ヴィヨンの妻
概要編集
初出 | 『展望』1947年3月号 |
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単行本 | 『ヴィヨンの妻』(筑摩書房、1947年8月5日)[1] |
執筆時期 | 1946年12月下旬~1947年1月15日頃[2] |
原稿用紙 | 57枚 |
第2章は太宰の口述を小山清が筆記したものである。残存する本作品の原稿はすべて太宰の筆跡になっているが、これはあとから書き直したものと推測される[2]。
あらすじ編集
作者を髣髴させる、元男爵の次男だという帝大出の詩人の妻「さっちゃん」の視点で、大谷と彼を取り巻く人々の言動が綴られている。さっちゃんは、浅草公園の瓢箪池畔でおでんの屋台を出していた父とふたりで長屋に住んでいた。小金井の家はボロ家で、3人家族の家計は、しばしば熱を出す子供を医者に連れて行きたくても、お金もない有様。その上、大谷は数日も帰ってこないこともしばしば。ある時、大谷は入り浸っている中野駅の小料理屋「椿屋」から運転資金を盗み、やってきた経営者夫婦に大谷は辻褄のあわない言い訳を並べたてる。
派生作品編集
映像
- 『ふたりは夫婦』(フジテレビ系列)の中で放送された。放送日は1974年12月23日[3]。
- 映画『ヴィヨンの妻 〜桜桃とタンポポ〜』が2009年10月に公開された。監督は根岸吉太郎。
朗読
備考編集
- 大谷が雑誌に書いた論文のテーマが15世紀のフランスの詩人フランソワ・ヴィヨン。放蕩詩人という点で大谷と共通することから、大谷の妻のことを「ヴィヨンの妻」に喩えたと類推され、これがタイトルの由来となっている。
- 太宰は1940年にヴィヨンの詩を引用した短編「乞食学生」を書いている。
脚注編集
- ^ 作品集『ヴィヨンの妻』の収録作品は以下のとおり。「トカトントン」「男女同権」「親友交歓」「メリイクリスマス」「父」「母」「ヴィヨンの妻」。
- ^ a b 『太宰治全集 第8巻』筑摩書房、1990年8月25日、426-427頁。解題(山内祥史)より。
- ^ ふたりは夫婦(第12回)ヴィヨンの妻 テレビドラマデータベース
- ^ 岩波書店 | 太宰治作品集 文芸カセット 日本近代文学シリーズ
- ^ 太宰治 伊武雅刀『ヴィヨンの妻』|新潮社
外部リンク編集
フジテレビ系 百万人の劇場 | ||
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