レイモンド・マーク・シーレイジRaymond Mark Searage, 1955年5月1日 - )は、アメリカ合衆国ニューヨーク州ナッソー郡フリーポート英語版出身の元プロ野球選手投手)。左投左打。

レイ・シーレイジ
Ray Searage
ピッツバーグ・パイレーツでのコーチ時代
基本情報
国籍 アメリカ合衆国の旗 アメリカ合衆国
出身地 ニューヨーク州ナッソー郡フリーポート英語版
生年月日 (1955-05-01) 1955年5月1日(68歳)
身長
体重
6' 1" =約185.4 cm
180 lb =約81.6 kg
選手情報
投球・打席 左投左打
ポジション 投手
プロ入り 1976年 MLBドラフト22巡目
初出場 1981年6月11日
最終出場 1990年9月30日
経歴(括弧内はプロチーム在籍年度)

経歴 編集

現役時代 編集

1976年MLBドラフト22巡目(全体518位)でセントルイス・カージナルスから指名され、プロ入り。現役時代は左のリリーフ投手として4球団でプレーし、実働7年で254試合に登板して11勝13敗11セーブ・防御率3.50の成績を残している[1]1992年に引退を表明した。

引退後 編集

引退後は1994年よりカージナルス傘下やタンパベイ・デビルレイズ傘下などマイナー各球団で投手コーチを務めた[2]2010年8月8日からピッツバーグ・パイレーツで投手コーチに就任し、2019年まで務めた[3]

MLB屈指の"再生屋"コーチ 編集

投手の個性を尊重し、「シンプルに考え、いつも明るく」という哲学[4]を持ってコミュニケーションを取ってキャリアを好転させるなど、投手コーチとしての手腕は球界内でも評価が高い。

個性を尊重するきっかけになったのは、現役晩年の1991年クリーブランド・インディアンススプリングトレーニングに参加していた時の出来事であり、この時コーチからレン・バーカーのように脚を高く上げるフォームで投げるように求められた。シーレイジはその指示に従ったが、ストライクがまともに投げられなくなった。翌1992年に引退を決めた時、「もし自分がコーチになることがあったら、同じようなことはしない。自分と同じような目に遭わせたくない。」と考えた[5]

パイレーツの投手コーチに就任後は、ツーシームを投げるのを禁じられていたチャーリー・モートン、空振りを取るのに躍起になっていたA.J.バーネットトミー・ジョン手術以降は不振が続いていたフランシスコ・リリアーノなど様々なタイプの投手の開花・再生に尽力している。

詳細情報 編集

年度別投手成績 編集





















































W
H
I
P
1981 NYM 26 0 0 0 0 1 0 1 -- 1.000 156 36.2 34 2 17 3 0 16 3 0 16 15 3.68 1.39
1984 MIL 21 0 0 0 0 2 1 6 -- .667 149 38.1 20 0 16 3 1 29 1 0 3 3 0.70 0.94
1985 33 0 0 0 0 1 4 1 -- .200 189 38.0 54 2 24 4 0 36 0 0 27 25 5.92 2.05
1986 17 0 0 0 0 0 1 1 -- .000 103 22.0 29 6 9 1 1 10 1 1 17 17 6.95 1.73
CWS 29 0 0 0 0 1 0 0 -- 1.000 117 29.0 15 1 19 3 0 26 0 0 3 2 0.62 1.17
'86計 46 0 0 0 0 1 1 1 -- .500 220 51.0 44 7 28 4 1 36 1 1 20 19 3.35 1.41
1987 58 0 0 0 0 2 3 2 -- .400 240 55.2 56 9 24 3 1 33 2 0 28 26 4.20 1.44
1989 LAD 41 0 0 0 0 3 4 0 -- .429 152 35.2 29 1 18 6 0 24 2 1 15 14 3.53 1.32
1990 29 0 0 0 0 1 0 0 -- 1.000 136 32.1 30 1 10 0 0 19 5 0 11 10 2.78 1.24
MLB:7年 254 0 0 0 0 11 13 11 -- .458 1242 287.2 267 22 137 23 3 193 14 2 120 112 3.50 1.40
  • 「-」は記録なし

背番号 編集

  • 44(1981年)
  • 41(1984年 - 1986年途中)
  • 36(1986年途中 - 1987年)
  • 59(1989年 - 1990年)
  • 54(2010年 - 2019年)

脚注 編集

  1. ^ 友成那智、村上雅則『メジャーリーグ・完全データ選手名鑑2015』廣済堂出版、2015年、347頁。ISBN 978-4-331-51921-9 
  2. ^ The Official Site of The Pittsburgh Pirates: Team: Manager and Coaches
  3. ^ Mark Polishuk (2019年10月3日). “Pirates Part Ways With Ray Searage, Tom Prince” (英語). MLB Trade Rumors. 2019年11月4日閲覧。
  4. ^ 「MLB30球団レポート ピッツバーグ・パイレーツ ニカシオの再生を支えるシーレイジ哲学」『月刊スラッガー』2016年7月号 日本スポーツ企画出版社 78頁
  5. ^ トラヴィス・ソーチック『ビッグデータ・ベースボール 20年連続負け越し球団ピッツバーグ・パイレーツを甦らせた数学の魔法』角川書店、2016年、201頁。ISBN 978-4-04-104102-4 

関連項目 編集

外部リンク 編集