ロコ・ソラーレ

北海道北見市の女子カーリングチーム
ロコソラーレから転送)

ロコ・ソラーレ(Loco Solare)は、LS北見という名称でも知られる日本の女子カーリングチーム。北見カーリング協会所属。練習拠点はアドヴィックス常呂カーリングホール2018年平昌オリンピック日本代表

No image.svg ロコ・ソラーレ Curling pictogram.svg
基本情報
創設 2010年
所在地 北海道北見市
使用施設 アドヴィックス常呂カーリングホール
オリンピック
出場回数 1回
出場大会
最高成績 33位 銅メダル
世界選手権
出場回数 1回
出場大会
最高成績 22位 銀メダル
日本選手権
優勝回数 1回
優勝大会
  • 2016
公式サイト
 
獲得メダル
日本の旗 日本
オリンピック
2018 平昌
世界選手権
2016 スウィフトカレント
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目次

概要編集

2010年、2度の冬季オリンピック出場を経験した本橋麻里が、それまでに自身も含め多くのカーリング選手を輩出[1]した地元・北見市において、市民の生涯スポーツとして広い年代に親しまれている[1]カーリングの地盤がある一方で、アスリートとして世界レベルを目指しトップレベルで競技続行できる環境(特にスポンサーとなりうる大企業)に乏しく[2]、有力選手が就職や進学を機により良い競技環境のある青森県長野県などの強豪チームへと流出[3]してしまったり、カーリング競技から離れてしまう[4]状況に一石を投じたい、また北見・常呂に深く根差し、地域に愛され続ける「実業団ではない」クラブチームを作りたい[5]など複数の要因からなる強い思いによりチーム設立に至った[6]。 チーム名の由来は「ローカル」と、「常呂っ子」から「ロコ」+イタリア語で太陽を意味する「ソラーレ」[7]

日本カーリング選手権大会など日本カーリング協会(JCA)主管試合では、LS北見として登録されている。これは、JCA競技者ユニフォーム規定[注釈 1]により、試合では「ロコ・ソラーレ」をチーム名として使用できないことによるものであり、LS北見の"LS"は、公式にはチームキャプテンである本橋麻里が所属するNTTラーニングシステムズの略称として登録している。

沿革編集

  • 2010年7月、元「チーム青森」で旧常呂町出身の本橋が関係者と共に新しい環境の元、同町の出身者5名[9](本橋・馬渕恵・江田茜・鈴木夕湖吉田夕梨花)により結成[10]
  • 2010年12月、オホーツクブロックカーリング選手権初優勝。
  • 2011年1月、北海道カーリング選手権初優勝。第28回日本選手権への出場権を獲得。
  • 2011年2月、第28回日本カーリング選手権に初出場。予選で全勝し1位でプレイオフに進出したが、プレイオフで敗れ、3位。
  • 2012年2月、第29回日本カーリング選手権で初の決勝進出を果たす。決勝では藤澤五月率いる中部電力カーリング部に敗れ、準優勝[11]
  • 2013年2月、第30回日本カーリング選手権で4位となり、ソチオリンピック世界最終予選日本代表決定戦への出場権を得る。
  • 2013年9月、ソチオリンピック世界最終予選日本代表決定戦にて、決勝進出を賭けたタイブレークで藤澤率いる中部電力に敗れ、ソチ五輪出場権を得られなかった。
  • 2013年10月、アドヴィックス常呂カーリングホールが落成。チームの活動拠点となる。
  • 2014年6月、北海道銀行フォルティウスから、旧常呂町出身の吉田知那美が移籍加入[12]
  • 2015年2月、第32回日本カーリング選手権で2度目となる決勝進出を果たしたが、決勝で北海道銀行フォルティウスに敗れ準優勝。
  • 2015年4月、馬渕恵が選手活動を引退[13]
  • 2015年5月、中部電力カーリング部から北見市出身の藤澤五月が移籍加入[14]
  • 2015年11月、本橋の産休のため、第25回パシフィックアジアカーリング選手権(PACC)には帯広市出身の石崎琴美が参加[15]。同大会で日本勢10年ぶりの優勝を達成。
  • 2016年2月、第33回日本カーリング選手権大会にて、決勝でチーム富士急に勝利。3度目の決勝進出にして日本選手権初優勝を達成。世界選手権と翌シーズンのパシフィックアジアカーリング選手権の出場権を獲得。
  • 2016年3月、世界選手権にて一次リーグを9勝2敗の2位で突破。決勝でスイスに敗れたが、日本勢初の準優勝。銀メダルを獲得。
  • 2017年9月、平昌オリンピック日本代表決定戦(3勝先勝方式)で中部電力に3勝1敗で勝ち平昌五輪代表権を獲得[16]
  • 2018年2月、平昌オリンピックに日本代表として出場。予選4位でカーリングの日本チームとして五輪初の準決勝に進出した[17]。準決勝の韓国戦は延長戦の末7-8で敗れたが[18]、3位決定戦でイギリスを5-3で破り銅メダルを獲得した[19][20]
  • 2018年4月、日本のカーリングチームとして初めてワールドカーリングツアーのプレイヤーズ選手権に出場、1次リーグは2勝3敗もタイブレークに勝利し、ベスト8入りする。尚ハンプティーズチャンピオンズカップではスキップの藤澤五月が混合ミックスダブルスの世界選手権に出場する為、チームを一時離れるためサードの吉田知那美がスキップを務める予定。

選手編集

2010-11 本橋麻里 馬渕恵 鈴木夕湖 吉田夕梨花 江田茜
2011-12
2012-13
2013-14
2014-15 吉田知那美
2015-16 藤澤五月
2016-17
2017-18

過去の所属選手編集

  • 江田茜 - 冬場が繁忙期の菓子店でパティシエとして働きながら創設からチームに参加。3シーズン戦った後、2013年9月にチームを離脱した[21]
  • 馬渕恵 - チーム創設から参加。チーム最年長として本橋を支え、2015年4月、後進に道を譲る形で引退した[21]。現在はサポートメンバーとしてチームを支えている。

スタッフ編集

  • 小野寺亮二 コーチ[22]
  • 大森達也 トレーナー[23][24]
  • 鈴木廉太郎 トレーナー[25]

主な戦歴編集

冬季オリンピック編集

世界選手権編集

パシフィック・アジア選手権編集

  • 第25回(2015-16シーズン) - 優勝
  • 第26回(2016-17シーズン) - 3位
  • 第27回(2017-18シーズン) - 準優勝

冬季アジア大会編集

日本選手権編集

  • 第29回(2011-12シーズン) - 準優勝
  • 第32回(2014-15シーズン) - 準優勝
  • 第33回(2015-16シーズン) - 優勝
  • 第34回(2016-17シーズン) - 準優勝

その他編集

  • 第30回北海道カーリング選手権(2010-11シーズン) - 優勝

受賞歴編集

  • 2016年 - 北見市奨励表彰栄誉賞[26]

エピソード編集

  • チーム創設当初はスポンサーも無く、カーリングチームの活動費には用具・スタッフ費・遠征費など年間3000万円は最低必要とされるが[27]、ロコ・ソラーレ発足当初の活動資金は400万円ほどだったという[27]。海外遠征など遠征費用も多いカーリング競技の活動資金確保のため、本橋が飛び込み営業で地元企業を回りスポンサー集めに奔走した[28]。本橋はトリノ五輪以後のCM出演などで先に知名度が有り、テレビ局からのバラエティー番組出演依頼なども多くあったが[9]、「今テレビに出演するよりも、コツコツスポンサー探しをしていた方が良い」と出演を断り協賛企業集めを続けた[9]。カーリングが盛んと思われる北見地域であっても「カーリングって何?」「オリンピックの時だけでしょ?」と全く相手にされないこともある[29][30]中で地道に交渉に回り続け、2017年時点で理解を得られた20社近くのスポンサーを獲得[29]。選手の勤務先となる協賛企業・団体のサポートも獲得し[6][31]、地元に支えられるチームの地盤を築いた。
  • 本橋はチームのあり方として「みんなが一時的に競技をやめる状況になったとしても、戻って来られるような環境をつくりたい[32]」と語る。
  • チームのコーチは選手を幼少期から知る小野寺亮二が務める[33]。なお、小野寺の本業はじゃがいも農家であり[34]、娘の小野寺佳歩北海道銀行フォルティウスでプレーしている。
  • 日本代表としての活動時には、JCA(日本カーリング協会)のナショナル・コーチ[35]であるカナダ出身のジェームス・ダグラス・リンドコーチが加わりチームをコーチングする体制となる[36][37]
  • 2015年春に加入した藤澤五月はそれまでにも「練習量を信じてプレーした」と試合後コメントするなど自身の練習量に対する自負があった[38]が、ロコ・ソラーレに入った第一印象で「本当に毎日こんなにトレーニングするの!」 [39]と驚いたという。曰く「練習メニューを見て量に驚いた。それを毎日みんなが淡々とこなしていて刺激を受けた」。

平昌オリンピック編集

  • 試合中「そだねー」「押ささる」「○○かい?」などの北海道方言を多用して戦術を話し合っていたことから「そだねージャパン」という愛称がつけられた[40]
  • 第5エンド終了後にある7分間のハーフタイムでイチゴバナナチーズケーキなどを食べていたこと(「おやつタイム」「もぐもぐタイム」[注釈 2]と呼ばれた)が話題になり、特にメンバーが食べていたチーズケーキ(地元北見市の清月が製造する「赤いサイロ」)は注文が通常の10倍近く殺到する事態となった[42][43]。「もぐもぐタイム」という言葉はカナダ戦後、日刊スポーツの取材時に本橋麻里選手も使い始めている[44]。なお、ハーフタイムでの間食自体は他国のチームも行っており、「氷上のチェス」の名が示すように頭脳戦の側面が強いカーリング競技では糖分補給などの目的もあって定常的に行われていることである。
  • 生中継されたNHK総合のテレビ視聴率は準決勝・韓国戦で26.4%、3位決定戦のイギリス戦では25%の番組平均視聴率を記録(ビデオリサーチ調べ)。3位が決定した22時43分の毎分瞬間視聴率は42.3%の高視聴率を記録[45]し、高い注目を集めた。
  • イギリスを破り銅メダルを獲得した際に、アメリカ合衆国の放送局であるNBCは日本代表(すなわちロコ・ソラーレ)に対して、『Japan's Sunshine team』と命名した[19]
  • 吉田夕梨花の勤務先である医療法人の理事長は馬主としても著名な人物であり、五輪後自身の競走馬に「ソダネー」と命名した[46]

脚注編集

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注釈編集

  1. ^ チーム名には選手名(代表者の苗字)、所属する協会名、居住している地域名、在職・在籍あるいは雇用契約関係にある法人名及びその略称、在学する学校名及びその略称以外の使用が禁止されている[8]
  2. ^ 「もぐもぐタイム」という言葉は、旭川市旭山動物園が、飼育担当が動物にエサを与えながら、特徴ある行動について解説を行う時間をいうのに用いている[41]

出典編集

  1. ^ a b 常呂のカーリングの歴史 常呂カーリング倶楽部公式サイト 2016年3月18日
  2. ^ 快挙支えた故郷・北見 本橋の挑戦 地元の夢 2018年2月25日 北海道新聞
  3. ^ 平昌の主役たち vol.7 カーリング 氷上はじける5色の輝き 毎日新聞 2018年2月15日朝刊
  4. ^ 吉田知那美・夕梨花、交錯する姉妹のカーリング人生と紡がれた一家の絆 ヴィクトリースポーツニュース 竹田総一郎 2018年2月13日
  5. ^ LS北見、競技断念危機から平昌 7年前チーム発起のマリリン「メンバーに感謝」 スポーツ報知 2017年9月11日
  6. ^ a b LS北見、出身地から五輪へ 選手の熱意に地元企業が熱いサポート 2018年1月29日 北海道新聞
  7. ^ カー娘、涙の銅メダル! 第9、10エンドスチールで英国に競り勝つ/カーリング”. サンスポ・コム (2018年2月24日). 2018年2月28日閲覧。
  8. ^ JCA競技者ユニフォーム規定”. 2018年3月11日閲覧。
  9. ^ a b c 本橋「LS北見は7人」=創設メンバー、苦労共に 時事通信社 2018年2月25日
  10. ^ マリリン新チームは「ロコ・ソラーレ」”. 日刊スポーツ (2010年8月17日). 2016年2月13日閲覧。
  11. ^ 2012年のカーリング日本選手権女子で準優勝し、記念撮影するLS北見の創設メンバー。左から本橋麻里、江田茜、馬渕恵、吉田夕梨花、鈴木夕湖(江田茜さん提供) 時事通信社 2018年2月25日
  12. ^ メンバー加入のお知らせ(本橋麻里)とご挨拶(吉田知那美)”. ロコ・ソラーレ公式サイト (2014年6月9日). 2015年11月16日閲覧。
  13. ^ 馬渕選手現役引退に関するご報告”. ロコ・ソラーレ公式サイト (2015年4月7日). 2015年11月16日閲覧。
  14. ^ 新メンバー・藤澤五月選手加入に関するご報告”. ロコ・ソラーレ公式サイト (2015年5月4日). 2015年11月16日閲覧。
  15. ^ Pacific-Asia Curling Championships 2015 - Teams”. Pacific-Asia Curling Championships 2015. 世界カーリング連盟. 2015年11月16日閲覧。
  16. ^ LS北見が初五輪代表 藤沢五月「幸せ者だなと」”. 日刊スポーツ (2017年9月10日). 2018年2月17日閲覧。
  17. ^ 五輪カーリング 日本女子、スイスに敗戦も史上初4強進出 毎日新聞 2018年2月21日 同年2月22日閲覧
  18. ^ 藤沢五月「う~ん悔しいです」韓国に惜敗 カーリング女子日本代表「LS北見」 産経新聞 2018年2月24日付
  19. ^ a b “Japan's 'Sunshine team' wins women's curling bronze medal”. NBC Primetime: The Closing Ceremony of the 2018 PyeongChang Olympic Winter Games. NBC Sports. (2018年2月24日). http://www.nbcolympics.com/video/japans-sunshine-team-wins-womens-curling-bronze-medal 2018年2月26日閲覧。 
  20. ^ “カー娘、涙の銅メダル! 第9、10エンドスチールで英国に競り勝つ/カーリング”. サンケイスポーツ. 産業経済新聞社. (2018年2月24日). http://www.sanspo.com/pyeongchang2018/news/20180224/pye18022422410064-n1.html 2018年2月26日閲覧。 
  21. ^ a b LS北見創設メンバー「今もともに」7人のチーム日刊スポーツ 2018年2月25日
  22. ^ ほっかいどう元気びと インタビュー後記 HBCラジオ 2016年8月3日
  23. ^ 快挙に導いた意識改革=LS北見の大森トレーナー 時事通信社 2018年2月25日
  24. ^ 地元出身者だけでよくぞ…五輪代表にLS北見 毎日新聞 2017年9月10日
  25. ^ 「れんちゃん見てる?」カーリング女子が銅メダル直後に呼んだ本人に話を聞いた J-CASTニュース 2018年2月25日
  26. ^ “カーリングLS北見に市栄誉賞 「地元の声、何よりうれしい」”. 北海道新聞. (2016年4月5日). http://dd.hokkaido-np.co.jp/news/area/doto/1-0255486.html 2016年4月5日閲覧。 
  27. ^ a b 青学大・原晋監督が資金不足の競技に「ふるさと納税」ならぬ「アスリート納税」を提案 ライブドアNews 2018年2月26日
  28. ^ カーリング 縁の下のマリリン LS北見創設「道をつくる」 恩師との約束 日本経済新聞 2018年2月20日
  29. ^ a b マリリン涙 LS北見の太陽がサポート徹し銅「みんなに感謝」 スポーツニッポン 2018年2月24日
  30. ^ LS北見、五輪へ マリリン、地元奔走7年花開く スポンサーや選手集める 毎日新聞 2017年9月11日夕刊
  31. ^ 平昌五輪 マリリン結成「奇跡のチーム」カーリング女子、きょう初戦 産経デジタルiza 2月14日
  32. ^ マリリンの夢結実、チーム創設8年目LS北見の闘い ニッカンスポーツ 2018年2月25日
  33. ^ 融合した5人の輝き=聖地へ持ち帰るメダル- LS北見 時事通信社 2018年2月25日
  34. ^ 技術と心、躍進支える2人 ジェームス・リンドコーチ、小野寺亮二コーチ 朝日新聞デジタル 2018年2月24日
  35. ^ カーリング女子日本代表に帯同する、あのイケメン外国人は何者か 現代ビジネス 2018年2月14日 講談社
  36. ^ カーリング女子涙の銅 鍛えた氷の観察眼 毎日新聞 2018年2月24日
  37. ^ JDコール、石選び…カーリング女子の「援軍」は彼ら 朝日新聞デジタル 2018年2月24日
  38. ^ 「カーリングが大好きなんです」と笑うスキップ・藤沢五月が求めるメダルより大切な「次のゲーム」 ヤフー・ジャパンNEWS 竹田総一郎 2017年2月17日
  39. ^ 悲願達成の「舞台裏」。LS北見がカーリング日本一に輝いた理由 集英社スポルティーバ 2016年2月15日
  40. ^ 「そだねージャパン」VS「にんにく少女」 対照的な司令塔 ついに今夜カーリング日韓戦 2018年2月27日 同日閲覧
  41. ^ イベント紹介と年間スケジュール”. 旭川市 旭山動物園. 2018年4月1日閲覧。
  42. ^ カーリング日本女子の「そだねー」が話題 「ほんまにかわいい」「癒される」J-CASTニュース 2018年2月19日 同日閲覧
  43. ^ カーリング女子もぐもぐ銘菓「赤いサイロ」注文殺到日刊スポーツ 2018年2月21日 同年2月22日閲覧
  44. ^ いちごで当たり!目が離せない「もぐもぐタイム」日刊スポーツ 2018年2月20日 同年2月22日閲覧
  45. ^ カーリング女子高視聴率に「すご~い 紅白みたい」 ニッカンスポーツ 2018年2月26日
  46. ^ 競馬界にもカー娘旋風! LS北見支援の國分氏「ソダネー」命名 スポニチアネックス 2018年3月2日 同日閲覧

外部リンク編集