三橋順子

三橋 順子(みつはし じゅんこ、ペンネーム1955年 - )は、日本における性別越境(トランスジェンダー)の社会・文化史研究家である。戸籍上の性別は男性。

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活動編集

1995年頃から、男性から女性への性別越境者の立場から講演・執筆活動を始め、さらに1999年からは日本における性別越境者の歴史学的・社会学的研究を開始する。2000年中央大学文学部講師社会学)に任用され、蔦森樹琉球大学)とともに、[要出典]日本で最初のトランスジェンダーの大学教員となった[1]中央大学社会科学研究所客員研究員、戦後日本〈トランスジェンダー〉社会史研究会幹事などを歴任し、2005年にはお茶の水女子大学非常勤講師として専論講座としては日本初となる「トランスジェンダー論」の講義を担当した[1]2015年現在、都留文科大学明治大学東京経済大学関東学院大学早稲田大学(理工学院)、群馬大学(医学部)非常勤講師。

専門はジェンダー/セクシュアリティの歴史、とりわけ性別越境(トランスジェンダー)の社会・文化史。文献調査・分析による歴史学的手法、聞き取り調査・フィールドワークなどの社会学的手法をもとに、性別越境者としての体験を加味した研究を行っている。近年は買売春史や着物文化史にも研究領域を広げている。

主著『女装と日本人』は、古代から近代までの日本の歴史の中の現れる女装に関するさまざまな事象を取り上げ、社会・文化史的に説き明かすとともに、現代における女装コミュニティや性別認識を分析し、さらに世界の女装文化の比較文化論的位置づけにまで及ぶ。日本初の女装に関する専論書として井上章一原武史松岡正剛など知識人・読書人の評価が高く[要出典]、現代風俗の領域での独創的な研究に対して授与される第19回(2010年度)橋本峰雄賞(社団法人・現代風俗研究会)を受賞した[1]

トランスジェンダーとしての政治的立場から、性別違和を抱いていることを疾患と捉えず、性別の越境は個人の選択によるべきであるとする性別の自己決定論を持論とする。その立場から、性別違和を精神疾患と捉える性同一性障害概念や、性同一性障害医療に対して批判を続けている。また自らについても「性同一性障害という立場はとらない」と明言している。一方で、当事者が医療面だけでなく反対の性別の社会的性別(ジェンダー)に適合する必要性を主張し、性同一性障害者のジェンダー獲得のための支援活動にも重きを置いている[要出典]

著書編集

共著書編集

  • 『性欲の研究 東京エロ地理編』井上章一共編 平凡社、2015

主な論文編集

  • 「往還するジェンダーと身体-トランスジェンダーの経験-」 講座・身体をめぐるレッスン第1巻『夢見る身体Fantasy』岩波書店、2006年
  • 「戦後東京における『男色文化』の歴史地理的変遷-盛り場の片隅で-」『現代風俗学研究』12号、現代風俗研究会 東京の会、2006年
  • 「女装男娼のテクニックとセクシュアリティ」『性欲の文化史 1』講談社、2008年
  • 「女装文化の変容―異性装と自己表現―」 『コスプレする社会』せりか書房、2009年
  • 「トランスジェンダーをめぐる疎外・差異化・差別」 シリーズ「現代の差別と排除」第6巻『セクシュアリティ』明石書店、2010年
  • 「異性装と身体意識 -女装と女体化の間-」『着衣する身体と女性の周縁化』思文閣出版、2012年
  • 「中国の女装の美少年『相公』と近代日本」 『性欲の研究』平凡社、2013年
  • 「性と愛のはざま-近代的ジェンダー・セクシュアリティ観を疑う-」 『講座 日本の思想 第5巻 身と心』岩波書店、2013年
  • 「『着物趣味』の成立」『現代風俗学研究』15号、現代風俗研究会 東京の会、2014年
  • 「東京・新宿の『青線』について―戦後における『盛り場』の再編と関連して」『性欲の研究 東京のエロ地理編』平凡社、2015年
  • 「『台記』に見る藤原頼長のセクシュアリティの再検討」『日記・古記録の世界』思文閣出版、2015年
  • 「日本におけるレズビアンの隠蔽とその影響」『ジェンダー研究/教育の深化のためにー早稲田からの発信―』 彩流社 2016年

脚注編集

外部リンク編集