レット・イット・ビー...ネイキッド

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レット・イット・ビー...ネイキッド』(Let It Be... Naked) は、2003年に発表されたビートルズリミックス・アルバム。CDは2枚組、アナログ盤は30cmLPと17cmEPのセットで発売された。日本盤を含む一部の地域でビートルズ作品としては初めてコピーコントロールCDが使用された一方、イギリス盤、アメリカ盤などは通常のCD-DAで発売された。この結果、音質の劣化が分かりやすい形で出たとされCCCD版(盤)は不評を買った[5]。その後、2010年に日本盤もCD-DAで再発売された。

レット・イット・ビー...ネイキッド
ビートルズリミックス・アルバム
リリース
録音
  • 1968年2月4日 (1968-02-04)、1969年1月2日 (1969-01-02) - 31日、1970年1月3日 (1970-01-03)
ジャンル ロック
時間
レーベル アップル・レコード
プロデュース
専門評論家によるレビュー
チャート最高順位
下記を参照
ゴールドディスク
下記を参照
ビートルズ アルバム 年表
  • レット・イット・ビー...ネイキッド
  • (2003年 (2003)
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概要編集

1969年1月のいわゆる「ゲット・バック・セッション」でレコーディングされた楽曲が、フィル・スペクターのプロデュースによりアルバム『レット・イット・ビー』としてまとめられ、1970年5月にリリースされた。しかし、アレンジがポール・マッカートニーの当初の意向とは異なった物であり、とりわけ「ザ・ロング・アンド・ワインディング・ロード」のアレンジには強い不満を抱いていた[6][7]

彼にとって「将来発売される“映画”のサウンドトラックとして、フィルのLPが使われるのは不本意」であり、「映画で聴けるテイクが、“ありのままの音”なのではないか」と思い至ったことから、 『レット・イット・ビー』を楽器パート別に録音されているマルチトラックテープそのものからトラック・ダウンし直し、映画の中で聴ける形に限りなく近くなるようにリミックスで再リリースするという計画に対し、リンゴ・スターオノ・ヨーコは同意し、ジョージ・ハリスンも2001年の死の前に同意した。

リミックス盤のリリースはメンバー総意の承認によりなされたが、ミキシングへはほとんど関与しなかった。ミキシングの方針はほとんどアビー・ロード・スタジオのエンジニア達によって決定され、最先端のテクノロジーが駆使された。しかしながら、演奏された楽曲にさらに音をかぶせて厚みを増したりするようなことはなされておらず、本来の「自然なままの」音(=裸、すなわち「ネイキッド」)を生かすことで当時のビートルズが作ろうとしていたアルバムに近づいたことは確かであり、アルバム・タイトルの由来になっている[注釈 1]

オリジナル版との違い編集

※楽曲のテイク違いについては各項目で解説しているため、一部簡潔に解説する。

本作は1970年に発売されたオリジナル版『レット・イット・ビー』から大きく変更されている。まず曲順が変更され、フィル・スペクターのプロデュースによってオーバー・ダビングされたオーケストラ合唱はすべてカットされた。また、ボーカルとドラムスの音がすべてスピーカーの中央に定位し、アルバム全体のサウンドが現代的になっている。このほか、オリジナル版に入っていたスタジオやルーフトップ・コンサートでのおしゃべりもカットされている。

また、オリジナル版に収録された楽曲のうち、「マギー・メイ」と「ディグ・イット」の2曲は、当初のコンセプトに適さないという判断からカットされた[8][9][注釈 2]。その代わりに映画で使用されたにも関わらず、オリジナル版には収録されていない「ドント・レット・ミー・ダウン」が追加された。ただし、シングル盤『ゲット・バック』に収録されているテイクではなく、ルーフトップ・コンサートで2回演奏された音源を融合させたもの。「アイヴ・ガッタ・フィーリング」についても、同じく2回演奏されたものを新たに編集した音源で収録されている[8][9]

ディグ・ア・ポニー」は、オリジナル版でエンディングのギターリフが1拍子早く入っていたが、本作ではデジタル修正されている。

フォー・ユー・ブルー」では、オリジナル版でカットされていたアコースティック・ギターのパートが復活している。

ザ・ロング・アンド・ワインディング・ロード」は、オリジナル版と本作で使用されたテイクが異なり、前者では1969年1月26日のテイクが採用されていたが、後者では1月31日の最終テイクをリミックスして使用している。このため、オリジナル版での「Anyway, you'll never know the many ways I've tried」というフレーズが、「Anyway, you've always known the many ways I've tried」となっている。

アクロス・ザ・ユニバース」は、コーラスやボーカルのオーバー・ダビングが除去され、ジョン・レノンのアコースティック・ギターとリード・ボーカルを主体としたシンプルなアレンジになっている。また、オリジナル版に収録のテイクやチャリティー盤『ノー・ワンズ・ゴナ・チェンジ・アワ・ワールド』に収録のテイクと異なり、テープの再生速度が変更されていないため、キーはオリジナルのニ長調(D)となっている。

レット・イット・ビー」では、全く異なるテイクを融合させており、ギターソロは映画『レット・イット・ビー』で聴けるものと同じテイクとなっている。また、ギターソロ直後のセクションで、シングルバージョンとオリジナル版に収録のテイクで生じていたピアノのコードのミスが、本作では修正されている。さらに、外部ミュージシャンによるブラス・セクションがカットされている。

また、本作のカバー・アートは、オリジナル版で使用されていた写真のモノクロネガとなっているが、ハリスンのみ異なる写真が使用されている[注釈 3]

収録曲編集

特記を除き、作詞作曲はレノン=マッカートニーによるもの。

#タイトル作詞・作曲リード・ボーカル時間
1.ゲット・バック(Get Back) ポール・マッカートニー
2.ディグ・ア・ポニー(Dig A Pony) 
3.フォー・ユー・ブルー(For You Blue)ジョージ・ハリスンジョージ・ハリスン
4.ザ・ロング・アンド・ワインディング・ロード(The Long And Winding Road) ポール・マッカートニー
5.トゥ・オブ・アス(Two Of Us) 
  • ポール・マッカートニー
  • ジョン・レノン
6.アイヴ・ガッタ・フィーリング(I've Got A Feeling) 
  • ポール・マッカートニー
  • ジョン・レノン
7.ワン・アフター・909(One After 909) 
  • ジョン・レノン
  • ポール・マッカートニー
8.ドント・レット・ミー・ダウン(Don't Let Me Down) ジョン・レノン
9.アイ・ミー・マイン(I Me Mine)ジョージ・ハリスンジョージ・ハリスン
10.アクロス・ザ・ユニバース(Across The Universe) ジョン・レノン
11.レット・イット・ビー(Let It Be) ポール・マッカートニー
合計時間:

ボーナス・ディスク: "Fly on the Wall"編集

1969年に行なわれたゲット・バック・セッションから抜粋された歌と会話を収録したボーナス・ディスク。再生時間は合計で21分55秒もある。

ボーナス・ディスクには、以下の楽曲が含まれる。特記がないものは、レノン=マッカートニーによる作品。

演奏編集

ビートルズ

外部ミュージシャン

チャート成績編集

認定・セールス編集

国/地域 認定 認定/売上枚数
オーストラリア (ARIA)[38] Gold 35,000^
ドイツ (BVMI)[39] Gold 100,000^
日本 (RIAJ)[40] プラチナ 500,000^
スウェーデン (GLF)[41] Gold 30,000^
イギリス (BPI)[42] Gold 100,000^
アメリカ合衆国 (RIAA)[43] Platinum 1,211,000[44]

*認定のみに基づく売上枚数
^認定のみに基づく出荷枚数

各国での販売形態編集

日付 レーベル 販売形態 カタログ番号
日本 2003年11月14日 (2003-11-14) 東芝EMI CCCD
  • TOCP-67300(ディスク1)
  • TOCP-67301(ディスク2/ボーナス・ディスク)
2004年1月21日 (2004-01-21) LP
  • TOJP-60121(ディスク1)
  • TOJP-60122(ディスク2/ボーナス・ディスク)
2010年11月3日 (2010-11-03) EMIミュージック・ジャパン CD
  • TOCP-70895(ディスク1)
  • TOCP-70896(ディスク2/ボーナス・ディスク)
2013年11月6日 (2013-11-06) USMジャパン
  • TYCP-60029(ディスク1)
  • TYCP-60030(ディスク2/ボーナス・ディスク)
イギリス 2003年11月17日 (2003-11-17) アップル・レコード CD 595 7132
LP 595 4380
ヨーロッパ諸国 2003年11月17日 (2003-11-17) パーロフォン CCCD 595 7142
アメリカ 2003年11月18日 (2003-11-18)
CD CDP 7243 5 95227 2 2

脚注編集

[脚注の使い方]

注釈編集

  1. ^ 出来上がったテープを聴いたリンゴによる「いいね!『裸の"LET IT BE"』って呼ぶ事にするよ!」というコメントが、ブックレットに書かれている。
  2. ^ ただし初回限定盤付属のディスク『Fly on the Wall』にセッション音源が収録されている。いずれもオリジナル版に収録テイクのものとは異なる。
  3. ^ ただし、オリジナル版で使用された画像もジャケット右端に部分的に映っている。

出典編集

  1. ^ Staff, Rovi. Let It Be... Naked - The Beatles | Songs, Reviews, Credits - オールミュージック. 2020年8月23日閲覧。
  2. ^ The Beatles: Let It Be... Naked”. Pitchfork (2003年11月20日). 2009年3月18日時点のオリジナル[リンク切れ]よりアーカイブ。2020年8月24日閲覧。
  3. ^ Sweeting, Adam (2003年11月14日). “The Beatles: Let It Be... Naked”. The Guardian (Guardian Media Group). https://www.theguardian.com/music/2003/nov/14/popandrock.thebeatles 2020年8月24日閲覧。 
  4. ^ Let It Be... Naked”. Rolling Stone. Penske Business Media (2003年11月20日). 2020年8月23日閲覧。
  5. ^ “コピーコントロールCDを徹底的に総括する”. asahi.com (朝日新聞社). (2004年11月30日). http://www.asahi.com/tech/apc/041130.html 2020年8月23日閲覧。 
  6. ^ The Beatles, Let It Be... Naked”. Pitchfork. 2018年11月17日閲覧。
  7. ^ “Let It Be”. Rolling Stone. https://www.rollingstone.com/music/albumreviews/let-it-be-19700611 201811-17閲覧。 
  8. ^ a b Hurwitz, Matt (2004年1月1日). “The Naked Truth About The Beatles' Let It BeNaked [sic]”. Mix magazine/ Penton Media, Inc. 2010年1月31日時点のオリジナル[リンク切れ]よりアーカイブ。2019年12月30日閲覧。
  9. ^ a b Archived copy”. 2004年6月7日時点のオリジナルよりアーカイブ。2019年12月30日閲覧。
  10. ^ "Australiancharts.com – The Beatles – Let It Be... Naked". Hung Medien. 2020年8月23日閲覧。
  11. ^ "Austriancharts.at – The Beatles – Let It Be... Naked" (in German). Hung Medien. 2020年8月23日閲覧。
  12. ^ "Ultratop.be – The Beatles – Let It Be... Naked" (in Dutch). Hung Medien. 2020年8月23日閲覧。
  13. ^ "Ultratop.be – The Beatles – Let It Be... Naked" (in French). Hung Medien. 2020年8月23日閲覧。
  14. ^ "The Beatles Chart History (Canadian Albums)". Billboard. 2020年8月23日閲覧。
  15. ^ "Danishcharts.com – The Beatles – Let It Be... Naked". Hung Medien. 2020年8月23日閲覧。
  16. ^ "Dutchcharts.nl – The Beatles – Let It Be... Naked" (in Dutch). Hung Medien. 2020年8月23日閲覧。
  17. ^ "The Beatles: Let It Be... Naked" (in Finnish). Musiikkituottajat – IFPI Finland. 2020年8月23日閲覧。
  18. ^ "Lescharts.com – The Beatles – Let It Be... Naked". Hung Medien. 2020年8月23日閲覧。
  19. ^ "Offiziellecharts.de – The Beatles – Let It Be... Naked" (in German). GfK Entertainment Charts. 2020年8月23日閲覧。
  20. ^ "GFK Chart-Track Albums: Week 47, 2003". Chart-Track. IRMA. 2020年8月23日閲覧。
  21. ^ "Italiancharts.com – The Beatles – Let It Be... Naked". Hung Medien. 2020年8月23日閲覧。
  22. ^ "Norwegiancharts.com – The Beatles – Let It Be... Naked". Hung Medien. 2020年8月23日閲覧。
  23. ^ "Charts.org.nz – The Beatles – Let It Be... Naked". Hung Medien. 2020年8月23日閲覧。
  24. ^ "Portuguesecharts.com – The Beatles – Let It Be... Naked". Hung Medien. 2020年8月23日閲覧。
  25. ^ "Swedishcharts.com – The Beatles – Let It Be... Naked". Hung Medien. 2020年8月23日閲覧。
  26. ^ "Swisscharts.com – The Beatles – Let It Be... Naked". Hung Medien. 2020年8月23日閲覧。
  27. ^ "{{{artist}}} | Artist | Official Charts". UK Albums Chart. 2020年8月23日閲覧。
  28. ^ "The Beatles Chart History (Billboard 200)". Billboard. 2020年8月23日閲覧。
  29. ^ "Ultratop.be – The Beatles – Let It Be... Naked" (in Dutch). Hung Medien. 2020年8月23日閲覧。
  30. ^ "Ultratop.be – The Beatles – Let It Be... Naked" (in French). Hung Medien. 2020年8月23日閲覧。
  31. ^ "Danishcharts.com – The Beatles – Let It Be... Naked". Hung Medien. 2020年8月23日閲覧。
  32. ^ "Dutchcharts.nl – The Beatles – Let It Be... Naked" (in Dutch). Hung Medien. 2020年8月23日閲覧。
  33. ^ "Lescharts.com – The Beatles – Let It Be... Naked". Hung Medien. 2020年8月23日閲覧。
  34. ^ "Italiancharts.com – The Beatles – Let It Be... Naked". Hung Medien. 2020年8月23日閲覧。
  35. ^ "Norwegiancharts.com – The Beatles – Let It Be... Naked". Hung Medien. 2020年8月23日閲覧。
  36. ^ "{{{artist}}} | Artist | Official Charts". UK Albums Chart. 2020年8月23日閲覧。
  37. ^ "The Beatles Chart History (Billboard 200)". Billboard. 2020年8月23日閲覧。
  38. ^ "ARIA Charts – Accreditations – 2003 Albums". Australian Recording Industry Association. 2020年8月23日閲覧
  39. ^ "Gold-/Platin-Datenbank (The Beatles; 'Let It Be... Naked')" (German). Bundesverband Musikindustrie. 2020年8月23日閲覧
  40. ^ Gold Album+...認定 2003年11月度」『The Record』第530号、日本レコード協会、2004年1月、 14頁。
  41. ^ "Guld- och Platinacertifikat − År 2003" (PDF) (Swedish). IFPI Sweden. 2020年8月23日閲覧
  42. ^ "British album certifications – The Beatles – Let It Be... Naked". British Phonographic Industry. 2020年8月23日閲覧 Enter Let It Be... Naked in the field Keywords. Select Title in the field Search by. Select album in the field By Format. Select Gold in the field By Award. Click Search
  43. ^ "American album certifications – The Beatles – Let It Be...Naked". Recording Industry Association of America. 2020年8月23日閲覧 If necessary, click Advanced, then click Format, then select Album, then click SEARCH
  44. ^ Week Ending April 7, 2013”. Yahoo! Music (2013年4月10日). 2016年5月17日閲覧。

関連項目編集

外部リンク編集