メインメニューを開く

ワイルド・ワールド」(Wild World)は、キャット・スティーヴンス1970年に作詞作曲し発表した楽曲。翌1971年にアメリカでシングルカットされヒット。多くのカバー・バージョンを生んだ。

ワイルド・ワールド
キャット・スティーヴンスシングル
初出アルバム『Tea for the Tillerman
B面 遥かなる愛の地
リリース
規格 7インチ・シングル
録音 ロンドン、モーガン・スタジオ(1970年7月)
ジャンル フォークロック
時間
レーベル アメリカ合衆国の旗 A&Mレコード
作詞・作曲 キャット・スティーヴンス
プロデュース ポール・サミュエル=スミス
チャート最高順位
ミュージックビデオ
「Wild World」 - YouTube
テンプレートを表示

概要編集

当時スティーヴンスは女優のパティ・ダーバンヴィル(Patti D'Arbanville)と交際していた。ダーバンヴィルとの関係を題材にスティーヴンスはいくつかの曲を書いた。「ワイルド・ワールド」もその中の一つ。録音は1970年7月、ロンドンのモーガン・スタジオで行われた。同年11月発売のアルバム『父と子(Tea for the Tillerman)』に収録された。アルバムはBillboard 200で8位を記録し、ゴールドディスクに認定された。

1971年1月にアメリカでシングルカットされた[1]。B面は「遥かなる愛の地(Miles from Nowhere)」。同年4月10日付のビルボード・Hot 100で11位を記録した[2]。ビルボードのイージーリスニング・チャートで21位、カナダで14位を記録した。

2008年に発売されたアルバム『父と子』のデラックス・エディションにデモ・バージョンと、2007年にロンドンで行ったライブ音源が収録されている。

論争編集

「ワイルド・ワールド」が女性を見下している作品だと考える批評や音楽ライターは少なくなく、議論を引き起こしている[3][4][5]。端緒となったのはジャーナリストでフェミニストエレン・ウィリスが書いたエッセイだった[6]

荒っぽい方法だが、女性について書いた男性の歌を男女反対に置き換えれば、歌詞に込められた男たちの査定的な目線と偏見が明らかとなる。このテストによれば、「アンダー・マイ・サム」のような罵倒の限りを尽くした曲でさえ、キャット・スティーヴンスの優しくも共感的な「ワイルド・ワールド」と比べれば性差別的とはもはや言えない。ミック・ジャガーのかわいらしい復讐のファンタジーは簡単に女性の視点となり得る。実際、女性の側からのカウンターパートとしてナンシー・シナトラの「にくい貴方」があった。「ワイルド・ワールド」であるが、女が別れた恋人に向かって「悪に満ちた広い世界に出て行くには、あなたはまだ世間知らずで無邪気すぎる」と悲しそうに警告する姿を想像するのは難しい。 —  Willis, Ellen (October 1971). "But Now I'm Gonna Move".

以来、このメソッドは「The Willis test」と呼ばれるようになった[7]

カバー・バージョン編集

  • ジミー・クリフ - 1970年のシングル。全英シングルチャートで8位を記録。
  • トゥモローズ・チルドレン - 1970年のアルバム『The Going's Great』に収録。
  • ホセ・フェリシアーノ - 1971年のアルバム『That the Spirit Needs』に収録。
  • リル・リンドフォシュ - 1971年のアルバム『Sång』に収録。スウェーデン語詞。タイトルは「En hård värld」。
  • マル - 1971年のアルバム『Mal』に収録。イタリア語詞。タイトルは「Ragazzina senza cuore」。
  • ザ・ジェントリーズ - 1972年のシングル。
  • マッティ・エスコ - 1973年のアルバム『Aikaa sulta pyydän』に収録。フィンランド語詞。タイトルは「On maailma suuri」。
  • ジョナサン・キング - 1987年のシングル。
  • マキシ・プリースト - 1987年のアルバム『Maxi』に収録。翌1988年にシングルカットされ、全米25位、イギリスで5位を記録した。
  • MR.BIG - 1993年のシングル。全米27位を記録。
  • ダミアン・リース - 2008年のアルバム『Catch the Wind - Songs of a Generation』に収録。
  • リーム・リューバニ - 2015年公開の映画『ロック・ザ・カスバ!』のサウンドトラック。
  • ビル・オーヴァートン - 2016年のアルバム『Always in My Heart』に収録。

脚注編集

  1. ^ a b 45cat - Cat Stevens - Wild World / Miles From Nowhere - A&M - USA - AM-1231
  2. ^ Music: Top 100 Songs | Billboard Hot 100 Chart | THE WEEK OF APRIL 10, 1971
  3. ^ Judy Berman, "10 Classic Rock Songs That Are Also Epic Mansplanations", Flavorwire, November 19, 2013.
  4. ^ "The Deconstruction of Popular Music: 'Wild World', by Cat Stevens, Literary Ramblings, May 01, 2013.
  5. ^ Sheffield, Rob (December 6, 2013). “‘Blurred Lines’: The Worst Song of This or Any Other Year”. Rolling Stone. https://www.rollingstone.com/music/music-news/blurred-lines-the-worst-song-of-this-or-any-other-year-187383/. 
  6. ^ Willis, Ellen (2011). Out of the Vinyl Deeps: Ellen Willis on Rock Music. University of Minnesota Press. p. 135-139. ISBN 978-0-8166-7283-7. 
  7. ^ Irin Carmon, "The Willis Test Is The New Bechdel Test", Jezebel, May 02, 2011.