リューゲン島
リューゲン島(リューゲンとう、ドイツ語: Rügen, ポーランド語: Rugia)は、バルト海に浮かぶドイツ最大の島[1]。メクレンブルク=フォアポンメルン州に属する。935km2に約7万3,000人が住む(2001年)。隣接する小島 ヒデンゼー島、ウマンツ島などと共にフォアポンメルン=リューゲン郡に属している。
歴史編集
紀元前4000年頃から、どの民族かは不明ながら、定住者がいたと確認されている。その後、スカンディナヴィア人とゲルマン人がこの島に移住。彼らが離れた後、7世紀にスラヴ人が来島し定住した。三十年戦争中期の1632年にスウェーデンに占領され、1648年に三十年戦争の講和条約(ヴェストファーレン条約)によってスウェーデン領となった。大北方戦争において、プロイセン王国に占領されたが、1720年のストックホルム条約によってスウェーデンに返還された。その後もスウェーデンのヨーロッパ大陸における前線基地となったが、ナポレオン戦争期のキール条約によって、プロイセンに引き渡され、フォアポンメルン州(1945年まで)の一部となった。戦前日本では「龍源島」という表記も見られる。
ナチス・ドイツ時代には、海水浴場などを備えた巨大な保養施設がプローラで建設された。第二次世界大戦が始まったため使われることはなかったが、戦後は東ドイツ軍兵舎として利用され、現在は観光施設として再生が進んでいる[2]。
戦後は東ドイツのロストック県に属した。ドイツ再統一後はメクレンブルク・フォアポンメルン州に属し、現在に至る。バルト海海底を通ってロシアからドイツに天然ガスを送るパイプライン「ノルド・ストリーム2」建設用の工場がある[3]。
観光編集
リューゲン島はドイツ本土のシュトラールズントと橋で繋がっている。また、シュトラールズントやグライフスヴァルト、ヴォルガストからフェリーや小型客船も出ている。東海岸は込み合った観光地になっており、そのうちの幾つかはドイツ鉄道の本土直通列車のほか、リューゲン海浜鉄道の狭軌線で定期運行される蒸気機関車列車でもアクセスできる。ヤスムント国立公園がある。
主要都市編集
リューゲン島出身の人物編集
- シュテフィ・ネリウス - やり投げ選手
- ハンス・ラングスドルフ - ドイツ海軍大佐
リューゲン島との姉妹都市編集
出典編集
- ^ 『世界の美しい色の町、愛らしい家』エクスナレッジ、2015年、164頁。ISBN 978-4-7678-1932-7。
- ^ ナチスの幻の国民余暇キャンプ、再生事業で海辺のリゾートにAFPBB(フランス通信社)、2016年9月10日
- ^ 【現場報告トランプと世界】パイプライン計画(その1)欧州に「露ガス買うな」米、制裁でくさび『毎日新聞』朝刊2017年11月26日