三遊亭兼好

日本の落語家

三遊亭 兼好(さんゆうてい けんこう、1970年1月11日 - )は、五代目円楽一門会所属の落語家福島県会津若松市出身。本名∶佐藤 健司出囃子は『さんげさんげ』。は『三ツ組橘』。血液型B型[1]

三遊亭さんゆうてい 兼好けんこう
三遊亭(さんゆうてい) 兼好(けんこう)
三ツ組橘は、圓楽一門の定紋である。
本名 佐藤さとう 健司けんじ
生年月日 (1970-01-11) 1970年1月11日(54歳)
出身地 日本の旗 日本福島県会津若松市
師匠 三遊亭好楽
弟子 三遊亭兼太郎
三遊亭好二郎
三遊亭兼矢
三遊亭けろよん
三遊亭げんき
名跡 1. 三遊亭好作
(1998年 - 2002年)
2. 三遊亭好二郎
(2002年 - 2008年)
3. 三遊亭兼好
(2008年 - )
出囃子 さんげさんげ
活動期間 1998年 -
配偶者 あり
所属 円楽一門会
五代目円楽一門会
受賞歴
2006(平成18)年 にっかん飛切落語会 若手落語家表彰努力賞
2007(平成19)年 にっかん飛切落語会 奨励賞
2008(平成20)年 第13回 林家彦六賞
2010(平成22)年度 花形演芸大賞 金賞
2011(平成23)年度 花形演芸大賞 金賞
2014(平成26)年 平成25年度 彩の国落語大賞

経歴 編集

二松學舍大学文学部国文学科卒業。落語家に成る前は、さまざまな仕事を転々としており、落語との出会いは、27歳の頃に魚河岸で働いていた時で、仕事が昼頃には終わるので「安いお金で時間を潰せる所はないか?」と、寄席に通い始めたのがきっかけ。寄席に何回か通っていると、三遊亭好楽の高座に良く出会うので、「これは運命かな?」と思っていたころ、偶々家も近く、「この辺に(師匠の)家があるな」とスクーターで走っていたところ、偶然、好楽の散歩中に出くわして、「弟子にして下さい」とお願いをしたところ、好楽が「どうでもいいけど、ヘルメットを取れ」[2]と言ったとのこと(その時は入門を断られる)。その後、3回(都合4回)入門を願い出たが、「年齢のこと」「既婚者であること」「子供もいること」などの理由で断られた。最終的に入門を許可されたのは、好楽が「じゃあ、奥さんに電話をして許可を取る」と兼好の妻に電話をし、初め、兼好の妻は三遊亭好楽のことを判っていなかったが、『笑点』に出ていると判ると一変し、「お宅の旦那が噺家に成りたいと言っているが」と聞くと「よろしくお願いします」と即答され、そして入門が許可されたとのこと[3]

1998年10月、三遊亭好楽に入門。兼好が好楽に許されるまでに入門を願い出た回数と、好楽が元師匠八代目林家正蔵(→林家彦六)に入門を願い出た数は同じ4回で許可が下りる。前座名は、当時既に妻と娘2人がいたことから「女子供を作る」で「好作」。

2002年3月、三遊亭好二郎に改名し二ツ目昇進。2006年4月、「にっかん飛切落語会」若手落語家表彰努力賞受賞。2007年12月、「にっかん飛切落語会」奨励賞受賞。

2008年、第13回 林家彦六賞受賞。9月に真打に昇進。師匠曰く「お前は兼好っぽいから」という理由で初代「兼好」を名乗る。2014年、平成25年度彩の国落語大賞受賞。

活動 編集

  • 落語家Xの快楽 シーズン2.0』(WOWOW、2011年)で山里亮太南海キャンディーズ)に落語「宗論」を教えた[6]縁で「三遊亭 兼便(けんべん)」の名前を与え、落語会で共演している[7]
  • イラストに定評があり、CDのブックレットや東京かわら版での連載に文章にイラストを添えるスタイルで落語にちなんだ絵を描いている。落語会の演題にイラストを添えることもある。コロナ禍にはTwitter(現X)、Instagramで落語家や話題の人物などの似顔絵を公開した。

芸歴 編集

受賞歴 編集

  • 2004年2月 - 「第1回車力寄席グランドチャンピオン大会」落語部門賞
  • 2006年4月 - 「にっかん飛切落語会」若手落語家表彰努力賞
  • 2007年12月 - 「にっかん飛切落語会」奨励賞
  • 2008年 - 第13回 林家彦六賞受賞
  • 2010年 - 国立演芸場花形演芸会 銀賞
  • 2011年 - 国立演芸場花形演芸会 金賞
  • 2012年 - 国立演芸場花形演芸会 金賞
  • 2014年 - 平成25年度彩の国落語大賞受賞

逸話 編集

真打昇進パーティー時の鏡開きが失敗した。司会者が「『よいしょ』っと言ったら割ってくださいね」と合図の説明のときの『よいしょ』で全員が小槌を振り下ろして割ってしまったという[8]

メディア 編集

連載 編集

テレビ 編集

ラジオ 編集

ポッドキャスト 編集

CD 編集

CDムック 編集

  • にっかん飛切落語会 よりぬき名人名演集3「壷算」(オムニバス/ 竹書房、2012年1月)

DVD 編集

上記3点のDVDは、Amazonオンデマンドのサービス終了により2021年6月4日で販売終了となった。

著書 編集

  • 『らくご絵手帖  絵でみる落語と江戸の暮らし』三遊亭兼好 監修、瀬知エリカ 画(カンゼン、2011年9月)
  • 『落語三昧!古典落語/名作・名演・トリヴィア集』(竹書房、2015年12月)ISBN 9784801905702
  • 『古典落語 知っているようで知らない噺のツボ』 三遊亭兼好 他 (竹書房、2016年2月) ISBN 9784801906440
  • 『お二階へご案内~ 虎の巻、妻と上手に生きる方法』(東京かわら版新書、2018年6月)ISBN 978-4910085050
  • 『落語の目利き』 広瀬和生 著 、三遊亭兼好 画(竹書房、2022年5月)ISBN 9784801931091
  • 『三遊亭兼好 立ち噺 独演会オープニングトーク集』(竹書房、2022年6月)ISBN 9784801931732
  • 『江戸の暮らしと落語ことはじめ』三遊亭兼好 著、安藤優一郎 監修(アノニマ・スタジオ、2022年12月)ISBN 978-4-87758-841-0
  • 『お二階へご案内~ 虎の巻 再考! 事実は小説より "悲" なり』三遊亭兼好 著(東京かわら版新書、2023年10月)ISBN 9784910085401

弟子 編集

二ツ目 編集

前座 編集

  • 三遊亭けろよん
  • 三遊亭げんき

脚注 編集

注釈 編集

  1. ^ 日時は年によって異なる。

出典 編集

  1. ^ 東京かわら版 増刊号『東西寄席演芸家名鑑 2』東京かわら版、2021年8月29日、193頁
  2. ^ a b NEWS ONLINE 編集部 (2018年10月4日). “落語家・三遊亭兼好の入門のきっかけ”. ニッポン放送 NEWS ONLINE. ニッポン放送. 2021年1月14日閲覧。
  3. ^ テレビ朝日落語者」でのインタビューより[出典無効]
  4. ^ 過去の夢空間噺 根多帳 2017年”. 夢空間. 2021年1月11日閲覧。
  5. ^ スポーツ報知(@SportsHochi) (2017年1月21日). “三遊亭兼好と王楽が新宿末広亭で「二人会」…31日の余一会で実現 円楽一門では異例の出演”. twitter. 2021年7月28日閲覧。
  6. ^ 株式会社WOWOW (2011年3月4日). “「落語家Xの快楽 シーズン2.0 」芸人・俳優・女優が実力派の落語家に入門!”. PR TIMES. 2021年12月25日閲覧。
  7. ^ 植竹公和 (2018年7月28日). “三遊亭兼好 三遊亭兼便 親子会”. 植竹公和の日記. Hatena blog. 2021年12月25日閲覧。
  8. ^ 流されて円楽に 流れつくか圓生に, p. 28.

関連項目 編集

外部リンク 編集