リンゴ

セイヨウリンゴの果実

リンゴ(林檎[5]学名: Malus domestica, Malus pumila)とは、バラ科リンゴ属の落葉高木、またはその果実のこと。植物学上ではセイヨウリンゴと呼ぶ。、白または薄紅の咲くとの関わりは古く、紀元前から栽培されていたと見られ、16世紀以降に欧米での生産が盛んになり、日本においても平安時代には書物に記述がみられる。現在世界中で生産される品種は数千以上といわれ、栄養価の高い果実は生食されるほか、加工してリンゴ酒ジャムジュース、菓子の材料などに利用されている。西洋美術、特に絵画ではモチーフとして昔からよく扱われる。

リンゴ(林檎)
果実
分類
: 植物界 Plantae
階級なし : 被子植物 angiosperms
階級なし : 真正双子葉類 eudicots
: バラ目 Rosales
: バラ科 Rosaceae
亜科 : サクラ亜科 Amygdaloideae[1]
: リンゴ属 Malus
: セイヨウリンゴ M. pumila
学名
Malus domestica
Borkh. (1803)[2]
シノニム
和名
セイヨウリンゴ(西洋林檎)
リンゴ(林檎)
英名
Apple

名称

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セイヨウリンゴの標準植物学名は Malus domestica [2]といい、そのシノニムとして Malus pumila var. domestica [3]Malus pumila [4]ともよばれている。栽培種には Malus domestica Borkh. という学名がある。主に栽培種が複数の野生種の雑種であるという立場から使われる。

和名に「リンゴ」と名がつく別種として、ワリンゴMalus asiatica [6]、広義のエゾノコリンゴMalus baccata [7]、シベリアリンゴは Malus baccata var. baccata [8]エゾノコリンゴは、Malus baccata var. mandshurica [9]、タイワンリンゴは Malus doumeri [10]という。

日本語においては漢字で主に「林檎」と書くが、この語は本来、中国原産のリンゴで、同属別種の野生種ワリンゴ漢名である。また、「檎」(音読みはキンまたはゴ[11])を「ゴ」と読むのは慣用音で、本来の読みは「ごん」(呉音)[12][13]「きん」(漢音)であった。なお、中国では、古く西洋から伝わったリンゴを「奈」「頻婆」「苹果」などと表する[14]

日本では、古く中国から伝わったワリンゴ(和林檎)が、リンゴと呼ばれるようになった[15]。しかし現在、日本で広く栽培されているリンゴのほとんどはセイヨウリンゴである[15]。古名は、リウゴウとよばれた[16]

植物学上の特徴

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リンゴの原産地はアジア西部といわれ[16]北部コーカサス地方が有力視されている[17][18]DNA分析から、今日食べられているすべてのリンゴの祖先植物は、カザフスタン東部に広がる天山山脈の斜面の森林に自生するマルス・シエウェルシイMalus sieversii)という野生リンゴの木であったことがわかっている[19]。今から約5000年から1万年前に栽培植物化され、そこから好ましい性質を持つリンゴが徐々にシルクロード沿いに西に運ばれることになったと言われている[19]。リンゴは他家受粉するが、種子から育ったリンゴは親に似ない性質であることが多く、人の手に届かない高さになり、甘かったり酸っぱかったりした[19]。その後、接ぎ木の技術が開発され、好ましい木から穂木(ほぎ)を採り、矮性台木に接ぐことで、偶然が生み出した美味しいリンゴ果実を確実に再現する収穫しやすい高さの木が作り出された[19]。現代のリンゴの木は、すべて接ぎ木によって増やされており、数世紀をかけて交配が繰り返されてきた結果、多様な品種が作出されている[19]。現代のリンゴは7500以上の品種が栽培されており、亜寒帯亜熱帯および温帯で栽培可能である。暑さに弱いため、熱帯での栽培は難しい。近親交配や同系交配が繰り返される中、リンゴの遺伝的多様性はゆっくりと失われつつあり、将来新しい形質を持つリンゴを開発するために必要となる遺伝子が失われている可能性も指摘されている[19]

リンゴの木は落葉高木で、日本の栽培種を放任栽培すると高さは8メートル (m)にもなる[16]。栽培されているものは低く作られる[20]樹皮は灰色でほぼ滑らかであるが、老木は不規則に剥がれる[20]。一年枝は暗紅紫色で毛が密生し、二年枝は短枝もよくできる[20]。小枝は白い皮目が目立つ[20]

花期は晩春頃(4 - 5月)で[20]、白い5弁花が開花する[16]。品種によりまちまちであるが、8 - 11月にかけて果実が実り、収穫される[16]

リンゴの果実は直径約3 - 15 センチメートル (cm) 、重さ約35 - 1000グラム (g) 。外皮の色は黄緑または黄色をしている。熟するとヘプタコサンを含んだ状の分泌物に覆われる。果肉は淡黄色から白色の品種が多い。外皮近くなど果肉が赤からピンク色になる赤肉系の品種もある。以前、こうした赤肉系の品種は渋みが強く生食に向かなかったが、2010年代になると日本では生食でも美味な赤肉系が品種改良により相次ぎ生み出された。弘前大学(青森県)の「紅の夢」「HFF60」「HFF33」、農研機構の「ローズパール」、信州大学の「レッドセンセーション」[21]、青森県五所川原市の「栄紅」(えいこう)や「レッド キュー」[22]などである。

リンゴのは比重が大きいため、水の中に入れると沈む。果実の他の部分は比重が小さいため水に浮かぶ。

冬芽は卵形や円錐形で白い綿毛に覆われていて、枝先に頂芽がつき、枝に側芽が互生する[20]。葉痕はV字形で、維管束痕が3個つく[20]

歴史

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欧米

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スイス地方の先住民族といわれている湖棲民族の遺跡からはリンゴの化石が発見されており、推定4,000年前にはリンゴが栽培されていたと考えられている[18]ヨーロッパに広まったリンゴは、16世紀から17世紀頃にかけてヨーロッパ中部以北各地で栽培が盛んとなり、19世紀中頃にはイギリスが大産地となった[18]

アメリカ合衆国には17世紀前半、ヨーロッパからの移住民によってもたらされ、新種の開発や枝変わりの発見など大きな発展を遂げた。以後、世界各地で栽培されている品種のほとんどはアメリカに由来するものとなっている[18]

中国

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中国の新疆黄河の西の地域は中国最古のリンゴ生産地で、中国東北部は小玉リンゴの生産地となっていた[23]

中国の書物『本草綱目[24]に「林檎一名來禽、言味甘熟則来禽也。」(林檎(りんきん)の果は味が甘く能く多くの禽(の意)をその林に来らしむ。故、来禽(らいきん)の別名がある)との記述がある。

19世紀半ばになると中国にも西洋リンゴが導入され、商業的に生産されるリンゴのほとんどが西洋リンゴとなっている[23]

2000年頃には「富士」を中心に大量生産され、現在世界最大のリンゴ産地となっている。

日本

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日本にはアメリカから文久年間(1861 - 1864年)ごろに到来したという説と、明治初年に北海道函館に入ったドイツ人のR・ゲルトナー(ガルトネル)がもたらしたという説がある[25]ワリンゴが日本へ最初に持ち込まれたのは中国からと考えられており[5]、現在栽培されている西洋リンゴの品種は、そのほとんどが明治初期にアメリカから持ち込まれたものがルーツとなっている[5]。すると、日本でも西洋リンゴの方が一般的になり、それまでの種は「和リンゴ」などと呼ばれて区別された。

ワリンゴ

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平安時代中頃の書物『和名類聚抄』には「利宇古宇(りうこう/りうごう)」としてリンゴが記述されており、これが訛って「りんご」になったと考えられている。地域によっては「リンキ」という古名も伝わる。

戦国時代に、近江国(現在の滋賀県)の戦国大名であった浅井長政は領内の木之本の寺から届けられたリンゴに対する礼状を同寺に届けており、この書面は現存している。他にも、安土桃山時代出羽国(現在の山形県)の大名であった最上義光の家臣の北楯利長が、主君の義光にとリンゴを贈ったことが、義光から北楯への文書(礼状)から判明している。

江戸時代浮世絵師・葛飾北斎の絵にリンゴの花が描かれるなど、実よりはどちらかといえば花が珍重されていたこともあったが、およそ食用として各地域に伝承されていた。また、仏前の供え物として多用された。天明7年6月7日1787年7月21日)に発生した御所千度参りと呼ばれる事件の際、京都市中に溢れ返った3万から7万人ともされる人数に対し、後桜町上皇からは3万個のリンゴが下賜配布された記録がある。当時、権力の中枢とはいえず、裕福でもなかった皇室が即座に3万個ものリンゴを放出した記録により、基本的に食用ではなく仏事用であるとしても、大規模な栽培・集荷・流通が行われていたことが分かる。

後に和リンゴの栽培・流通は極少数となったが、例えば長野県上水内郡飯綱町では、わずかな農家が栽培してその姿を伝えている[26]。この和リンゴの実は、大きさ直径3 - 4 cm、重さは30 gぐらい。熟すると赤くなり、収穫適期はお盆前である。

2003年より「彦根りんごを復活する会」が、全国に残存する和リンゴや野生種を調査し、数十種類の木(数百本)を育て、収穫した果実はお盆に各地の寺社に奉納している。同じ滋賀県で前述の浅井長政ゆかりの木之本などでも復活・保存の動きがある。

セイヨウリンゴ

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初めて西洋リンゴが栽培された例としては、文久2年(1862年)、越前福井藩主で幕府政事総裁職であった松平春嶽がアメリカ産のリンゴの苗木を入手し、それが江戸郊外巣鴨の福井藩下屋敷にて栽培されていたと残る記録が有名である[27]。またそれより先、安政元年(1854年)に、アメリカからもたらされた「アッフル」が加賀藩下屋敷(板橋宿)にて栽培され、翌年に実をつけたために食用とされたことが、当時の加賀藩士の記録[28]に残っている。藩主(前田斉泰)から「小さな餅に塗って食べるように」と言われて近習らはそのようにしていることから、ジャムにして食したものと思われる[29]

これらの栽培は、当然ながら藩主直接の手によるものではなく、栽培の能力を持った家臣や屋敷近隣の農家や植木屋が関わっていた。板橋と巣鴨は近隣であり、双方での栽培に関わった人物間の何らかの交流や情報交換があったとも推測される。また福井藩下屋敷では接ぎ木により100本以上の樹が生えていたとされ、当時既にリンゴの株分け・接ぎ木のノウハウがあったとも推測される。また、この福井藩下屋敷の株を、藩と直接関係のない人物が藩邸出入りの植木屋を通して入手した話が伝わることなどから、これら2箇所の藩邸だけにとどまらず、もっと広く栽培されていた可能性がある。この両藩邸のリンゴの株の導入経路はどちらも「アメリカから」と伝わるが、正確な入手経路や品種などは明確になっていない。

明治4年(1871年)に明治政府の命を受けた北海道開拓使の次官黒田清隆民部省の細川潤次郎は[17]、アメリカから国光など75品種の苗木を持ち帰り渡島国亀田郡七重村(現・北海道七飯町)の七重官園に植栽した。それが広がり出したのは明治7年(1874年)、内務省による配布が始まってからになる。現在の日本国内の主なリンゴ産地のほとんどは、七重官園にその起源を求めることができる。これらの生産がようやく軌道に乗ったのは明治20年代とされ、各産地でのその間の栽培定着の苦労を推測することができる。

接ぎ木の技術によって品種改良が進み、甘味や酸味、歯ごたえなどさまざまな品種が作られるようになった[5]

生産

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袋掛けをしないで成熟させるサンフジ
 
着色促進用の反射シートが敷かれた農場
2021年に林檎の生産
百万トン
  中国 46.0
  アメリカ合衆国 4.5
  トルコ 4.5
  ポーランド 4.1
  インド 2.3
世界 93.1
出典:国連のFAOSTAT[30]

リンゴ栽培に適した気候は、冷涼な地域であること、年間降水量が少なめであること、昼夜の気温差が大きいことなどを満たしていることが条件となる[31]。冷涼な環境はリンゴの貯蔵にも適している[31]

栽培法

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リンゴに限らず商品価値の高い果実を収穫するためには、開花直前から開花時期に優位な花を残す「花摘み」、結実後30日程度を目安に実を間引く「摘果」作業が必要である。リンゴには果実に袋をかける有袋栽培とかけない無袋栽培がある[5]。無袋の方が日光が多く当たり糖度も上がるが、ふじ等の一部の品種は果実の色を鮮やかにし商品価値を上げるため有袋栽培を行う[5]。また、有袋栽培には貯蔵性が向上する効果もあり、さび防止のためには遮光度の弱いを使用し、着色向上のためには遮光度の強い新聞紙や二重袋などを使用する。名称の頭に「サン」が付くリンゴは無袋で栽培されたことを示し[5]、見栄えは悪いが甘く美味しいリンゴが収穫される。着色には太陽光が大きな役割を果たすため、果実の日当たりをよくするため摘葉および玉まわし(着色具合を均一にするため、樹上の果実を回転させること)、太陽光を反射させるためのシートの敷設などが行われる[32]。これらの作業は農家にとって大きな負担となるため[32]、着色促進剤[33]が使われることもあるが、着色系と呼ぶ色付きの優れた選抜亜種[34]への更新も行われる。省作業になる「葉とらずリンゴ」は摘葉を行わない[35]。樹形は矮性が主流となっている。近年[いつ?]は花粉を媒介する昆虫の減少から人手による人工授粉も広く行われている。または摘花の省力化目的でギ酸カルシウム剤を散布する場合もある[36]

上記の栽培法で美観のために行う作業は400時間に達することもあるが、人手不足に加え消費者の意識が過度な外観重視から変化していることもあり、このような作業を止める試みもある[32]

樹形と台木

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台木として使われるカイドウ

日本にリンゴ栽培が伝えられたころと同様の伝統的な樹形で栽培する場合、台木は、マルバカイドウエゾノコリンゴ (Malus baccata)・ズミミツバカイドウ)が用いられる。

矮性栽培法は、1975年頃より普及が始まった樹高を低くし矮性栽培を行う方法で、リンゴわい性台木と呼ばれる特性を有した台木を使用する[37][38]。矮性栽培により生産者の肉体的負担の軽減や農薬散布の機械化に大きく貢献した。

多く利用されている矮性台木品種はイギリスのイーストモーリング試験場で収集・開発されたM系台木のM.9、M.26であるが、国内で開発された矮性台木品種では果樹試験場盛岡支場(現・農研機構果樹茶業研究部門盛岡研究拠点)で開発されたJM7をはじめとするJM系台木がある[39][40]。JM1、JM7、JM8は矮性[39]、JM5は極矮性[40]、JM2は半矮性であり[40]、生産者の求める矮性度合いに応じて選択か可能となっている。JM系台木はM系台木と異なり挿し木発根性が有るため取り木を行う必要がなく、耐水性に優れることから国内の栽培方法に適しており、果実糖度も高くなる特徴がある[39][40]

さらに、より高密度での栽培を行い、早期多収、均質生産、作業効率向上をめざした高密植栽培法が世界的に広まりつつある[41]

また、カラムナータイプと呼ばれる枝が横に広がらず、円筒形の樹形となる品種も存在する[42]

品種

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世界中では約1万5000以上の品種が存在するとみられており、日本には約2000種類あるといわれている[31]。日本の農林水産省に登録されている品種は177種で、うち品種登録が維持されているものは85種[43]。多くの有名な品種は誕生年が古く、品種登録されていない。前述のとおり多くの品種があるものの、国内リンゴ品種は主に7つの起源品種(国光、デリシャス、ゴールデンデリシャス紅玉、ウースターペアメイン、印度およびコックスオレンジピピン)に由来している[44]。品種の特徴の記述に、早生、中生、晩生といった収穫時期による分類が使われることがある。例えば青森県ではそれぞれ、8月20日頃までを極早生、9月20日頃までを早生、10月20日頃までを中生、それ以降を晩生としている[45]

「ふじ」

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ふじ」は1962年に青森県藤崎町で誕生し、日本で最も一般的に栽培され、世界において最も生産高の高い品種である。日本国外にも盛んに輸出され、名前も日本語の発音と同じ「Fuji」の名で親しまれている。中国・韓国・北アメリカ・オーストラリアなどでの栽培も多く、世界的にも最も生産量の多い[注 1]品種であることが2001年に米国人学者達による調査によって確認された。無袋で日光を十分に浴びさせて栽培したものは「サンふじ」の名で出荷される(「サンふじ」はJA全農長野の登録商標)[46]。早い時期に市場に出回る早生(わせ)ふじは同じ糖度の果実であっても甘みや酸味にばらつきがある。見た目は赤く色づいていても「ふじ」らしい食味がないことがある。ふじを品種改良をしたものは、小玉のふじ「姫ふじ(ひめふじ)」のほか「千秋」「こうこう」「シナノスイート」「北斗」「こうたろう」「ハックナイン」など多数である。

クラブリンゴ類

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クラブリンゴ類ロシア語版(クラブ・アップル:Crab apple)とは果実の小さいリンゴ属植物の総称。日本では小玉リンゴ姫リンゴといった総称で知られる。

特徴として一般的なリンゴに比べて果実が小さく、直径は 2, 3 cmから大きくても約5 cm程度、重さはわずか数グラムのものから大きくても約150 gほどにしかならない。果実の食味は一般的な林檎に比べて劣っていることから、縁日で売られるりんご飴や果実酒など主に加工用として用いられている。樹勢が小振りなため、街路樹や庭木や鉢植えでの観賞用としても用いられる。加工用として用いられる代表的な品種には「アルプス乙女」「姫小町」「あおもり乙女(ミニふじ)」「彦根りんご」「ワリンゴ」「ドルゴクラブ」などがある。観賞用として用いられる代表的な品種には「エゾノコリンゴ」「ズミ」などがあり、「ヒメリンゴ」の別名を持つ「イヌリンゴ」も観賞用に用いられている。

また「フラワーリング・クラブ・アップル」(Flowering crab apple) という種類は、花の観賞用として品種改良されたクラブリンゴ類である。リンゴ属であるためリンゴに似た 1, 2 cmくらいの赤い小さな実をつけることもあるが、結実しないことも多く、食用には不向き。代表的な品種として「ハナカイドウ」「長崎りんご(ミカイドウ)」「ウケザキカイドウ」「ノカイドウ」などのカイドウ類が知られており、これらは別名「ハナリンゴ」とも称されている。

主要品種と特徴

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品種名 登録年
育成地(機関)
元となる品種 収穫時期 特徴 備考
ふじ 1939年
農研機構[注 2]
国光
×
デリシャス
(Red Delicious)
10月中旬 - 日本国内の栽培が最も多く、世界的にも最も多く生産される品種。農林省の新津宏らが戦前に青森県で始めた育種の努力が実を結び、1958年に「東北七号」と仮称命名され、1962年に「ふじ」と命名された。品種名の由来は、育成地である青森県藤崎町(ふじさき)に因み、「富士山」にもかけているほか、育種者の一人が山本富士子のファンだったことも由来の一つ[47]。甘みが強く歯ごたえも良く、日持ちもする。袋がけをしないで日光に当てて栽培したものは「サンふじ」の名で出荷される。 [5]
レッド
デリシャス

(Red Delicious)
1870年
アメリカ
アイオワ州
偶発実生 9月中旬
- 10月上旬
年間生産量約930万t。日本では単に「デリシャス」と呼ばれることもある。1913年に岡山県「花房省吾」が導入したとされるが、1911年カリフォルニア州より北海道大学が導入[48]との説もある。
似た名前にゴールデンデリシャスがあるが、系統的には無関係。
ゴールデン
デリシャス
1914年
アメリカ
ウェストバージニア州
グライムス
ゴールデン

×
GoldenReinette
9月中旬
- 10月上旬
年間生産量約880万t。1923年日本に導入された。
王林
(おうりん)
1952年
福島県
伊達郡
桑折町
大槻只之助
ゴールデン
デリシャス
×
印度
10月中旬 - 緑色の果皮に斑点のついた外見が特徴の晩生品種で、果肉はやわらかくて果汁が多く、香りと甘みが強い。
貯蔵性が非常に優れており、春先まで出荷される。緑や黄色の状態で流通するのが一般的だが、果実が赤く色づくこともある。
[49]
紅玉
(こうぎょく)
英名:Jonathan
(ジョナサン)
1800年頃
アメリカ
ニューヨーク州
リック農園
偶発実生 9月下旬
- 10月中旬
アメリカ原産の古くからある品種。1871年に開拓使によって導入され、1900年に邦名を紅玉と命名された。
その名の通り艶やかな深紅のリンゴで、やや小玉で酸味が強く、果肉のきめは細かく芳香もある。
戦前は美味しいリンゴの代名詞として、国光とともに一世を風靡。戦後は酸味の強さから後継品種に追われるが、煮崩れしにくいうえに酸味ゆえに加糖調理でも風味を失わない特性があり、アップルパイなど焼き菓子には最適な品種のため、製菓用として根強い需要がある。
[5]
陸奥
(むつ)
英名:Crispin
(Mutsu)
1930年
青森県
ゴールデン
デリシャス
×
印度
大きさは、比較的大振り。贈答用の「文字入りりんご」としても用いられる青森県で育成された品種で、命名の由来は、同名の旧地名より。
香りが強くて果汁が多く、さっぱりした味わいがある。緑や黄色の状態で流通するのが一般的だが、果実が赤く色づくこともある。
[49]
国光
(こっこう)
アメリカ
バージニア州
原産
不明 10月下旬 - 1871年日本に導入。戦前から1950年代にかけては「紅玉」と並ぶ日本では最もポピュラーな品種であった。
原名はRall's Janet.
果皮は黒ずんだ赤色で、果肉はかたく、甘みは少なく比較的さっぱりした味わい。
「ふじ」などの交配親として利用された。現在[いつ?]黒石市でネット販売のみである。
つがる 1930年
青森県
りんご試験場
1975年
種苗登録
ゴールデン
デリシャス
×
紅玉
8月下旬
- 9月中旬
果皮は淡いピンク色。果汁が多く、甘みが強いが果肉は比較的柔らかい。
1970年に「青り2号」と仮称命名され、1973年に「つがる」と命名された。日本国内では「ふじ」に次ぐ生産高で、9月中旬から下旬にを迎える。袋がけしないで日光に当てて栽培したものは「サンつがる」の名で出荷される。
[5]
千秋
(せんしゅう)
1966年
秋田県
果樹試験場
1980年
種苗登録
東光
×
ふじ
9月中旬
- 10月中旬
250グラムと小ぶりで、歯ごたえがあり果汁が多い深紅のリンゴ。千秋公園の名から品種名がとられた。 [50][49]
アルプス乙女
(アルプスおとめ)
1964年
長野県
松本市
波多腰邦男
ふじ
×
紅玉
偶発実生
9月下旬
- 11月中旬
ヒメリンゴの一種で、最小級の大きさのミニりんご。実の重さは35 gほどである。 [49]
姫小町
(ひめこまち)
1988年
長野県
上伊那郡
中川村
(有)小町園
(民間育種)
アルプス乙女
実生
7月下旬
- 8月上旬
ヒメリンゴの一種で鮮紅色、実の重さ約80g - 100gの大きさのミニりんご。アルプス乙女に比して1か月以上早く、初夏に実をつける。観賞・生食兼用種で、実生時期と適度な実の大きさから縁日りんご飴に好んで用いられる。 [51]
世界一
(せかいいち)
(Sekai Ichi)
1930年
青森県
りんご試験場
デリシャス
×
ゴールデン
デリシャス
9月中旬
- 10月上旬
最大級の大きさ(500 - 1000 gほど)の品種で、その大きさが名前の由来になっている。果肉はややかため。 [49]
印度
いんど
1875年
弘前市
不明 9月中旬 - 水分が少なく歯ごたえに欠けるが、甘味が強くて酸味はほとんどない。
戦後、高級リンゴとして出回ったが、他品種が広がると共に一時姿を消す。
2002年頃より再び出荷されるようになった。料理用として焼きリンゴに向く。品種名の由来はインドではなくインディアナから。
[52]

(あさひ)
英名:McIntosh
マッキントッシュ
1870年
カナダ
アラン・マッキントッシュ
農園
偶発実生 10月中旬 北米ではポピュラーな品種。早生で強い芳香があるが、日持ちがしない。
日本では、ほとんど生産がされないが、積雪に強いことから北海道でわずかの農家で栽培されている。
[注 3]
ジョナゴールド
(Jonagold)
1943年
アメリカ
ニューヨーク州
農業試験場
ゴールデン
デリシャス
×
紅玉
9月中旬
- 10月上旬
果皮にわずかに縞が入る。1970年に秋田県果樹試験場によって日本に導入された。
シャリシャリ感がある果肉で酸味と甘みのバランスが良く(比較的酸味が勝る)、生食の他、酸味があるため、ジュースや菓子、料理に向く。
[49]

(いわい)
アメリカ 7月中旬
- 8月上旬
早生の小玉リンゴ。8月下旬に熟するが、8月上旬に未熟な状態で収穫される。
青リンゴ・供物用のりんごとして売られている。
フラワー オブ ケント
Flower of Kent
俗称、ニュートンのリンゴ。落ちる実を見て、ニュートンが万有引力の法則についてヒントを得たという逸話(後述)で知られる。
落果しやすい性質を持ち、生食用ではなく、料理用として使われる。味は渋みと酸味が強いが追熟させると甘く、酸の利いた味になるという。
[53]
シナノスイート 1978年
長野県果樹試験場
1996年
品種登録
ふじ
×
つがる
10月中旬 酸味がほとんどなく、果汁が多くて甘さも強く、香りも良い。「つがる」と「ふじ」の間を埋める品種として開発された。 [54][49]
シナノゴールド 長野県果樹試験場
1999年
品種登録
ゴールデン
デリシャス
×
千秋
10月中旬
- 11月中旬
果皮が黄色く色付き、360グラム前後とやや大きめ。果肉は固く糖度は高めで果汁が多く、甘さと酸味のバランスが良く、濃厚な味わいが楽しめる。
蜜が入らないことから貯蔵性に非常に優れる。日本国内よりヨーロッパでの評価が高く、2007年12月27日SKズードチロルへの栽培許諾の契約がなされた。
[55][49]
秋映
(あきばえ)
1993年
品種登録
長野県中野市小田切健男
千秋
×
つがる
9月下旬
- 10月上旬
甘さと酸味のバランスがよく、濃厚な味わいが楽しめる。果皮の色は濃厚な赤色。
リンゴの産地でも比較的温暖で低標高な地帯でも栽培に適す。つがるの特性を引き継いで、果肉がしっかりしていることと、食味が優れている。
[56][49]
ぐんま名月
(ぐんまめいげつ)
1971年
群馬県
1991年
品種登録
あかぎ
×
ふじ
9月下旬
- 10月下旬
群馬県の育成品種。ピンクがかった黄色の果皮で、果肉がやわらかくて果汁が多く蜜入り、糖度は15度程度で食味も良好[57] [58][59][49]
陽光
(ようこう)
群馬県
1981年
品種登録
10月中旬
- 10月下旬
大玉で甘さと酸味のバランスがよく、濃厚な味わいが楽しめる。
大玉な上に日持ちがよいため、贈答品としても使われる。歯ざわりが良く、食味が優れている。
[60]
紅の夢
(くれないのゆめ)
青森県
2010年
品種登録
紅玉
×
赤肉系の無名品種
果肉まで赤い品種。赤肉品種でありがちな渋味がなく、生食にも向く。弘前大が育成した。果実に光を当てずに育てると、皮は白くて果肉が赤い「逆転リンゴ」となる。着色料を使用せずに赤いリンゴ加工食品が作れるので、ジュースやジャムなどへの利用が試みられている[61]。2010年に品種登録された。品種改良の作業中に、「紅玉」に予定していた花粉とは別の花粉が付いたことにより偶然に得られた。花粉の出所になったリンゴの木は「エターズゴールド」だとされていた品種であったが、その後の調査でその木は「エターズゴールド」ではなく、品種不明のリンゴであることが明らかとなった。コルクスポットという斑点が出やすいという欠点もある。 [62][63]
 
早生ふじりんご、トキりんご、シナノスイート、王林りんごが店頭で売られている様子
  • 茜(あかね)- 皮は、赤色。大きさは、比較的小振りで酸味が強い。
  • 北上(きたがみ・きたかみ)- 皮は、赤色。大きさは、比較的小振り。命名の由来は、同名の地名より。
  • 金星(きんせい)- 青森県弘前市で育成された「デリシャス」系統の品種。袋がけ栽培では、果皮は黄色系クリーム色になる。大きさは、比較的大振り。さわやかな香りと酸味がある。命名の由来は、同名の惑星より[49]
  • 昂林(こうりん)- 皮は、赤色。大きさは、比較的小振り。「ふじ」の自然交配から生まれた品種。
  • スターキング デリシャス - 下が細くなる長楕円形の果実が特徴。果皮は黒味の強い赤色。大きさは、比較的小振りで酸味もあるが甘味が強い。完熟すると蜜入りのものもあるが、貯蔵性が低い[49]
  • 北斗(ほくと)- 「陸奥」と「ふじ」の交配種で、青森県で育成された品種。皮は、斑模様の赤色。大きさは、比較的大振りで甘味と酸味のバランスが良く甘い。袋がけせずに日光に当てたものは「サン北斗」の名で出荷される[49]
  • 黄王(きおう)- 「王林」と「千秋」の交配種。果皮が黄色く、その姿から「黄色い王様」→「黄王」と名付けられる。黄白色の果肉でやや硬め。香りが良く、果汁が多くて控えめな酸味が特徴で、甘みにも富んだ味わいとサクサクとした歯ごたえ[49]
  • シナノレッド -「つがる」に「ビスタベラ」を交配育成した品種。長円形の中玉で、甘みと酸味のバランスがよい。
  • 紅ロマン - 岩手県の江刺リンゴというブランドの新しい品種。程よい酸味があり、真っ赤なのが特徴。
  • 星の金貨(ほしのきんか、品種名:あおり15) -「ふじ」と「あおり3号」の交配種で、正式な品種名を「あおり15」という。「星の金貨」は登録商標で、2005年に青森県で名称登録された[64]。黄色の薄い皮が特徴。「ふじ」より甘みがある。
  • トキ -「王林」に「紅月」を交配育成したとされ、2004年に品種登録された、遺伝子型解析から「王林」と「ふじ」の交配であれば矛盾なく説明できることが分かった品種。400グラム前後あり比較的大きく、やや円錐形で、果皮が黄色い。果汁が多く、甘みと酸味のバランスがよい。10月上旬から収穫できる[49]
  • さんさ - ニュージーランド国立科学産業研究所において1969年(昭和44年)に農研機構(旧農林省園芸試験場盛岡支場)から送られた「あかね」の花粉を「ガラ」と交配させ生まれた実生。翌年盛岡支場に送られた実生を育成し、「盛岡42号」の系統名で系統適応性検定を受け、1986年(昭和61年)年に農林水産省育成農作物新品種。
  • レッドゴールド - 早生種・10月中旬収穫。蜜が入り、甘味が強く、食味が良い。実は硬めで多汁、250 g前後の円形果。濃い紅色の品種。種子親「ゴールデンデリシャス」×花粉親「リチャードデリシャス」
  • 姫神(ひめかみ)- 種子親「ふじ」x花粉親「紅玉」甘味と酸味のバランスが良く生食にも料理用にもできる。色は濃い赤で蜜が入りやすい。農研機構(旧果樹試験場盛岡支場)が育成。名前の由来は名峰「姫神山」から。
  • ハックナイン - 中生種・10月中旬収穫。甘酸適和で食味良好だが比較的柔らかく多汁。大きさは350 - 400 g程で長円形。果皮は赤色の縞状に着色。種子親「ふじ」×花粉親「つがる」1986年に種苗登録。北海道産りんご品種の第一号。
  • ブレイバーン (Braeburn) - 甘みが強く歯ごたえも良く日持ちもする。甘味と酸味のバランスが良く甘い。皮は、赤色。大きさは、比較的小振り。グラニースミス (Granny Smith) × レディハミルトン (Lady Hamilton) の2種類のリンゴを交配したものと考えられている品種。
  • ピンクレディ (Pink Lady) - レディウィリアムズ('Lady Williams') × ゴールデンデリシャス ('Golden Delicious') の2種類のリンゴを交配した品種。
  • ロイヤルガラ (Royal Gala) - キッズオレンジレッド ('Kidd's Orange Red') × ゴールデンデリシャス ('Golden Delicious') の2種類のリンゴを交配した品種。
  • ジャズ (Jazz) - ブレイバーン ('Braeburn') × ガラ ('Gala') の2種類のリンゴを交配した品種。
  • レッドデリシャス (Red Delicious) - 赤林檎系の品種。日本では単に「デリシャス」と呼ばれることもある。
  • ゴールデンデリシャス (Golden Delicious) - 黄林檎系の品種。'Golden Reinette' × 'グライムスゴールデン' が偶然掛け合わさってできた品種だと考えられている。
  • グラニースミス (Granny Smith) - 青林檎系の品種。Malus domestica × M. sylvestrisが偶然掛け合わさってできた品種だと考えられている。アップルパイを作るのに向いている。
  • ジョナサンJonathan、和名:紅玉)- 偶発実生種。強い酸味と滑らかな舌触りを特徴とする中型種。
  • カメオ (Cameo) - レッドデリシャス ('Red Delicious') × ゴールデンデリシャス ('Golden Delicious') の2種類のリンゴを交配した品種。世界一 (Sekai Ichi) の姉妹品種。
  • ブレナムオレンジ Blenheim Orange
  • ジェイムスグリーブアップル James Grieve apple
  • ノビーラセット Knobby Russet
  • シナノリップ - 長野県果樹試験場が開発し、2018年2月に品種登録された品種。「千秋」と「シナノレッド」の交配種[65]。出荷時期が8月中下旬と早く、強い甘みと酸味、果汁の多さが特徴で、高温でも色づきが良く、赤くなる[66]
  • ブラムリー (Bramley) - イギリス産の品種。果皮は緑色で、甘味は少なく酸味が強い。「クッキングアップル」ともよばれる調理用リンゴで、アップルパイやジャムなどに使われる[49]
  • 大紅栄(だいこうえい) - 青森県弘前市で作られた品種。大きさは400 - 600グラムになる大玉。果皮が紅色になり、酸味が少なく果汁が多い[49]
  • シナノピッコロ - 長野県で作られた2006年(平成18年)登録の品種。大きさ縦5センチメートルほどの小玉のリンゴで、甘味と酸味のバランスが良い[49]
  • しおりの詩 - 青森県で育成された極早生種で、8月中旬に収穫される。果肉がやわらかく、食味はなめらかでさっぱりした酸味がある[49]
  • シナノドルチェ - 長野県特産の「ゴールデン・デリシャス」と「千秋」の交配種。甘酸っぱくて果汁が多い[49]

果実

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産地

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リンゴの生産国トップ10
(単位 t)
順位 2010年 2011年 2012年
1   中国 33,263,000 35,985,000 37,000,000
2   アメリカ合衆国 4,214,599 4,275,108 4,110,046
3   トルコ 2,600,000 2,680,075 2,889,000
4   ポーランド 1,877,906 2,493,078 2,877,000
5   インド 1,777,200 2,891,000 2,203,000
6   イタリア 2,204,972 2,411,201 1,991,312
7   イラン 1,662,430 1,842,972 1,700,000
8   チリ 1,624,242 1,588,347 1,625,000
9   ロシア 992,000 1,200,000 1,403,000
10   フランス 1,778,433 1,857,349 1,382,901
世界 60,271,191 65,800,145 63,454,495
出典:UN Food & Agriculture Organization[68]

FAO(国際連合食糧農業機関)の統計によると、2013年の世界のりんご生産量は8,080万トンであった[18]。2013年の生産量では中国がトップでアメリカ合衆国トルコポーランドインドと続く[18]

中国

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中国ではリンゴの生産が急増しており、世界の5割弱の生産量を占めるに至っている[18]

2016年時点では、全生産高の約70%が日本で品種改良されたふじである[69]

中国北部の黄土高原渤海湾地域は日照時間や昼夜の温度差などの環境条件から、世界最大のリンゴ適地生産区となっている[18]。中国では、生産規模・主要品種・気候条件などにより6つのリンゴ生産区に分けられている[23]。特に主要なリンゴ生産区は渤海湾リンゴ生産区と中部リンゴ生産区である[23]

渤海湾リンゴ生産区
遼寧省南部・遼寧省西部・山東省東部を中心に、河北省・北京市・天津市などを含めた地域[23]
中部リンゴ生産区
北緯35度以南の江蘇省から陝西省にかけての地域[23]
陝西省は2008年ごろから山東省を越え、現在生産量1000万トンを超える中国最大のリンゴ生産省となっている。

中国では特に生食用果樹園と加工用果樹園の区分はなく、生食用として市場で売れなかった分を加工工場に送るのが一般的である[23]

日本

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日本におけるリンゴの収穫量、出荷量(2015年)[70]
都道府県 収穫量(単位 t) 出荷量(単位 t)
全国 811,500 727,700
青森県 470,000 427,300
長野県 157,200 139,000
山形県 50,600 44,400
岩手県 48,600 41,800
福島県 26,300 23,100
秋田県 22,900 20,300
群馬県 9,280 8,270
北海道 7,660 7,080
宮城県 3,740 3,190
岐阜県 1,990 1,790
富山県 1,510 1,320
広島県 1,420 1,360
山梨県 913 782
石川県 754 658

日本では、1962年(昭和37年)から1971年(昭和46年)の10年間に100万トンを超えたが、価格は低迷し、この時期から減少傾向となっている[18]

日本国内での主な産地は次の通り。青森・長野の上位2県が、全国生産量のおよそ75%を占め、ミカンとは対照的に冷涼な気候で育つ果樹の代表格である。

上記の道県以外にも、新潟県佐渡市、石川県金沢市、鳥取県大山町などに小規模な産地がある。

りんごを自治体の花・木に指定していることも多い。

  • 北海道
    • 余市町、釧路町、七飯町
  • 青森県
    • 青森県、弘前市、黒石市、平川市
  • 長野県
    • 長野市、飯田市、飯綱町

貯蔵・保存

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生産地

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低温倉庫または低温加湿倉庫で保存する。長期保存の場合、低温酸素二酸化炭素雰囲気(CA貯蔵)で行われる[71][リンク切れ][72]

消費者

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水分の蒸発を抑えるため、できるだけ密閉し冷蔵庫の野菜室などに入れることが望ましい。

栄養価

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りんご 皮むき 生[73]
100 gあたりの栄養価
エネルギー 240 kJ (57 kcal)
15.5 g
デンプン 正確性注意 12.4 g
食物繊維 1.4 g
0.2 g
飽和脂肪酸 0.01 g
多価不飽和 0.03 g
0.1 g
ビタミン
ビタミンA相当量
(0%)
1 µg
(0%)
12 µg
チアミン (B1)
(2%)
0.02 mg
ナイアシン (B3)
(1%)
0.1 mg
パントテン酸 (B5)
(1%)
0.03 mg
ビタミンB6
(3%)
0.04 mg
葉酸 (B9)
(1%)
2 µg
ビタミンC
(5%)
4 mg
ビタミンE
(1%)
0.1 mg
ミネラル
カリウム
(3%)
120 mg
カルシウム
(0%)
3 mg
マグネシウム
(1%)
3 mg
リン
(2%)
12 mg
鉄分
(1%)
0.1 mg
(3%)
0.05 mg
他の成分
水分 84.1 g
水溶性食物繊維 0.4 g
不溶性食物繊維 1.0 g
ビオチン (B7) 0.5 µg
有機酸 0.5 g

ビタミンEはα─トコフェロールのみを示した[74]。廃棄部位:果皮および果しん部
%はアメリカ合衆国における
成人栄養摂取目標 (RDIの割合。

果実は、ブドウ糖果糖蔗糖などの糖類と、リンゴ酸クエン酸酒石酸コハク酸などの有機酸のほか、ペクチンフラボノイドクエルセチン)、ビタミンAB1Cプロリンなどのアミノ酸、その他芳香物質を含んでいる[16]食物繊維やビタミンC、カルシウム鉄分カリウムが豊富で、カリウムは高血圧予防によく、食物繊維のペクチンには整腸作用がある[5]。有機酸や糖によるのどの渇き止め、清涼作用の効果と、タンニンがもたらす収斂作用により整腸・下痢止め作用がある[16]。滋養や保健に役立つとされ、食欲増進、消化促進、下痢の予防などの滋養保健に果実を生食するのがよく、常食すれば動脈硬化に役立つといわれている[16]

「1日1個のリンゴは医者を遠ざける」(An apple a day keeps the doctor away.) というがあるように、リンゴは栄養価が高い果実として食されてきた。リンゴに含まれるリンゴポリフェノールには脂肪の蓄積を抑制する効果があるともいわれる[75]。生産者の間では広く知られているが、5月から6月に摘果した直径3 cm程度の未熟果の一部は、秋まで土の上で腐らず残っている。この成分はポリフェノールの一種が関係していることが研究の結果明らかになった。

リンゴの蜜

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完熟したリンゴの断面中央の種子のまわりに現れる琥珀色の部分はソルビトールという物質で、俗にリンゴの「蜜」とよばれる[5]。蜜の部分は甘くないが、蜜入りリンゴは完熟しているため、全体が甘く感じる[5]。リンゴの品種によって蜜の入り方に違いが見られ、「サンふじ」や「スターキング」は蜜が入りやすく、「ゴールデンデリシャス」や「つがる」は蜜が入りにくい[5]

利用

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日本では95%が生食され、フランスで約60%が加工用、アメリカでは約40%がシードル(リンゴ酒)、ジャムゼリージュースに加工されている[16]

食用

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リンゴの果実の表面には薄い皮があり、皮に付着する農薬等の問題や、食べやすさの点から、皮をむいて食べられることが多いが、皮ごと食されることもある。皮むきにはナイフ包丁のほか、回転式のアップルピーラーが用いられることもある。また、リンゴを放射状に切り分けるアップルカッターが用いられることもある。味は酸味と甘みが強い。日本におけるリンゴの収穫は品種によるが9月中旬から11月中旬である。各品種とも収穫期間は約1か月程度と短いが、リンゴは高湿度低酸素状態で冷蔵保存することにより長期の貯蔵(およそ9か月間)が可能である。このため、リンゴの出荷は9月 - 翌年7月ごろまで約10か月間行われほぼ一年中食べることができる。

皮をむいたリンゴの果実は空気に触れると変色する(褐変、かっぺん)。これはリンゴに含まれるポリフェノールが空気中の酸素と結合するために起こる現象である[76]。これを防ぐために古くから知られているのが塩水に晒す方法である [77]。これは塩素イオンが、ポリフェノールを酸化する際に働く酵素を阻害する作用を持つことを利用したものである。フルーツサラダに加える場合は食塩水に代えて他の果物の缶詰内にある果汁を使用することもできる[77]。最も効果的に変色を防ぐにはレモン汁に晒すとよい。レモン汁に含まれるビタミンCが酸素と結びつき、ポリフェノールと結合した酸素をも奪うため、変色したリンゴも元の状態へと戻すことができる。

生のまま食用にするほか、ジュースリンゴジュース)やアップルパイジャム焼きリンゴ、リンゴ酒(シードルカルヴァドスなど)などにする。リンゴのスライスやプレザーブは製菓・製パン材料ともなる。また、まるごとで覆ったリンゴ飴が、縁日出店などで売られている。ドライフルーツにも加工される。また、サイダー(リンゴ酒、シードル)には、サイダー用の栽培品種があり、サイダーアップル (: Cider apple) と呼ばれている(例:'Kingston Black', 'Stoke Red', and 'Dymock Red')。このほか、りんごを用いた果実酢としてりんご酢がある。

リンゴの「蜜」は、ソルビトールが多く含まれている[78]バラ科の植物は、光合成産物のデンプン篩管を通じて転流するときに、デンプンの加水分解で生じたグルコースをソルビトールに変換する。スターキングデリシャスなど、リンゴの品種の一部では、果実内に転流してきたソルビトールを、グルコースやフルクトースといった糖に変換する代謝系が果実の成熟に伴って停止しても、果実内へのソルビトールの転流は継続する。そのため、果実内の維管束周辺にソルビトールが蓄積していわゆるリンゴの「蜜」と呼ばれる半透明部分を形成し、果実の成熟の指標となる。成熟の過程で蜜が生成されるもので、蜜(=ソルビトール)そのものが特に甘いわけではない。また、蜜が多くても、その実が甘いとは限らない。「ゴールデンデリシャス」「つがる」は蜜ができにくく、「ふじ」「スターキング」は蜜ができやすい。近年[いつ?]市場では蜜入りが好まれるが、長期保管したものは蜜が褐色に変化しやすい。

シラカバ花粉症を持つ人のうち一定割合の人がリンゴやモモなどバラ科の果物を食べた際に咽喉(のど)にアレルギー症状を起こすことが知られている[79]

加工製品では、保存中に生じるカビが生産する毒素のパツリンに汚染されている可能性がある事から、2003年にりんご果汁について50 μg/kgの基準値を設定された[80]

薬用

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果実は、リンゴ鉄エキス、リンゴ鉄チンキなど、補血剤の製薬原料としても用いられている[16]1835年、リンゴの木の樹皮からフロリジンが発見されている[81][82]。同じく木の樹皮から抽出されるキニーネのように、フロリジンは当初解熱薬や抗炎症薬、抗マラリア薬として使用されていたが[81]、後に腎臓の近位尿細管からのブドウ糖再吸収を阻害する作用を持つことが分かった[81]。SGLT受容体の阻害作用による効果であるが、フロリジンはSGLT2選択性が低く医薬品とすることはできなかった。フロリジンの分子構造を改良してSGLT2選択性を高め、副作用を低減した薬剤が糖尿病治療薬のSGLT2阻害薬として2013年3月にFDAに認可された[81]。日本では2014年から初のSGLT2阻害薬としてイプラグリフロジンの販売が始まり、2016年までに6種類の薬剤が流通している。なお、リンゴの果実には血糖を下げる効果はない。

本草綱目』第30巻[24]においては、果実は小児の閃癖(せんへき)に良いとされていた。

薬用する部位として、果実は林檎、葉は花紅葉(かこうよう)とも称する[15]民間療法では、胃酸過多、胃アトニー、慢性胃炎、慢性下痢症に、生リンゴ果実1個分をすりおろして食べたり[16]、ジュースにしたり、そのまま食べる[15]。子供は年齢に応じて量を加減する[15]。乳幼児の下痢に、すりおろしたリンゴ果実の果汁を飲ませるとよく、下痢が止まったら母乳、ミルクに切り替えるとよいといわれている[16]。アメリカ北東部のバージニア州周辺では、りんご酢蜂蜜を加えたものが保健飲料として、昔から飲まれている[16]あせもには、乾燥させた葉50グラムほどを浴湯料にして布袋に入れて風呂に入れる[15]

実験

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リンゴの果実はそれ自身が熟成するにつれてエチレンガスを多く発生する。そのためエチレンガスを必要とする実験によく使われる。

花の開花実験
まだつぼみの状態の花を2本それぞれ別のビニール袋に密閉し、片方にリンゴの果実を入れる。すると、リンゴを入れた方が先に開花する。
ツバキの落葉実験
葉のついたツバキの茎2本をリンゴの果実と一緒にしたものとそうでないものそれぞれ別の袋に密閉する。すると、リンゴと一緒にした方が先に落葉する。

熟成

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キウイフルーツの熟成
キウイフルーツはそれ自身では追熟しないので、リンゴの果実と同じ場所に保管して熟成の促進が行われる(食品総合研究所での研究参照)。その他の追熟しにくい果物(バナナやオレンジなど)も同様である。

このようにリンゴの果実から発生するエチレンガスは植物の熟成を促進するので、促進させたくない場合はそれぞれ別々に密閉して保存する必要がある。ただし、下記のような生育の抑制効果もある。

生育の抑制

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ジャガイモの発芽抑制
熟成したリンゴの果実とジャガイモを密閉状態に置くと、リンゴから発生するエチレンガスによりジャガイモの発芽が抑制される。
もやしの生育
熟成したリンゴの果実ともやしを密閉した状態で育てる。リンゴと一緒に育てると太いもやしができ、リンゴと一緒に育てない場合は細くて長いもやしとなる。

神話への登場

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聖書
旧約聖書に登場するアダムとイヴが、蛇にそそのかされて食べた「善悪を知る果実」(禁断の果実)はリンゴだとされる。慌てて飲み込もうとしたアダムが善悪を知る果実をのどにつかえさせ、これがのどぼとけの始まりであるとの故事から、男性ののどぼとけは「アダムのリンゴ」ともいわれる。しかし、食べたのがリンゴというのは後の時代に創作された俗説で、旧約聖書の舞台となったメソポタミア地方には当時野生リンゴは分布せず[83]、またその時代のリンゴは食用に適していなかった。また、これはむしろアンズを指すのではないか、という説が有力視されている[83]
ギリシャ神話
ギリシア神話には、「最も美しい女神に与えられる」といわれた黄金のリンゴを巡ってヘラアテナアフロディテの3女神が争い、遂にトロイア戦争に至るエピソードがある(パリスの審判[84]。また、ヘラクレスの12の冒険の中にもヘスペリデスの園から黄金のリンゴを取ってくる話がある。

リンゴに関する歴史的事件

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ウィリアム・テル
ウィリアム・テルヘルマン・ゲスラーの帽子に頭を下げなかったために逮捕され、息子の頭の上の林檎をで射るか、それとも死ぬかを選択することになり、一発で見事に林檎を射抜いた、という逸話がある。後にテルがスイス独立運動において英雄とされたことから、この「矢の刺さったリンゴ」というのはスイス人の好きなモチーフの一つであり、イラストなどになって様々な場面で登場する。児童福祉慈善切手に2回、普通切手にもテルの息子と共に登場していた他、1957年に発行され、1980年まで流通した第5次紙幣の最高額面1000フラン紙幣の裏面の地模様として矢の突き刺さったリンゴが描かれていた。また、電話や地下鉄の代用コインにも描かれたものがあった。
万有力学の法則とりんご
近代理論科学の先駆者であるアイザック・ニュートンは、木から落ちるリンゴを見て万有引力の法則のアイディアを得た、という逸話がある(詳細はアイザック・ニュートン#リンゴについての逸話を参照)。なお、この「ニュートンのリンゴ」は「フラワーオブケント」(Flower of Kent) という品種で、生食用ではなく料理用である。最初に「ニュートンのリンゴの木」と言われたものは既に枯れてしまったが、接木をして増やした2世代以降の木は世界各地で21世紀の現在も栽培されている。
1964年イギリス国立物理学研究所の所長ゴードン・サザーランドから日本学士院長・柴田雄次にニュートンのリンゴの苗木が寄贈されたが、防疫検査により、この苗木はすでに高接病ウイルスに汚染されていることが発覚。一時は焼却処分が検討されたが、学術上貴重なものであること等から例外的に東京大学理学部附属小石川植物園に隔離され、ウイルス除去の研究対象となった。1980年、ようやくこの木からウイルスに汚染されていない接ぎ穂の切り出しに成功。これ以降、ニュートンのリンゴは日本国内各地に移植されている。
ミス・ビードル号とりんご
世界初の日米間太平洋無着陸横断飛行を達成したミス・ビードル号が、日本の淋代海岸(青森県三沢市)を飛び立つ際に地元住民から機内食用として手渡されたものの中に、20個のリンゴがあった。また同機の離着陸地は共に、リンゴの産地でもあり、その縁で三沢市と米国ワシントン州ウェナッチ姉妹都市となった。

リンゴを使った知財

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アップル・レコード
英国のロックバンド ビートルズは1968年にレコード会社であるアップル・レコードを設立した。この会社のマークは、日本ではあまりポピュラーではない「グラニースミス・アップル」という品種がモデルである(形は丸ではなく若干横長の楕円形)。アップル・レコード名義のレコードジャケットには一部を除いて、目立つ位置にリンゴマークが描かれており、一目でアップル・レコードと判る。このリンゴマークはポール・マッカートニーが所有するベルギーの画家、ルネ・マグリットの青リンゴの絵がヒントになっている。ちなみにアップル・レコードの影響を受けて、食べ物を題材にしたマークのレコードレーベルが日本にもいくつか設立されている。
アップル(コンピュータメーカー)
コンピュータメーカーであるApple社 (Apple Inc.) は、リンゴを会社のロゴマークとしている(1997年頃までは6色、1999年以降はほとんど単色で用いられる)。「バイト」と呼ばれる右上の囓られた様な跡は、元々「Apple」の社名ロゴが重なっていた部分である。また同社の主力製品であるパソコン「マッキントッシュ(Macintosh、マック)」もリンゴの品種名「McIntosh」(日本名:旭)から採られている(オーディオメーカーの商標と区別する都合で綴りが変えられている)。
三菱・ミラージュ
三菱・ミラージュの初代モデルは、車体スタイルが青りんごのイメージでデザインされたといわれる。

リンゴにまつわる話

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  • 青森県が「ふじ」に並ぶ新たな品種として24年間におよぶ歳月をかけて開発した「あおり21」は、2006年3月に登録申請をし、2008年3月に『官報』に載ったが、農林水産省へ登録手数料6,000円を2回にわたり国から期限内に納めるように電話を受けたのにもかかわらず、県の担当者が納めず、同2008年10月17日に登録は抹消され幻の品種となった。これにより登録品種の名称は登録年月日に遡って育成者権の消滅日ともなった[85][86][87]。のち2010(平成22)年10月に春明21の名で商標登録を受けている。
  • リンゴの産地である青森県の弘前実業高校藤崎校舎は、「りんご科」という学科を設置している。

ことわざ

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  • リンゴが赤くなると医者が青くなる - 英国ウェールズ由来の英語のことわざで、「一日一個のリンゴ、医者知らず」(英: An apple a day keeps the doctor away) である。「一日一個のリンゴは、医者を追っ払う」ともいう[88]。「リンゴをよく食べると健康に良い」という生活の知恵からことわざが生まれた。まれにリンゴがトマトミカンに変わる。リンゴは昔から栄養的効能がもっとも優れた果実であることが知られ、あるいは代表的な果実として古くから位置づけられてきたことを如実に表わしている[88]

符号位置

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記号 Unicode JIS X 0213 文字参照 名称
🍎 U+1F34E - 🍎
🍎
RED APPLE
🍏 U+1F34F - 🍏
🍏
GREEN APPLE

脚注

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注釈

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  1. ^ 1999年で五割のシェア。
  2. ^ 旧農林省園芸試験場東北支場。
  3. ^ AppleパソコンMacintosh」の名前の由来。

出典

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  1. ^ McNeill, J.; Barrie, F.R.; Buck, W.R.; Demoulin, V.; Greuter, W.; Hawksworth, D.L.; Herendeen, P.S.; Knapp, S.; Marhold, K.; Prado, J.; Reine, W.F.P.h.V.; Smith, G.F.; Wiersema, J.H.; Turland, N.J. (2012). International Code of Nomenclature for algae, fungi, and plants (Melbourne Code) adopted by the Eighteenth International Botanical Congress Melbourne, Australia, July 2011. Regnum Vegetabile 154. A.R.G. Gantner Verlag KG. ISBN 978-3-87429-425-6. http://www.iapt-taxon.org/nomen/main.php?page=art19  Article 19.5, ex. 5
  2. ^ a b 米倉浩司・梶田忠 (2003-). “Malus domestica Borkh. セイヨウリンゴ(標準)”. BG Plants 和名−学名インデックス(YList). 2023年2月1日閲覧。
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関連項目

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外部リンク

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