ワルナスビ
ワルナスビ(悪茄子、学名:Solanum carolinense )はナス科の多年草。日本も含め世界的に帰化している外来種である。
ワルナスビ | |||||||||||||||||||||
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![]() ワルナスビ
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分類 | |||||||||||||||||||||
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学名 | |||||||||||||||||||||
Solanum carolinense L. | |||||||||||||||||||||
和名 | |||||||||||||||||||||
ワルナスビ(悪茄子) | |||||||||||||||||||||
英名 | |||||||||||||||||||||
Carolina horsenettle |
分布編集
特徴編集
茎や葉に鋭いとげが多い。種子が家畜の糞などに混じって広がり、垂直および水平に広がる地下茎を張ってよく繁茂する。耕耘機などですきこむと、切れた地下茎のひとつひとつから芽が出てかえって増殖する。除草剤も効きにくいため、一度生えると完全に駆除するのは難しい。
花は白または淡青色で同科のナスやジャガイモに似ており、春から秋まで咲き続ける。果実は球形で黄色く熟しプチトマトに似るが、全草がソラニンを含み有毒であるため食用にはできず、家畜が食べると場合によっては中毒死することがある。また、美味しそうに見える果実でもあるため、子供などがトマトなどと勘違いして口にしてしまう危険性も高い。
和名は、これらのたちが悪い生態により付けられた[1]。英語でも「Apple of Sodom(ソドムのリンゴ)」、「Devil's tomato(悪魔のトマト)」などの悪名で呼ばれている。花言葉は「悪戯」である。
外来種問題編集
日本では1906年(明治39年)に千葉県成田市の御料牧場で牧野富太郎により発見及び命名され、以降は北海道から沖縄まで全国に広がっている[2]。1980年代頃から有害雑草として認識されるようになった[2]。鋭い刺や毒を有するため、家畜に被害を与え、作物の品質を低下させる[3]特にナス科であるため畑に生えるとナス、トマト、ジャガイモなどのナス科の作物に2年の連作障害を与える。また、直接畑などに生えなくとも付近の空き地などに生えただけで、ナスやジャガイモなどの作物の害虫であるニジュウヤホシテントウの温床ともなり[1]、付近のナス科作物に飛び火する雑草である。同様の被害は同じナス科の雑草であるイヌホオズキなどでも起こるが、駆除の困難さがあるので本種の方がはるかに厄介である。
参考文献編集
- ^ a b 岩槻秀明『街でよく見かける雑草や野草がよーくわかる本』秀和システム、2006年11月5日。ISBN 4-7980-1485-0。 pp.278-279
- ^ a b 宮崎桂「多年草雑草ワルナスビの根系による栄養繁殖」(PDF)『根の研究』第14巻第3号、2005年、99-104頁、2011年9月6日閲覧。
- ^ 多紀保彦(監修) 財団法人自然環境研究センター(編著)『決定版 日本の外来生物』平凡社、2008年4月21日。ISBN 978-4-582-54241-7。 pp.326-327