中国国鉄HXD3B型電気機関車

中国国鉄HXD3B型電気機関車(ちゅうごくこくてつHXD3Bがたでんききかんしゃ)は、中華人民共和国鉄道部(現:中国鉄路総公司)が導入した電気機関車。海外の鉄道車両メーカーの技術を取り入れた電気機関車の1つで、和諧3B型(わかい3Bがた)とも呼ばれる[1]

中国国鉄HXD3B型電気機関車
0080号機
0080号機
基本情報
運用者 中華人民共和国鉄道部
中国鉄路総公司
製造所 大連機車車輛
製造年 2008年 - 2011年
製造数 500両
主要諸元
軸配置 Co-Co
軌間 1,435mm
電気方式 交流 25,000V、単相50Hz
全長 22,781mm
全幅 2,950mm
全高 4,250mm
自重 150t
車輪径 1,250mm
動力伝達方式 吊り掛け式
制御方式 VVVFインバータ制御絶縁ゲートバイポーラトランジスタ(IGBT)方式)
制動装置 回生ブレーキ
最高運転速度 120km/h
定格出力 9,600kw
備考 数値は[1][2][3]に基づく。
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この項目では、同様の技術を採用した試作機関車のHXD3A型電気機関車についても解説する。

概要・運用 編集

海外メーカーの鉄道車両の技術を取り入れ国内の電気機関車の近代化を行うという中国政府の方針のもと、ドイツのボンバルディア・トランスポーテーションからの技術供与を受けた中国北車(現:中国中車)系列の大連機車車輛が製造した、重量貨物列車牽引用の電気機関車。ボンバルディアが展開する機関車ブランド・TRAXXを基に開発が行われ、特に製造当時世界最大の牽引力を記録したマルム・トラフィークIORE形電気機関車に類似した外見を有する。ただし2車体永久連結式のIORE型とは異なり、HXD3B型は車体両端に運転席が設置された単機タイプである。電装機器は最初の150両分はヨーロッパでボンバルディアが製造したものが輸入され、それ以降は大連機車車輌によって製造された[1][4]

2008年から2011年まで500両が製造され、それまで使用されていた韶山4G型(SS4G型)電気機関車中国語版を置き換える形で中国各地の重量級貨物列車に用いられている他、旅客列車に使用される事もある[1]

なお、1893号機は2010年の製造当初毛沢東号と命名され[注釈 1]、前面に毛沢東の胸像を模したレリーフが設置されていたが、2014年12月以降はHXD3D型1893号機と交代している[5][6]

HXD3A型電気機関車 編集

2013年に製造された貨物用電気機関車。HXD2B型と同様ボンバルディアの技術を基にした車両だが、車体は2両永久連結式となっている。2両が試作されたが量産には至っていない[7]

関連項目 編集

脚注 編集

注釈 編集

  1. ^ 「毛沢東号」と名付けられた機関車としては5代目にあたり、初の電気機関車である。

出典 編集

  1. ^ a b c d 阿部真之、岡田健太郎 2011, p. 209.
  2. ^ 石田周二、笠井健次郎 2015, p. 156.
  3. ^ HXD3B型大功率交流传动电力机车 2019年2月8日閲覧
  4. ^ China :Erste Bombardier-Lokomotive ausgeliefert - ウェイバックマシン(2011年7月26日アーカイブ分)
  5. ^ 阿部真之、岡田健太郎 2011, p. 197.
  6. ^ 第六代"毛泽东号"机车首亮相 牵引北和长沙间列车” (中国語). 人民網 (2014年12月26日). 2018年2月10日閲覧。
  7. ^ New from China: Double Dalian locomotive” (英語). Railcolor.net (2013年7月12日). 2019年2月8日閲覧。
  8. ^ HXD3D干线快速客运电力机车” (中国語). 2019年2月8日閲覧。
  9. ^ 大连三款"复兴号"火车头,亮相铁路科技创新成就展” (中国語). 捜狐 (2018年12月24日). 2019年2月8日閲覧。
  10. ^ 八轴交流传动快速客运电力机车” (中国語). 2019年2月8日閲覧。

参考資料 編集

  • 阿部真之、岡田健太郎『中国鉄道大全 中国鉄道10万km徹底ガイド』旅行人、2011年10月。ISBN 978-4947702692 
  • 石田周二、笠井健次郎『交通ブックス 124 電気機関車とディーゼル機関車』成山堂書店、2015年6月。ISBN 978-4-425-76231-6