三重大学医学部附属病院

日本の三重県津市にある大学病院
画像提供依頼:三重大学医学部附属病院の新病棟外観の画像提供をお願いします。2021年1月

国立大学法人 三重大学医学部附属病院(こくりつだいがくほうじん みえだいがくいがくぶふぞくびょういん、英語: Mie University Hospital)は、三重県津市にある三重大学医学部附属の大学病院である。当院の基本理念は「本院は、信頼と安心が得られる地域医療の拠点として、未来を拓く診療・研究を推進し、人間性豊かな優れた医療人を育成します。」[3]

Japanese Map symbol (Hospital) w.svg 三重大学医学部附属病院
Mie University Hospital.jpg
情報
正式名称 国立大学法人三重大学医学部附属病院
英語名称 Mie University Hospital
前身 私立今井病院
津市立病院
三重県立医学専門学校附属病院
三重県立医科大学附属病院
三重県立大学附属病院
標榜診療科 総合内科・総合診療科,循環器内科,血液内科,消化器・肝臓内科,脳神経内科,呼吸器内科,腫瘍内科,腎臓内科,糖尿病・内分泌内科,感染症内科,一般外科,消化管外科,肝胆膵・移植外科,心臓血管外科,呼吸器外科,乳腺外科,小児外科,整形外科,産科婦人科,小児科,精神科神経科,皮膚科,腎泌尿器外科,眼科,耳鼻咽喉・頭頸部外科,脳神経外科,形成外科,歯科口腔外科,放射線科,リハビリテーション科,ゲノム診療科,緩和ケア科,リウマチ・膠原病内科,ペインクリニック,漢方外来,統合医療・鍼灸外来
許可病床数

685[1]
一般病床:655床


精神病床:30[1]
機能評価 一般病院2(500床以上)(主たる機能):3rdG:Ver.1.1
開設者 国立大学法人三重大学
管理者 伊佐地 秀司(病院長)[2]
開設年月日 1889年9月
所在地
514-8507
三重県津市江戸橋2丁目174番地
位置 北緯34度44分36秒
東経136度31分16秒
二次医療圏 中勢伊賀
PJ 医療機関
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概要編集

県内唯一の大学病院・特定機能病院救命救急センターが設置されているほか、三重県における医師および医療スタッフ育成の中心的役割を担っている。医学部の学生で結成された学生団体のMUSHが看護師の仕事を補助している[4]。 2ヶ月間隔の輪番制で伊勢赤十字病院と共同でドクターヘリの運行を行っている。 また、平成25年に厚生労働省が全国で15施設を指定した小児がん拠点病院の一つである。

沿革編集

  • 1889年明治22年)9月 - 三重県公立病院の施設を私立今井病院に貸与。
  • 1910年(明治43年)4月1日 - 津市立病院となる。
  • 1943年昭和18年)12月10日 - 三重県立医学専門学校附属病院と改称。
  • 1973年(昭和48年)10月1日 - 三重大学医学部附属病院と改称。栄町から江戸橋へ移転。
  • 2005年平成17年)12月 - 新病院計画の事業費が概算要求で認可される。
  • 2010年(平成22年)12月 - エネルギーセンター棟完成。
  • 2012年(平成24年)1月 - 再開発Ⅰ期開院。病棟診療棟を供用開始。
  • 2012年(平成24年)2月1日 - 三重県ドクターヘリの運航を開始。
  • 2015年(平成27年)5月7日 - 新外来棟を利用開始し、「高度生殖医療センター」を開設[5][6]

診療科編集

外来の診療受付時間は平日の8:30~12:00(予約済み再診の場合は8:30~17:00)である。

内科系

外科系

感覚・運動機能

脳・神経・精神

小児・周産・女性

総合領域

新病院建設計画編集

施設の老朽化のため2006年より現在地での病棟の新築が行われた。 新病棟には国内の医療施設で初めて気化式加湿方式の空調設備が導入された。[7][8]

2006年8月から2007年5月にかけて精神科神経科病棟を本館へ一時移転する事前工事が行われた。続いて旧精神科神経科病棟を解体、跡地に病棟診療棟を建設するⅠ期工事を2008年3月に開始、 病棟診療棟は2011年6月に完成した。Ⅰ期工事では平行してエネルギーセンター棟も整備されている。引き続き、本館の南側と機械棟を解体して外来診療棟を建設するⅡ期工事が2012年6月に開始、外来診療棟は2014年9月に完成した。また、2018年3月には病院全体が完成した。

病棟診療棟編集

1階から3階には救命救急センター、総合集中治療センター、中央放射線部、中央手術部などがある。設備階の4階を挟んで5階から11階が病棟となっている。12階には展望レストランとホールが、屋上にはドクターヘリ防災ヘリが利用するヘリポートが設置されている。

外来診療棟編集

2015年5月7日新外来・診療棟開院。[9]

エネルギーセンター棟編集

病棟へのエネルギー供給を担う施設として、アイソトープセンターの南東側に建設された。受電設備や非常用発電機などの電力機器、温水発生器やボイラーなどの空調熱源機器、およびそれらを管理する中央監視室が設置されている。汎用性の高い高効率機器の採用、システム構成の単純化、太陽光風力発電の導入などの取り組みで、環境負荷低減と経費節減に配慮した設計とした。海岸沿いに立地していることから、津波対策として非常用発電機は2階に設置しており、非常時には最大3日間の電力供給が可能となっている。 [10]

  • 延床面積;約2,490m2
  • 建物構造:鉄筋コンクリート造・4階建て

ドクターヘリ編集

2012年2月1日より三重県ドクターヘリが本院と伊勢赤十字病院を基地病院として運用されている。基地病院は2ヶ月ごとの交代制で、本院は2月、3月、6月、7月、10月、11月を担当する。運用時間は8:30から17:00(冬期は日没まで)で、本院から三重県内各地へ概ね35分以内で到達可能である。運航調整委員会の運営と運航会社との契約についても本院が中心となっておこなわれている。[11]

事案編集

2020年9月
2020年9月、当院医師らが手術中に不整脈が起きた時の緊急措置などに使われる薬剤を実際は投与していないのに、診療録には投与したかのような虚偽の記載をし、診療報酬を不正に請求した疑いがもたれている事が報じられた。同年3月末に発覚し、大学が院内調査委員会と第三者委員会を立ち上げた。報道の時点で患者への健康被害は確認されていない[12][13][14][15]。12月、当該元医師(元准教授懲戒解雇)が公電磁的記録不正作出・同供用罪で逮捕起訴され、2021年1月にも同容疑で再逮捕された[16][17]
2021年1月
2021年1月6日、三重愛知県警察医療機器の納入で便宜を図った見返りに、自身が代表を務める団体に現金を振り込ませたとして、同大医学部附属病院臨床麻酔部元教授ら医師2人を第三者供賄容疑[18]で、贈賄容疑で日本光電工業(本社・東京都新宿区)の社員3人を逮捕した[19][20]。両県警によると、元教授らは2019年8月、同病院の医療機器納入の一般競争入札をめぐり、日本光電側が確実に受注できるように便宜を図る見返りとして、一般社団法人「BAMエンカレッジメント」(津市)[21]の口座に現金200万円を振り込ませた疑いがある。金は飲食費などに充てられたとみられる。
三重大学・日本光電ともに逮捕当日、それぞれコメントを発表。三重大は「在職中の行為で元教授らが逮捕されたことは誠に遺憾であり、地域の皆様をはじめ関係者の皆様には、⼤変ご⼼配とご迷惑をおかけし、お詫び申し上げます。本学といたしましては、今後も捜査機関の捜査には全面的に協力するとともに、今後このような事案が発生することのないよう全学を挙げて再発防止に取り組み、本学に対する信頼の回復と綱紀粛正に努めて参ります」と[22]、日本光電は「お客様、株主の皆様、ならびに関係するすべての方々に、多大なご迷惑とご心配をおかけすることとなり、心より深くお詫び申し上げます。」と発表した[23]
逮捕された元教授は贈賄側の日本光電工業と競合メーカーの1社に「機器の性能に興味はない。寄付した社の製品を入れる」などと伝え、入札では他社からの寄付金名目で200万円を提供した日本光電の製品が選ばれていたことが1月16日、捜査関係者への取材で分かった[24]
また、元教授は不整脈を抑える効果がある薬剤「オノアクト」(小野薬品工業)を病院で積極的に使う見返りに小野薬品工業に200万円を大学に提供させたとして、第三者供賄の疑いで津地方検察庁に再逮捕された。小野薬品工業の従業員2人も、贈賄の疑いで逮捕された。元教授が部下に「オノアクト」を積極的に使うよう指示していた。大学が設置した第三者委員会による調査報告書などによると、小野薬品工業の「オノアクト」の手術における年間の使用実績は平成29年度までは100件余りだったか、元教授が指示を出した後の平成30年度には1500件余りと15倍に急増し、さらに翌年度には3200件余りと急激に増えていた[25]
2021年2月
2020年9月、2021年1月の一連の事件の発覚後に臨床麻酔部を新たに率いることになった男性医師がこれらの事件を引き合いに出して「いま病院を辞めたら、共犯者とみられてもしょうがない」といった発言をしたとして、複数の医師が大学側へパワハラではないかと訴えていることが報じられた[26]。大学側はパワハラを認めて厳重注意をしたが、少なくとも3人がパワハラ発言を理由として退職したという[26]。他にも2020年9月の事件発覚以降、臨床麻酔部の医師が一斉退職しており、もとの18人から4人まで激減した[26]

交通アクセス編集

脚注編集

  1. ^ a b 病床数および患者数”. 三重大学医学部附属病院. 2021年1月7日閲覧。
  2. ^ ごあいさつ”. 三重大学医学部附属病院. 2020年1月7日閲覧。
  3. ^ 基本理念”. 三重大学医学部附属病院. 2020年1月7日閲覧。
  4. ^ 宿谷紀子"医の心 現場で磨く 医学生が看護お手伝い 三重大病院 「チームの大切さ実感」"2013年4月3日付中日新聞朝刊、社会面10版28ページ
  5. ^ 河郷丈史(2015年5月8日). “三重大病院 高度生殖医療センター開院 不妊治療の中核施設に”. 中日新聞 (中日新聞社)
  6. ^ 後藤一也(2015年5月8日). “県、所得に応じて不妊治療の費用助成 無料電話相談も設置”. 朝日新聞(朝日新聞社)
  7. ^ http://www.yomidr.yomiuri.co.jp/page.jsp?id=86829 「新病棟空調に気化式導入…三重大病院」2013年10月23日 読売新聞
  8. ^ http://www.snk.co.jp/event/140121.html 気化式加湿器衛生対策システム『Ag-ion Master® エージーイオンマスター』を三重大学医学部附属病院に導入~ 気化式加湿器の感染リスクを低減 ~ 新日本空調株式会社
  9. ^ 沿 革 | 三重大学医学部附属病院”. www.hosp.mie-u.ac.jp. 2020年1月2日閲覧。
  10. ^ [1]「三重大学医学部附属病院エネルギーセンター棟概要書」三重大学施設部
  11. ^ http://www.pref.mie.lg.jp/IRYOS/HP/doctorheli/index.htm 三重県ドクターヘリ
  12. ^ “三重大病院医師、2千万円超を不正請求か 薬投与の虚偽”. 朝日新聞DIGITAL. (2020年9月8日). https://www.asahi.com/articles/ASN986CTWN98ONFB00W.html 2020年9月11日閲覧。 
  13. ^ “三重大病院、不正請求2200件 カルテ改ざん、計2800万円超”. 一般社団法人共同通信社. (2020年9月11日). https://this.kiji.is/677062537674851425 2020年9月11日閲覧。 
  14. ^ “40代医師の診療報酬不正を認定 三重大病院の第三者委”. JIJI.COM. (2020年9月11日). https://www.jiji.com/jc/article?k=2020091101081&g=soc 2020年9月12日閲覧。 
  15. ^ 当院における不正事案について”. 三重大学医学部附属病院 (2020年9月14日). 2020年9月18日閲覧。
  16. ^ カルテ改ざんで起訴 津地検、三重大元准教授”. 伊勢新聞 2020.12.24. 2021年1月10日閲覧。
  17. ^ 診療報酬詐取容疑で再逮捕 三重大元准教授、津地検”. 日本経済新聞 2021年1月6日 18:21. 2021年1月10日閲覧。
  18. ^ 第三者供賄罪 - コトバンク、2020年1月7日閲覧
  19. ^ “三重大病院元教授ら逮捕 機器納入で第三者供賄容疑 - 愛知・三重両県警”. JIJI.COM. (2021年1月6日). https://www.jiji.com/jc/article?k=2021010600797&g=soc 2021年1月7日閲覧。 
  20. ^ “三重大病院元教授ら逮捕 機器納入めぐり贈賄させた疑い”. 朝日新聞デジタル(会員記事). (2021年1月6日). https://www.asahi.com/articles/ASP167313P16OIPE011.html?iref=comtop_7_05 2021年1月7日閲覧。 
  21. ^ 法人番号:2190005011328 一般社団法人BAMエンカレッジメント - 全国法人データバンク、2021年1月7日閲覧
  22. ^ 本学医学部附属病院の元教授らの不祥事について”. 三重大学 (2021年1月6日). 2021年1月7日閲覧。
  23. ^ 社員の逮捕について”. 日本光電 (2021年1月6日). 2021年1月7日閲覧。
  24. ^ 「寄付したら製品入れる」 元教授、2社競わせる”. 一般社団法人共同 (2021年1月17日). 2021年1月17日閲覧。
  25. ^ 「薬剤積極使用見返りに200万円」三重大医学部元教授再逮捕”. NHK NEWS WEB 2021年1月27日 22時47分. 2021年1月27日閲覧。
  26. ^ a b c 三重大病院…不祥事で麻酔科医一斉退職 背景にパワハラ「今辞めたら共犯者」” (日本語). CBCテレビ動画ニュースサイト【CBC NEWS(CBCニュース)】. 2021年2月1日閲覧。
  27. ^ a b 交通アクセス”. 三重大学医学部附属病院. 2021年1月7日閲覧。

外部リンク編集