リンツァートルテ: Linzer Torte)は、リンツ地方発祥の菓子で、主にドイツオーストリアでよく食される。

リンツァートルテ

フランス語圏ではタルト・リンゼル: tarte linzer)と呼ばれる[1]

概要 編集

シナモンを効かせた生地にラズベリーのジャムを敷き詰め、生地を網目状に被せて炊き上げた姿は今日のトルテタルトと共通したものである[1]

タルトが誕生したのは15世紀後半から16世紀にかけてのことである[1]。今日ではトルテとタルトとはまったく別の菓子であるが、その祖は同じであり、リンツァートルテの形状はトルテとタルテが分岐した際の名残でもある[1]

リンツ地方が起源の焼き菓子で「世界最古のトルテ」とされる[2]

スポンジ生地ではなくヘーゼルナッツとバターをたくさん入れた生地を用いる[2]アカスグリ(レッドカラント)ジャムをはさみ、格子模様の生地で覆って周囲にスライスアーモンドなどをのせて焼き上げる[2]

ウィーンでは生地とジャムの間にオブラートをはさんで焼くことが多い。細長く作り、切り分けてシュニッテンにすることもある。

出典 編集

  1. ^ a b c d 吉田菊次郎「お菓子こぼれ話 リンツァートルテ」『ヨーロッパスイーツ街道-お菓子の宝庫を巡る-』時事通信出版局、2006年、12-13頁。ISBN 978-4788706705 
  2. ^ a b c アウトバウンド促進協議会. “美味しいヨーロッパ” (PDF). 航空新聞社. 2021年12月11日閲覧。

関連項目 編集