三陸鉄道リアス線

日本の岩手県大船渡市と久慈市を結ぶ三陸鉄道の鉄道路線
三陸鉄道北リアス線から転送)

リアス線(リアスせん)は、岩手県大船渡市盛駅久慈市久慈駅を結ぶ、三陸鉄道鉄道路線の総称である。

リアス線
大沢橋梁 - panoramio.jpg
リアス線の大沢橋梁
(2015年9月20日 白井海岸駅 - 堀内駅間)
概要
起終点 起点:盛駅
終点:久慈駅
運営
三セク転換 1984年4月1日(盛駅 - 釜石駅宮古駅 - 久慈駅
2019年3月23日(釜石駅 - 宮古駅)
所有者 三陸鉄道
使用車両 三陸鉄道#車両を参照
路線諸元
路線総延長 163.0 km (101.3 mi)
軌間 1,067 mm (3 ft 6 in)
電化 全線非電化
運行速度 最高90 km/h[1]
テンプレートを表示
停車場・施設・接続路線
STR
岩手開発鉄道日頃市線
0.0 盛駅
gSTRr STR STR
JR東大船渡線BRT
exSTRq
STR
←JR東:大船渡線-2020
WASSERq hKRZWae hKRZWae
盛川
STRq KRZo STRr
←岩手開発鉄道:赤崎線
TUNNEL1
佐野トンネル
hKRZWae
後ノ入川
BHF
3.7 陸前赤崎駅
TUNNEL1
綾里トンネル
TUNNEL2
BHF
9.1 綾里駅
eHST
(9.8) (臨)白浜海岸駅 -1992
TUNNEL2
TUNNEL2
TUNNEL1
第二白浜トンネル
BHF
12.0 恋し浜駅
TUNNEL1
小石浜トンネル
TUNNEL2
BHF
14.3 甫嶺駅
TUNNEL1
甫嶺トンネル
TUNNEL2
hKRZWae
泊川
TUNNEL2
BHF
17.0 三陸駅
hKRZWae
浦浜川
TUNNEL1
羅生トンネル
hKRZWae
吉浜川
TUNNEL2
TUNNEL2
TUNNEL2
BHF
21.6 吉浜駅
hKRZWae
白木沢川
TUNNEL2
TUNNEL1
鍬台トンネル
hKRZWae
熊野川
TUNNEL1
熊木トンネル
BHF
27.7 唐丹駅
hKRZWae
片岸川
TUNNEL1
石塚トンネル
BHF
33.1 平田駅
TUNNEL1
釜石トンネル
WASSERq hKRZWa WASSER+r
大渡川(甲子川
WASSER+l hKRZWe WASSERr
WASSER BHF
36.6 釜石駅
WASSERl hKRZWae WASSERq
ABZgl STRq
JR東:釜石線
TUNNEL1
釜石トンネル
hKRZWae
第3水海川橋りょう 水海川
hKRZWae
第2水海川橋りょう 水海川
hKRZWae
第1水海川橋りょう 水海川
TUNNEL1
第3水海トンネル
TUNNEL1
第2水海トンネル
TUNNEL1
第1水海トンネル
BHF
42.7 両石駅
TUNNEL1
恋の峠トンネル
hKRZWae
鵜住居橋りょう 鵜住居川
BHF
44.9 鵜住居駅
hKRZWae
鵜住居橋りょう 鵜住居川
hKRZWae
片岸橋りょう
TUNNEL1
大槌トンネル
hKRZWae
小槌川橋りょう 小槌川
BHF
48.9 大槌駅
hKRZWae
大槌川橋りょう 大槌川
TUNNEL1
吉里吉里トンネル
BHF
52.3 吉里吉里駅
hKRZWae
浪板川橋りょう 浪板川
BHF
54.1 浪板海岸駅
TUNNEL1
第3大沢トンネル
TUNNEL1
第2大沢トンネル
TUNNEL1
第1大沢トンネル
BHF
60.5 岩手船越駅
TUNNEL1
船越トンネル
TUNNEL1
第2草木トンネル
TUNNEL1
第1草木トンネル
hKRZWae
第2織笠川橋りょう 織笠川
hKRZWae
第1織笠川橋りょう 織笠川
TUNNEL1
織笠トンネル
BHF
64.3 織笠駅
BHF
65.5 陸中山田駅
TUNNEL1
山田トンネル
hKRZWae
関口川橋りょう 関口川
TUNNEL1
関口トンネル
TUNNEL1
祭の神トンネル
hKRZWae
豊間根川橋りょう 豊間根川
BHF
76.6 豊間根駅
hKRZWae
荒川橋りょう 荒川
BHF
80.7 払川駅
BHF
82.8 津軽石駅
BHF
88.2 八木沢・宮古短大駅
BHF
90.0 磯鶏駅
TUNNEL1
磯鶏トンネル
eABZgl exKBSTeq
ラサ工業宮古工場専用線
hKRZWae
第34閉伊川橋りょう 閉伊川
exKDSTaq eABZg+r
宮古港駅 -1984
BHF
92.0 宮古駅
ABZgl STRq
JR東:山田線
TUNNEL2
長根トンネル 562m
BHF
93.6 山口団地駅
TUNNEL2
第一山口トンネル 137m
TUNNEL2
第二山口トンネル 213m
TUNNEL1
猿峠トンネル 2,870m
BHF
98.2 一の渡駅
TUNNEL1
一の渡トンネル 2,245m
TUNNEL2
第一佐羽根トンネル 62m
BHF
101.1 佐羽根駅
TUNNEL2
第二佐羽根トンネル 308m
TUNNEL2
堀野トンネル 35m
TUNNEL2
第一庄転トンネル 43m
TUNNEL2
第二庄転トンネル 169m
TUNNEL2
逢の山トンネル 489m
BHF
104.7 田老駅
TUNNEL2
第一田老トンネル 55m
BHF
105.2 新田老駅
TUNNEL2
第二田老トンネル 255m
TUNNEL2
第三田老トンネル 357m
TUNNEL1
真崎トンネル 6,532m
BHF
113.5 摂待駅
TUNNEL1
摂待トンネル 2,446m
hKRZWae
小本川
BHF
117.1 岩泉小本駅
TUNNEL1
小本トンネル 5,174m
TUNNEL1
切牛トンネル 1,824m
TUNNEL2
浜考トンネル 529m
BHF
125.6 島越駅
hKRZWae
松前川
TUNNEL2
第一島越トンネル 216m
BRÜCKE1
コイコロベ橋梁
TUNNEL2
第二島越トンネル 723m
BRÜCKE1
ハイペ沢橋梁
TUNNEL2
平井賀トンネル 655m
BHF
127.6 田野畑駅
TUNNEL1
羅賀トンネル 1,271m
TUNNEL2
明戸トンネル 140m
TUNNEL1
普代トンネル 4,700m
BHF
136.9 普代駅
TUNNEL2
第三力持トンネル 862m
TUNNEL2
第二力持トンネル 58m
TUNNEL2
BHF
140.3 白井海岸駅
TUNNEL2
第三白井トンネル 371m
TUNNEL2
第二白井トンネル 35m
TUNNEL1
第一白井トンネル 1,540m
hSTRae
大沢橋梁
TUNNEL2
大沢トンネル 69m
TUNNEL2
汎向トンネル 180m
TUNNEL2
堀内トンネル 225m
BHF
143.4 堀内駅
TUNNEL2
第二安家トンネル 381m
hSTRae
安家川橋梁
TUNNEL2
第一安家トンネル 687m
TUNNEL2
銭神トンネル 191m
TUNNEL2
石門トンネル 510m
BHF
147.9 野田玉川駅
TUNNEL2
玉川トンネル 222m
TUNNEL2
米田トンネル 300m
TUNNEL2
十府ヶ浦トンネル 290m
BHF
149.6 十府ヶ浦海岸駅
eHST
149.6 (臨)十府ヶ浦駅 1986-94
BHF
151.9 陸中野田駅
BHF
155.3 陸中宇部駅
TUNNEL2
宇部トンネル 887m
hKRZWae
長内川
BHF
163.0 久慈駅
STR
↓JR東:八戸線

歴史的な経緯により、国土交通省監修『鉄道要覧』では南リアス線(みなみリアスせん)・リアス線(リアスせん)・北リアス線(きたリアス線)の3つの線名に分かれているが(後述)、旅客案内上は全区間において「リアス線」の路線名称が使用される。

概要編集

リアス式海岸として知られる岩手県の三陸海岸沿いを南北に縦貫する鉄道路線である。

リアス線は建設時の歴史的経緯により、盛駅 - 釜石駅間(南リアス線)、釜石駅 - 宮古駅間(リアス線)、宮古駅 - 久慈駅間(北リアス線)に分けられる。盛駅 - 釜石駅間および宮古駅 - 久慈駅間は日本鉄道建設公団(鉄道公団)により建設された区間で、1970年代日本国有鉄道(国鉄)の路線として一部区間が開通していたものを、特定地方交通線の取り組みにより三陸鉄道が承継の上全通させたものである。釜石駅 - 宮古駅間は鉄道省山田線の一部として1930年代に順次開通し、国鉄を経て東日本旅客鉄道(JR東日本)により運営されていた区間である。

2011年3月11日東日本大震災によって各区間は大きな被害を受け不通となっていたが、三陸鉄道により運営されていた南リアス線・北リアス線は2014年までに全線で復旧。残る山田線の宮古駅 - 釜石駅間はJR東日本が復旧工事を行った上で三陸鉄道に移管されることとなり、2019年3月23日に運行再開。同時に既存の南リアス線・北リアス線とあわせ、盛駅 - 久慈駅間の案内上の路線呼称を「リアス線」に統一することとなった[2][3][4]。ただし、呼称統一後も全区間を運転する列車は限られており、実態としては釜石駅・宮古駅を境に運転系統が分割されている(後述)。

建設年代の新しい南リアス線・北リアス線の区間は大半がトンネルや高架橋で構成され、線形も直線的で、道路ともほとんどが立体交差化されているのに対し、山田線を転換したリアス線の区間は曲線や地平区間、踏切が多く存在するなど、区間ごとに路線状況が異なるのも特徴となっている。また、車窓から海の見える区間も全体としてそれほど多いわけではなく、海岸線から数キロメートル離れた内陸部を経由する区間もある。

盛駅 - 久慈駅間を1路線としてみなした場合、日本の第三セクター鉄道では最長距離の路線 (163.0 km) となる[2][3][5][注釈 1]

路線データ編集

  • 管轄(事業種別):三陸鉄道(第一種鉄道事業者
  • 区間(営業キロ):盛駅 - 久慈駅 163.0 km
    • 宮古駅 - 久慈駅(北リアス線) 71.0 km
    • 盛駅 - 釜石駅(南リアス線) 36.6 km
    • 釜石駅 - 宮古駅(リアス線) 55.4 km
  • 軌間:1,067 mm
  • 駅数:41駅(起終点駅含む。釜石駅・宮古駅は重複計上しない)
  • 複線区間:なし(全線単線
  • 電化区間:なし(全線非電化
  • 閉塞方式:特殊自動閉塞式(軌道回路検知式)
  • 運転指令所
    • 盛駅 - 釜石駅間:運行本部盛派出所
    • 釜石駅 - 宮古駅間:運行本部(宮古本所)
    • 宮古駅 - 久慈駅間:運行本部久慈派出所
  • 最高速度:90 km/h[1]
  • 車両基地所在駅:宮古駅(運行本部)、久慈駅・盛駅(派出所)

運行形態編集

2021年3月13日改正ダイヤでは、盛駅 - 久慈駅間全線通し列車が上り3本・下り2本設定されている。また、盛駅 - 宮古駅間の列車が上り1本・下り1本、釜石駅 - 久慈駅間の列車が上り2本・下り1本運転されている。なお直通列車でも、釜石駅・宮古駅で長時間停車し、列車番号が変わる[6]。全線通し列車の所要時間は、長時間停車を入れて4時間半程度である。

全線でワンマン運転を実施している。

盛 - 釜石間編集

この区間は1日11往復運行される[6]。釜石駅発着の列車でも上り始発列車・下り最終列車以外は宮古方面の列車と接続する[6]。1時間から3時間おきに運転される。

釜石 - 宮古間編集

この区間通して走る列車が11往復存在するほか、早朝には岩手船越駅発宮古駅行の列車が運転されている[6]。概ね40分から2時間おきに運行される。

宮古 - 久慈間編集

この区間は通して走る列車が12往復存在する[6]。このほか、平日には夜に久慈駅発田野畑駅行の普通列車とその折り返しで田野畑駅発久慈駅行の快速列車が運行されていたが[7][8]、2021年3月13日のダイヤ改正で廃止された[9]。快速列車は白井海岸駅堀内駅十府ヶ浦海岸駅陸中宇部駅を通過していた[7]。運行間隔は1時間から2時間おきである。

過去の運行形態編集

盛 - 釜石間編集

2011年3月11日の東北地方太平洋沖地震(東日本大震災)発生以来全線が不通になっていたが、2013年4月3日に盛 - 吉浜間が運行を再開し、2014年4月5日に吉浜 - 釜石間の運行を再開した。

2013年4月3日は盛 - 吉浜間で臨時列車のみ3往復が運転され、翌4日からは同区間に1日7往復の定期列車が運転されていた[10]。2014年4月5日の全線運行再開時からは1日9往復の列車が運転され[11]2016年3月26日のダイヤ改正で1日10往復に増える[12]。車両はクウェートの支援で購入した36-700形が使用される[10]。編成は基本的に1両編成(単行)である。

震災前の運行形態は、盛 - 釜石間の各駅停車が中心で、山田線を経由して三陸鉄道北リアス線久慈駅からの直通列車が1往復設定されていた。このほか、「リアス・シーライナー」などの大船渡線・当路線・山田線・北リアス線・八戸線といった三陸海岸沿いの各路線を通り抜ける臨時列車も設定されていた。盛 - 釜石間の列車は南リアス線運行本部所属の36-100形気動車、盛 - 久慈間の列車は北リアス線運行本部所属の36-100・200・1100・1200形気動車が使用されていた。なお、2009年3月14日改正以前は盛 - 宮古間の列車と一部の盛 → 釜石間の列車でJR東日本盛岡車両センター所属のキハ100系気動車が運行されていたが、直通運転の削減により線内での運用は消滅した。キハ100系で運転される列車の場合、運賃箱を使用せず運転士が直接運賃徴収を行っていた。また南リアス線内のみ走る列車は基本的に1両編成となっていた。

釜石 - 宮古間編集

宮古 - 久慈間編集

2011年3月11日に発生した東北地方太平洋沖地震(東日本大震災)で全線が不通となったが、同年3月中に宮古 - 小本(現在の岩泉小本)間・陸中野田 - 久慈間が、2012年4月には田野畑 - 陸中野田間が復旧し、2014年4月の小本 - 田野畑間の復旧を以て全線で運転を再開した。列車は基本的には宮古 - 久慈間を通して運転されている。このほか、朝に普代始発久慈行が1本、平日に限って夜間に久慈始発田野畑行の各駅停車が1本、田野畑始発久慈行の快速列車1本が設定されている。全列車、ワンマン運転である。

また土休日を中心に、企画列車「お座敷列車北三陸号」・「こたつ列車」(冬季)が定期列車に連結される形で1往復運行される。この場合は車掌が乗務する。なお2017年度からは両列車とも久慈行きを単独の臨時快速列車として運行している。

震災前の運行形態は、宮古 - 久慈間を往復する各駅停車が中心で、山田線三陸鉄道南リアス線を通って盛駅まで直通する列車が1日1往復設定されていた。季節によってはレトロ調車両やお座敷車両「さんりくしおかぜ」での運転もあった。震災前には「リアス・シーライナー」や「さんりくトレイン北山崎」などJR線に直通する臨時列車が設定されていたが、2012年には八戸線の全線復旧に伴い、キハ48形を改造したジョイフルトレインリゾートうみねこ」が北リアス線に乗り入れ、直通運転が復活した[13]。2014年8月と2015年8月には、久慈 - 盛岡間に宮古経由で北リアス線とJR山田線を直通する臨時列車「さんりく北リアス」が運転された[14][15]

歴史編集

旧・山田線編集

北リアス線編集

改正鉄道敷設法別表第6号に規定する予定線「岩手県久慈ヨリ小本ヲ経テ宮古ニ至ル鉄道」であり、宮古 - 田老間は1972年国鉄宮古線(みやこせん)として、普代 - 久慈間は1975年に国鉄久慈線(くじせん)として開業した。しかし、国鉄再建法により既開業区間は第1次特定地方交通線に指定され、日本鉄道建設公団が建設中であった田老 - 普代間は工事が中断されたが、岩手県などが中心になって設立した第三セクター三陸鉄道が既開業区間も合わせて引き受けることになって工事を再開、1984年4月1日、宮古線・久慈線の三陸鉄道への転換と同時に開業し、同社の北リアス線として全通した。

年表編集

  • 1972年昭和47年)2月27日 - 宮古線として宮古 - 田老間 (12.8km) が開業、旅客営業のみ。一の渡・佐羽根・田老の各駅を新設。
  • 1975年(昭和50年)7月20日 - 久慈線として久慈 - 普代間 (26.0km) が開業、旅客営業のみ。陸中宇部・陸中野田・野田玉川・堀内・普代の各駅を新設。
  • 1981年(昭和56年)9月18日 - 宮古線・久慈線とも第1次特定地方交通線として廃止承認。
  • 1984年(昭和59年)
    • 4月1日 - 三陸鉄道 北リアス線として宮古 - 久慈間 (71.0km) が転換・開業。田老 - 普代間 (32.2km) が延伸開業され全通。摂待・小本・島越・田野畑の各駅を新設。
    • 12月22日 - 白井海岸駅を新設。
  • 1986年(昭和61年)7月26日 - 野田玉川 - 陸中野田間に十府ヶ浦臨時駅を新設。1994年(平成6年)までの夏季および1999年の夏季のみの開設[16]
  • 1987年(昭和62年)3月22日 - 国鉄山田線大船渡線との定期列車による直通運転を開始[17]
  • 1997年平成9年)3月22日 - 宮古 - 久慈間に三陸鉄道初の快速列車「サーモン号」が運転開始[18]
  • 2010年(平成22年)10月16日 - 山口団地駅を新設[16]
  • 2011年(平成23年)
    • 3月11日 - 全線が東北地方太平洋沖地震による災害で不通、津波で島越駅が流出するなど大きな被害を受ける。
    • 3月16日 - 陸中野田 - 久慈間が営業再開、同区間で復興支援列車の運転を開始。
    • 3月20日 - 宮古 - 田老間が営業再開。
    • 3月29日 - 田老 - 小本間が営業再開。
  • 2012年(平成24年)4月1日 - 田野畑 - 陸中野田間が営業再開[19]。これにより、未再開駅は島越駅のみとなる。
  • 2014年(平成26年)4月6日 - 小本 - 田野畑間が営業再開[20]
  • 2015年(平成27年)12月23日 - 小本駅が岩泉小本駅に改称[21]
  • 2017年(平成29年)3月25日 - 十府ヶ浦海岸駅を新設[22]

南リアス線編集

改正鉄道敷設法別表第7号に規定する予定線「岩手県山田ヨリ釜石ヲ経テ大船渡ニ至ル鉄道」の一部であり、山田(陸中山田) - 釜石間は1939年山田線の一部として、大船渡 - 盛間は1935年大船渡線の一部として、盛 - 吉浜間は1970年および1973年盛線として開業した[23]。しかし、国鉄再建法により盛線は第1次特定地方交通線に指定され、日本鉄道建設公団が建設中であった吉浜 - 釜石間は工事が中断されたが、岩手県などが中心になって設立した第三セクター三陸鉄道が既開業区間も合わせて引き受けることになって工事を再開、1984年4月1日、盛線の三陸鉄道への転換と同時に開業し、同社の南リアス線として全通した。

年表編集

  • 1970年昭和45年)3月1日 - 盛線として盛 - 綾里間 (9.1km) が開業[23]、陸前赤崎・綾里の両駅を新設。
  • 1973年(昭和48年)7月1日 - 盛線として綾里 - 吉浜間 (12.5km) が延伸開業[23]、甫嶺・三陸・吉浜の各駅を新設。
  • 1984年(昭和59年)4月1日 - 三陸鉄道 南リアス線として盛 - 釜石間 (36.6km) が転換・開業され全通。うち吉浜 - 釜石間 (15.0km) は新設[23]。唐丹・平田の両駅を新設。
  • 1985年(昭和60年)10月16日 - 小石浜駅を新設。
  • 1986年(昭和61年)7月26日 - 綾里 - 小石浜間に白浜海岸臨時駅新設(1992年までの夏季のみ開設)。
  • 1994年平成6年)2月22日 - 小石浜 - 甫嶺間で強風による列車転覆事故が起こる。
  • 2009年(平成21年)7月20日 - 小石浜駅を恋し浜駅に改称。
  • 2011年(平成23年)
    • 3月11日 - 東北地方太平洋沖地震による災害で全線不通。
    • 6月24日 - 東日本大震災発生以来吉浜 - 唐丹間の鍬台トンネル内に留置されていた車両を点検・整備のため吉浜駅まで自力回送[24]
  • 2013年(平成25年)4月3日 - 盛 - 吉浜間 (21.6km) が営業再開[24][10]
  • 2014年(平成26年)4月5日 - 吉浜 - 釜石間 (15.0km) が営業再開[20]

3線統合後(リアス線)編集

東日本大震災による被災編集

旧・山田線編集

北リアス線編集

2011年東北地方太平洋沖地震では、同時に発生した津波により、路線各所が大小の被害を受けた。中でも、島越駅付近では駅および近接する松前川橋梁・コイコロベ橋梁・ハイペ沢橋梁が流失し、陸中野田駅 - 野田玉川駅間では道床が流失している[19]。しかしながら、三陸鉄道社長の決断により震災の5日後には一部区間で運転を開始、「震災復興列車」として3月末まで運賃無料で運行し、地元の足や復興への希望の象徴となった。ただし路盤が不安定になっていたため、運転再開当初は25km/h、4月11日からは45km/hの速度制限がかかり、信号系統も未復旧であったため代用閉塞である指導通信式を用いていた[19]

路線の半分以上をトンネルとするなど明治三陸大津波での経験を踏まえたルート選定が幸いし、被害箇所は5箇所、延長にして5.8kmと局所的であった[19]。そのため、復旧はルートの変更無く行われることとなった[19]2012年には前記の路盤流出により不通となっていた田野畑駅 - 陸中野田駅間が開通し、同時にCTCが復旧したため、指導通信式の使用も終了となり[19]、陸中野田駅 - 野田玉川駅間を除く大半の区間で震災前と同じ90km/h運転が出来るようになった[41]。残る小本駅 - 田野畑駅間は2014年4月6日に復旧[20]、島越駅付近は流失した高架橋の代わりに築堤を整備した[42]

南リアス線編集

駅一覧編集

  • 全列車普通列車、途中全ての駅に停車する。
  • 線路(全線単線) … ◇:列車交換可、|:列車交換不可
    • ∧:久慈駅の三陸鉄道用ホームは1面1線であるが、JR2番線も三陸鉄道に通じているため、列車交換可能。
  • 全駅岩手県に所在。
路線名 駅名 営業キロ[43] 接続路線・備考 線路 所在地
駅間 累計
南リアス線 盛駅 - 0.0 岩手開発鉄道日頃市線・赤崎線(貨物線) 大船渡市
陸前赤崎駅 3.7 3.7  
綾里駅 5.4 9.1  
恋し浜駅 2.9 12.0  
甫嶺駅 2.3 14.3  
三陸駅 2.7 17.0  
吉浜駅 4.6 21.6  
唐丹駅 6.1 27.7   釜石市
平田駅 5.4 33.1  
釜石駅 3.5 36.6 東日本旅客鉄道釜石線
リアス線
両石駅 6.1 42.7  
鵜住居駅 2.2 44.9  
大槌駅 4.0 48.9   上閉伊郡
大槌町
吉里吉里駅 3.4 52.3  
浪板海岸駅 1.8 54.1  
岩手船越駅 6.4 60.5   下閉伊郡
山田町
織笠駅 3.8 64.3  
陸中山田駅 1.2 65.5  
豊間根駅 11.1 76.6  
払川駅 4.1 80.7   宮古市
津軽石駅 2.1 82.8  
八木沢・宮古短大駅 5.4 88.2  
磯鶏駅 1.8 90.0  
宮古駅 2.0 92.0 東日本旅客鉄道:山田線
北リアス線
山口団地駅 1.6 93.6  
一の渡駅 4.6 98.2  
佐羽根駅 2.9 101.1  
田老駅 3.6 104.7  
新田老駅 0.5 105.2  
摂待駅 8.3 113.5  
岩泉小本駅 3.6 117.1   下閉伊郡 岩泉町
島越駅 8.5 125.6   田野畑村
田野畑駅 2.0 127.6  
普代駅 9.3 136.9   普代村
白井海岸駅 3.4 140.3  
堀内駅 3.1 143.4  
野田玉川駅 4.5 147.9   九戸郡
野田村
十府ヶ浦海岸駅 1.7 149.6
陸中野田駅 2.3 151.9  
陸中宇部駅 3.4 155.3   久慈市
久慈駅 7.7 163.0 東日本旅客鉄道:八戸線

キロポストについて編集

前述のような歴史的経緯から、リアス線では距離を示すキロポストが3つに分かれている(矢印の方向にキロ数が増える)。

  1. 盛駅→釜石駅
    南リアス線として開通した区間を盛駅起点でキロポストを打っているため(キロポストは下り進行方向左側に設置されている)。
  2. 釜石駅←宮古駅
    国鉄・JR山田線として開通した区間を盛岡駅起点でキロポストを打っているため(キロポストは上り進行方向左側に設置されている)。
  3. 宮古駅→久慈駅
    北リアス線として開通した区間を宮古駅起点でキロポストを打っているため(キロポストは下り進行方向左側に設置されている)。

踏切に表示されているキロ数も、旧山田線の釜石駅 - 宮古駅間では盛岡駅起点の距離となっている。

その他編集

  • NHK2013年度前期(4月1日 - 9月28日)に放送された連続テレビ小説あまちゃん』は、岩手県久慈市をモデルとした「北三陸市」が舞台で、北リアス線(当時)が「北三陸鉄道リアス線」(通称:「北鉄」)、久慈駅が「北三陸駅」、堀内駅が「袖が浜駅」、田野畑駅が「畑野駅」として劇中に登場。三陸鉄道の全面的な協力のもと、北リアス線内各所で数々のロケが実施された。このほか直接は登場しないが、南リアス線についても作中で「南三陸鉄道リアス線」として言及されている。放送終了後も久慈駅改札口付近にドラマ関連の展示品を置くなど、観光客向けのサービスを続けている。
  • 駅名標はかつて北リアス線・南リアス線で異なるデザインが採用されていたが、リアス線移行に合わせて全線で北リアス線におけるデザインに統一された。

脚注編集

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注釈編集

  1. ^ リアス線開業までは青い森鉄道線 (121.9 km)が最長、廃止路線を含めた場合は2006年に廃止された北海道ちほく高原鉄道ふるさと銀河線 (140 km) が最長で、リアス線は史上最長の日本の第三セクター路線ともなった。

出典編集

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関連項目編集

外部リンク編集