中村 豊(なかむら ゆたか、1972年〈昭和47年〉6月18日 - )は、日本のフィジカルトレーナー。トレーニング、栄養、リカバリーという身体を作る三大要素を軸にアスリートマネジメントを行うフィジカルプロジェクトを提唱。運動から体調管理、ひいてはモチベーションも含めた心技体の健康をテーマに掲げ、アスリートのマネージングをしている。米国(フロリダ州)を拠点に、世界中へ幅広いネットワークを持つ。

中村豊

初の日本人指導者としてグランドスラムシングルス優勝者(マリア・シャラポワ、2012年)に貢献。

来歴・人物 編集

東京都町田市出身。小学生から町田玉川少年野球で野球を始める。中学生からテニスを始め、桐光学園高等学校へ進学しテニス部に入部。同時期に湘南スポーツセンター(SSC)へ所属した。

高校卒業後に松岡修造等を輩出したパーマーアカデミー(現サドルブルック)へテニス留学。アルバロ・ベッタンコ、トミー・トンプソン、櫻井準人などから指導を受ける。同アカデミー卒業後、カリフォルニアの チャップマン大学 へ入学。カレッジプレイヤーとしてテニス競技を続けながら、運動生理学・スポーツサイエンスを学ぶ。アメリカン・フットボール、ベースボールチームの学生トレーナーとしても活動。同大学卒業後、NSCA/全米ストレングス&コンディショニング協会の会員、CSCS/ストレングス&コンディショニングスペシャリストの資格を所得。現在はEXOSのXPCの資格を持つ。

1998年、サドルブルックハリー・ホップマン・テニスアカデミーのトレーナー(PERFORMANCE COORDINATOR)に就任。アルバロ・ベッタンコとジュニア育成プログラムを遂行、プロプレイヤーのフィットネスを担う。2000年、ジェニファー・カプリアティの専任トレーナーとしてグランドスラムフェドカップを含むツアーに帯同。

2004年、盛田正明テニスファウンド(MMTF)のフィジカル・トレーナーとして当時14歳の錦織圭の指導に携わる。米沢徹コーチと将来の錦織圭のブループリントを築き上げる。

2005年、ニック・ボロテリーの勧誘を受け、IMGアカデミーのトレーニングディレクターに就任。フィジカルトレーニングのヘッド(総括)としてフルタイムのプログラミング、IMG ELITE(IMG契約選手)・プロ選手マリア・シャラポワマリー・ピエルストミー・ハース錦織圭を担当する。

2010年、オーストラリアのテニス協会(テニスオーストラリア)トレーナーに就任。バーナード・トミックのツアーに帯同。また、オーストラリアデビスカップチームの一員、コンサルタントを勤めた。

2011年11月、マリア・シャラポワの専任フィジカルトレーナーに就任[1]。2018年までの7年間、彼女のキャリアをサポートしていた。全仏オープン2回優勝(2012年、2014年)、世界ナンバーワンへ返り咲いた。

2014年、米国女子ゴルフLPGA、ジェシカ・コルダのフィジカルプロジェクトをスタート。

2015年、第29回TTCテニス指導者のためのスポーツ科学セミナーとして「TennisAthlete~テニスのアスリート化~」をテーマに全国ツアーを実施。このセミナーは文部科学大臣認定事業であり、日本体育協会・日本テニス協会・日本プロテニス協会公認の指導者講習会に位置づけられている。

2016年から2019年まで盛田正明テニスファンド・Morita Masaaki Tennis Foundation/MMTF の顧問から同ファンドの選手育成、望月慎太郎に携わっていた。

2018年から2020年中旬まで米国フロリダ州のIMGアカデミー・テニスアカデミーのヘッド、ストレングス&コンディショニング部門の総括を務め、同アカデミーのプログラミングからエリート・プロ選手の指導、指導者育成に取り組んでいた。

2020年、6月から大坂なおみ選手の専属のトレーナー(ストレングス&コンディショニング)としてツアーに帯同している。同年9月に全米オープン優勝を果たし、大坂は3度目のグランドスラムの栄冠を手にした。

2021年、2月大坂なおみ選手は全豪オープン2回目の優勝を果たし、通算4度目のグランドスラムの栄冠を手にした。中村はチームなおみの一員として2度目のグランドスラム獲得に貢献した。

脚注 編集

外部リンク 編集