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画像提供依頼:下北春まなの画像提供をお願いします。2018年3月

下北春まな(しもきたはるまな)は、アブラナ科越年草で、奈良県吉野郡下北山村在来の漬け菜の品種である。 地元の食文化と密接に結びついた伝統野菜として、奈良県により「大和野菜」に認定されている。

歴史編集

下北山村での栽培は少なくとも明治時代にまでさかのぼる。特有の気候風土でしか育たないと言われ、夏野菜の裏作に自家栽培されて漬物などに利用されてきた。長期間の山仕事では、春まなの漬物樽と米を山小屋に上げ、「めはり寿司」を自炊したと伝えられている[1]。漬物の販路を広げる試みもあったが、村外に出回ることはほとんどなかった[2]

2008年(平成20年)3月28日、「下北春まな」の名で「大和の伝統野菜」として「大和野菜」に認定され、地域特産物として生産振興が図られている[3]

特徴編集

  • 9月下旬から10月上旬に種を蒔き、1~2月に収穫される。
  • 大ぶりの丸い葉は肉厚で切れ込みがなく、濃い緑色をしている。
  • 寒暖差が大きく厳しい気候でもよく育つ。霜が降りると甘みが増す。
  • 柔かく食べごたえのある口当たりで、アクがほとんどなく、濃い旨味に加えてほのかな苦味と甘味が感じられる。
  • 栄養価に優れ、ほうれん草と比較すると、食物繊維5.87倍、βカロテン2.22倍、ナイアシン2.56倍、ビタミンC1.58倍、カルシウム4.69倍、鉄分1.23倍が含まれる[1]

産地編集

奈良県吉野郡下北山村のみで生産される。

利用法編集

漬物が主な用途であるが、おひたしや煮物、和え物、鍋物等にも利用される。

  • 冷たい水で葉を引き締め、塩と唐辛子で漬けた「春まな漬け」は[1]、そのまま漬物として食べるほか、めはり寿司にしたり焼飯の具としても使われる[4]
  • 春まな漬けで温かいご飯を包んだ下北山の「真菜めはり」は、十津川熊野高菜漬けを使うものとは違って辛みが無い[5]。「ふるさとおにぎり百選」にも選ばれている「めはり寿司」は、奈良県の吉野郡南部から和歌山県三重県の熊野地域の郷土料理である。
  • 鍋物に欠かせないと言われ、存在感のある味は、鍋の主役にもなり得るが、地元の猪肉や熊野から上がってくる魚の鍋ともよく合い、その味を引き立てる。
  • さっと湯がいて鯖やツナを混ぜた甘めの味噌を塗り、ご飯をくるんで余った味噌を乗せると「春まな寿司」と呼ばれる郷土料理となる[6]

その他編集

 
大和伝統野菜「下北春まな」を使った製品
  • 下北山村の特産品として「春まな粉末」を使用したジェラートやソフトクリーム、チョコレート、うどん、素麺[7]、パスタなどの商品開発が行われている。東京・日本橋にある奈良県アンテナショップでも一部商品が販売されている[8]

脚注編集

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  1. ^ a b c 「観光ガイド 村の特産品」 『下北山村役場』 - ウェイバックマシン、2018年3月11日閲覧。「観光ガイド 村の特産品」 - 下北山村役場、2019年3月4日閲覧。
  2. ^ 関西食文化研究会 「大和の伝統野菜 下北春まな 食材レポート76」『食材研究 生産者に聞く旬の話』 2018年3月11日閲覧。
  3. ^ 下北春まなの産地振興 (PDF)”. 協同農業普及事業の成果事例(平成29年度). 農林水産省. 2018年3月14日閲覧。
  4. ^ 下北春まな出荷ピーク漬物に」『奈良新聞』 2009年1月27日。
  5. ^ 奈良の食文化研究会 「下北山村の真菜めはり」『出会い 大和の味』 奈良新聞社、2007年7月1日、254頁、ISBN 978-4-88856-065-8
  6. ^ 「大和野菜『下北春まな』 奈良テレビ取材 めはり寿司編」『下北山村役場』 2018年3月11日閲覧。
  7. ^ 「コラボそうめん - 下北春まなと三輪そうめん」『奈良新聞』 2017年5月22日。
  8. ^ 「清冽な水と澄んだ空気が育む「下北春まな」(大和の伝統野菜)」『近畿農政局』 2018年3月11日閲覧。

関連項目編集

外部リンク編集