下関市立図書館

図書館

下関市立図書館(しものせきしりつとしょかん)は、下関市立の公共図書館の総称。下の写真は下関市立中央図書館。

Japanese Map symbol (Library) w.svg 下関市立図書館
Shimonoseki City Library
下関市生涯学習プラザドリームシップ.JPG
施設情報
専門分野 総合
事業主体 下関市
管理運営 下関市
開館 2010年(平成22年)3月20日(中央図書館)
所在地 750-0016
山口県下関市細江町三丁目1-1(中央図書館)
統計情報
蔵書数 709,047冊(全館総合)(2019年時点)
条例 下関市立図書館の設置等に関する条例
下関市立図書館の設置等に関する条例施行規則
下関市立図書館運営協議会規則
公式サイト 公式サイト
プロジェクト:GLAM - プロジェクト:図書館
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概要編集

2005年2月13日に合併した旧下関市の図書館3館と移動図書館、旧菊川町、旧豊田町、旧豊浦町、旧豊北町各4町の図書館(室)を総合して下関市立図書館と称し、6館1室と移動図書館がある。

山口県立山口図書館で借りた資料を最寄の公共図書館で返却できる「山口県立山口図書館 遠隔地利用者返却システム」が利用でき、2014年7月1日より開始された「e-NET貸出」(県立図書館の資料をインターネット上で予約して各市町立図書館で受け取るサービス。県立図書館利用カードが必要)が利用できる。

市立図書館であり、原則として下関市民の利用に限定されるが、下関市と福岡県北九州市との市立施設の相互利用協定に基づき、北九州市民でも利用が出来る。ただし、利用登録ができるのみであり、北九州市立図書館の資料を貸出・返却することはできない(有償による相互貸借は利用可能)。これは北九州市立図書館においても同様である。

利用について編集

利用には登録証(図書館カード)または住民基本台帳カード2012年7月9日以前に発行されたものに限る)のいずれかが必要であり、どの図書館でも使用できる。また、インターネット上で全館の資料の検索・予約ができる。

  • 利用資格 - 下関市・北九州市に在住する者、下関市に通勤・通学する者。
  • 休館日 - 月曜日(中央図書館を除く)、国民の祝日(中央図書館を除く)、年末年始(12月29日~翌年1月3日)、館内整理日(1月~11月の最終金曜日、12月28日(その日が国民の祝日、月曜日の場合は前日))、その他図書館が別途定める特別休館日。
  • 開館時間
    • 中央図書館:4階 9:00~20:00、5階 9:00~21:00
    • 長府図書館:1階児童室 9:30~17:00、2階一般資料室 9:30~19:00 (土曜日、日曜日は18:00まで)
    • 彦島図書館:9:30~19:00 (土曜日、日曜日は18:00まで)
    • 菊川図書館:9:00~18:00
    • 豊浦図書館:9:30~19:00 (土曜日、日曜日は18:00まで)
    • 豊田図書館:9:00~18:00
    • 豊北図書室:9:00~18:00 (日曜日のみ17:00まで)
  • 貸出 - 1人10冊まで、期限は2週間(全ての館で借りたものを含める)。視聴覚資料は図書10冊のうちの2点まで、期間は1週間。下関市立図書館の資料であれば、他館から取り寄せることも可能。
  • 返却 - 下関市立図書館の資料であれば、どの館でも返却できる。また、各館に設置されている返却ポストを介しての返却も可能(休館日、閉館時間のみ利用可能、中央館は24時間可能)ただし、ポストに入らない大型資料、紙芝居、視聴覚資料は返却できない。

各館概要編集

中央図書館編集

下関市立図書館の中枢図書館であり、下関駅に程近い細江町に位置する。

2010年3月20日にオープンした複合教育施設「下関市生涯学習プラザ ドリームシップ」内に開館し、それ以前は下関市役所北方の上田中町に「下関図書館」の名称で存在した。現在、旧図書館は下関市役所上田中町庁舎となっている。

ドリームシップの4階~6階までが中央図書館であり、4階は児童図書や雑誌・新聞のコーナー、視聴覚資料、ヤングアダルトサービスコーナー、5階は一般図書や郷土資料、参考図書・レファレンスコーナー、無料のデーターベース閲覧コーナーがあり、6階は全自動式の閉架書庫である。

施設内には児童サービスを行う「おはなしのへや」や、目の不自由な利用者のための「対面朗読室」や、録音図書作成のための「録音室」などを設けている。

生涯学習プラザ1階ロビーには、日本初といわれる「予約ロッカー」があり、インターネットなどで予約した資料をカウンターではなくこのロッカーを利用して貸出することができ、図書館の開館時間外でも受け取ることができる。また、予約ロッカーと同じく日本初の、機械印字による「読書通帳」を発行している[1]。自身が借りた資料の記録が、金融機関の通帳の記帳と同じ感覚で読書通帳機を用いて記録することができ、『目に見える利用記録』として利用者の読書意欲を引き出そうとするものである。

  • 所在地:〒750-0016 下関市細江町三丁目1-1(下関市生涯学習プラザ内)
  • 蔵書数:380,000冊
  • 最寄バス停:サンデン交通バス「細江町

長府図書館編集

長府地区に位置する。

1909年(明治42年)に私立豊浦郡教育付設豊浦図書館として忌宮神社の境内に開館。その後、長府町に移管され長府図書館と改称し、1937年(昭和12年)に下関市と長府町が合併して下関市立長府図書館と改称。

付設施設として、下関市文書館があり、長府毛利藩関係の古文書をはじめ、乃木文庫、熊谷家文書などを保管し、貴重な歴史資料がある。

  • 所在地:〒752-0967 下関市長府宮の内町1-30
  • 蔵書数:130,000冊
  • 付設施設:下関市文書館
  • 最寄バス停:サンデン交通バス「城下町長府」

なお、神社境内に立地しているため、駐車場は設けられていない。

彦島図書館編集

彦島地区に位置する。

1916年(大正5年)に大正天皇の即位を記念して彦島小学校(現在の下関市立本村小学校)内に彦島村立図書館として開館。1933年(昭和8年)に彦島町(彦島村が町制施行)が下関市に合併したことにより、1952年(昭和27年)、下関市立彦島公民館が開設された時に隣接地に下関図書館彦島分室として新たに開館。その後、彦島図書館として現在地に開館した。


  • 所在地:〒750-0075 山口県下関市彦島江の浦町一丁目4-28
  • 蔵書数:68,500冊
  • 最寄バス停:サンデン交通バス「ロータリー」

移動図書館編集

中央図書館内に事務室を置く移動図書館

1971年(昭和46年)11月に、当時の下関市、豊浦郡4町をエリアとして発足。その後、旧下関市内のみを活動エリアとし、2001年(平成13年)10月に「ブックル号」の愛称で運行開始。

月2回市内各地のステーションを巡回するコースで運行されている。

  • 蔵書数:9,500冊(3,000冊を搭載して運行)

菊川図書館編集

旧・菊川町立菊川図書館であり、菊川町下岡枝に位置する。

1951年(昭和26年)12月5日に岡枝公民館の一室に開館した「山口県立図書館豊浦分館」を基とし、1953年(昭和28年)9月7日に分館が移転。その後の1957年(昭和32年)4月1日に分館が閉館し、菊川町に移管され菊川町立菊川図書館が発足。1969年(昭和44年)5月17日に下岡枝に設立された菊川町公民館内に移転。1973年(昭和48年)に現在地に移転した。

  • 所在地:〒750-0317 下関市菊川町大字下岡枝193-8
  • 蔵書数:29,000冊
  • 最寄バス停:サンデン交通バス「岡枝」

豊浦図書館編集

旧・豊浦町立豊浦図書館であり、豊浦町川棚に位置する。

1990年(平成2年)に豊浦町立豊浦図書館として川棚公民館内に開館。2000年(平成12年)10月に豊浦町商工会館の建物を引き継いで移転。 2014年(平成26年)12月20日に、改装された豊浦総合支所2階に移転した。移転を機に新たに視聴覚資料(CD)を所蔵している。

  • 所在地:〒759-6301 下関市豊浦町大字川棚6895-1(豊浦総合支所2階)
  • 蔵書数:45,000冊
  • 最寄バス停:サンデン交通バス・ブルーライン交通バス「川棚駅

豊田図書館編集

旧・豊田町立図書館であり、豊田町矢田(西市)に位置する。豊田町文化財資料館を併設する。

視聴覚資料を有し、ビデオやDVD、CDの視聴・貸出ができる。

  • 所在地:〒750-0424 下関市豊田町大字矢田153-1
  • 蔵書数:39,000冊
  • 併設施設:豊田町文化財資料館
  • 最寄バス停:サンデン交通バス・ブルーライン交通バス「豊田町西市」

豊北図書室編集

旧・豊北町立豊北図書室であり、豊北町滝部に位置する。

1983年(昭和58年)、豊北町神田特牛に開設した豊北町町民センター(豊北生涯学習センター)内に豊北図書館を設置。その後、2006年(平成18年)4月に豊北第一中学校、豊北第二中学校、豊北第三中学校、角島中学校が統合されて開校した下関市立豊北中学校内に移転。公共図書館だけでなく、学校図書館としての役割も持つ。

  • 所在地:〒759-5511 下関市豊北町大字滝部1244番地36 (下関市立豊北中学校内)
  • 最寄バス停:ブルーライン交通バス「豊北中学校」

中央図書館の指定管理者導入と直営化編集

中央図書館は合人社計画研究所を代表とする特別目的会社のドリームシップが2010年(平成22年)の開館時から図書館を含む下関市生涯学習プラザ全体の指定管理者として運営していた[2]。(図書館のコンサルティングはリブネットが、運営は合人社計画研究所が担当した[3]。)ドリームシップの下で開館時間の延長、開館日数の増加、利用者・貸出冊数の増加などの効果があったものの、下関市当局は「人件費が抑制される」ことを問題視し、2015年(平成27年)3月の契約期間満了をもって図書館を市の直営に戻すことにした[2]。市長の中尾友昭は市直営に戻す理由を「図書館についてはビジネスになじまない。お金に換算できないところに価値がある」と語った[2]。このほか、レファレンスサービス担当者がカフェの運営に駆り出される、職員の入れ替わりが激しく郷土史資料の知識が継承されずレファレンスへの対応が遅い、本を返した・返していないで市民と図書館員が争いになる、といった問題も重なったと長周新聞が報じている[4]。現場では、2014年(平成26年)11月にベテランの司書4人が一斉に抗議辞職する事態に発展した[4]

長周新聞は、貸出冊数が指定管理者制度導入前の2009年(平成21年)度の294,424冊から2013年(平成25年)度の957,425冊に跳ね上がったからくりとして以下の4点を指摘した[4]。こうした事態を招いた背景として、指定管理料が貸出冊数の増減によって変動する契約になっていたためであり、唯一の「小銭稼ぎ」ができるポイントが貸出冊数の増加であった[4]

  1. 「夏休み100冊チャレンジ!」と題して子供に大量の本を借りさせるイベントを教育関係者らの批判にもかかわらず継続したこと[4]
  2. 大人向けには、読書通帳の見開きページが埋まったら、併設のカフェ半額券を進呈するなどの特典で貸し出しをあおったこと[4]
  3. 指定管理者の関連企業の社員に貸し出しを呼びかけ、読みもしない本を自動貸出機で貸し出し処理し、そのまま返却ポストに投げ込んでいたこと[4]
  4. ベストセラーを大量に購入(同じ本を10冊など)して予約数を稼いでいたこと[4]

指定管理者運営時代の5年で失われたものは大きいとされ、肝心の指定管理者制度導入による経費削減効果についても、指定管理料と市直営の予算の差が、図書館を含む下関市生涯学習プラザ全体で5400万円であったことから、実際には直営の方が安く済んだことが判明している[4]。指定管理者制度導入後、直営に戻した事例は下関市立中央図書館で13館目であり、自治体の出資がない純粋な民間企業が指定管理者となった事例としては日本初である[5]尚絅大学の桑原芳哉は、日本全国の図書館への指定管理者制度導入について、「従来の図書館活動に留まらない新たな姿を実現する可能性と、図書館の持つ文化 教養の意義を損なう危険性」があると述べている[6]

脚注編集

[脚注の使い方]
  1. ^ 日本初なのは機械印字によるものとしてであり、読書通帳自体は以前から存在する CA1841 - 読書通帳の静かなブーム / 和知剛 - 『カレントアウェアネス』2015年3月20日付 および 「読書手帳」実施の図書館 - リブヨ を参照
  2. ^ a b c 下関市立中央図書館、来年度から市直営に”. 山口新聞 (2014年9月9日). 2017年3月15日時点のオリジナル[リンク切れ]よりアーカイブ。2017年3月15日閲覧。
  3. ^ 桑原 2016, p. 20.
  4. ^ a b c d e f g h i 図書館の役割否定した民営化 直営にもどした下関の教訓 やらせで急増した貸出冊数”. 長周新聞 (2016年2月12日). 2017年3月15日時点のオリジナル[リンク切れ]よりアーカイブ。2017年3月15日閲覧。
  5. ^ 桑原 2016, pp. 19-20.
  6. ^ 桑原 2016, p. 24.

参考文献編集

  • 桑原芳哉「公立図書館における指定管理者制度導入の現状:昨年度からの変化と事業者に関する特徴」『尚絅大学研究紀要. A, 人文・社会科学編』第48号、尚絅大学、 13-25頁、 NAID 110010032263

関連項目編集


外部リンク編集