レ島(レとう、フランス語: Île de Ré)は、フランスシャラント=マリティーム県イル・ド・レとも呼ばれる。フランス有数のリゾート地で、冬季は1万6千人の人口の島が、夏季には人口が16万人にもなる。

レ島
所在地 フランスの旗 フランス
所在海域 大西洋
座標 北緯46度12分 西経01度25分 / 北緯46.200度 西経1.417度 / 46.200; -1.417
面積 85.32 km²
最高標高 20 m
プロジェクト 地形
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地理 編集

ラ・ロシェル西方の大西洋に存在する。島は長さ約26キロ、幅は70メートル(最も狭いところ)から5キロで、1988年にフランス本土のラ・ロシェルとをつなぐ全長2.9kmのレ島橋フランス語版が完成した。北側はブルトン海峡フランス語版、南側のオレロン島との間はアンティオシュ海峡フランス語版である。

西部のアルス=アン=レフランス語版の北側にはフィエ・ダルス湾フランス語版というがあり、その周辺には干潟、廃棄された塩田、淡水湿地ヨシ原カキの生息地、Omphalodes littoralisフランス語版などの塩生植物または海浜植物草地砂丘砂浜海岸岩石海岸およびZostera noltii英語版藻場がある。一帯にはオガワコマドリ亜種Luscinia svecica namnetumコクガンの亜種のネズミガン、ソリハシセイタカシギハマシギオグロシギの亜種のLimosa limosa islandicaなどの鳥類が生息しており、2003年にラムサール条約登録地となった[1]

行政 編集

島内には10のコミューンがある。

歴史 編集

ローマ時代に名前が登場する。1627年イングランドバッキンガム公ジョージ・ヴィリアーズ指揮で島は侵略を受けた(ラ・ロシェル包囲戦)。第二次世界大戦中はドイツ軍が駐留し、海岸に掩蔽壕(ブンカー)を据えた。掩蔽壕は現在も多く残る。1962年の映画『史上最大の作戦』のいくつかのシーンで、イル・ド・レの海岸が登場する。

 
第二次大戦当時のドイツ軍の掩蔽壕の跡

観光 編集

 
観光船バック号と建設中の本土とを結ぶ架橋、1987年の撮影、橋は既に完成している。

晴れの日が多く、風が穏やかなイル・ド・レは人気の観光地である。水温は概ね低いが、島の周囲は緩やかな傾斜のある砂浜である。パリから電車で3時間でラ・ロシェルへ来ることができ、タクシーで島へ渡れることから、週末に島の別荘を訪れる人が多い。休暇で訪れる人々の自転車が島内で目立つが、彼らが自家用車を持ち込むのは非常にまれである。キャンプ場ホテルが至る所にある。大きなスーパーマーケットがあるので長期滞在に便利である。夜には、港のサン=マルタン=ド=レフランス語版ラ・フロットフランス語版が賑わう。レストラン、営業時間の長い商店が軒を並べ、家族的な雰囲気である。新鮮なカキほか魚貝料理が食べられる。

産業 編集

大西洋に面したレ島では、12世紀初頭、シトー修道会(シトー会)により初めて塩田が作られて以来、現在に至るまで製塩が重要な島の産業になっている。なかでも、塩の花フルール・ド・セルは、繊細で深い味わいがあるという高い評価を得ている。

脚注 編集

  1. ^ Marais du Fier d'Ars | Ramsar Sites Information Service”. rsis.ramsar.org (2003年2月2日). 2023年4月19日閲覧。

外部リンク 編集