ヴィイ: Вий)は、東スラヴ神話における死の目を持つ地下世界の生物。その目は普段、大きな瞼や睫毛で覆われており[1]、自力で持ち上げることが出来ない。

ヴィイ

ロシアベラルーシの民話では、ヴィイの瞼(睫毛、眉)がピッチフォークによって持ち上げられた[2]。ヴィイが見た者は目を覚ますことができず、やがて死亡する。その視線によって、ヴィイは人を殺すだけでなく、村や都市を破壊して灰に変えることが出来る[3]

日本語表記では「ヴィー」とも書く。

創作 編集

ロシアの作家ニコライ・ゴーゴリにこの伝承を元にした小説『妖女(ヴィイ)英語版ロシア語版』があり、それを原作とした映画に1960年のイタリア映画『血ぬられた墓標』、1967年のソ連映画『妖婆 死棺の呪い英語版ロシア語版』(ビデオ邦題『魔女伝説・ヴィー』)[4][5]、2014年のロシア・ウクライナ・チェコ合作映画『レジェンド・オブ・ヴィー 妖怪村と秘密の棺英語版ロシア語版』などがある。

参考文献 編集

  1. ^ Иванов В. В., Топоров В. Н. Вий // Славянская мифология. Энциклопедический словарь. — М.: Эллис Лак, 1995. — С. 90. — ISBN 5-7195-0057-X.
  2. ^ Иванов В. В., Топоров В. Н. Вий // Мифологический словарь / Гл. ред. Е. М. Мелетинский. — М.: Советская энциклопедия, 1991. — С. 350. — ISBN 5-85270-068-1.с. 124.
  3. ^ "Вий". ブロックハウス・エフロン百科事典: 全86巻(本編82巻と追加4巻) (ロシア語). サンクトペテルブルク. 1890–1907.
  4. ^ 映画 妖婆・死棺の呪い (1967)について 映画データベース - allcinema(2020年10月27日閲覧)
  5. ^ 楳図かずお監修『ホラー・コレクション』(富士見文庫、1987年、pp.24-26)

関連項目 編集