ワード・オブ・マウス (ジャコ・パストリアスのアルバム)

ジャコ・パストリアスのアルバム

ワード・オブ・マウス』(Word of Mouth)は1981年に発売されたジャコ・パストリアスのセカンド・ソロアルバム。パストリアスのスタジオ・アルバムの最終作であり[1]、日本ではスイングジャーナル誌主催の1981年度(第15回)のジャズ・ディスク大賞において金賞を受賞した。

Word Of Mouth
Jaco Pastoriusスタジオ・アルバム
リリース
録音 1980年8月1日〜1981年1月8日
ジャンル ジャズフュージョン
時間
レーベル Warner Bros. Records
プロデュース Jaco Pastorius
専門評論家によるレビュー
Jaco Pastorius アルバム 年表
Jaco Pastorius
(1976)
Word Of Mouth
(1981)
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概要編集

総勢60名以上のミュージシャンが参加し、パストリアスの地元フロリダやロサンゼルスなどを巡って制作された。収録曲は大半が自身の作品で、音楽的にもコンボビッグ・バンドストリングス、クラシック音楽やロックなどのさまざまな要素を含んでいる。

レコーディングにはフォートローダーデールのパストリアスの自宅に常駐したライヴ・レコーディング用の24トラックの録音機材を積んだトラック「アルチザン・モバイル」をはじめとする7個所のスタジオが使われ[2]、スタジオ収録でありながら密室を感じさせない開放感のあるサウンドとなっている。

レコーディング・エンジニアにはウェザー・リポートPA・ミキシング・エンジニアリングを担当していたブライアン・リズナーが参加し、マスタリング・エンジニアはバーニー・グランドマン (Bernie Grundman)[3]が担当した。

楽曲解説編集

  1. Crisis
    ミュージシャンたちが互いの音を聴かずにパストリアスのベース・トラックに合わせてソロ演奏したトラックを、ミキシング時に任意に出し入れして重ね合わせた。アンサンブルコラージュしたフリージャズのような熱気のある仕上がりになっている。
  2. 3 Views of a Secret
    ウェザー・リポートで演奏されていたパストリアスのオリジナル曲「 Three Views Of A Secret 」(アルバム『ナイト・パッセージ』収録)をビッグ・バンド編成で再録音したもの。
  3. Liberty City
    ワード・オブ・マウス・ビッグ・バンドでの演奏を念頭に置いて書かれた。パストリアスによるホーン・アレンジの妙が聴かれる。
  4. Chromatic Fantasy
    この曲から"Word of Mouth"までは組曲のようなシームレス編集となっている。バッハチェロのための練習曲を自身のベース運指練習曲としていたパストリアスの左手の運指と右手のピチカートによる壮絶なテクニックが聴かれる。
  5. Blackbird
    パストリアスはビートルズが好きだった。ここでは原曲アコースティック・ギターアルペジオをベースのA弦開放で弾くペダル・ノートと1弦と2弦での重音(2音での和音)で表現している。メロディ・パートはトゥーツ・シールマンスハーモニカ)が担当。
  6. Word of Mouth
    ロック風にディストーションを掛けたベースによるスリリングでエキサイティングな演奏。後半からエンディングにかけてはビッグ・バンドによる演奏となる。
  7. John and Mary
    この曲の随所にはパストリアスの2人の子供、ジョンとメアリーの笑い声や歌声がちりばめられており、パストリアスが普段マスコミには見せなかった優しさ溢れる雰囲気が充満している。ウェイン・ショーターがソプラノ・サックスを吹いている。

収録曲編集

#タイトル作詞作曲時間
1.「Crisis」 Pastorius
2.「3 Views of a Secret」 Pastorius
3.「Liberty City」 Pastorius
4.「Chromatic Fantasy」 Bach
5.Blackbird Lennon/McCartney
6.「Word of Mouth」 Pastorius
7.「John and Mary」 Pastorius

録音メンバー編集

録音データ編集

Recording Engineer
  • Brian Risner
  • Hank Cicalo
  • Jason Corsaro
  • Larry Warrilow
  • Peter Yianilos
  • Scott Litt
  • Vincent "Vincenzo" Oliveri
Recording Studios
  • ARTISAN MOBILE RECORDS, Fort Lauderdale, FL
  • A&M STUDIOS, Hollywood, CA
  • CRIMSON SOUND, Santa Monica, CA
  • DEVONSHIRE SOUND STUDIOS, North Hollywood, CA
  • POWER STATION, New York, NY
  • STUDIO KATY, Brussels, Belguim
  • TRIIAD STUDIOS, Fort Lauderdale, FL
Mastering Engineer

脚注編集

[脚注の使い方]
  1. ^ パストリアスが残したソロ・アルバムはもう1枚『ホリデイ・フォー・パンズ』があるが、陽の目を見ないまま他界してしまったため、自身がイメージした通りに完成を見た作品には数えられていない
  2. ^ 中山康樹『ワード・オブ・マウス』1992年版ライナーノーツより。
  3. ^ A&Mレコード出身で、独立後には バーニー・グランドマン・マスタリング (Bernie Grundman Mastering) を立ち上げた

外部リンク編集