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ワールドエンジン > 三菱・4B1型エンジン

三菱・4B1型エンジンとは、三菱自動車工業が開発・製造する自動車向け4ストローク直列4気筒エンジンの系列名である。

三菱・4B1型エンジン
生産拠点 三菱自動車工業
製造期間 2005年9月 - 現在
タイプ 直列4気筒DOHC16バルブ
排気量 1.8L
2.0L
2.4L
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4B104B114B12は、排気量や性能は異なるものの、全て「ワールドエンジン」として開発されたため、特にそれぞれの型を言い分ける必要がない場合、ここでは便宜的に4B1型エンジンもしくは単純に4B1と呼ぶ。

目次

概要編集

4B1の元となったワールドエンジンは、提携関係にあった日本の三菱自動車工業、韓国の現代自動車、ドイツ・米国のダイムラー・クライスラー(現・ダイムラーAG)により共同設立されたグローバル・エンジン・アライアンスにより設計されている。そのため、同様にワールドエンジンの設計を受け継いだエンジンは、三菱自動車の4B1だけでなくヒュンダイ及びキア(ヒュンダイ・シータエンジンを参照)とクライスラーにも存在する。

もともとワールドエンジンは、共同開発や部品の共有化によって開発費や製造ライン維持費を削減するのが目的であったが、全てを共有することは考えられていなかった。共用するのはエンジンの基礎的な部品のみであり、市場の需要に対して各社が自由にエンジンの性能を決定出来るだけの余地が残されていた。ダイムラー・クライスラーのワールドエンジンに搭載される吸気バルブ、排気バルブの製造は三菱が行っている[1]

製造は、2019年現在、日本では全て滋賀県湖南市にある京都製作所滋賀工場で行われている。

このエンジン系列はマレーシアプロトンにも供給されており、プロトン・インスピラ(≒ランサー)に4B10と4B11が採用されている。

諸性能編集

4B10編集

シリンダー配置 直列4気筒DOHC16バルブMIVEC
排気量 1,798 cc
ボア 86 mm
ストローク 77.4 mm
圧縮比 10.5:1
燃料噴射装置 ECI-MULTI(電子制御燃料噴射)
最高出力 102 kW(139 PS)/ 6,000 rpm
最高トルク 172 N·m(17.5 kgf·m)/ 4,200rpm

ボアよりもストローク(行程)が短いショートストロークエンジンである。

日本では2009年12月にマイナーチェンジしたギャランフォルティスで初めて4B10が搭載されたが、海外ではそれより前からランサーに搭載されている。

4B11編集

 
プロトン・インスピラの4B11エンジン
 
2010年式ランサー・ラリーアートスポーツバックの4B11ターボエンジン
過給機の有無 なし ターボ
シリンダー配置 直列4気筒DOHC16バルブMIVEC
排気量 1,998 cc
ボア 86 mm
ストローク 86 mm
圧縮比 10:1
10.5:1[注 1]
9:1
燃料噴射装置 ECI-MULTI
最高出力 113 kW(154PS)/ 6,000 rpm
87 kW(118PS)/ 4,500 rpm[注 1]
206 kW(280PS)/ 6,500 rpm[注 2]
221 kW(300PS)/ 6,500 rpm[注 3]
230 kW(313PS)/ 6,500 rpm[注 4]
177 kW(240PS)/ 6,000 rpm[注 5]
最高トルク 198 N·m(20.2kgf·m)/ 4,250 rpm
186 N·m(19.0kgf·m)/ 4,500 rpm[注 1]
422 N・m(43.0kgf.m)/3,500rpm[注 6]
429 N·m(43.7kgf·m)/ 3,500 rpm[注 4]
343 N·m(35.0kgf·m)/ 3,000 rpm[注 5]

4B11はギャランフォルティス(輸出名:ランサー)などに搭載される自然吸気(NA)モデルと、ランサーエボリューションXランサーエボリューション ファイナルエディション、ギャランフォルティス・ラリーアート(輸出名:ランサーラリーアート)、ギャランフォルティススポーツバック・ラリーアートに搭載されるターボモデルがある。

NAモデルの4B11と4B11ターボは、外見こそほとんど同じであるが、ターボモデルはランサーエボリューションに求められる性能を満たす必要があったため、使われている多くの部品は設計や工法が違い、軽量化・高剛性化されており、自然吸気のものとは別物と言っていいほど異なっている[2]

ただし、ギャランフォルティスとスポーツバックのラリーアートグレードに搭載される4B11ターボは、ランサーエボリューションXに搭載されているエンジンと同じもので、ターボチャージャーをツインスクロールからシングルスクロールに変更、ラジエーターやエアクリーナー、インタークーラーの形状とサイズの最適化を図ったものである。ランサーエボリューション用の4B11ターボは、それまでのランエボに搭載されていた4G63と比較し、最高出力は206kWで同じながらトルクが太くなりレスポンスも向上し、エンジン全体で12kgの軽量化と、エンジンの低重心化を可能とした。

4B12編集

シリンダー配置 直列4気筒DOHC16バルブMIVEC
排気量 2,359 cc
ボア 88 mm
ストローク 97 mm
圧縮比 10.5:1
12.0:1[注 1]
燃料噴射装置 ECI-MULTI
最高出力 125 kW(170 PS)/ 6,000 rpm
94 kW(128PS)/ 4,500rpm[注 1]
最高トルク 226 N·m(23.0 kgf·m)/ 4,100rpm
199 kW(20.3 kgf・m)/ 4,500 rpm[注 1]

アウトランダーの2.4LモデルやデリカD:5に搭載。ボアは4B10、4B11から2mm拡張されたが、ストローク(行程)の長いロングストロークエンジンである。実質的なワールドエンジンの成果とされており、4B11と4B10はこのエンジンをもとにボアとストロークを縮小させたものである。

4B1の中では最初に発売されたエンジンであった。

2018年にマイナーチェンジしたアウトランダーPHEVにはアトキンソンサイクル化した4B12が搭載された。発電能力を重視した仕様で出力とトルクの最高発生回転数が同一(4,500rpm)という珍しいスペックとなっている。

脚注編集

  1. ^ 三菱重工業プレスリリース2005年9月
  2. ^ モーターファン別冊・ランサーエボリューションXのすべて 三栄書房 p.43 ISBN 978-4-7796-0308-2

注釈編集

  1. ^ a b c d e f アウトランダーPHEV
  2. ^ ランサーエボリューションⅩ MC前用
  3. ^ ランサーエボリューションⅩ MC後用
  4. ^ a b ランサーエボリューション ファイナルエディション用
  5. ^ a b ギャランフォルティス・ラリーアート、ギャランフォルティススポーツバック・ラリーアート用
  6. ^ ランサーエボリューションⅩ用

関連項目編集

外部リンク編集