三好カントリー倶楽部(みよしカントリーくらぶ)は、愛知県みよし市黒笹町に広がるゴルフ場である。

三好カントリー倶楽部
Miyoshi Country Club
三好カントリー倶楽部
三好カントリー倶楽部の空中写真。
2007年平成19年)6月16日撮影の10枚を合成作成。
国土交通省 国土地理院 地図・空中写真閲覧サービスの空中写真を基に作成。 地図
所在地 日本の旗 日本
愛知県みよし市黒笹町三ヶ峯1271番地
座標: 北緯35度8分33.41秒 東経137度5分50.54秒 / 北緯35.1426139度 東経137.0973722度 / 35.1426139; 137.0973722
概要
開業 1961年昭和36年)5月21日
運営 メンバーシップコース
設計 ジョセフ・E・クレーン
運営者 三好カントリー倶楽部
トーナメント1965年 第30回日本オープンゴルフ選手権競技大会
1967年 第35回日本プロゴルフ選手権大会
1998年 第31回日本女子オープンゴルフ選手権競技大会(西コース)
コース
西コース

OUT IN
HOLE PAR YARD HOLE PAR YARD
1 4 425 1 4 430
2 5 555 2 4 430
3 4 450 3 5 555
4 4 435 4 3 205
5 3 195 5 4 380
6 4 445 6 5 570
7 5 525 7 3 195
8 3 230 8 4 425
9 4 410 9 4 470
36 3670 36 3660
東コース

OUT IN
HOLE PAR YARD HOLE PAR YARD
1 4 400 10 3 175
2 5 565 11 5 510
3 4 370 12 4 420
4 3 165 13 4 350
5 5 475 14 4 330
6 4 330 15 4 355
7 3 170 16 5 525
8 4 425 17 3 192
9 4 420 18 4 425
36 3320 36 3282

その他
公式サイト 三好カントリー倶楽部
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概要 編集

1955年昭和30年)代初め、名古屋財界で「もう一つ和合があれば」と、名門コースの建設の気運が高まっていた[1]。県有地内に東山愛知カンツリー倶楽部)があることでの廃止論が囁かれていたことから出たとのことである[1]

ゴルフ場の建設用地は、名古屋からの距離やアクセス、トヨタ自動車株式会社に近いことから、三好町笹部の共有林が持ち上がった[1]。だが、全域が保安林であったため、低木が植わっている転石の多い丘陵地であった[1]1959年(昭和34年)12月25日、新たなゴルフ場の建設に向けて「株式会社中部国際ゴルフ倶楽部」が設立され、会長には株式会社松坂屋佐々部晩穂、社長には株式会社中日新聞社・大島一郎が就任した[1]

コース設計は、佐々部の提案で「世界レベルのチャンピオンコース」から、英国のゴルフ事情に詳しいジョセフ・E・クレーンに依頼、工事は池田建設株式会社に決定した[1]1960年(昭和35年)10月11日、「三好カントリー倶楽部」を創立、理事長に大島が就任した[1]1961年(昭和36年)5月21日、現・西コース18ホールが完成し開場した[1]。その後、1966年(昭和41年)10月9日、現・東コース9ホールを増設、1969年(昭和44年)、現・東コース9ホールを増設し、東コース18ホールが完成し開場された[1]

コースは、全体的にフェアウェイは広く松林でセパレートされ、豪快なショットが楽しめる林間コース[2][3]。特に西コースは、丘陵地に造られ幅広くゆったりとした起伏が特徴で、池やバンカーが戦略ポイントともなり極めて難度も高く、プロツアーの大きな競技開催に適している風格もあるコースである[2][3]。コースレートも難易度が高く日本でベスト5に入る[2][3]。東コースは、西コースよりも距離的に短く起伏があり、短い距離でのバンカーなどが巧みに配置されたコースである[2][3]

ジョセフ・E・クレーンは、1892年明治25年)、イギリス人の父と日本人の母に生まれ、日本ゴルフ史に残るゴルフ場設計家。太平洋戦争をまたぎ1980年(昭和55年)まで関西を中心に数多くの設計に携わった。設計したコースは22コースで、自然が主役で起伏を生かすことで難易度を高めた[4]

また本倶楽部は1970年(昭和45年)より、男子ゴルフトーナメントの東海クラシック開催コースとして知られている[5]。なお本倶楽部では、1993年平成5年)まで男女同時で大会を開催[注 1](男子:西コース、女子:東コース)していた時代もあった。

所在地 編集

  • 〒470-0201:愛知県みよし市黒笹町三ヶ峯1271番地

コース情報 編集

  • 開場日 - 1961年(昭和36年)5月21日
  • 設計者 - ジョセフ・E・クレーン
  • コース施工 - 池田建設株式会社
  • 面積 - 1,750,000m2(約52.9万坪)
  • コースタイプ - 林間コース
  • コース - 36ホールズ、パー144、西コース7,330ヤード、東コース6,602ヤード、コーススレート 西コース75.7、東コース71.5
  • グリーン - 1グリーン、ベント(ペンクロス)
  • プレースタイル - 西コース 歩行ラウンド、東コース 乗用カート、全組キャディ付き
  • 練習場 - 31打席 250ヤード
  • 休場日 - 毎週月曜日(祝日の場合は翌日)、年末年始(12月31日、1月1日)[6][7]

クラブ情報 編集

  • ハウス面積 - 6,396m2(1,934坪)
  • ハウス設計 - 山下寿郎建築事務所(現在の株式会社山下設計
  • ハウス施工 - 池田建設株式会社[6][7]

ギャラリー 編集

  • コース - [8]
  • ハウス - [9]

交通アクセス 編集

鉄道 編集

道路 編集

メジャー選手権 編集

エピソード 編集

三好カントリー倶楽部がある旧黒笹村は、尾張三河の国境[注 3]丘陵地帯で、戦国時代織田松平とが攻防を繰り返した福谷城跡が残されている。また、猿投山麓の猿投窯で知られる地域で、平安時代から古窯跡が多く存在する[14]

コース設計したジョセフ・E・クレーンは、3兄弟の次兄で、「鳴尾ゴルフ倶楽部」に代表されるように、自然を生かした形で戦略性を求める設計が特徴である[14]

三好カントリー倶楽部は、1961年昭和36年)に開場して、1963年(昭和38年)・1964年(昭和39年)に中日クラウンズ1965年(昭和40年)に日本オープン開催と、僅か4年で名門ゴルフ場に駆け上がった[14]

脚注 編集

注釈 編集

  1. ^ 東海クラシックは1994年度より男女分離開催となり、女子は現在、新南愛知カントリークラブ(知多郡美浜町)で開催されている。
  2. ^ 豊田市側(愛知県道58号名古屋豊田線)からのみ入ることができるため。
  3. ^ 実際本施設の所在地である「三ヶ峯」は日進市長久手市とにまたがる地名である。

出典 編集

  1. ^ a b c d e f g h i 『美しい日本のゴルフコース BEAUTIFUL GOLF CULTURE IN JAPAN 日本のゴルフ110年記念 ゴルフは日本の新しい伝統文化である』、ゴルフダイジェスト社「美しい日本のゴルフコース」編纂委員会編、「三好カントリー倶楽部」、東京 ゴルフダイジェスト社、2013年12月、2021年2月3日閲覧
  2. ^ a b c d コースデータ”. 三好カントリー倶楽部. 2020年8月17日閲覧。
  3. ^ a b c d 三好カントリー倶楽部”. ゴルフホットライン. 2020年8月17日閲覧。
  4. ^ J・E・クレーン(クレイン) 設計コース”. GOLF COURSE LANKING CLUB. 2020年8月17日閲覧。
  5. ^ トップ杯東海クラシック”. トップ杯東海クラシック事務局. 東海テレビ放送. 2020年8月23日閲覧。
  6. ^ a b 倶楽部概要”. 三好カントリー倶楽部. 2020年8月17日閲覧。
  7. ^ a b 三好カントリー倶楽部”. ゴルフホットライン. 2020年8月17日閲覧。
  8. ^ コース案内”. 三好カントリー倶楽部. 2020年8月17日閲覧。
  9. ^ レストラン”. 三好カントリー倶楽部. 2020年8月17日閲覧。
  10. ^ 交通アクセス”. 三好カントリー倶楽部. 2020年8月17日閲覧。
  11. ^ 日本オープンゴルフ選手権競技”. 日本ゴルフ協会. 2020年8月17日閲覧。
  12. ^ 日本プロゴルフ選手権大会”. 日本プロゴルフ協会. 2020年8月17日閲覧。
  13. ^ 日本女子オープンゴルフ選手権競技”. 日本ゴルフ協会. 2020年8月17日閲覧。
  14. ^ a b c 『美しい日本のゴルフコース BEAUTIFUL GOLF CULTURE IN JAPAN 日本のゴルフ110年記念 ゴルフは日本の新しい伝統文化である』、ゴルフダイジェスト社「美しい日本のゴルフコース」編纂委員会編、「三好カントリー倶楽部」、東京 ゴルフダイジェスト社、2013年12月、2021年2月3日閲覧

関連文献 編集

  • 『ゴルフ博物誌』、「三好カントリー倶楽部」、荒垣秀雄著、東京 実業之日本社、1968年、2020年8月17日閲覧
  • 『中部財界』、18(16)(326) 、「三好カントリー倶楽部」、名古屋 中部財界社、1975-09、2020年8月17日閲覧
  • 『三好町誌』、第3巻、「三好カントリー倶楽部」、三好町誌編さん委員会編、1998年4月、2020年8月17日閲覧
  • 『三好の三十年』、三好町(愛知県)三好カントリー倶楽部フェローシップ委員会、1990年9月、2020年8月17日閲覧
  • 『中部財界』、「新春特大名門ゴルフ場探訪(2)〈三好カントリー倶楽部〉静かな丘陵に歴史の重み」、名古屋 中部財界社、1991年2月、2020年8月17日閲覧
  • 『月刊ゴルフマネジメント』、19(164) 、「三好カントリー倶楽部」、東京 一季出版、1998年5月、2020年8月17日閲覧
  • 『ゴルフ場ガイド 西版』2006 - 2007、「三好カントリー倶楽部(愛知県)」、東京 ゴルフダイジェスト社、2006年5月、2020年8月17日閲覧
  • 『三好の五十年』、三好カントリー倶楽部フェローシップ委員会、2010年5月、2020年8月17日閲覧
  • 『美しい日本のゴルフコース BEAUTIFUL GOLF CULTURE IN JAPAN 日本のゴルフ110年記念 ゴルフは日本の新しい伝統文化である』、ゴルフダイジェスト社「美しい日本のゴルフコース」編纂委員会編、「三好カントリー倶楽部」、東京 ゴルフダイジェスト社、2013年12月、2020年8月17日閲覧
  • 『ゴルフ場セミナー』、48(5)、「クラブハウス探訪 三好カントリー倶楽部(愛知県・36H)落ち着いた雰囲気を大切にイギリスの山小屋をイメージ」、東京 ゴルフダイジェスト社、2015年5月、2020年8月17日閲覧

関連項目 編集

外部リンク 編集