ワルイージ
ワルイージ(Waluigi)は、任天堂が発売したコンピュータゲームソフトのシリーズ、マリオシリーズに登場する架空の人物。
登場の背景編集
元々は彼は純粋な任天堂キャラクターではなく、2000年7月21日発売のNINTENDO64用ソフト『マリオテニス64』開発元のキャメロットによって新たに作り出された経緯がある。デザインはキャメロット所属のグラフィックスタッフである青木文秀が担当した。
当時はテニスというゲームの特性から、人型またはそれに近いキャラクターを大量に必要としており、それまでのマリオシリーズの主要人物だけでは到底足りず、デイジーやドンキーコングJr.等、長期にわたって出番のなかった懐かしいキャラクターまで引っ張り出された。
しかし、ワリオとダブルスを組むのにふさわしい人物が見当たらず、キャラクター選考に難航していた事から、ある社員が挙げた「ルイージのライバルキャラクターを作ったらどうか?」という案が、任天堂の宮本茂との相談を経て採用された。当初は「ワイージ」という名やアメリカ側のスタッフからは「ジェロージ」や「ジナニー」などの名前が提案されたが、言いやすさやインパクトから「ワルイージ」となった。ちなみに、ワリオのガールフレンドかつピーチのライバルとして「ワルピーチ」というキャラクター案も候補に挙がったが、こちらは「ワリオを女装させたようなキャラ」「見たくない」「見なくても、どうせドロンジョだろ」「ワリオに彼女はいらない」ということで宮本から却下された[1][2]。キャラ作りに際し、マリオを強調したワリオと同様に、体格はルイージを強調した長身のガリガリ体型となり、帽子と手袋の甲には"M"を上下反転させて"W"としたワリオに倣い、"L"を上下反転させた「Γ」(ギリシャ文字の「ガンマ」の様な文字)のマークを付けた。
概要編集
ルイージより長身で、かなり痩せ細った体型をしている。一人称は「オレ様」または「オレ」である。顔は、ギョロ目で顎が長く、ワリオと同様とがっている耳、赤く長い鼻を持っており、紫色をベースとした服装やカイゼル髭も合わせて不気味なイメージのキャラとなった。マリオ、ルイージ、ワリオ達同様、チャールズ・マーティネーが声優を務めており、マリオ同様に高い声を発する事が多い(むしろ、彼より高い声を発しているゲームもある)。ワリオとの関係については「良き相棒」としか発表されておらず、メインのスーパーマリオシリーズおよびワリオシリーズには未登場である。
性格設定に関する詳しい発表は無いが、長い手足によるトリッキーなプレイスタイルや「パワフルさ」が自慢であるワリオの相棒ということもあり、「ずる賢さが自慢、頭脳派」と描写される傾向が強い。ゲーム中では非常に自信たっぷりで高飛車な言動を見せ、ナルシストと思われる面を時折覗かせており、『マリオパーティ8』では、スター獲得時とゲーム勝利時はバラを片手に、もう片方の手で帽子の鍔を掴むキザなポーズを見せた。そのほか同ゲームのおじゃまボイスでは「Waluigi No.1!」と発言している。『マリオテニス エース』ではムーンウォークを披露したり、スペシャルショットではバラを口に咥え、指を鳴らす仕草を見せる等、最近の作品ではよりナルシストなキャラクターが強調されている。
マリオの弟であるルイージを強くライバル視しているが、彼にとってはマリオブラザーズそのものを超えることも興味深いようである。『Dance Dance Revolution with MARIO』ではマリオとライバル関係になった。『マリオテニス64』での初登場時には「大活躍をしているマリオブラザーズに対抗出来る力を備えるまで、下積みを続けてきた苦労人」という設定がなされており、実はかなりの努力家である事が伺われる。また、目が光る演出を見せることもある(マリオテニス オープンほか)。スポーツゲームにおいては身長や手足の長さを活かしたプレイをする(ただし、野球では投手能力が高いのみ。ちなみに、サウスポーである)。『マリオテニスGC』以降体が非常に柔らかいという設定が追加されたが、これはオープニングでのクッパの手によって無理矢理柔らかくされたという。しかし彼はこの柔らかくなった体を気に入っており、ゲーム中でもビールマンスピンやイナバウアーを見せたり、『マリオ&ソニック AT バンクーバーオリンピック』のフィギュアスケートでは、体の柔らかさを利用して実際のプロ選手並の華麗な演出を見せている。また、同ゲームでは競技中に水色の眼鏡をかけていることがある。
相棒のワリオが重量級やパワータイプとして扱われるのに対し、ワルイージはテクニックタイプの場合が多くワリオとは差別化されることが多い。例外として『マリオカートシリーズ』では身長の関係でマリオを上回る重量が設定され、『マリオカートWii』以降では重量級として扱われている。
『マリオテニスアドバンス』ではワリオを差し置いて単独でプレイヤーキャラとして出演した。ヨッシーとデイジーも未登場。ストーリーでは一言だけ喋る場面があり、語尾にはなぜか「ザンス」をつけている。
関連人物編集
- ルイージ
- ルイージ自身は「兄(マリオ)を抜く」という目標を持っているために、普段ワルイージの事はあまり気に留めていないようである。しかし、『マリオパーティ5』以降のタッグマッチでのコンビ名が「うんめいライバルズ」であり、『マリオパーティ3』の公式イラストで彼らが火花を散らし合っているなど、時としてワルイージに強烈なライバル心を持っている。『マリオテニス64』でコントローラを差していない状態で電源を入れると、64の本体を持って逃げるワルイージと、コントローラを持って追いかけるルイージを見ることができる。また『いただきストリートDS』ではルイージに見下されている場面が多い。
- マリオ
- ルイージの兄で当シリーズの主役キャラ。ワルイージとの接点はほとんどないがワルイージ自身は打倒マリオブラザーズという目標があるためルイージと同様にマリオも一方的にライバル視することがある。
- ワリオ
- ワルイージの兄貴分または親友にあたり、非常に相性の良いコンビであり、2人一組で悪事を働く事が多いが、前述の通り詳しい関係は不明であり、マリオ・ルイージと違い、2人が兄弟という設定はない。また、ワリオが主役となる『ワリオランド』や『メイド イン ワリオ』にワルイージは登場した事がない。(ただし、メイド イン ワリオ ゴージャスの「ワリオのamiiboスケッチ」で絵が描かれる対象の一人として間接的に登場している。)
- ただし、『マリオテニスGC』のオープニングムービーで、マリオブラザーズに負けたワルイージがトーナメント表のルイージの絵に、ナインボルトを模ったラクガキをするという悪戯をしたりと、『メイド イン ワリオ』のキャラと少なからず知り合っているような節はある。
- デイジー
- サラサ・ランドの姫。『マリオパーティ3』でパーティシリーズに共に初登場した。なお『マリオパーティ』シリーズで2人がコンビを組むと「イージーズ」(『マリオパーティ5』より)、「ふらわるズ」(『マリオパーティ8』より)というコンビ名になる。
- 『マリオパーティ4』の公式攻略本では彼がデイジーに片思いしていると書かれているが、作中ではそのような描写は見られず、『スーパーマリオスタジアム ミラクルベースボール』では相性が悪いという設定になっている。『いただきストリートDS』でもデイジーが彼を見下していたり、ワルイージ自身も対抗心を燃やしていたりしている発言がある。
- クッパ
- マリオのライバル。基本的にはマリオやルイージ、ワリオと同様に敵対している場面が多いが、『マリオテニスGC』のOPにおいては、利害関係が一致したことでワリオとクッパの3人で「打倒マリオ兄弟」の下、共同戦線を張っている。
- 『マリオパーティ3』のストーリーモードにおいて、クッパの乱入でミレニアムスターがうっかり放り投げてしまった「『わるさ』のスタンプ」をワルイージが自分のものにした際、実力行使で奪おうとしてきたクッパを返り討ちにしている。
- 沢田ユキオの漫画『スーパーマリオくん』のマリオテニス編ではクッパの仕向けた刺客としてテレサとタッグを組んでマリオ・ヨッシー組と対戦している。
- パタパタ
- 『マリオテニス64』のダブルスのトーナメントで、ワルイージをプレイヤーキャラとして使用した場合に、パートナーとして登場するキャラ。『マリオテニスGC』ではパタパタのトロフィー授賞式の際にワリオと共に意地悪をしていた。
- パックンフラワー
- 『マリオパーティ3』のデュエルマップで、ワルイージの初期お助けキャラとして登場。彼をモチーフにしたボードマップ「ワルイージとう」のイメージキャラにもなっている。『マリオパーティ4』ではワルイージのプレゼントとして「パックンシャワー」というアイテムがある。
- カメック
- 『スーパーマリオスタジアム ミラクルベースボール』で相性が良いキャラの一人。
- ブワルイージ
- 『マリオ+ラビッツ キングダムバトル』で登場する種族「ラビッツ」のうちの一体。ワルイージのような姿をしたキャラクター。「ブワリオ」と手を組み「メガドラゴン」の部下となる。
登場作品編集
- マリオテニスシリーズ(『GB』は8ビットゲーム機での唯一の登場作品)
- マリオパーティシリーズ(『3』以降、『アドバンス』は除く)
- マリオカートシリーズ(『ダブルダッシュ!!』以降、『7』ではコースの一つ「ワルイージピンボール」の背景としてのみ登場)
- マリオゴルフシリーズ(『ファミリーツアー』以降)
- ゲームボーイギャラリー4(日本未発売)
- マリオストライカーズシリーズ
- スーパーマリオスタジアムシリーズ
- マリオバスケ 3on3
- Dance Dance Revolution with MARIO
- 役満DS
- Wi-Fi対応 役満DS
- いただきストリートDS(ゲストキャラクター)
- いただきストリートWii
- 大乱闘スマッシュブラザーズDX (フィギュアトロフィーとして)
- 大乱闘スマッシュブラザーズX(援護アイテム「アシストフィギュア」で登場するキャラの1体として登場)
- 大乱闘スマッシュブラザーズ for Nintendo 3DS / Wii U(同上)
- 大乱闘スマッシュブラザーズ SPECIAL (同上)
- マリオ&ソニック AT 北京オリンピック
- マリオ&ソニック AT バンクーバーオリンピック
- マリオ&ソニック AT ロンドンオリンピック
- マリオ&ソニック AT ソチオリンピック
- マリオ&ソニック AT リオオリンピック
- MARIO SPORTS MIX
- マリオスポーツ スーパースターズ
- スーパーマリオメーカー(キャラマリオの一つとして登場。横スクロールアクションゲームでの唯一の登場作品。)
- ドクターマリオワールド(「ドクターワルイージ」として白衣姿で登場。)
脚注編集
- ^ “あなたのギモン その13”. キャメロット. 2020年8月15日閲覧。
- ^ ニンテンドードリーム 2008年9月号 ワルイージ誕生秘話より