ロンバルディア級防護巡洋艦

ロンバルディア級防護巡洋艦 (Classe Lombardia) とはイタリア海軍第一次世界大戦前に建造した防護巡洋艦の艦級である。

ロンバルディア級防護巡洋艦
竣工時の「エトルリア」
竣工時の「エトルリア」
基本情報
艦種 防護巡洋艦
命名基準 地名
前級 エットーレ・フィエラモスカ
次級 リビア
要目
排水量 常備:2,088トン
満載:2,800トン
全長 84.8m
垂線間長 80.0m
最大幅 12.0m
吃水 常備:4.6m
満載:5.2m
機関方式 アンサルド石炭専焼円缶4基
+横置型三段膨張三気筒レシプロ機関2基2軸推進
出力 7,000hp
最大速力 19.5ノット
航続距離 10ノット/4,000海里
燃料 石炭:460トン(常備)、500トン(満載)
乗員 257名
兵装 アームストロング 15.2cm(32口径)単装速射砲4基
アームストロング 12cm(40口径)単装速射砲6基
オチキス 5.7cm(40口径)単装速射砲8基
オチキス 3.7cm(23口径)5連装回転式機砲8基
45cm水中魚雷発射管単装3門
装甲 甲板:50mm(主甲板)
主砲防楯:51mm
司令塔:12.5mm
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概要 編集

本級は前型「ドガリ」の改良型として造船士官エドアルド・マズデアの手により海外での植民地警備を行うために設計され、1893年から1901年にかけて一挙7隻を建造されたクラスである。

艦形 編集

 
1899年に撮影された「リグーリア」。

本級の船体は乾舷の低い平甲板型船体である。艦の構造を前部から記述すると、水面下に衝角の付いた艦首から水線上部に45.7cm魚雷発射管が単装で1門を内蔵した。艦首甲板上には前部マストが立ち、それを跨ぐように主武装の15.2cm(32口径)速射砲が防盾の付いた単装砲架で並列配置で1番・2番主砲2基が前部に配置された。

その後方に両脇に船橋を持つ操舵艦橋が配置され、船体中央部に2本煙突が立つ。その周囲には煙管型の通風塔が立ち並び、空いた場所は艦載艇置き場となっており、艦載艇は2本1組のボート・ダビットが片舷2組で計4組により運用された。

 
1909年に撮影された「エトルリア」。

左右の舷側に張りだしが三か所設けられ、そこに副砲である12cm速射砲が防盾の付いた単装砲架で等間隔に片舷3基ずつ計6基が配置された。後部見張所と後部マストで上部構造物が終了し、その下の後部甲板上に3番・4番2番主砲が並列配置で2基ずつで計4基配置された。また、1905年に主砲15.2cm速射砲を2門減じ、替わりに12cm速射砲を2門増設した。

本級のうち「カラブリア」のみ艦形が異なり、ろくな整備施設の無い植民地で運用するために艦底部には牡蠣や海草の付着を防ぐために亜鉛板が貼られ、3本マストと1本煙突で主砲も15.2cm(40口径)速射砲となっており外観が異なっていた。

同型艦 編集

  • ロンバルディア(Lombardia)
  • カラブリア (Calabria)
  • エルバ (Elba)
  • エトルリア (Etruria)
  • リグーリア (Liguria)
  • プーリア (Puglia)
  • ウンブリア (Umbria)

関連項目 編集

参考図書 編集

  • 世界の艦船増刊 イタリア巡洋艦史」(海人社
  • 「Conway All The World's Fightingships 1860-1905」(Conway)

外部リンク 編集

  • Lombardia「ロンバルディア」の写真とスペックがあるページ。
  • Calabria「カラブリア」の写真とスペックがあるページ。