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ジス・ボーイ」(This Boy)は、ビートルズの楽曲である。レノン=マッカートニー名義となっているが、ジョン・レノンによって書かれた楽曲[3][4]。イギリスでは1963年11月に発売されたシングル盤『抱きしめたい』のB面に収録されて発売された。アメリカでは1964年1月に発売されたキャピトル編集盤『ミート・ザ・ビートルズ』のA面3曲目に、カナダでは1964年3月9日に発売されたシングル盤『オール・マイ・ラヴィング』のB面に収録されて発売された。シングル盤発売当時の邦題は「こいつ」。本作は、1964年2月16日に放送された『エド・サリヴァン・ショー』に出演した際に演奏された。

ジス・ボーイ
ビートルズ楽曲
英語名This Boy
リリース
  • イギリスの旗 1963年11月29日
  • カナダの旗 1964年3月9日
  • 日本の旗 1964年2月5日
規格7インチシングル
A面
録音
ジャンル
時間2分15秒
レーベル
作詞者レノン=マッカートニー
作曲者レノン=マッカートニー
プロデュースジョージ・マーティン
ビートルズ シングル U.K. 年表
ビートルズ シングル 日本 年表
パスト・マスターズ Vol.1 収録曲
抱きしめたい
(A-6)
ジス・ボーイ
(A-7)
抱きしめたい(ドイツ語)
(A-8)

1964年に公開された映画『ビートルズがやって来るヤァ!ヤァ!ヤァ!』では、「リンゴのテーマ」(Ringo's Theme (This Boy))と題されたジョージ・マーティンによる本作のオーケストラ・アレンジ版が使用され、ユナイテッド・アーティスツ・レコードから発売されたサウンドトラック・アルバム『A Hard Day's Night (United Artists)』に収録された。シングル盤としても発売され、アメリカでは最高位53位を獲得した。

曲の構成 編集

本作はレノンがスモーキー・ロビンソンのスタイルに触発されて書いた楽曲で[5]ドゥーワップのようなコード変更やメロディー、アレンジが取り入れられている。なお、アレンジはボビー・フリーマンの「You Don't Understand Me」[6]テディ・ベアーズ英語版の「逢った途端にひとめぼれ」に影響を受けている[4]

本作はレノン、ポール・マッカートニージョージ・ハリスンの3声コーラスが特徴となっており、後に発表された「イエス・イット・イズ」や「ビコーズ」でもこのコーラス・アレンジが取り入れられた。当初ミドルエイトにはギターソロが当てられていたが、レコーディング中に変更された[7]

レコーディング 編集

「ジス・ボーイ」のレコーディングは、1963年10月17日にEMIレコーディング・スタジオで行なわれた[8]。プロデュースはジョージ・マーティンが手がけ、15テイク録音され[8]、その後2回にわたってオーバー・ダビングが施された[9]。10月21日にミキシングが行われ[9]、2つのテイクを結合して最終マスターを作成した後にミドルエイトの最後のヴァースを切り貼りし、曲の最後がフェード・アウトするように編集された[4]

1996年に発売されたシングル盤『フリー・アズ・ア・バード』のカップリング曲として、本作のテイク12と13が収録されていて、同テイクでレノンは「Thas Boy」と歌詞を間違えて歌っている[10]

1963年10月21日にステレオ・ミックスとモノラル・ミックスが作成され、1966年11月に新たなステレオ・ミックスが作成された[10]が、ビートルズ活動中に発売されることはなかった。1966年11月に新たなステレオ・ミックスが作成されたのは、1966年発売のコンピレーション・アルバム『オールディーズ』のためのミキシング・セッションにて、EMIスタッフの連絡ミスにより「バッド・ボーイ」と「ジス・ボーイ」を取り違えて作成したため[10]。「ジス・ボーイ」のステレオ・ミックスは、解散後の1981年12月に発売された『ザ・ビートルズ EPコレクション』収録の『ザ・ビートルズ』のB面2曲目に収録された[10]。CD作品では、1988年3月に発売されたアルバム『パスト・マスターズ Vol.1』で初収録となった[10]

リンゴのテーマ 編集

リンゴのテーマ
ジョージ・マーティン楽団楽曲
収録アルバムA Hard Day's Night (United Artists)
英語名Ringo's Theme (This Boy)
リリース
  •   1964年7月18日
  •   1964年9月5日
規格7インチシングル
A面アンド・アイ・ラヴ・ハー
時間3分8秒
レーベル
作曲者レノン=マッカートニー
プロデュースジョージ・マーティン
チャート順位
後述を参照

ジョージ・マーティンがオーケストラ・アレンジを手がけた「ジス・ボーイ」のインストゥルメンタル・バージョンは、映画『ビートルズがやって来るヤァ!ヤァ!ヤァ!』の中でリンゴ・スターが川辺を歩くシーンで使用された。このバージョンは、「リンゴのテーマ」(Ringo's Theme (This Boy))と題され、1964年に発売されたシングル盤『アンド・アイ・ラヴ・ハー (オーケストラ・アレンジ版)』のB面に収録され、アメリカのBillboard Hot 100で最高位53位を記録した[11]

1964年6月26日にアメリカでユナイテッド・アーティスツ・レコードから発売されたサウンドトラック・アルバム『A Hard Day's Night (United Artists)』や、1965年2月19日にパーロフォンから発売されたマーティンのアルバム『ビートルズ・ヒット・ソング集英語版』にも収録されている。

クレジット 編集

※出典[8](特記を除く)

チャート成績 編集

週間チャート
チャート (1964年) 最高位
1
53
7

カバー・バージョン 編集

脚注 編集

出典 編集

  1. ^ Pedler, Dominic (2010). The Songwriting Secrets Of The Beatles. Omnibus Press. pp. 81-82. ISBN 9780857123466. https://books.google.com/books?id=O8w1cyT65ZIC&pg=PT81 
  2. ^ Past Masters - The Beatles|Songs, Reviews, Credits - オールミュージック. 2020年4月26日閲覧。
  3. ^ Harry 1992, p. 650.
  4. ^ a b c MacDonald 1998, p. 92.
  5. ^ Sheff, David (2000). All We Are Saying. New York: St. Martin's Griffin. p. 193. ISBN 0-312-25464-4 
  6. ^ Rowley, David (2013). All Together Now, the ABC of the Beatles songs and albums. Troubador Publishing. pp. 183-184. ISBN 1780884400 
  7. ^ Lewisohn 1988, p. 36.
  8. ^ a b c Womack 2016, p. 487.
  9. ^ a b c Womack 2017, p. 183.
  10. ^ a b c d e Winn 2008, p. 86.
  11. ^ a b The Hot 100 Chart”. Billboard (1964年8月22日). 2020年10月1日閲覧。
  12. ^ CHUM HIT PARADE: Week of March 23, 1964”. CHUM Chart. 2006年11月7日時点のオリジナルよりアーカイブ。2022年4月6日閲覧。
  13. ^ The Beatles Chart History (Adult Contemporary)”. Billboard. 2022年4月6日閲覧。
  14. ^ Bush, John. Sweet Soul - Joe Bataan | Songs, Reviews, Credits - オールミュージック. 2020年11月26日閲覧。
  15. ^ Schnee, Stephen. Seamless - The Nylons | Songs, Reviews, Credits - オールミュージック. 2020年11月26日閲覧。
  16. ^ “竹内まりや「まるで学生時代に戻ったような」新曲PV公開”. 音楽ナタリー (ナターシャ). (2013年5月28日). https://natalie.mu/music/news/91551 2020年11月26日閲覧。 
  17. ^ Monalisa Twins Play Beatles & More - Monalisa Twins | Songs, Reviews, Credits - オールミュージック. 2020年11月26日閲覧。

参考文献 編集

外部リンク 編集