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画像提供依頼地方公共団体の保有する中継車の画像提供をお願いします。2013年2月
スポーツ中継を行う中継車の内部(スイッチャ)。副調整室としての役割をもつ

中継車(ちゅうけいしゃ)とは、テレビラジオの映像や音声を収録、伝送するための機材を搭載した自動車のこと。主にスタジオ外で行われる催しや報道を効果的に放送するために使われる。

日本国内では特種用途自動車(いわゆる8ナンバー車)の一種となり、2013年時点で600台が登録されている。日本における最初期の中継車が登場したのは1952年で、スポーツ中継などに使用された。1959年の上皇明仁上皇后美智子ご成婚パレードを機に民放各局にも導入され、1964年の東京オリンピックをきっかけにカラー化、その後1980年代には現在の中継車の原型となるVTR・スイッチャ・カメラを搭載したタイプが登場した。

目次

概要編集

中継車は様々な用途や目的によって、求められる車体の大きさや機材が異なっており、ラジオの中継車はセダンから小型バス、テレビの中継車はワンボックスカーから大型バストラックをベースとしているものが多い。特に大型のものでは許容される総重量の大きいいすゞ・ギガなどの大型トラックが選定される。

車両は放送局が保有するほかに、技術プロダクションが番組制作や機材貸与などを行うために保有しているものもある。導入コストなどを理由に大型中継車(特に最新の放送規格に対応するもの)を導入していない放送局では、必要な時だけレンタルにより技術プロダクションや他の放送局から借用、スタジオ横に常駐させることもある。

一般に中継車といわれるものの多くは制作中継車と呼ばれるもので、数台から十数台のカメラを搭載し、スポーツ中継などに用いられる。内部にはCCU(カメラコントロールユニット)やCG装置など多くの機材が設置され、車体も大きなものが選ばれる。近年では駐車中に車体を拡幅しより多くのスタッフを収容できるタイプも存在する。また、報道番組における現場からの中継には、それほど多くのカメラや機材を必要としないことから、より小型で、住宅街などにも入っていける報道中継車が利用される。これらの中継車は、映像をFPUSNG(衛星)により伝送することから、FPU中継車とかSNG中継車とも呼ばれ、車体上部に大きなパラボラアンテナを装備する。

多くの中継車は取材先で駐車し業務を行うが、マラソン駅伝に使用する場合には選手にあわせてほぼ常時移動するものもあり、それら移動中継車と呼ばれることがある。また走行しながら映像を伝送する必要から、アンテナ角度を随時変更する移動体通信車とも呼ばれる。

音質が求められるコンサートの中継や、ラジオ放送に用いられる中継車は音声中継車と呼ばれ、レコーディングスタジオ並みの機材を搭載したものも存在する。

中継に直接的には携わらない支援車両も中継車と総称されることがある。大容量の発電機を搭載し、中継車等に電力を供給する電源車、カメラ等の映像の収録のみを行うVTR車編集車、あるいはスーパースロー車などの通常の中継車には搭載しない特殊機材を専門に搭載する車両などがある。

設備編集

搭載設備は中継車の目的による。映像を確認するためのモニタ棚と、モニタに表示させる映像を選択するマトリックススイッチャは、多くのテレビ用中継車に搭載される。制作中継車には、スイッチャー (映像製作)とそれを操作する制作卓、カメラの映像を調整するCCU、事前に録画した映像を流すためのVTR、そしてスタッフ間の連絡に使われる有線のインターカムなどが備えられる。スポーツ中継の際には、スロー再生用の機材や、得点や選手名を表示させるCG装置なども必要となる。マラソン等で用いられる移動中継車には、車体後部にカメラと集音マイク、そして実況席を設置した、ラジオスタジオのブース風の車種もある。

用途もさまざまであり、現場でほぼ完成版の音声・映像にまで仕上げてしまう場合のほか、スタジオ番組の一部に現場からの音声・映像をはさみこむといった使い方もある(もちろん前者では大規模な中継車が必要になり、後者ならば小規模なもので済む)。また、マイクロフォンビデオカメラケーブル類などの機材も搭載しており、機材輸送車という側面も持つ。

ラジオの中継車は、以前は専用の無線回線、インタビューやリポートにはラジオカー、高い音質が要求される番組内コーナーにはFMカーが利用されることが多かったが、外部からのリポート程度のものであれば携帯電話の回線を使うことが増え、それ以上の特殊な設備を持つ中継車の出番は減少した。

テレビの中継車は、以前はもっぱらマイクロ波を用いたFPUで映像を送っており、中継車からの電波をテレビ局につなげることができない場合には中継局の確保・設置などの作業が必要であったが、1989年に通信衛星の登場により、通信衛星経由で局に送るサテライト・ニュース・ギャザリング (SNG) という方法が実用化された。当初は、地表面経由でのマイクロ波中継が困難な場所でのみ限定的にSNGが使われていたが、通信衛星の回線数が増えたことなどにより、通信衛星経由での中継を選択することが増加している。また、これらの通信衛星の利用については地上通信のマイクロ波のような免許制ではなく、営利会社(電気通信事業者)が管理運営をしており、利用料を支払う事が出来る団体であればどんな団体でも利用できる。そのため、企業内通信・放送や大学病院での手術中継、株主総会やイベント中継等に幅広く利用されており、企業や大学、警察消防都道府県などの官公庁では専用のSNG中継車を自前で所有・運用しているところもある。

2000年代からは、BSデジタル放送地上デジタルテレビジョン放送の開始によって、HDでの中継も行われるようになり、デジタルFPUによる伝送、SNGによるHD伝送、NEXIONやJT等の光伝送を使用する機会が増えつつある。

なお、中継車に搭載されている無線局、つまりFPUやSNG等の陸上移動局地球局の操作は、VSATなど例外を除き無線従事者またはその監督による者でなければならない。規模にもよるが、人工衛星局による中継か否かにより、最低でも第二級または第三級陸上特殊無線技士を要する。

主な架装メーカー編集

ギャラリー編集

参考文献編集

関連項目編集

外部リンク編集