ロータス・エヴォーラ
エヴォーラ(Evora)は、ロータス・カーズが生産・販売していた4人乗り(2+2)のスポーツカー。
ロータス・エヴォーラ | |
---|---|
![]() | |
![]() | |
概要 | |
製造期間 | 2009年-2021年 |
ボディ | |
乗車定員 | 2/4人 |
ボディタイプ | 2ドアクーペ |
駆動方式 | MR |
パワートレイン | |
エンジン | 2GR-FE型 V型6気筒 3,456cc |
最高出力 |
280PS/6,400rpm 350PS/7,000rpm(エヴォーラS) |
最大トルク |
35.7kg·m/4,700rpm 40.8kg·m/4,500rpm(エヴォーラS) |
変速機 | 6速MT/6速AT(IPS) |
サスペンション | |
前/後ダブルウィッシュボーン | |
車両寸法 | |
ホイールベース | 2,575mm |
全長 |
4,370mm 4,380mm(エヴォーラS) |
全幅 | 1,850mm[1] |
全高 | 1,230mm |
車両重量 | 1,390kg |
その他 | |
タイヤサイズ |
前:225/40 ZR18 後:255/35 R19 |
最高速度 |
250km/h(IPS) 261km/h 277km/h(エヴォーラS) |
系譜 | |
先代 | ロータス・エスプリ |
概要編集
エリーゼやヨーロッパSの成功を受け、さらに上級志向のスポーツカー開発計画の噂が2007年に浮上。ロータス・イーグルという開発コード名が漏れ伝わる中、2008年7月の英国国際モーターショーで実車が公開され、正式な車名がロータス・エヴォーラと発表された。
車名の頭文字を「E」とする同社の慣例にのっとり、ポルトガルの歴史ある町エヴォラ(Évora)に由来する、エヴォーラと名づけられた[2]。進化(Evolution)とオーラ(Ora)との造語でEVORAになったとの説もある。
1995年に発売されたエリーゼ以来となる完全新設計であるが、2ドアのミッドシップ・スポーツカーの基本スタイルは踏襲される。
エヴォーラは2009年春に欧州で販売を開始、生産台数は年間約2,000台となる。
- 日本での価格
- エヴォーラ 892.5万円(2+2シーター) 850.5万円(2シーター)
- エヴォーラIPS 937.5万円(2+2シーター) 895.5万円(2シーター)
- エヴォーラS 1,062.5万円(2+2シーター)1,020.5万円(2シーター)
特徴編集
エリーゼ以来13年ぶりとなる完全新設計。過去の重厚長大路線での失敗を教訓に、上級志向ながらも極端な大型化、高価格化を避け、車体はエリーゼよりも一回りだけ大きくなるにとどまっている。
しかし、V6エンジンの搭載や快適装備の充実により、車重はついに1tの大台を超え、1,390kgとなっている。
エリーゼやヨーロッパSに対し、乗り心地と乗降性を重視した設計となっており、内外装の高級感を向上させつつ、生粋のスポーツカーとしての雰囲気を強く押し出し、決して鈍重化、虚飾化と思わせない大きさとスタイルにまとめ上げられている。
エリーゼ系のフレーム構成を踏襲するものの、サイドシル幅を100mmから80mmへ減じ、ドア開口部を天地、前後方向ともに拡大、前席のヒップポイントを65mm高くした結果、乗降性は向上している。
車体編集
エリーゼやヨーロッパSと同じ2ドアのミッドシップ・スポーツカー。車体骨格もエリーゼなどと同様にアルミ押し出し材を接着剤で組み合わせたもので、ロータスではこの手法を様々な車種向けに展開・応用できるように規格化し、VVA(Versatile Vehicle Architecture)と呼んでいる。エヴォーラはVVAを採用した最初の生産車となる。
シートは2+2の4座で、後席は子供用あるいは荷物置き程度の大きさしかない。後に後席をラゲッジスペースとした2シーターが追加された。また屋根は最初から溶接されており、取り外すことはできないが、将来的にオープン仕様が加えられる可能性があることも発表されている。
パワートレイン編集
パワートレインはFF用をミッドに横置きする。エンジンはアルファード、エスティマ、ハリアー、ブレイドマスターなどにも搭載されているトヨタ自動車製3,456ccのV型6気筒エンジンである2GR-FE型を使用、ただしインテークマニホールド、エキゾーストマニホールド、ギアボックス、制御プログラムはロータス製となる。当初6速マニュアルトランスミッションのみとなっていたが、2011年に6速オートマチックのIPSが加わった。
最高出力は280PS/6,400rpm、最大トルクは35.7kg·m/4,600rpm、最高速度は261km/h。IPSの最高速度は250km/h。
2011年にはスーパーチャージャーを装備したエヴォーラSが登場、350PS/7,000rpm、40.8kg·m/4,500rpm、最高速度は277km/h。大型ディフューザー装備し全長が4,370mmから4,380mmとなった。
競技参戦編集
LM-GTE仕様やグループGT4仕様が存在するほか、2015年のSUPER GTよりマザーシャシーを用いたマシンがGT300クラスにカーズ東海28から参戦する。
主なラインナップ編集
- エヴォーラ ベーシックモデル 2009年。
- Type124[3] 競技用ベースモデル、FIA-GT4やLM-GTE仕様のベースとなる。2009年。2010年のモントレー・ヒストリックカー・ウィークではKVレーシングテクノロジーによるGT4仕様車のデモランが行われ[4]、YouTubeにアップロードされているプロモーション動画[5]には当時KVレーシングテクノロジーに所属していた佐藤琢磨が解説する場面もある。GTE仕様車は2011年のルマン24時間レースに出走し、22位で完走している。
- エヴォーラS ハイパフォーマンスモデル 2011年。
- IPS オートマモデル 2011年。
- エヴォーラGTE 2011年。GTE仕様車をイメージしたロードカー 。中国向けに『チャイナエディション』という限定モデルが存在する[6]。
- エヴォーラGTEロータスF1チームエディション 2012年。当時のロータスF1マシンをイメージした仕様、ロータスF1チームからF1に復帰したキミ・ライコネンにプレゼントされた[7]。
- エヴォーラ414Eハイブリッド 2011年。 2019年に販売。一台のみ[8]。
2015年マイナーチェンジ後のラインナップ編集
- エヴォーラ400 ベーシックモデル 2015年。ベーシックモデルからスーパーチャージャー装備となる。400はパワーユニットのおよそ400psにちなむ。
- エヴォーラスポーツ410 ハイパフォーマンスモデル 2016年。
- エヴォーラスポーツ410GPエディション 2017年。 アメリカ市場向けに5台のみ生産。いわゆるJPSカラーとなっている[9]。
- エヴォーラGT430 60台限定モデル 2017年。当時のロータスのフラッグシップとされる。
- エヴォーラGT410スポーツ スポーツ410の後継モデル 2018年。
- エヴォーラGT430スポーツ GT430のカタログモデル 2018年。GT430にあったリアスポイラーは無い等、オプション設定は異なる。
- エヴォーラGT4コンセプト GT430をベースとしたレース仕様のコンセプトカー 2019年。同年のグッドウッドフェスティバルオブスピードにてデモランを披露している[10]。
- エヴォーラGT410 GT410スポーツのコンフォート仕様、2020年。GT410スポーツではルーバーだったエンジンフードが窓に戻されるなど日常使い向きの仕様。2020年4月時点ではGT410とGT410スポーツの2車種だけのラインナップとなる[11]。
脚注編集
- ^ ドアミラーを含まず
- ^ エボラ出血熱 = Ebola hemorrhagic fever とは無関係
- ^ “市販車のエヴォーラはType122である”
- ^ “佐藤琢磨、ロータス エヴォーラカップGT4 をドライブ”. Response. (2010年8月12日)
- ^ Lotus Evora Cup GT4 2010 - YouTube
- ^ “【北京モーターショー12】ロータス エヴォーラGTE に中国限定車…444psスーパーチャージャー”. Response. (2012年4月30日)
- ^ “【ジュネーブモーターショー12】ロータス エヴォーラ にF1仕様…カーボンで100kgの軽量化”. Response. (2012年3月15日)
- ^ “世界に1台、ロータス エヴォーラ 電動仕様を販売中…価格は15万ポンド”. Response. (2019年2月8日)
- ^ “ロータス・エヴォーラ スポーツ410 GPエディション”. webCG. (2017年4月7日)
- ^ “ロータス エヴォーラ に「GT4」提案、450馬力に強化…グッドウッド2019で発表へ”. Response. (2019年7月1日)
- ^ “「ロータス・エヴォーラGT410」の受注開始 運動性能と快適性を両立する新グレード”. webCG. (2020年4月22日)