ヴァネッサ・ウィリアムスVanessa Williams、1963年3月18日 - )は、アメリカ合衆国歌手女優

ヴァネッサ・ウィリアムス
2010年
基本情報
出生名 ヴァネッサ・リン・ウィリアムス
生誕 (1963-03-18) 1963年3月18日(61歳)
出身地 アメリカ合衆国の旗 アメリカ合衆国 ニューヨーク州タリータウン
ジャンル
職業
担当楽器 ボーカル
活動期間 1979年 -
レーベル
配偶者
  • ラモン・ハーヴェイ2世(1987年 - 1997年)
  • リック・フォックス(1999年 - 2004年)
  • ジム・スクリップ(2015年 - )
著名な家族
公式サイト Official Site

ビルボードの全米シングル、R&B部門ともに第1位に輝いた代表作「セイヴ・ザ・ベスト・フォー・ラスト」をはじめ、各国のランキングでは数々の作品がトップ10にランクインした。

1983年、アフリカ系アメリカ人初のミス・アメリカ(第59代)。シンガーにとどまらず、アーノルド・シュワルツェネッガーと共演した『イレイザー』をはじめ、数々の映画、テレビドラマやミュージカルにも出演するなど女優としての成功も収め、シンガーとしても成功した女性の1人である。

プロフィール 編集

生い立ち 編集

ニューヨーク(NYC)北部に隣接する、ウェストチェスター郡タリータウンの中流家庭に生まれた。両親ともに音楽教師であった経緯から、幼い頃から音楽に慣れ親しんだ。高校生の頃からはR&B系楽曲、とりわけフュージョンが好きだった。

彼女は成長してゆくにつれ、ピアノとフレンチホルンを習得したが、歌うことを最も好んだ。高校を卒業すると、演劇を学ぶため奨学金を授与されて、同州のシラキュース大学に入学したが、シンガーソングライターとしてデビューするためのキャリアを求めて中退した。

ミス・アメリカ 編集

シラキュース大学在学中の1980年代初期から各種のミス・コンテストに参加し始め、1983年にミス・ニューヨークで優勝すると、さらには1983年9月17日、アトランティックシティで開催されたミス・アメリカ'84でも優勝し、アフリカ系アメリカ人初のミス・アメリカとなる。これはアメリカのみならず世界的なビッグニュースであった。

しかし、1982年に撮影された彼女の上半身のヌード写真が『ペントハウス』誌1984年9月号に掲載されたことが元で、1984年7月23日に開かれた記者会見で彼女はミス・アメリカの称号を返上の意向を表面した為、2位のシュゼット・チャールズが繰り上げ優勝し、その結果、黒人とイタリア人のハーフであったシュゼットはアフリカ系アメリカ人として、2番目にミス・アメリカに選出されたことになった。残りのミス・アメリカの任期はシュゼットが単独で務め上げた。このヴァネッサのヌード写真スキャンダルによって、当時のアメリカでは彼女のキャリアは終わったものと見られていた。しかしその後、これが彼女の承諾なしに無断掲載されたものであることが確認されたこともあって、後年ミス・アメリカ1984aとして2位のシュゼット(ミス・アメリカ1984b)とともに公認されている[2][3]インターネット上にある世界の多くのWebや一部の雑誌等には、あたかもヴァネッサがミス・アメリカのタイトルを剥奪された欠格者である旨の誤った記述が数多く見受けられるが、当時は剥奪されたと報道されていたのも事実である。なおミス・アメリカのタイトルの返上をした理由は、ミス・アメリカ運営委員会から強い圧力を掛けられて辞退を強要されており、かつそれを拒んだら称号を剥奪されるのは確実であったので、それを避ける為に辞退を選んだだけである。なおこの事件が沈静化して年月が経過した後にヴァネッサはミスアメリカの称号を再び授与された為、結局"ミス・アメリカ1984"のみ2名選出という形になっている。この件に関しては2015年にヴァネッサがミス・アメリカの審査委員長を務めた際に、テレビインタビューを受けたシュゼットは、大スターであるヴァネッサが1984年ミス・アメリカであることを否定こそはしなかったが、戸惑いは隠せない様子であった。

2015年9月に開催された第95回ミス・アメリカ本選で審査委員長を務め、スキャンダルから32年の時を経て本会場にてミス・アメリカ運営委員会は公式謝罪した。

キャリア 編集

音楽 編集

1988年にデビュー・アルバム『ライト・スタッフ』を発売した。収録曲のシングル「The Right Stuff」はR&Bチャートで上位に入り、3枚目のシングル「Dreamin'」はBillboard Hot 100のトップ10に入って成功した。アルバムはゴールドディスクとなって、新人賞を含む3つのグラミー賞候補となった。1992年には最大のヒット曲である「セイヴ・ザ・ベスト・フォー・ラスト」がリリースされ世界で大ヒットし彼女の名を世界に轟かせた。1995年にはポカホンタスの主題歌「Colors of the Wind」でグラミー賞を初受賞した。

来日公演 編集

ミュージカル 編集

1994年、ブロードウェーのミュージカル『蜘蛛女のキス』に出演する舞台女優として抜擢され、これまでの音楽での才能をミュージカルで発揮した。また、2002年のトニー賞候補者になった。その他では、ケネディセンターで上演された『Carmen Jones』にも出演した。

プライベート 編集

その他 編集

  • クリスという弟がいて現在は俳優になっている。
  • ソニーの元社長・盛田昭夫もヴァネッサがファンの1人であったことが知られる。

フィルモグラフィ 編集

映画 編集

公開年 邦題
原題
役名 備考
1987 ピックアップ・アーチスト
The Pick-up Artist
1988 バトル・コップ/LAコネクション
Under the Gun
サマンサ・リチャーズ
1990 メリー・クリスマスを君に
The Kid Who Loved Christmas
リネッタ・パークス テレビ映画
1991 詐欺師とウソつき患者
Another You
グロリア
ハーレーダビッドソン&マルボロマン
Harley Davidson and the Marlboro Man
ルル・ダニエルズ
1992 青春のサボイ・ボール
Stompin' at the Savoy
ポーリーン テレビ映画
1995 女医
Nothing Lasts Forever
キャシー・ハンター テレビ映画
バイ・バイ・バーディ
Bye Bye Birdie
ローズ・アルヴァレス
1996 イレイザー
Eraser
リー・カレン
1997 オデッセイ
The Odyssey
カリプソ テレビ映画
ソウルフード
Soul Food
テリ
奴らに深き眠りを
Hoodlum
フランシーン・ヒューズ
1998 ダンス・ウィズ・ミー
Dance with Me
ルディ・シンクレア
デス・ゲーム2025
Futuresport
アレックス・トレス テレビ映画
1999 エルモと毛布の大冒険
The Adventures of Elmo in Grouchland
ゴミ王国の女王
ハイスクール・ジャック 怒りの教室
Light It Up
オードリー・マクドナルド
2000 愛する勇気
The Courage to Love
アンリエット・デリール テレビ映画
出演・製作総指揮
ヴァネッサ・ウィリアムズのクリスマス・キャロル
A Diva's Christmas Carol
ドン・キホーテ~ラ・マンチャの男~
Don Quixote
テレビ映画
シャフト
Shaft
カーメン・ヴァスケス
2001 WW3/ワールド・ウォー3
WW 3
M.J.ブレイク
2002 パウエル 気高きカリスマの伝説
Keep the Faith, Baby
ヘイゼル・スコット テレビ映画
2004 ジョンソン一家のババババケーション
Johnson Family Vacation
ドロシー・ジョンソン
2007 アンド・ゼン・ケイム・ラブ
And Then Came Love
ジュリー
2009 ハンナ・モンタナ/ザ・ムービー
Hannah Montana: The Movie
ヴィタ
2020 バッド・ヘアー
Bad Hair
ゾーラ・チョイス

テレビ番組 編集

放映年 邦題
原題
役名 備考 1979 ライヴ・フロム・リンカーン・センター
Live from Lincoln Center
エピソード「New York City Opera: Street Scene」に出演
1996 スタートレック:ディープ・スペース・ナイン
Star Trek:Deep Space Nine
アランディス 第105話(シーズン5)にゲスト出演
2002 アリー my Love
Ally My Love
シェイラ・ハント 1エピソード
2006-2010 アグリー・ベティ
Ugly Betty
ウィルミナ・スレイター 85エピソード
2010-2012 デスパレートな妻たち
Desperate Housewives
レネ・ペリー 46エピソード
2012 666 パーク・アベニュー NYの悪夢
666 Park Avenue
オリヴィア・ドラン 6エピソード

日本 編集

コマーシャル等 編集

備考 編集

海外ドラマの『アグリー・ベティ』や『デスパレートな妻たち』、『ハンナ・モンタナ/ザ・ムービー』に出演した時の日本語吹き替えは、いずれも五十嵐麗が担当している。

ディスコグラフィ 編集

スタジオ・アルバム 編集

  • 『ライト・スタッフ』 - The Right Stuff (1988年)
  • 『コンフォート・ゾーン』 - The Comfort Zone (1991年)
  • 『スウィーテスト・デイ』 - The Sweetest Days (1994年)
  • 『スター・ブライト』 - Star Bright (1996年)
  • 『ネクスト』 - Next (1997年)
  • 『シルヴァー&ゴールド』 - Silver & Gold (2004年)
  • 『エヴァーラスティング・ラヴ』 - Everlasting Love (2005年)
  • 『ザ・リアル・シング』 - The Real Thing (2009年)

脚注 編集

  1. ^ a b c Huey, Steve. Vanessa Williams Biography, Songs, & Albums - オールミュージック. 2022年5月8日閲覧。
  2. ^ Miss America 1984”. Miss America. 2015年10月6日閲覧。
  3. ^ Miss America 1984 B”. Miss America. 2015年10月6日閲覧。
  4. ^ “ヴァネッサ・ウィリアムズ、夫が離婚を申請”. シネマトゥデイ. (2004年8月12日). https://www.cinematoday.jp/news/N0005232 2013年2月22日閲覧。 
  5. ^ アグリー・ベティ」ヴァネッサ・ウィリアムズ、独立記念日に3度目の結婚”. シネマトゥデイ (2015年7月9日). 2015年7月9日閲覧。

関連文献 編集

外部リンク 編集