ローリング (映画)
『ローリング』 (Rolling) は、冨永昌敬監督・脚本による2015年の日本のドラマ映画。茨城県水戸市大工町を舞台としている[1]。第23回レインダンス映画祭出品作品[2]。
ローリング | |
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監督 | 冨永昌敬 |
脚本 | 冨永昌敬 |
製作 |
木滝和幸 冨永昌敬 |
製作総指揮 |
小曽根太 甲斐真樹 宮前泰志 池内洋一郎 |
出演者 |
三浦貴大 柳英里紗 川瀬陽太 |
音楽 | 渡邊琢磨 |
撮影 | 三村和弘 |
編集 | 田巻源太 |
配給 | マグネタイズ |
公開 | 日本 2015年6月13日 |
上映時間 | 93分 |
製作国 | 日本 |
言語 | 日本語 |
あらすじ
編集故郷の水戸市で高校教師を務めていた権藤(川瀬陽太)は、女子更衣室の盗撮が発覚したことにより、10年前に教職を退いている。彼は、東京で出会ったキャバクラ嬢のみはり(柳英里紗)を連れて、10年ぶりに帰郷する。権藤とみはりは、慰謝料を求める元生徒たちの追跡から逃れるため、雑居ビルに身を潜める。おしぼり工場で働く貫一(三浦貴大)は偶然にも、そのビルでおしぼりを回収しているところだった。権藤の教え子だった貫一は、権藤をかくまい、みはりの足の怪我を手当てして、2人の窮地を救う。
権藤は貫一に仕事を紹介してもらうが、それも長続きせず、貫一を呆れさせる。そんな折、権藤はクラブで泥酔して意識を失う。彼が自宅で目を覚ますと、元教え子の繁夫(松浦祐也)と田浦(礒部泰宏)と容子(森レイ子)が、10年前に盗撮された女子更衣室のビデオを見ていた。そこには、今は芸能人として活躍する朋美(井端珠里)が生前のジュン(星野かよ)と愛を交わす姿も映っている。
権藤と繁夫と田浦は、朋美の芸能事務所に連絡する。マネージャーの広岡(高川裕也)が、弁護士の黒木(杉山ひこひこ)と元警察官の野中(西桐玉樹)とともに、権藤たちの前に姿を現す。権藤たちは、盗撮映像のハードディスクを渡した見返りとして、多額の現金を受け取る。後日、黒木は権藤たちを草原へ連れて行き、太陽光パネルへの投資を持ちかける。権藤は、黒木の甘言につられて浮き立ち、貫一に軽蔑される。
みはりと交際を始めた貫一は、ある日、朋美に呼び出される。朋美は貫一に、女子更衣室の映像をインターネット上に流してほしいと頼む。かつて朋美と付き合っていた貫一は、曖昧な返事を残し、彼女と別れる。彼は、しばらく逡巡したのち、女子更衣室の映像のバックアップを家の窓から投げ捨てる。
朋美の姿が映った女子更衣室の映像は世間に流出し、週刊誌でも話題にされることとなる。繁夫は、貫一が映像を流出させたのだと思い込む。電気ドリルを手に持った繁夫は、充電器と延長コードを抱えた船越(橋野純平)とともに、貫一に迫って来る。貫一はビルの屋上に追いつめられるが、電気ドリルの充電が切れたことにより、辛くも逃げ切る。船越は、指図ばかりを繰り返す繁夫に業を煮やし、繁夫をナイフで刺す。権藤は、みはりとともに水戸から姿を消す。
数か月後、貫一と田浦は草原を訪れる。草陰では、権藤の骨が鳥たちの巣材として用いられている。貫一は、女子更衣室の映像の流出が、朋美の頼みを聞いた田浦の手によるものだったことを知らされる。朋美は、生前は誰の記憶にも残らなかったジュンの存在を、どんな形であれ、社会に知っておいてほしかったのだという。貫一は、権藤の骨に向かって「先生に感謝してる奴がいたよ」と呟く。権藤の骨の横には、もう一体 みはりと暗示される骨があった・・・。貫一と田浦は大きな骨を土に埋めるが、小さい骨は「先生には鳥の巣が調度いい」と埋めずに、やがて鳥の巣となるのであった。
キャスト
編集スタッフ
編集上映
編集受賞
編集- 第89回キネマ旬報ベスト・テン 日本映画ベスト・テン 第10位[5]
- 第25回日本映画プロフェッショナル大賞(2016年)[6]
脚注
編集- ^ “大工町舞台の映画「ローリング」試写会、冨永監督「原作は水戸市民」”. 産経ニュース (2015年4月12日). 2015年6月21日閲覧。
- ^ “大崎章監督「お盆の弟」ロンドンの国際映画祭に出品”. 日刊スポーツ (2015年8月25日). 2015年8月25日閲覧。
- ^ “映画『ローリング』完成披露試写会@水戸芸術館ACM劇場 (2015.4.11)”. Nobody (2015年5月24日). 2015年6月21日閲覧。
- ^ “三浦貴大「それぞれ面白い部分を見つけて」”. 日テレNEWS24 (2015年6月13日). 2015年6月21日閲覧。
- ^ “キネマ旬報ベスト・テン発表、「恋人たち」「マッドマックス」が1位に輝く”. 映画ナタリー (2016年1月8日). 2016年1月8日閲覧。
- ^ “「バクマン。」が日本映画プロフェッショナル大賞でベストワン&作品賞”. 映画ナタリー. (2016年3月25日) 2016年3月25日閲覧。