レッド・ガーディアン

レッド・ガーディアンRed Guardian)、または、アレクセイ・ショスタコフAlexei Shostakov)は、 マーベル・コミックが出版するアメリカン・コミックスに登場するスーパーヒーローである。レッド・ガーディアンは、キャプテン・アメリカに相当するソ連のキャラクターとして創造されたが、ソ連崩壊後もその名で登場している。

Red Guardian
出版の情報
出版者マーベル・コミック
初登場アベンジャーズ』 #43(1967年8月)
クリエイターロイ・トーマス
ジョン・バスセマ
作中の情報
本名Alexei Shostakov
所属チームウィンターガード
ソビエト・スーパーソルジャーズ
KGB
著名な別名ローニン
能力
  • 高度な技能を持つアスリート
  • 白兵戦の達人
  • エキスパートレベルのパイロット能力
  • ベルトバックルディスクの使用

発行履歴編集

キャラクター経歴編集

ソビエトの優秀なテストパイロットだったアレクセイは、バレリーナだった若きナターシャ・ロマノヴァと恋に落ち結婚する。しかしテスト飛行中の事故でアレクセイは死亡、ナターシャは悲しみにくれた。実はこの事故は世間を欺くためのもので、アレクセイはキャプテン・アメリカに対抗するソビエト版スーパーソルジャーの候補に選ばれ、密かに訓練を受けていた[1]

2人が再会したのは、ナターシャが亡命しS.H.I.E.L.D.のエージェントになった後のことだった。超人兵士レッド・ガーディアンとなっていたアレクセイは、母国の威信をかけてキャプテン・アメリカとの決闘に挑み、2人は互角の戦いを繰り広げるが、キャプテンが優勢になると見るや、アレクセイの上官が卑怯な不意打ちをしたことで決闘は中断された。プライドを傷つけられたアレクセイは、ナターシャとキャプテンを助け、味方の銃弾を浴び命を落とすのだった[1]

能力・装備編集

その他のバージョン編集

MCU版編集

マーベル・シネマティック・ユニバース』では、デヴィッド・ハーバーが演じる。日本語吹替は大塚明夫が担当する。

キャラクター像編集

ソ連キャプテン・アメリカに対抗する目的で生み出した、“レッド・ガーディアン”の異名を持つロシア人超人兵士。冷戦時代にはKGB所属のスパイとして活躍し[1]、1992年にドレイコフの指示でメリーナ・ヴォストコフの補佐・用心棒を引き受けて彼女とオハイオ州へ潜入し、ナターシャ・ロマノフエレーナ・ベロワの“父親”という役割で偽装家族を演じながら、現地での任務を3年間遂行した。

オハイオ州での潜入任務の頃までは、レッド・ガーディアンであることを誇りとし、母国の大義のために活動するだけでなく、潜入任務には「泣くほど退屈」と感じていたものの、メリーナやナターシャたちとも偽装家族の絆を育み、オハイオ州脱出時には“S.H.I.E.L.D.”の追撃から彼女たちを懸命に守ろうとするなど気骨のある漢だったが、“ノース研究所”から“ウィンター・ソルジャー計画”のデータを奪取して潜入任務が終了するとドレイコフに切り捨てられ、収監先の刑務所で20年以上投獄生活を強いられることになった。そのため、思想が歪んで粗略かつ単細胞で切り捨てられたことを認めたくない怯懦な気質となり、患った鬱病が激化すると[2]、実在しないキャプテン・アメリカとの戦いを織り交ぜた冷戦時代の武勇伝を囚人仲間たちに見栄を張って吹聴することに明け暮れ、外見もむさ苦しい髭面と、背中から両腕まで多数のタトゥー[注釈 1]が入った肥満体へと変わり果てるなど、在りし日のものとは程遠い姿となってしまった。

能力編集

科学の力で肉体を強化されたことから、全盛期に2トンの重量物を素手で持ち上げられたなど[1]、基礎身体能力は超人レベルで、柔道キックボクシングを混ぜ合わせたよう戦闘技能各種やスパイのテクニックにも精通している[1]

ツール編集

レッド・ガーディアンのユニフォーム(Red Guardian's Uniform)
アレクセイ/レッド・ガーディアンが、若き全盛期の頃の戦いで着用していたタクティカル・コンバット・スーツ[1]。キャプテン・アメリカのユニフォームと酷似した戦闘服ヘルメットで構成されるが、ソ連/ロシアの人々に強さと勇気のシンボルを与えられるように[1]胸部には大きな星マークが、額には赤い星がそれぞれあしらわれたデザインとなっており、を基調色に、灰色銀色もアクセントとして加えられ、アレクセイの能力を補強する性能まで有している[1]
アレクセイは誇るほどの思い入れをこのスーツに持っていたが、ナターシャたちとオハイオ州に潜入していた頃にはアレクセイの手元を離れていたようで[注釈 2]、現代においてはサンクトペテルブルク郊外にあるメリーナの実験用の養豚場に保管されており[注釈 3]、ナターシャたちと共闘することを決意したアレクセイがメリーナの下を訪ねた際に見つけて着用を試みるも、彼の衰えた肥満体ではスムーズに着込めず、アレクセイはうめき声をあげるほど苦労しながら着ることに成功。当然ながらアレクセイの体型に合わせて張り詰めてしまい、これを見たナターシャたちを閉口させている。

現在のところ、このほかの専用のツールは直接登場していないが、レッドルーム本部では、拾い上げたタスクマスターの盾を行使している。

活躍編集

ブラック・ウィドウ
本作でMCU初登場。
ある日、刑務所にナターシャとエレーナから送られてきた自分宛てのレッド・ガーディアンのフィギュアを受け取ると、刑務所からの脱走に乗り出して四苦八苦しながらも、援護したナターシャたちに引き上げられて脱獄に成功した。しかし彼女たちが探し求めるレッドルーム本部の在り処を知らないどころか、ナターシャとエレーナの“ウィドウ”としての所業を鼻高々に口にしたり、赴いたメリーナの養豚場でもユニフォームをスムーズに着用できず、無神経な失言を繰り返してナターシャとエレーナを辟易させるなど、家族としてオハイオ州の頃のように触れ合いたいという想いが裏目に出てしまった。
そこに駆けつけたレッドルームの戦闘部隊に麻酔を多数打たれてレッドルーム本部に連行され、閉じ込められるが、ナターシャに変装したメリーナに、自分が腰抜けであることと、キューバでナターシャたちが連れて行かれた際に止めようとしなかったことへの後悔を語ると、正体を表したメリーナに解放された。そしてタスクマスターとの戦いでは、超人的パワーは健在ながらも動作が鈍重になるほど衰えた[1]ことから苦戦を強いられたが、壊滅をはじめる本部の脱出時には、搭乗した輸送機を攻撃してきた機動隊員を盾の投擲で一蹴する活躍を見せた。結局輸送機は不時着したものの、メリーナと共に脱出に成功し、ナターシャやエレーナとも蟠りを解いた。そしてサディアス・ロス率いる当局の部隊が接近すると、ナターシャの心遣いを受けてエレーナとメリーナ、そして脱出してきたウィドウズとアントニア(タスクマスター)と共にその場を離脱し、ナターシャと別れることになる。

2024年公開予定の映画、『サンダーボルツ(原題)』にも出演が決定している[3]

その他のメディア編集

脚注編集

注釈編集

  1. ^ 左肩にはメリーナ・ヴォストコフの顔、右前腕にはナターシャ・ロマノフエレーナ・ベロワの名前が入っている。
  2. ^ オハイオ州での任務を終えた後にアレクセイは、キューバで再会したドレイコフにこれからまたこのスーツを着られることを尋ねていた。
  3. ^ メリーナ曰く「一度も洗ってない」。

参考編集