ワーナー・ハンズ・ピーター・ヴォゲルス(Werner Hans Peter Vogels、1958年10月3日 - )はAmazon.com最高技術責任者兼副社長であり、社内での技術革新の推進を担当している。ヴォゲルスは内外で幅広い責任を負っている[2][3]

Werner Vogels
2008年アムステルダムでのワーナー・ヴォゲルス
生誕 Werner Hans Peter Vogels
(1958-10-03) 1958年10月3日(66歳)
オランダの旗 オランダ
Ermelo[1]
居住 ワシントン州シアトル
国籍 オランダ
研究分野 分散コンピューティング
研究機関 コーネル大学
Amazon.com
INESC Porto
Vrije Universiteit
出身校 Vrije Universiteit
The Hague University of Applied Sciences
博士論文 Scalable Cluster Technologies for Mission Critical Enterprise Computing (2003)
博士課程
指導教員
Henri Bal
アンドリュー・タネンバウム[1]
主な業績 Amazon Web Services
配偶者 Annet Vogels
子供 Laura Vogels
Kim Vogels
公式サイト
twitter.com/Werner
www.allthingsdistributed.com
プロジェクト:人物伝
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教育

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ヴォゲルスは「The Hague University of Applied Sciences」でコンピューター科学を学び1989年に終えた [4][5]

ヴォゲルスはオランダのアムステルダム自由大学でヘンリー・バルとアンドリュー・タネンバウムの指導の下、コンピューター科学で博士号を取得した [1]

経歴

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2013年のAWSサミットでのワーナー・ヴォゲルス - NYC

1991年から1994年を通して彼はポルトガルのポルトのINESC TECで上級研究員だった[6]

1994年から2004年までヴォゲルス博士はコーネル大学のコンピューター科学部の調査研究員だった。彼は主にスケーラブルで信頼性のある企業の業務システムについて研究していた。彼は多数の会議と雑誌記事の著者であり、著作は主にエンタープライズコンピューティング向けの分散コンピューティング技術についてだった[7][8][9][10][11]

彼はケネス・バーマンとロバート・バン・レネッセと共に1997年に「Reliable Network Solutions, Inc. 」と呼ばれる企業を共同で創業した。その企業はコンピューターネットワークリソースの監視とマルチキャストプロトコルの米国特許を保持していた。1999年から2002年を通じて、彼は企業の最高技術責任者と副社長を務めた[12]

彼は2004年9月にアマゾンにシステム研究の役員として入社した。彼は2005年1月に最高技術責任者として指名され、その年の3月に副社長にも任命された。

ヴォゲルスは「スケーラブルで堅牢な分散システムの構築」に焦点を当てたブログを運営しており[13]、ブログは2001年にコーネル大での科学者時代に始めた。 当初は彼の研究の早期結果を議論するために使用されていたが、アマゾンに入社して以降は、ブログの性質は一般的な技術と産業についての文書でより製品指向になった。

アマゾンショッピングカート向けのストレージエンジンであるアマゾンのダイナモについての記事でAmazonのインフラストラクチャの動作の深い技術的性質を説明した[14]。彼は一般的にウルトラ・スケーラブルシステムのトップ専門家とみなされており、彼はブログで結果整合性などの問題をコミュニティーに教えていた[15]

2008年にヴォゲルスがアマゾンのクラウドコンピューティング事業に進出したAmazon Web Services (AWS)の影にいる設計者の一人だということが明らかになった。その年の間に、ヴォゲルスは切れ目なくクラウドコンピューティングとAWSとそれらの業界へのメリットを売り込み続けた。

Information Week はヴォゲルスを2008年の年間最優秀CIO/CTOでクラウドコンピューティングで教育的かつ促進的な役割を担ったとして表彰した[16]。受賞に付随するインタビューでヴォゲルスはアマゾンでの彼の勤務経験の一部詳細を語った[17]

2009年の「Media Momentum Personality of the Year」を含む賞も受賞した[18]。2010年にReadWriteWebの読者が「クラウドの最も影響力のある役員」に投票したところ、ヴォゲルスが2桁以上のスコア差をつけ選ばれた [19]

ヴォゲルス博士は「TechTarget」により2010[20]、 2011[21]、 2012年にクラウドコンピューティングのリーダーTOP10に選ばれた[22] 。2012年のWiredのクラウドインフルエンサーと思考力のあるリーダーTOP10にランクインした[23]

2014年の6月20日、ヴォゲルス博士は「イノベーションへの貢献や起業家へのサポートで米国とオランダの経済関係に大きく貢献した」として初開催の「Holland on the Hill Heineken Award」を受賞した。賞の一部でヴォゲルス博士は「アマゾンのイノベーション-全員が彼らの夢を追えるようにする」と題した講演をCannon House Office Building内のコーカスルームで行った[24]

2014年の「ExecRank」がヴォゲルス博士をナンバーワンの最高技術責任者として位置づけた[25]

私生活

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ヴォゲルスはネーデルランド・ハーモニー交響楽団の元ミュージシャンのアネットと結婚した。彼らはローラとキムの二人の娘を授かり二人ともイギリスのロンドンでドラマと演劇を学び、終わった後はニューヨークに移住した。

参考文献

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  1. ^ a b c Vogels, Werner (2003). Scalable Cluster Technologies for Mission Critical Enterprise Computing (PhD thesis). Vrije Universiteit.
  2. ^ O'Hanlon, C. (2006). "A conversation with Werner Vogels". Queue. 4 (4): 14. doi:10.1145/1142055.1142065
  3. ^ Canny, J. (2006). "The Future of Human-Computer Interaction". Queue. ACM. 4 (6): 24–32. doi:10.1145/1147518.1147530
  4. ^ "Fra forsker til CTO hos Amazon" (デンマーク語). 3 November 2006. 2017年3月19日閲覧
  5. ^ Vogels, Werner (4 October 1990). "Experienced Unix/Mach System software Engineer/Manager (EUROPE)". Newsgroupmisc.jobs.resumes. 2017年3月19日閲覧
  6. ^ Jennifer L. Schenker (15 September 2014). "Q&A With Amazon's Werner Vogels". 2015年2月3日閲覧
  7. ^ Van Renesse, R. (2003). "Astrolabe". ACM Transactions on Computer Systems. 21 (2): 164. doi:10.1145/762483.762485
  8. ^ Von Eicken, T. (1995). "U-Net". ACM SIGOPS Operating Systems Review. 29 (5): 40. doi:10.1145/224057.224061
  9. ^ Werner Vogels - DBLP Bibliography Server
  10. ^ 著作一覧 - Microsoft Academic Search.
  11. ^ Vogels, W. (2003). "Web services are not distributed objects". IEEE Internet Computing. 7 (6): 59–66. doi:10.1109/MIC.2003.1250585
  12. ^ "Robbert van Renesse: Resume". 2015年2月3日閲覧
  13. ^ http://www.allthingsdistributed.com/ All Things Distributed
  14. ^ Decandia, G.; Hastorun, D.; Jampani, M.; Kakulapati, G.; Lakshman, A.; Pilchin, A.; Sivasubramanian, S.; Vosshall, P.; Vogels, W. (2007). "Dynamo". Proceedings of twenty-first ACM SIGOPS symposium on Operating systems principles - SOSP '07. p. 205. doi:10.1145/1294261.1294281. ISBN 9781595935915
  15. ^ Vogels, W. (2009). "Eventually consistent". Communications of the ACM. 52: 40. doi:10.1145/1435417.1435432
  16. ^ Chief of the Year; Amazon CTO Werner Vogels
  17. ^ Q&A: Amazon CTO Werner Vogels
  18. ^ "Europe's fastest growing digital media companies 2009" (PDF). Media Momentum. 2011年9月2日閲覧
  19. ^ "Weekly Poll: Who is the Cloud's Most Influential Executive?". ReadWriteWeb. 2011年9月2日閲覧
  20. ^ Top 10 Cloud Computing Leaders of 2010
  21. ^ Top 10 Cloud Computing Leaders of 2011
  22. ^ Top 10 Cloud Computing Leaders of 2012
  23. ^ https://www.wired.com/insights/2012/05/top-10-cloud-influencers
  24. ^ http://dc.the-netherlands.org/news/2014/06/holland-on-the-hill-award-and-lecture.html
  25. ^ http://execrank.com/2014-rankings/2014-top-chief-technology-officer-rankings Exec Rank 2014 Top Chief Technology Officers