データログ
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概要編集
データログは出来事(イベント)とその時刻の記録である。例えば日記は出来事と日付のあつまりであり、データログの一種である。データログを生成・記録する行為をロギング(logging)という。
同様の意味で履歴(history)という語も用いられる。例えばサーバーへの接続履歴は慣用的に「アクセスログ(access log)」と呼ばれるが、ブラウザからの接続履歴は慣用的に「閲覧履歴(browsing history)」と呼ばれる。
慣用的に「履歴」の意味合いで「過去ログ」という語句が用いられるが、ログは全て過去のものでありこれは冗語である(過去ログ=過去履歴)。
ロギング(ログ記録)は「生成」「選別」「転送」「整形」「保存」等の段階を経る。
語源編集
ログは本来は船舶の速力を知るための測定儀をいった[1]。帆船時代、1mほどの丸太 (log) を船首から投下し船尾が到達するまでの時間を砂時計で測って船の速力を割り出していた[1](ノット参照)。それを記録したものが航海日誌でlogbookと呼ぶ[1]。電子用語でログという言葉が使われるようになったのは1963年ごろで、データ処理におけるイベントを体系的に記録することを指した。
コンピュータのデータログ編集
コンピュータにおけるデータログは電子的に生成・保存されるイベントの記録である。
データログは障害発生時の現象・原因特定などに利用される。利用に備えプログラムが自動的にイベントを記憶装置に記録する。ロギング機能を持つシステムの例として、工場のプロセス制御システムや航空機のブラックボックスが挙げられる。ウェブブラウザではウェブサイト閲覧履歴をログとして記録している。
ロギングは単一ソフトウェアで完結する場合も、分散されたソフトウェア群が協調して行われる場合もある。分散型ロギングの一例としては、アプリケーションがログを生成、集中ログルーターへ転送、ログ種別により選別、記録に適した形式へ整形し、データベースへ保存する。オペレーティングシステムやサーバで広く用いられる転送プロトコルとしてSyslog、ログルーターとしてFluentdがある。
データログの利用は人力あるいはソフトウェアによっておこなわれる。データログの形式は利用を前提として構造化しているとは限らないため、利用にあたって変換を含む解析が必要となる。例えば多様なウェブサイトのデータログから人間にとって分かり易い情報(訪問者数、アクセス頻度、訪問者環境、ボットか人間かなど)を取り出すためにウェブログ解析ソフトウェアが利用される。また複数のアプリケーションから得られたログを統合して解析することで、複数の無関係と思われるイベントがもつ関係性を解析する場合もある。
自動車のデータログ編集
自動車の性能特性は診断ポートを通して監視することができる (OBD2 など)。これにデータロガーと呼ばれる専用装置や PDA、ノートパソコンを接続してデータログを記録し、解析することができる。これは主にモータースポーツ用に改造された自動車で使われ、ログ解析結果を元に車載コンピュータの設定を変更してチューニングするといった使い方がされる。実際本来は、診断ポートは自動車修理の際の故障診断のために用意されている。
利用編集
データログはある時点における対象の情報である。ゆえにデータログは様々な目的で利用される。以下は利用例である。
例えばデータログはコンピューターの健全性を監視するために利用される。ロギングは以下のようなステップの第一歩として機能する。
出典編集
- ^ a b c 池田勝, 池田正男, 古今(こきん)用語撰」『らん:纜』 2002年 57巻 p.22-29, doi:10.14856/ran.57.0_22, 2020年6月17日閲覧。
参考文献編集
関連項目編集
外部リンク編集
- Beobachter - オープンソースのログファイル監視ソフトウェア
- Logtext - フリーなロギングユーティリティ(Windows)
- Pantheios - C++用ロギングライブラリー
- Mango M2M - データロギング・監視・デバイス制御のためのオープンソースソフトウェア
- A free PHP script for logging website access