricota - プラス鎖RNAゲノムを持つ真核生物に感染するウイルス
- レナルウイルス門 Lenarviricota - プラス鎖RNAゲノムを持つ原核生物に感染するウイルス
- ネガルナウイルス門 Negarnaviricota - マイナス鎖RNAゲノムを持つ
- ピスウイルス門 Pisuviricota - プラス鎖RNAもしくは2本鎖RNAゲノムを持つ
パラルナウイルス界
編集レトロウイルスや、レトロトランスポゾン、増殖の過程で逆転写を含むDNAウイルスなどを含む。
- パラルナウイルス界 Pararnavirae
- アルトウェルウイルス門 Artverviricota
未分類の科など
編集- Polymycoviridae - 二本鎖RNAウイルス
- サルスロウイルス科 Sarthroviridae - プラス鎖RNAゲノムを持つウイルス
- Albetovirus
- Aumaivirus
- Papanivirus
- Virtovirus
脚注
編集- ^ 「国際ウイルス分類委員会の新しい分類体系(「ICTV New Taxonomy Release(2019)」)で提唱された目より上位の分類(2020年3月承認)」神谷茂 監修、錫谷達夫・松本哲哉 編『標準微生物学 第14版』付録、医学書院、2021年、表27-4、2022年4月19日閲覧。
- ^ a b c Koonin EV "et al." (2019). “Create a megataxonomic framework, filling all principal taxonomic ranks, for realm Riboviria”. ICTV. doi:10.13140/RG.2.2.20234.21444.
- ^ a b “Changes to virus taxonomy and the International Code of Virus Classification and Nomenclature ratified by the International Committee on Taxonomy of Viruses (2019).”. Archives of Virology 164 (9): 2417-2429. (2019). doi:10.1007/s00705-019-04306-w. PMID 31187277 2020年4月24日閲覧。.
- ^ a b “Riboviria: establishing a single taxon that comprises RNA viruses at the basal rank of virus taxonomy” (docx) (英語). International Committee on Taxonomy of Viruses (ICTV) (15 October 2018). 2020年4月24日閲覧。
- ^ https://talk.ictvonline.org/taxonomy/