ワット・プラシーラッタナーマハータート (ロッブリー)

ワット・プラシーラッタナーマハータート (Wat Phra Sri Rattana Mahathat、タイ語: วัดพระศรีรัตนมหาธาตุ) は、タイ中部ロッブリーにある仏教寺院(ワットwat)遺跡である。

ワット・プラシーラッタナーマハータート
วัดพระศรีรัตนมหาธาตุ
Wat Phra Sri Rattana Mahathat
左: 小形の塔堂と仏塔 右: 中央塔堂と前堂
基本情報
座標 北緯14度47分55秒 東経100度36分50秒 / 北緯14.79861度 東経100.61389度 / 14.79861; 100.61389座標: 北緯14度47分55秒 東経100度36分50秒 / 北緯14.79861度 東経100.61389度 / 14.79861; 100.61389
宗教 仏教
地区 ロッブリー
ロッブリー県
タイ王国の旗 タイ
現況 遺跡
建設
形式 クメール建築英語版
様式 ロッブリー様式
創設者 ジャヤーヴァルマン7世
完成 12世紀
建築物
正面
最長部(最高) 30.7m
資材 ラテライト煉瓦
テンプレートを表示
礼拝堂(ヴィハーン・ルアン)東正面

位置 編集

ワット・プラシーラッタナーマハータートは、ロッブリー県の県庁所在地(ムアン)であるロッブリーの市内中心部にあるロッブリー駅の西側正面に位置する[1]

歴史 編集

ワット・プラシーラッタナーマハータートが築かれた確かな年月は明らかでないが、クメール様式の中央の塔堂(プラーン、prang)は、おそらく12世紀に構築されたものと考えられる[2][3]

その後、時代とともに改修や増築が繰り返された[4]。特に、17世紀のアユタヤの王ナーラーイ(在位1656-1688年)は、自身の住居である宮殿プラ・ナーラーイ・ラチャニウェートを寺院のすぐ近くに置くと、ワット・プラシーラッタナーマハータートに、特徴的なアーチ窓を備えた礼拝堂(ヴィハーン、Viharn )を建立し、小形の塔堂や仏塔(チェーディー、chedi)を周囲に追加した[2]。王ナーラーイの死後、ロッブリーは見捨てられ、寺院は廃墟と化した。

構成 編集

寺院の敷地は、約3.2ヘクタール[4](20ライ英語版、32,000平方メートル〈1ライは1,600平方メートル〉)の方形となる。敷地の中央部にはクメール建築英語版様式による塔堂があり、西側の扉口に建物の特徴的な構造が見られる。北と南にはおそらく同じ基壇上に構築された2基の小形の塔堂があり、その壁面だけが現在も残存する。

塔堂は回廊 (Phra Rabieng) に囲まれており、基壇壁はほとんど見えない。回廊の東側には大きな礼拝堂(ヴィハーン・ルアン、Viharn Luang[5])が構築され、王ナーラーイ時代の建築に典型的な尖ったアーチをもつ窓がある。回廊と外周壁の間には、さらにスコータイ時代の塔堂およびいくつかの仏塔が散在する。

寺院の配置は、アユタヤのワット・プッタイサワンドイツ語版の原型とされる。そこは同様に構築された塔堂が回廊に囲まれており、その前後には礼拝堂がある。

脚注 編集

  1. ^ 高杉等『東南アジアの遺跡を歩く』めこん、2001年、191-192頁。ISBN 4-8396-0144-5 
  2. ^ a b Wat Phra Sri Rattana Mahathat, Lopburi”. Asia for Visitors. 2017年9月16日閲覧。
  3. ^ 中村浩『ぶらりあるきチェンマイ・アユタヤの博物館』芙蓉書房出版、2016年、140頁。ISBN 978-4-8295-0701-8 
  4. ^ a b Wat Phra Si Ratana Mahathat, Lopburi, Thailand”. Asian Historical Architecture. orientalarchitecture.com. 2017年9月16日閲覧。
  5. ^ Wat Phra Sri Rattana Mahathat”. Renown Travel. 2017年9月16日閲覧。

外部リンク 編集