中部日本ビルディング

中日ビルから転送)

中部日本ビルディング(ちゅうぶにっぽんビルディング)は、愛知県名古屋市中区に所在する商業施設劇場文化教室事務所結婚式場などからなる複合施設。建て替え工事のため2018年(平成30年)からビル内の各施設を段階的に閉館し、2019年(平成31年)3月に全面的に閉館し、2020年令和2年)末に旧中日ビルの取り壊し工事が完了した。2023年(令和5年)8月1日、新中日ビルが竣工[3]。高さは158.87m。通称は、中日ビル(ちゅうにちビル)。

中部日本ビルディング(初代)
情報
用途 店舗事務所劇場結婚式場
設計者 竹中工務店[1]
施工 竹中工務店[1]
管理運営 中部日本ビルディング株式会社
構造形式 SRC造[1]
敷地面積 6,591.5 m² [2]
延床面積 84,491.7 m² [2]
階数 地上12階、地下4階、塔屋4階[2]
着工 1963年昭和38年)11月
竣工 1966年(昭和41年)4月26日[2]
開館開所 1966年(昭和41年)4月29日[2]
所在地 460-0008
愛知県名古屋市中区四丁目1番1号[2]
座標 北緯35度10分6.09秒 東経136度54分34.6秒 / 北緯35.1683583度 東経136.909611度 / 35.1683583; 136.909611
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中日ビルタウン
Chunichi Building Town
店舗概要
開業日 1966年(昭和41年)4月29日
商業施設面積 8,496 m²
店舗数 100店
最寄駅 名古屋市営地下鉄東山線名城線 栄駅
外部リンク 中日ビルタウンホームページ
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概要 編集

名古屋を代表する繁華街のほぼ中心部の久屋大通広小路通が交差する場所に位置し、待ち合わせスポットとしても利用されることが多い。

中部日本新聞社は元々、中区御幸本町通2丁目(現・丸の内3丁目。中日病院の場所)にあった旧新愛知新聞社由来の建物に本社を置いていたが、老朽化が進んだため移転を検討するようになり、1963年(昭和38年)に現在地を取得。1966年(昭和41年)、地上12階地下4階建ての旧・中日ビルが完成した。しかし、肝心の中日新聞本社は入居せず、引き続き中区丸の内の本社から発刊。旧・中日ビル完成からわずか5年後の1971年(昭和46年)、中区三の丸に完成した新本社ビルへ移転した。このため、中日新聞・中日スポーツの発行所として中日ビルの住所がクレジットされたことはない。

中日ドラゴンズの球団事務所が入居していたが、フロアの面積が広くないため、大物選手が契約更改を球団事務所で行う場合、ファンに対してビルの利用者の迷惑となることから、事務所の前で出待ちをしないようにと球団側から注意されることもある。1階ロビーは近年はドラゴンズの試合のパブリックビューイング会場として定着していた。2007年日本一決定時にはビル内に入りきれなかった人も含め約1500人(中日新聞報道による)が集まったという。ただし、同ビルが開催を告知しているわけではなく、ファンが口コミなどで集まって自然に開催されているのが現状である。一応トラブル防止のために警備員も配置される。

入居していた主な企業・団体 編集

  • 中日ドラゴンズグッズショップ(3階) - 同じビルに球団事務所が入居していることから、入団会見を行った新人選手のサインや懐かしのグッズなども飾られている。契約更改をする為にビルを訪れる選手からサインをしてもらえる様に、ショップにボールや色紙を託して依頼をする事が出来る場合もあった。建て替えに伴い事務所共々ナゴヤドームへ移転。
  • CORE中日書店(3階) - 株式会社新進経営。
  • キャトルレーヴ(3階) - 宝塚歌劇団オフィシャルグッズショップ[4]阪急電鉄子会社の宝塚クリエイティブアーツが運営した。建て替えに伴い営業を終了。
  • 全国物産観光センター(4階) - 以下の道県が入居している(公式サイト掲載順に記載)[5]
建て替えに伴い、久屋中日ビルへ一時移転している。
  • 中日パレス(5階) - 結婚式場や会議場に使われる。中日ドラゴンズ新人選手の入団会見もここで行われていた。建て替えに伴い営業を終了。
  • 中日ドラゴンズ球団事務所(6階)
  • 名古屋学院大学さかえサテライト(7階) - 建て替えに伴い、中区丸の内のキリックス丸の内ビルに移転。
  • 公益財団法人にっぽんど真ん中祭り文化財団(7階) - 建て替えに伴い、同じ栄4丁目の日本経済新聞社名古屋支社ビルへ移転。
  • クラブ東海(12階) - 東海地方の経済人サロン。中日ドラゴンズのオーナー・監督間の会談もここで行われていた。
  • ヤング・ジョブ・あいち(12階) - ハローワーク名古屋中の特別な分室。34歳までの人に職業紹介を行っていた。建て替えに伴い閉鎖。
  • ビアガーデン(屋上)- 夏期のみ営業。建て替えに伴い営業を終了。

※ 団体・企業のほかにも、多くのショップ、飲食店プレイガイド等も入居していた。

※ 最上階の円盤状の構造物(直径22メートル、1時間で1回転)では、2000年(平成12年)まで回転レストランばるーんが営業を行っていた。

フロア構成 編集

屋上 ビアガーデン(夏季のみ)
12階 事務所 中日劇場
11階 事務所
10階 事務所
9階 事務所
8階 事務所
7階 事務所
6階 事務所
5階 中日文化センター 中日パレス
4階 中日文化センター 全国物産観光センター・クリニック
3階 中日ビルタウン ファッション・雑貨など
2階 中日ビルタウン ファッション・雑貨など
1階 中日ビルタウン 靴 名古屋中日ビル内郵便局
地下1階 中日ビルタウン 食品/菓子 中日ビルタウン レストラン街
地下2階 中日ビルタウン レストラン街

歴史 編集

沿革 編集

建て替え計画 編集

 
新中日ビル(2023年9月23日撮影)

現在のビルが老朽化に加え、耐震性の問題から2019年(平成31年)3月末をもって閉館し、2020年代半ばに160m級の新ビルを建設することを中日新聞社と中日ビルが共同発表した[8][9]

2018年(平成30年)3月から1年かけて順次テナントの営業を終了し、2019年3月の閉館を迎えることになった。

まず、2018年1月4日に行われた中日ドラゴンズの年賀式に於いて、建て替え工事を機に、旧ビル6階に入居していた球団事務所を同年の秋頃にナゴヤドームの西側に移転する事が発表された。続けて中日劇場が3月25日の第65回中京五流舞踊公演を最後に閉鎖された。同時にキャトルレーヴ(3階)も営業を終了した。屋上ビアガーデンは2018年9月24日の営業をもって終了、続けて中日文化センターが10月に久屋中日ビルに仮移転した。

中日パレスも2018年12月末で閉店、中日ビルタウン(地下2階 - 地上3階の商店街)は2019年1月末日で閉店、名古屋中日ビル内郵便局(1階)は同年2月8日を以って営業を終了し、2月12日から隣接する栄サンシティビル地下1階に移転、名古屋栄四郵便局と改称した。全国物産観光センター19県のうち、滋賀県は建て替え工事以前に撤退、群馬県と福岡県は閉館と同時に撤退、岐阜県は名古屋ビルディング10階へ、残る15道県は、100メートル南の久屋中日ビル3階~5階へ仮移転した。

にっぽんど真ん中祭り文化財団事務所は2019年3月の閉館後、同じ栄4丁目の日本経済新聞社名古屋支社ビルへ移転した。ヤング・ジョブ・あいちは中区錦2丁目のハローワーク名古屋中本所に統合され『愛知わかものハローワーク』となった。

新・中日ビルには当初、中日劇場・中日パレスの後継となる施設を設けない方針だったが、2019年2月発表の基本計画で、600席収容の多目的ホールを設置することが決まった[10]。高層階のホテルは、三菱地所グループロイヤルパークホテルズ&リゾーツが運営する「ザ ロイヤルパークホテル アイコニック 名古屋」となる。なお旧ビル1階玄関の天井画『夜空の饗宴』(矢橋六郎作)は新ビルに引き継ぐ[11]

新ビルは旧ビルと同じく竹中工務店が受注し、2023年(令和5年)8月に竣工。

2023年4月25日には、新・中日ビルのロゴマークおよびタグラインこれからも、まちとサカエる。」が発表された[12]

2023年8月1日、竣工式が行われた[3]

2024年(令和6年)4月23日グランドオープン予定[13][14][15]

主なビル 編集

 
日比谷中日ビル

現在、中日ビルHPで紹介されている「中日ビル」と名の付くビルは3ヶ所のみである。なお、東海地方には「中日ビル」と名の付くビルがいくつかあり、中日新聞岐阜支社などが入居している岐阜中日ビルも中日新聞社所有のビルである。

2010年(平成22年)12月、旧・中日新聞東京本社(品川分室)ビル(東京都港区品川駅港南口)の跡地に、地上19階の本棟と4階の別棟からなる高層ビル「品川フロントビル」を完成させた[16]

ビル一覧 編集

脚注 編集

  1. ^ a b c 中日ビルを建替え/19年3月末で閉館 24-25年目標に整備/中日新聞ら”. 建設通信新聞. 2016年10月11日閲覧。
  2. ^ a b c d e f 会社概要”. 中部日本ビルディング株式会社. 2016年10月11日閲覧。
  3. ^ a b 栄のランドマーク 中日ビルの竣工式 報道陣に内部が公開”. NHK (2023年8月1日). 2023年10月10日閲覧。
  4. ^ 店舗紹介|キャトルレーヴ|宝塚歌劇をグッズで楽しむ|宝塚クリエイティブアーツ公式ショッピングサイト
  5. ^ 福岡県は7階、福島県は9階、北海道は8階。それ以外の県は全て4階。
  6. ^ a b 名古屋市会事務局 1983, p. 55.
  7. ^ 名古屋市会事務局 1983, p. 56.
  8. ^ 中日ビルの建て替えについて:中日新聞からのお知らせ:中日新聞(CHUNICHI Web)2016年9月28日
  9. ^ ビル建て替えで中日劇場閉館へ - NHK 東海 NEWS WEB2016年9月28日(2016年9月30日閲覧)
  10. ^ 新中日ビルの基本計画発表 中日新聞
  11. ^ 2018年11月22日中日新聞朝刊1面
  12. ^ 中日ビルが「ロゴマーク」&「タグライン」初公開
  13. ^ 名古屋・栄の新たなランドマークへ 「中日ビル」が 2024年4月23日(火)に全面開業 名古屋初を含む93のテナントが出店” (PDF). 中日ビル. 中部日本ビルディング 中日新聞社 (2014年1月11日). 2024年1月13日閲覧。
  14. ^ 中日ビル4月23日に全面開業 中部初の「ブルーボトルコーヒー」など93テナントが出店”. 中日新聞. 中日新聞社 (2024年1月11日). 2024年1月13日閲覧。
  15. ^ 新生「中日ビル」が4月23日に全面開業!施設概要・テナントリストまとめ。”. 名古屋情報通. 名古屋情報通 (2014年1月11日). 2024年1月13日閲覧。
  16. ^ 不動産レポートの2010年竣工予定のビルより

参考文献 編集

  • 名古屋市会事務局 編『名古屋市会史 別巻第7 総合名古屋市年表(昭和編5)』名古屋市会事務局、1983年2月28日。全国書誌番号:83029734 

関連項目 編集

新聞社系列の不動産及びビル管理・運営会社

外部リンク 編集