ローレウス世界スポーツ賞

ローレウス世界スポーツ賞The Laureus World Sports Awards)は、各年に世界のスポーツの各分野で活躍した個人及び団体を選出して称える賞。「スポーツ界のアカデミー賞」として、ダイムラーリシュモンが共同で創設した。パートナーとしてメルセデス・ベンツインターナショナル・ウォッチ・カンパニーがサポートを行っている。2018年からは三菱UFJフィナンシャル・グループがパートナーに加わった。1999年創設のローレウスは「ローレウス・ワールド・スポーツ・アカデミー」「ローレウス・スポーツ・フォー・グッド財団」「ローレウス・ワールド・スポーツ・アワード」から構成される、スポーツを通じて社会貢献活動をおこなうプロジェクトであり「スポーツの力をもって社会問題に立ち向かい、スポーツの素晴らしさを世の中に広める」ことを理念とする。

概要 編集

現在は8つのカテゴリーで受賞者が選出され、受賞者にはカルティエのデザインによる「ローレウス像」が授与される。各年の受賞候補者は、世界中のスポーツ・ジャーナリストの投票で毎年一度選出され、候補者の中から最終的にローレウス・アカデミー会員の投票で受賞者が決定する。アカデミー会員は各競技の元著名選手で構成される。第1回は2000年に開催され5月25日にモンテカルロで授賞式が行われた。この際にはネルソン・マンデラがスピーチを行っている。授賞式は毎回盛大に行われるが、2009年は世界的な不況を受けて、派手な式は催されなかった。最多受賞はロジャー・フェデラー(テニス)で、計6回(年間最優秀男子選手賞5回・年間最優秀復帰選手賞1回)である。

日本人とローレウス 編集

日本人では、大坂なおみが2019年に「年間最優秀成長選手賞」を、2021年に「年間最優秀女子選手賞」を受賞している。他にノミネート歴として2005年の野村忠宏、2010年の国枝慎吾、2011年の澤穂希なでしこジャパン、2018年の上地結衣、2019年の羽生結弦、2021年の桃田賢斗、2022年の国枝慎吾・堀米雄斗西矢椛・NPO法人モンキーマジックがある。

各部門 編集

歴代受賞者 編集

年間最優秀男子選手賞 編集

受賞者(競技種目)
2000   タイガー・ウッズ(ゴルフ)
2001
2002   ミハエル・シューマッハ(F1)
2003   ランス・アームストロング[1](ロードレース)
2004   ミハエル・シューマッハ(F1)
2005   ロジャー・フェデラー(テニス)
2006
2007
2008
2009   ウサイン・ボルト(陸上競技)
2010
2011   ラファエル・ナダル(テニス)
2012   ノバク・ジョコビッチ(テニス)
2013   ウサイン・ボルト(陸上競技)
2014   セバスチャン・ベッテル(F1)
2015   ノバク・ジョコビッチ(テニス)
2016
2017   ウサイン・ボルト(陸上競技)
2018   ロジャー・フェデラー(テニス)
2019   ノバク・ジョコビッチ(テニス)
2020   ルイス・ハミルトン(F1)
  リオネル・メッシ(サッカー)
2021   ラファエル・ナダル(テニス)
2022   マックス・フェルスタッペン(F1)
2023   リオネル・メッシ(サッカー)

年間最優秀女子選手賞 編集

受賞者(競技種目)
2000   マリオン・ジョーンズ[1](陸上競技)
2001   キャシー・フリーマン(陸上競技)
2002   ジェニファー・カプリアティ(テニス)
2003   セリーナ・ウィリアムズ(テニス)
2004   アニカ・ソレンスタム(ゴルフ)
2005   ケリー・ホームズ(陸上競技)
2006   ヤニツァ・コステリッチ(アルペンスキー)
2007   エレーナ・イシンバエワ(陸上競技)
2008   ジュスティーヌ・エナン(テニス)
2009   エレーナ・イシンバエワ(陸上競技)
2010   セリーナ・ウィリアムズ(テニス)
2011   リンゼイ・ボン(アルペンスキー)
2012   ビビアン・チェルイヨット(陸上競技)
2013   ジェシカ・エニス(陸上競技)
2014   メリッサ・フランクリン(競泳)
2015   ゲンゼベ・ディババ(陸上競技)
2016   セリーナ・ウィリアムズ(テニス)
2017   シモーネ・バイルズ(体操競技)
2018   セリーナ・ウィリアムズ(テニス)
2019   シモーネ・バイルズ(体操競技)
2020
2021   大坂なおみ(テニス)
2022   エレイン・トンプソン=ヘラ(陸上競技)
2023   シェリー=アン・フレーザー=プライス(陸上競技)

年間最優秀チーム賞 編集

受賞チーム(競技種目)
2000   マンチェスター・ユナイテッドFC(サッカー)
2001   サッカーフランス代表(サッカー)
2002   クリケットオーストラリア代表(クリケット)
2003   サッカーブラジル代表(サッカー)
2004   ラグビーイングランド代表(ラグビー)
2005   サッカーギリシャ代表(サッカー)
2006   ルノーF1(F1)
2007   サッカーイタリア代表(サッカー)
2008   ラグビー南アフリカ代表(ラグビーユニオン)
2009   2008年北京オリンピックの中国選手団(北京五輪)
2010   ブラウンGP(F1)
2011   サッカースペイン代表(サッカー)
2012   FCバルセロナ(サッカー)
2013   ライダーカップヨーロッパ代表(ゴルフ)
2014   バイエルン・ミュンヘン(サッカー)
2015   サッカードイツ代表(サッカー)
2016   ラグビーニュージーランド代表(ラグビー)
2017   シカゴ・カブス(野球)
2018   メルセデスAMG F1(F1)
2019   サッカーフランス代表(サッカー)
2020   ラグビー南アフリカ代表(ラグビーユニオン)
2021   バイエルン・ミュンヘン(サッカー)
2022   サッカーイタリア代表(サッカー)
2023   サッカーアルゼンチン代表(サッカー)

年間最優秀成長選手賞 編集

※2006年までは年間最優秀新人選手

受賞者(競技種目)
2000   セルヒオ・ガルシア(ゴルフ)
2001   マラト・サフィン(テニス)
2002   ファン・パブロ・モントーヤ(F1)
2003   姚明(バスケットボール)
2004   ミシェル・ウィー(ゴルフ)
2005   劉翔(陸上競技)
2006   ラファエル・ナダル(テニス)
2007   アメリ・モレスモ(テニス)
2008   ルイス・ハミルトン(F1)
2009   レベッカ・アドリントン(競泳)
2010   ジェンソン・バトン(F1)
2011   マルティン・カイマー(ゴルフ)
2012   ローリー・マキロイ(ゴルフ)
2013   アンディ・マレー(テニス)
2014   マルク・マルケス(MotoGP)
2015   ダニエル・リカルド(F1)
2016   ジョーダン・スピース(ゴルフ)
2017   ニコ・ロズベルグ(F1)
2018   セルヒオ・ガルシア(ゴルフ)
2019   大坂なおみ(テニス)
2020   エガン・ベルナル(ロードレース)
2021   パトリック・マホームズ(アメリカンフットボール)
2022   エマ・ラドゥカヌ(テニス)
2023   カルロス・アルカラス(テニス)

年間最優秀復帰選手賞 編集

受賞者(競技種目)
2000   ランス・アームストロング[1](ロードレース)
2001   ジェニファー・カプリアティ(テニス)
2002   ゴラン・イワニセビッチ(テニス)
2003   ロナウド(サッカー)
2004   ヘルマン・マイヤー(アルペンスキー)
2005   アレッサンドロ・ザナルディ(WTCC)
2006   マルチナ・ヒンギス(テニス)
2007   セリーナ・ウィリアムズ(テニス)
2008   ポーラ・ラドクリフ(陸上競技)
2009   ビタリ・クリチコ(ボクシング)
2010   キム・クライシュテルス(テニス)
2011   バレンティーノ・ロッシ(MotoGP)
2012   ダレン・クラーク(ゴルフ)
2013   フェリックス・サンチェス(陸上競技)
2014   ラファエル・ナダル(テニス)
2015   スカルク・バーガー(ラグビー)
2016   ダン・カーター(ラグビー)
2017   マイケル・フェルプス(競泳)
2018   ロジャー・フェデラー(テニス)
2019   タイガー・ウッズ(ゴルフ)
2020   ソフィア・フローシュ(AutoGP)
2021   マックス・パロット英語版(スノーボード)
2022   スカイ・ブラウン(スケートボード)
2023   クリスティアン・エリクセン(サッカー)

年間最優秀障害者選手賞 編集

受賞者(競技種目)
2000   ルイーズ・ソバージュ英語版(陸上競技)
2001   ヴィニー・ロワース英語版(ヨット単独世界一周)
2002   エステル・フェルヘール(車いすテニス)
2003   マイケル・ミルトン英語版(アルペンスキー)
2004   アール・コナー英語版(陸上競技)
2005   シャンタル・プチクレール(車いす陸上競技)
2006   エレンスト・ヴァン・ダイク(車いすマラソン)
2007   マルティン・ブラクセンターラー(アルペンスキー)
2008   エステル・フェルヘール(車いすテニス)
2009   ダニエル・ディアス(競泳)
2010   ナタリー・デュトワ(競泳)
2011   ベレーナ・ベンテレ(バイアスロン/クロスカントリースキー)
2012   オスカー・ピストリウス(陸上競技)
2013   ダニエル・ディアス(競泳)
2014   マリー・ボシェ(アルペンスキー)
2015   タチアナ・マクファデン(車いすマラソン)
2016   ダニエル・ディアス(競泳)
2017   ベアトリーチェ・ビオ(車いすフェンシング)
2018   マルセル・フグ(陸上競技)
2019   ヘンリエッタ・ファルカショバ(アルペンスキー)
2020   オクサナ・マスターズ(自転車競技)
2021 該当者なし
2022   マルセル・フグ(陸上競技)
2023   カトリーヌ・デブルナー英語版(車いす陸上競技)

年間最優秀Xスポーツ選手賞 編集

受賞者(競技種目)
2000   ショーン・パーマー英語版(スノーボード)
2001   マイク・ホーン英語版(探検家)
2002   ボブ・バーンクイスト英語版(スケートボード)
2003   ディーン・ポッター英語版(フリークライミング)
2004   レイン・ビーチリー英語版(サーフィン)
2005   エレン・マッカーサー英語版(セーリング)
2006   アンジェロ・ダリーゴ(ハンググライダー)
2007   ケリー・スレーター(サーフィン)
2008   ショーン・ホワイト(スノーボード/スケートボード)
2009   ケリー・スレーター(サーフィン)
2010   ステファニー・ギルモア英語版(サーフィン)
2011   ケリー・スレーター(サーフィン)
2012
2013   フェリックス・バウムガルトナー(スカイダイビング)
2014   ジェイミー・ベストウィック英語版(BMX)
2015   アラン・ユースタス(スカイダイビング)
2016   ヤン・フロデノ(トライアスロン)
2017   レイチェル・アサートン英語版(ダウンヒル(DHI)&フォークロス(4X))
2018   アルメル・ルクレアク英語版(セーリング)
2019   クロエ・キム(スノーボード)
2020
2021 該当者なし
2022   ベサニー・シュリーバー英語版(BMX)
2023   谷愛凌(フリースタイルスキー)

スピリット・オブ・スポーツ賞 編集

※2005年に創設

偉業達成賞 編集

※2013年に創設

スポーツ貢献賞 編集


生涯功労賞 編集

スポーツインスピレーション 編集

ローレウス・アカデミー会員 編集

人数 国籍 会員名(競技種目)
13   アメリカ合衆国 マーカス・アレン(アメリカンフットボール)
マービン・ハグラー(ボクシング)
トニー・ホーク(スケートボード)
マイケル・ジョンソン(陸上競技)
ダン・マリーノ(アメリカンフットボール)
ジョン・マッケンロー(テニス)
エドウィン・モーゼス(陸上競技)
ロビー・ナッシュ(ウインドサーフィン、カイトサーフィン)
マルチナ・ナブラチロワ(テニス)
ジャック・ニクラス(ゴルフ)
モニカ・セレシュ(テニス)
ウィリー・シューメーカー※(競馬)
マーク・スピッツ(競泳)
4   イギリス セバスチャン・コー(陸上競技)
タニ・グレイ=トンプソン(車いす陸上競技)
デイリー・トンプソン(陸上競技)
スティーヴ・レッドグレーヴ(ボート)
4   オーストラリア ドーン・フレーザー(競泳)
キャシー・フリーマン(陸上競技)
スティーヴ・ウォー(クリケット)
マイケル・ドゥーハン(モーターサイクル)
3   ドイツ フランツ・ベッケンバウアー(サッカー)
ボリス・ベッカー(テニス)
カタリナ・ヴィット(フィギュアスケート)
3   南アフリカ共和国 マイク・ホーン(探検家)
ゲーリー・プレーヤー(ゴルフ)
モーン・ド・プレッシ(ラグビー)
2   イタリア ジャコモ・アゴスチーニ(モーターサイクル)
アルベルト・トンバ(アルペンスキー)
2   スペイン セベ・バレステロス※(ゴルフ)
ミゲル・インドゥライン(自転車競技)
2   ニュージーランド ピーター・ブレイク※(ヨット)
ショーン・フィッツパトリック(ラグビー)
2   イングランド イアン・ボーサム(クリケット)
ボビー・チャールトン(サッカー)
2   ルーマニア ナディア・コマネチ(体操)
イリ・ナスターゼ(テニス)
2   フランス マルセル・デサイー(サッカー)
ダビド・ドゥイエ(柔道)
1   ウクライナ セルゲイ・ブブカ(陸上競技)
1   中国 トウ亞萍(卓球)
1   インド カピル・デヴ(クリケット)
1   ブラジル エマーソン・フィッティパルディ(モーターレース)
1   フィンランド ミカ・ハッキネン(モーターレース)
1   ケニア キプチョゲ・ケイノ(陸上競技)
1   オーストリア フランツ・クラマー(アルペンスキー)
1   モロッコ ナワル・エル・ムータワキル(陸上競技)
1   ロシア アレクセイ・ネモフ(体操)
1   アルゼンチン ヒューゴ・ポルタ(ラグビー)
1   アンティグア・バーブーダ ヴィヴ・リチャーズ(クリケット)

※故人

脚注 編集

  1. ^ a b c ドーピングの発覚により剥奪。

外部リンク 編集