丘の上のバンビーナ』(おかのうえのバンビーナ)は、鈴木有布子による日本少女漫画作品。

丘の上のバンビーナ
漫画:丘の上のバンビーナ
作者 鈴木有布子
出版社 新書館
掲載誌 月刊ウィングス
レーベル ウィングス・コミックス
発売日 2008年4月10日
発表期間 2007年8月号 - 2008年2月号
巻数 全1巻
話数 全6話+番外編2話
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概要 編集

Wings』(新書館)において、2007年8月号から2008年2月号まで連載された。全6話、単行本全1巻。単行本には、本編のほかに、後日談として「センチメント」、「丘の上のバンビーノ」の2話が描き下ろされている。

現代のとある郊外の町を舞台に、主人公の少女とその飼い犬が、不思議なで一緒に眠ると、中身が入れ替わるという作品。主人公と飼い犬との友情を主眼に、入れ替わりを通して、主人公の成長や初恋、家族の絆などが描かれている。

続編にあたる作品として「Bino!Bino!」(ウィングス・コミックス新書館)が、関連作品として「旬(いまどき)」(ウィングス・コミックス、新書館)がある。

あらすじ 編集

しっかり者の小学生・日比野 ひな子は、飼い犬のバンビーナと大の仲良し。丘の上に建つ家で、おかーさんとともに、単身赴任中のパパの帰りを待ちながら暮らしている。

ある日、おかーさんからもらった大きな枕で一緒に寝たひな子とバンビーナ。翌朝、目が覚めると、なんと中身が入れ替わっていた!!

「この状況を楽しまない手はない!」

そこで、2人はそれぞれの生活を体験してみることに。とまどいも、辛いことも、楽しいことも、嬉しいことも、全てが新発見の連続で、大満足な1日を過ごした2人。

そして、もう一度大きな枕で眠りにつき、目が覚めると、ちゃんと元通りに戻っていた。

すっかりこの不思議な現象を気に入った2人は、時折入れ替わって、お互いの日常を満喫するようになる。

そんな時、ひな子はバンビーナの姿で、サッカー少年・秋津 浩樹と出会う。


登場人物 編集

日比野家 編集

日比野 ひな子(ひびの ひなこ)
本作の主人公。小学校2年生、7歳。
はきはきとした性格。勉強は学年で一番(ただし、体育は苦手)の優等生で、家では家事をこなし、母を支えるしっかり者。
その反面、強がりで素直になれず、人付き合いも下手。そのため、バンビーナと入れ替わるまでは友人がいない状態で、クラスメートからも敬遠されていた。また、大好きな父と会えない寂しさも我慢している。
普段は長い髪をおさげにしているが、中身がバンビーナの時は髪を結べないため、そのまま下ろしている。
バンビーナ
コリーシベリアン・ハスキーミックスのメス犬。4歳。通称・「ビーナ」。
多忙な日比野夫妻が、普段寂しい思いをしているひな子のために4年前から飼い始めた。以来、ひな子とは無二の親友。
賢いことで評判なので、町会長お墨付きを得て、昼間は一人で町を散歩している。その際、人懐っこいこともあり、道行く人からたくさん食べ物をもらっており、少々肥満気味。また、ひな子と入れ替わり学校へ行く時は、給食を楽しみにしている。
普段は首輪だけだが、中身がひな子の時は、その上からバンダナを巻いている。
日比野 あや子(ひびの あやこ)
ひな子の母。自称・永遠の32歳(実年齢は37歳前後と思われる)。
しっかりしているが、かなりずぼらで豪胆な性格。ひな子同様意地っ張り。
在宅で仕事をしている。しかし、忙しいためか、それとも性格のせいか、家事は料理以外あまりせず(ただ、料理もあまり得意ではなく、ひな子からの評判は悪い)、ひな子によく怒られている。
日比野 海(ひびの かい)
ひな子の父。27歳。
都心の人気イタリアンレストランでシェフをしており、店が家から遠いため単身赴任中。帰ることができるのは、月に1、2回程度なのだが、普段から休みが少なく、日本国外へ行くなど多忙を極めており、帰れなくなることも度々。
基本的に無趣味で、唯一の趣味がワインの収集。
描き下ろし「センチメント」にて、自身の店を持つことが出来たもよう。
日比野 秀(ひびの しゅう)
描き下ろし「丘の上のバンビーノ」のみ登場。
ひな子の弟。ひな子とバンビーナのように、バンビーノと入れ替わることができる様子。
バンビーノ
描き下ろし「丘の上のバンビーノ」のみ登場。
オス犬。ひな子とバンビーナのように、秀と入れ替わることができる様子。

秋津家 編集

秋津 浩樹(あきつ ひろき)
ひな子と同じ小学校に通う小学6年生の男の子。
かっこよく、友人もファンも多いちょっとした有名人。普段はわりとすましているが、本来は年頃の少年らしく無邪気。
サッカークラブに所属し、表彰や特別合宿に選抜されたりもしており、将来が有望視されている。一方、家では将来サッカー選手になりたいという夢を父に反対され、衝突が絶えない。そのため、進路に悩み、落ち込んでいたところを、偶然、バンビーナ(中身はひな子)と出会い、励まされる。
秋津先生
浩樹の父。医者で、病院の院長先生。50代。
優しく穏やかな人柄。しかし、医者の跡を継いでほしいこと、スポーツ選手の世界が厳しいものであることなどから、息子がサッカーの道に進むことを反対しており、衝突が絶えない。
初めてひな子と会った時、ひな子に「おじいさん」と呼ばれショックを受けていた。

その他 編集

カナちゃん
ひな子の友人。ひな子と同じ2年3組で、秋津浩樹のファン。
菜穂ちゃん
ひな子の友人。ひな子と同じ2年3組で、ボーイッシュな女の子。

備考 編集

あとがきにおいて、タイトルに関して、担当者から「世界名作劇場のようだ」と言われ、変更する予定だったが、他に思い浮かばずそのままとなったと語っている。

主人公の両親は、作者の初単行本「旬(いまどき)」の主人公とヒロイン。

関連作品 編集

外部リンク 編集