ルサルカ (ドヴォルザーク)
『ルサルカ』(Rusalka)作品114(B203)は、アントニン・ドヴォルザークが作曲した9作目のオペラ。全3幕。チェコ語。
概要編集
1900年に書かれ、翌1901年3月31日、カレル・コヴァジョヴィツの指揮で、プラハ国民劇場にて初演された。リブレット(台本)はヤロスラフ・クヴァピルが担当した。日本初演は1959年11月24日、東京・社会事業会館において、長門美保歌劇団により実現した[1]。
もっとも有名なアリアは第1幕からの「月に寄せる歌」(Měsíčku na nebi hlubokém)であり、単独で演奏されたり録音されることが多い。またヴァイオリン用に編曲され、映画のサウンドトラックに使用されてきた。
楽器編成編集
ピッコロ、フルート2、オーボエ2、イングリッシュホルン、クラリネット2、バスクラリネット、ファゴット2、ホルン4、トランペット3、トロンボーン3、チューバ、ティンパニ、シンバル、大太鼓、トライアングル、タムタム、ハープ、オルガン、弦五部、バンダ(ホルン、ハーモニウム)
演奏時間編集
約2時間25分
登場人物編集
あらすじ編集
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第1幕編集
ルサルカは、森の奥にある湖に住む水の精。ある日人間の王子に恋をし、魔法使いイェジババに人間の姿に変えてもらう。ただし、人間の姿の間はしゃべれないこと、恋人が裏切った時にはその男とともに水底に沈む、というのがその条件であった。美しい娘になったルサルカを見た王子は、彼女を城に連れて帰り、結婚する。
第2幕編集
結婚の祝宴でも口をきかないルサルカを、冷たい女だと不満に思った王子は、祝宴にやってきた外国の王女に心を移してしまう。祝宴の中、居場所をなくしたルサルカが庭へ出ると、水の精によって池の中に連れ込まれてしまう。王子は恐怖のあまり、王女に助けを求めるが、王女は逃げ去る。
第3幕編集
森の湖へ移されたルサルカに魔法使いは、元の姿に戻すには裏切った男の血が必要だと語り、ナイフを渡す。ルサルカは王子を殺すことはできないとナイフを捨ててしまう。ルサルカを探して王子が湖にやってくる。そこで彼は妖精たちから自分の罪を聞かされ、絶望的にルサルカを呼ぶ。王子はルサルカに抱擁と口づけを求める。それは王子に死をもたらすのだとルサルカは拒むが、王子は「この口づけこそ喜び、幸いのうちに私は死ぬ」と答える。ルサルカはもはや逆らうことをやめ、王子を抱いて口づけ、暗い水底へと沈んでゆく。
脚注編集
参考文献編集
- 作曲家別名曲解説ライブラリー6 ドヴォルザーク (音楽之友社)
関連項目編集
- 『人魚姫』 - ハンス・クリスチャン・アンデルセンの童話。主人公(アンデルセンの人魚姫の主人公は人魚の乙女、一方、ドヴォルザークのルサルカはスラヴの湖の水の精霊ルサルカ)などの相違点があるが、王子に恋し、人間になるなどのストーリーの類似性がある。ドヴォルザークとアンデルセンとは面識がなかった。
外部リンク編集
- ルサルカの楽譜 - 国際楽譜ライブラリープロジェクト