中部縦貫自動車道

日本の長野県から福井県に至る高規格幹線道路

中部縦貫自動車道(ちゅうぶじゅうかんじどうしゃどう)は、長野県松本市から福井県福井市までを結ぶ高規格幹線道路(B路線)である[1]高速道路ナンバリングによる路線番号は全区間において「E67」が割り振られている。

一般国道自動車専用道路(B)
中部縦貫自動車道
E67 中部縦貫自動車道
路線延長 約160 km[1]
東海北陸自動車道との重複区間を除く)
開通年 1987年昭和62年)11月18日 -
起点 長野県松本市松本JCT
主な
経由都市
高山市郡上市
大野市勝山市
終点 福井県福井市福井北JCT/IC
接続する
主な道路
記法
E19長野自動車道
E41東海北陸自動車道
E8北陸自動車道
テンプレート(ノート 使い方) ウィキプロジェクト 道路
安房峠道路 平湯料金所
高山清見道路 見量山トンネル付近
油坂峠道路 白鳥西IC付近
永平寺大野道路 栗住波高架橋

目次

概要編集

長野県松本市を起点とし、岐阜県高山市清見ジャンクション (JCT) で東海北陸自動車道に接続、同道を経たのち白鳥JCTで分岐し、福井県福井市に至る。東海北陸自動車道との重複区間は高速自動車国道、越坂トンネル関連区間は国道416号、それ以外の区間は国道158号に指定されている[注釈 1]

以前は県境区間の国道158号安房峠および油坂第三トンネルまでの郡上市側は冬季になると閉鎖されていたが、安房峠道路安房トンネル)および油坂峠道路の完成により、年間を通して長野県や福井県と岐阜県飛騨地方との相互通行が可能になった。

全線開通した場合は北陸自動車道から当道を経て長野自動車道中央自動車道へ至る、福井県と関東地方(特に東京都)を結ぶ高速自動車交通の最短ルートを成す。

路線データ編集

  • 起点 : 長野県松本市(松本JCT
  • 終点 : 福井県福井市(福井北JCT/IC
  • 延長 : 約160 km(東海北陸自動車道40.7 kmを除く)
  • 道路区分 : 第1種第3級(一部第1種第4級、第3種第3級)
  • 設計速度 : 80 km/h(一部60 km/h)
  • 車線数 : 4車線(一部2車線)

インターチェンジなど編集

  • IC(インターチェンジ)番号欄の背景色がである部分については道路が供用済みの区間を示している。また、施設名欄の背景色がである部分は施設が供用されていない、完成していないことを示す。
  • その他の英略字は、JCTはジャンクションを示す。
  • 未開通区間のJCT/IC名は仮称。
-
IC番号 施設名 接続路線名 起点から
km
備考 所在地
- 松本JCT E19長野自動車道 0.0 事業中 長野県 松本市
- 波田IC 県道315号波田北大妻豊科線 5.3 事業中
- 波田JCT 松本糸魚川連絡道路 - 計画中
- 沢渡IC - 計画中
基本計画区間
中ノ湯IC 国道158号 0.0
平湯IC 国道471号、国道158号 5.6 岐阜県 高山市
基本計画区間(高山東道路)
- 丹生川IC 国道158号 0.0 事業中
高山IC 国道41号高山国府バイパス 9.5
高山西IC 国道158号 16.0 道の駅ななもり清見隣接
13 清見IC/JCT 国道158号
E41東海北陸自動車道 小矢部砺波方面
24.7
(重複区間 40.9 km)詳細は「東海北陸自動車道」を参照
郡上市
10 白鳥IC/JCT E41東海北陸自動車道 一宮方面
県道82号白鳥明宝線
0.0 ICは東海北陸道方面出入口
白鳥西IC 国道158号 3.2
油坂峠出入口 国道158号 11.3 白鳥方面出入口
無料開放により料金所は廃止
福井県 大野市
- 和泉IC 県道127号白山中居神社朝日線 26.8 事業中
道の駅九頭竜隣接
- 下山IC 国道158号 30.7 事業中
福井方面出入口
- 勝原IC 国道158号 36.3 事業中
福井方面出入口
- 大野東IC 国道158号 40.8 事業中
道の駅結の故郷(仮称)隣接予定
大野IC 国道157号大野バイパス 46.3
勝山IC 県道260号勝山インター線 54.1 勝山市
上志比IC 国道416号 62.0 道の駅禅の里出口案内 永平寺町
永平寺IC 国道364号(谷口バイパス) 67.3
永平寺参道IC 国道364号(谷口バイパス) 68.7 福井方面出入口
松岡IC 国道416号(吉野堺バイパス)
県道165号京善原目線
70.5 白鳥方面出入口
9 福井北JCT/IC 国道416号(吉野堺バイパス)
E8北陸自動車道
72.7 ICは北陸道方面出入口 福井市

歴史編集

各道路ごとの沿革は、#事業区間ごとの概要にある各道路の沿革を参照。

  • 1965年(昭和40年) : 安房トンネルの現地調査を開始する。
  • 1980年(昭和55年) : 安房トンネルの調査坑が着工される。
  • 1981年(昭和56年) : 油坂峠道路が、建設省により事業化される。
  • 1983年(昭和58年) : 油坂峠道路が、建設省により着工される。
  • 1985年度(昭和60年度) : 永平寺大野道路のうち国道416号吉野 - 谷口工区(現・永平寺参道IC - 松岡IC)が、福井県により着手される。
  • 1987年(昭和62年)
  • 1993年度(平成5年度) : 永平寺大野道路のうち、上志比IC - 永平寺参道IC間の事業を福井県から国へ移管。国が永平寺大野道路全区間を事業化する。
  • 1993年(平成5年)6月1日 : 永平寺大野道路のうち、越坂トンネル関連区間(現・永平寺参道IC - 松岡IC間、1.8 km)の供用を開始する。
  • 1995年(平成7年)
    • 2月11日 : 安房峠道路の工事現場で水蒸気爆発が発生し、作業員4人が死亡する。
    • 4月 : 安房トンネルが貫通する。
  • 1996年度(平成8年度) : 松本波田道路が事業化される。
  • 1997年(平成9年)12月6日 : 安房峠道路(中ノ湯IC - 平湯IC間、5.6 km)の供用を開始する。
  • 1999年(平成11年)
    • 4月26日 : 白鳥西IC - 油坂第三トンネルおよび、油坂峠料金所の供用を開始。同時に有料道路となる。
    • 11月1日 : 白鳥IC - 白鳥西IC間の供用を開始する。
  • 2004年(平成16年)11月27日 : 高山清見道路のうち、高山西IC - 飛清見IC間 (8.7 km) の供用を開始する。
  • 2005年(平成17年)9月30日 : 油坂峠道路無料化に伴い、油坂峠料金所を廃止。
  • 2007年(平成19年)
    • 3月17日 : 永平寺大野道路のうち、永平寺IC - 永平寺参道IC間 (1.4 km) の供用を開始する。
    • 9月29日 : 高山清見道路のうち、高山IC - 高山西IC間 (6.5 km) の供用を開始する。
  • 2009年(平成21年)3月28日 : 永平寺大野道路のうち、勝山IC - 上志比IC間 (7.9 km) の供用を開始する。
  • 2011年(平成23年)8月1日 : 永平寺大野道路のうち、松岡IC - 福井北JCT/IC間着工。
  • 2013年(平成25年)3月24日 : 永平寺大野道路のうち、大野IC - 勝山IC間 (7.8 km) の供用を開始する。
  • 2015年(平成27年)3月1日 : 永平寺大野道路のうち、松岡IC - 福井北JCT/IC間 (2.2 km) の供用を開始する[3]。また永平寺IC、永平寺参道ICの名称が正式決定。
  • 2017年(平成29年)7月8日 : 永平寺大野道路のうち、上志比IC - 永平寺IC間 (5.3 km) の供用を開始する。永平寺大野道路全線開通[4]

路線状況編集

有料・無料区間編集

有料道路区間編集

2010年(平成22年)6月28日から2011年(平成23年)6月19日までの間、通行料金無料化社会実験の対象となっていた。
  • 白鳥IC/JCT - 飛清見IC/JCT(東海北陸自動車道 : NEXCO中日本 名古屋支社 高山保全・サービスセンター管理)

無料区間編集

  • 高山IC - 飛清見JCT(高山清見道路 : 国土交通省 中部地方整備局 高山国道事務所 高山維持出張所管理)
  • 白鳥JCT - 油坂峠出入口(油坂峠道路 : 国土交通省 中部地方整備局 岐阜国道事務所 八幡維持出張所管理)
    • 白鳥JCT - 白鳥西ICについては白鳥ICの構造上、接続する東海北陸道区間の料金が別途必要になる。
  • 大野IC - 福井北JCT/IC(永平寺大野道路 : 国土交通省 近畿地方整備局 福井河川国道事務所 嶺北国道維持出張所管理)
    • 松岡IC - 福井北JCT/ICを利用する場合は福井北JCT/ICの構造上、接続する北陸道区間の料金が別途必要になるとともに、松岡ICの構造上、最短でも永平寺参道IC - 北陸道福井ICもしくは丸岡ICを通る事となる。

交通量編集

24時間交通量(台) 道路交通センサス

区間 平成17(2005)年度 平成22(2010)年度 平成27(2015)年度
中ノ湯IC - 平湯IC 03,171 01,880 03,821
高山IC - 高山西IC 調査当時未開通 05,504 05,631
高山西IC - 飛清見IC 05,566 06,774 07,049
白鳥IC/JCT - 白鳥西IC 01,071 00 594 02,035
白鳥西IC - 油坂峠 01,706 00 946 01,128
大野IC - 勝山IC 調査当時未開通 06,406
勝山IC - 上志比IC 調査当時未開通 01,214 07,675
上志比IC - 永平寺IC 調査当時未開通
永平寺IC - 永平寺参道IC 調査当時未開通 08,218 11,088
永平寺参道IC - 松岡IC 11,738 12,575 16,273
松岡IC - 福井北JCT/IC 調査当時未開通 01,244

(出典:「平成22年度道路交通センサス」・「平成27年度全国道路・街路交通情勢調査」(国土交通省ホームページ)より一部データを抜粋して作成)

事業区間ごとの概要編集

※各道路のICおよび接続道路の詳細については、#インターチェンジなどを参照。

長野県内区間は、波田IC - 中ノ湯IC間はダム建設時に整備された道路を利用しており、道路幅の狭さから大型自動車などの離合に時間を要するなど改良の余地があるが、この区間は一般道路と併用して整備をする方針となっている。このうち、地元関係者の要望もあり先行整備される予定であった同区間の一部(奈川渡ダム周辺)については地元首長および国土交通相との会談の結果、2010年度(平成22年度)の事業化を目指すこととなった[5]が、のちに調査・測量を除いた事業化は延期となった。また、松本波田道路は2008年度(平成20年度)に事業再評価の対象となったが事業の継続が決定した。

岐阜県内区間は、高山清見道路の高山IC - 飛清見JCT間の開通により整備が一段落したのちは、丹生川IC - 高山IC間の調査・設計などが進んでいるほか、中間にインターチェンジを作る動きもある。また、現道の改良が進んでいる平湯IC - 丹生川IC間は高山東道路として調査中である。

福井県内区間は、永平寺大野道路の松岡IC - 福井北JCT/IC間が2015年(平成27年)3月1日に開通し北陸自動車道との接続を果たし[3]、残る上志比IC - 永平寺IC間も2017年(平成29年)7月8日に開通した[4]。また、大野油坂道路のうち大野東IC以東を事業化しており、未事業化区間は約5 kmを残すのみとなっている。なお、県では当路線を「真に必要な道路」と位置づけており、広報や誘致活動ではこのフレーズを多用している[6][7]

松本波田道路編集

松本波田道路(まつもとはたどうろ)は、長野県松本市島立と同市波田石原間に計画されている、全長5.3 kmの自動車専用道路である[8]。1996年度(平成8年度)に事業化され、1999年(平成11年)3月15日に都市計画決定された。松本インターチェンジの南側にあたる島立地区に設置予定の松本ジャンクション長野自動車道から分岐し、波田地区で工事中の渋滞対策道路(県道で、国道158号のバイパスとしての位置づけ)と接続する構想である。

この区間はアクセス道路の問題と地元住民の反対[9]により整備は進んでいない。アクセス道路については2車線で整備することが決まっていたが、田中康夫知事が1.5車線に計画を変更したのち、村井仁知事により再び2車線で整備する計画に戻り2013年に着工した[要出典]。 2013年12月、国土交通省関東地方整備局長野国道事務所が島立・新村和田波田の各地区で地元町会長などに対し説明会を開催した。2014年1月からは地権者ら地元住民対象の説明会を開き、理解を得られれば地質調査や測量を始める方針とされる[10][11]。この計画については、渋滞解消や観光資源の有機的な接続といったメリットの反面、優良な農地や景観を失うとする住民の反対意見が併せて報道されている[10][12]

2018年4月、松本市は松本ジャンクションと波田インター(仮称)の間に、新村IC和田ICを、地元自治体が整備・維持管理をになう追加インターとして設置する方針を示した[12][13]

松本波田道路の要目編集

  • 起点 : 長野県松本市島立
  • 終点 : 長野県松本市波田石原
  • 全長 : 5.3 km
  • 規格 : 第1種第3級
  • 道路幅員 : 20.5 m
  • 車線数 : 4車線
    • 暫定2車線の対面通行でまず整備し、将来の4車線化を想定している[12][13]
  • 車線幅員 : 3.5 m
  • 設計速度 : 80 km/h
    • 対面通行の間は70 km/hで協議中[12]

波田ICと中ノ湯ICを結ぶ区間編集

長野県松本市波田石原(波田IC)と同市安曇中ノ湯(中ノ湯IC)を結ぶ区間は基本計画区間となっている。事業化されておらず、事業名もない。

なお、当区間と並行する国道158号は防災上の問題があるほか隘路となっていることから、奈川渡ダム付近の約2 kmについて国道158号のバイパス道路を建設する道路改良事業「一般国道158号奈川渡改良」[14]が、2011年度の新規事業として採択された[15]

安房峠道路編集

安房峠道路(あぼうとうげどうろ)は、長野県松本市安曇中ノ湯(中ノ湯IC)と岐阜県高山市奥飛騨温泉郷平湯(平湯IC)を結ぶ、全長5.6 kmの道路である。

長野・岐阜県境の安房峠直下で短絡しており、大半の区間を安房トンネルと湯ノ平トンネルが占めている。

高山東道路編集

高山東道路(たかやまひがしどうろ)は、岐阜県高山市奥飛騨温泉郷平湯(平湯IC)と岐阜県高山市丹生川町坊方(丹生川IC)を結ぶ道路。基本計画区間となっており調査が行われているが、事業化されていない。

高山清見道路編集

 
高山西IC付近(高山IC方面を撮影)
 
高山西IC付近(飛清見IC方面を撮影)

高山清見道路(たかやまきよみどうろ)は、岐阜県高山市丹生川町坊方(丹生川IC)と同市清見町夏厩(清見JCT)を結ぶ、全長24.7 kmの道路である[16]

通行料金は無料。当道路のうち高山IC - 飛清見IC間のみ暫定2車線で供用中である。残りの丹生川IC - 高山IC間 (9.5 km) は2013年(平成25年)11月15日より工事着手しており、2023年度頃の完成を見込む[17]

高山清見道路の要目編集

  • 起点 : 岐阜県高山市丹生川町坊方
  • 終点 : 岐阜県高山市清見町夏厩
  • 全長 : 24.7 km(供用延長 : 15.2 km)
  • 規格 : 第1種第3級
  • 標準道路幅員 : 22.0 m
  • 車線数 : 4車線
    • 高山西IC付近以外は暫定2車線で供用
  • 設計速度 : 80 km/h

高山清見道路の沿革編集

  • 1992年(平成4年)1月17日 : 都市計画決定。
  • 1992年度 : 事業化。
  • 2004年(平成16年)11月27日 : 高山西IC - 飛清見JCT間 (8.7 km) の供用を開始。
  • 2007年(平成19年)9月29日 : 高山IC - 高山西IC間 (6.5 km) の供用を開始。

高山清見道路の主な構造物編集

  • 見量山(みはかやま)トンネル
    • 全長1,544 m、暫定2車線のトンネル。高山ICと高山西IC間の岐阜県高山市に所在し、見量山を貫く。2006年(平成18年)12月13日に貫通。なお、事業中の仮称を「下林トンネル」と称していた。
  • 栗尾(くりお)トンネル
    • 全長1,069 m、暫定2車線のトンネル。高山ICと高山西IC間の岐阜県高山市に所在し、見量山を貫く。2006年(平成18年)9月12日に貫通。なお、事業中の仮称を「前原2号トンネル」と称していた。
  • 前原高架橋 - 全長290 m。
  • 清見八日町(きよみようかまち)トンネル
    • 全長1,272 m、暫定2車線のトンネル。高山ICと高山西IC間の岐阜県高山市に所在し、名称の由来は高山市の地域名称である清見町八日町から採られている。トンネル内は電波遮へい対策事業により携帯電話の通話が可能である。2006年(平成18年)5月17日に貫通。なお、事業中の仮称を「前原1号トンネル」と称していた。
  • 小鳥(おどり)トンネル
    • 全長4,346 m、暫定2車線のトンネル。高山西ICと飛清見ICに所在し、小鳥峠のほぼ直下を貫く。2003年(平成15年)3月15日に貫通。※詳しくは、小鳥トンネルを参照。

東海北陸自動車道との重複区間編集

岐阜県高山市清見町夏厩(飛清見JCT)と岐阜県郡上市白鳥町向小駄良(白鳥IC付近)は、東海北陸自動車道との重複区間である。高速道路ナンバリングにおいては、この区間は「E41」と「E67」の重複付番となっている。

油坂峠道路編集

 
白鳥IC - 白鳥西IC間
 
岐阜県側区間の遠望。山向こうが福井県。

油坂峠道路(あぶらさかとうげどうろ)は、岐阜県郡上市白鳥町向小駄良(白鳥IC付近)と福井県大野市東市布(旧油坂峠料金所付近)を結ぶ、全長11.3 kmの道路である[18][19][20][21]

もとは有料道路として供用を開始したが、道路の管理主体が日本道路公団から国土交通省中部地方整備局へ承継されたことに伴い、2005年(平成17年)9月30日に無料化された。

福井県側から当道路を通行した場合は、白鳥ICから一般道に降りることはできない。

油坂峠道路の要目編集

  • 起点 : 福井県大野市東市布
  • 終点 : 岐阜県郡上市白鳥町向小駄良
  • 全長 : 11.3 km
  • 設計速度 : 80 km/h
    • 完成時期および経緯の違いから、構造規格が異なっており、越美通洞前後4.0 kmの区間[注釈 2]は最高速度が50 km/hに、そのほかの区間では70 km/h(対面通行の自動車専用道路では一般的な速度)に設定されている。
  • 車線数 : 暫定2車線
  • 総事業費 : 計画749億円、実績777億円

油坂峠道路の沿革編集

  • 1977年度(昭和52年度)から1980年度(昭和55年度) : 調査が実施される。
  • 1981年(昭和56年)
    • この年、一般国道158号の一次改築事業として事業化される。
    • 7月10日 : 福井県および岐阜県の権限代行区間として工事開始が告示される[22]
  • 1983年度(昭和58年度) : 建設省により着工される。
  • 1984年度(昭和59年度) : 越美通洞に着手する。
  • 1987年(昭和62年)
    • 6月 : 当道路が「中部縦貫自動車道」に指定される[23]
    • 11月18日 : 県境区間(越美通洞を含む、福井県大野郡和泉村東市布から岐阜県郡上郡白鳥町・大藤路橋まで)が、暫定的に無料道路として供用を開始する[2]
  • 1989年(平成元年)8月8日 : 都市計画決定される。
  • 1998年(平成10年) : 日本道路公団により着工される。
  • 1999年(平成11年)
    • 4月26日 : 白鳥西IC - 油坂第三トンネルおよび、油坂峠料金所前後の供用を開始。同時に有料道路となる。
    • 11月1日 : 白鳥JCT - 白鳥西IC間の供用を開始する。
  • 2005年(平成17年)9月30日 : 無料化される。

油坂峠道路の主な構造物編集

岐阜県側にある油坂第1・第2・第3トンネルが大きくカーブしているのと対照的に、県境を貫く越美通洞は直線になっているので、入口から向かい側の入口を見ることができる。

  • 油坂第一トンネル (建設省近畿地方建設局福井工事事務所側の建設当時の名称「油坂第四トンネル」、全長847 m[24]
  • 油坂第二トンネル (同「油坂第三トンネル」、全長1,600 m[25]
  • 油坂第三トンネル (同「油坂第二トンネル」、全長914 m[26]
  • 越美通洞 (同「油坂第一トンネル」、全長1,076 m[27]
    • 当道路で唯一、トンネル名に「通洞」という呼称が命名されているが、これは当時の建設省近畿地方建設局福井工事事務所の所長が、部下にトンネル名を検討するよう指示し、部下は「油坂第一トンネル」、「越美トンネル」、「油坂峠トンネル」などの候補を挙げるも却下し、所長自らが現トンネル名を提案し、命名したものである。[28]

大野油坂道路編集

大野油坂道路(おおのあぶらさかどうろ)は、福井県大野市東市布(旧油坂峠料金所付近)と同市中津川(大野IC)を結ぶ道路[21]。道路規格が第1種第4級、車線幅員が3.25 mで計画されている。日本の高速道路はその殆どが車線幅員3.5 mを基準としており、西九州自動車道三遠南信自動車道で現道を活用する場合(暫定的なものを含む)に基準未満で供用する例が見られるが、新規に自動車専用道路を整備する場合に最初から車線幅員を3.25 mで計画するのは非常に特異である。

2009年(平成21年)3月9日、国土交通大臣諮問機関である社会資本整備審議会の部会が開かれ、和泉IC(大野市貝皿) - 大野東IC(同市下唯野)間の14 kmが着工の見込みとなった。計画では完成2車線で設計速度60 km/h。事業費は約523億円、1日当たりの計画交通量は約7,400台。防災救急医療などの面からも必要とされたほか、費用対効果は3.4と高い評価を得ている。同月13日、2010年度新規事業として採択される事が正式に決定した。 2014年(平成26年)3月末時点の用地取得率は54%で、同年8月30日に着工。用地がまとまった箇所から順次工事を進める予定で、起工式に駆け付けた福井県選出の山崎正昭参議院議長は「7、8年で完成できるのでは」と全通に向けた意気込みを示した[29][注釈 3]

油坂峠 - 和泉IC間15.5 kmについては、計画交通量を1日当たりの約4,500台と見込む[30]。同区間の整備を2011年(平成23年)12月24日に翌年度政府当初予算案の一部として閣議決定、2012年(平成24年)4月5日に同予算が国会で成立し翌日の予算配分によって正式に事業化された[31]東日本大震災を教訓に国土交通省が全国で高速道路ネットワークの未整備区間の解消や代替ルート確保を重視する中で、中部縦貫道の南海トラフ巨大地震発生時の迂回路としての機能が改めて評価されたものとみられている[30][注釈 4]。また大野東IC - 大野IC間の5.5 kmについても2015年度(平成27年度)に新規事業化され、これにより中部縦貫道の未事業化区間は解消され、全線開通に向けての大きな一歩となった[32]

大野油坂道路の要目編集

  • 起点 : 福井県大野市東市布
  • 終点 : 福井県大野市中津川
  • 全長 : 35.0 km(供用中区間なし)
  • 規格 : 第1種第4級
  • 道路幅員 : (土工部)13.0 m、(橋梁部)12.0 m、(トンネル部)10.5 m
  • 車線数 : 2車線
  • 車線幅員 : 3.25 m
  • 設計速度 : 60 km/h

大野油坂道路の沿革編集

  • 1997年(平成9年)2月 : 油坂峠料金所 - 大野IC間(約32 km)の基本計画が決定される。
  • 2004年(平成16年)12月 : ルート帯が発表される。
  • 2006年(平成18年) : 猛禽類を除く環境調査を実施する。
  • 2010年度(平成21年度) : 和泉IC - 大野東IC間 (14.0 km) が事業化される。
  • 2012年(平成24年)4月6日 : 油坂峠出入口 - 和泉IC間 (15.5 km) が事業化される。
  • 2013年度(平成25年度) : 和泉IC - 大野東IC間の用地買収に着手[33]
  • 2014年(平成26年)8月30日 : 和泉IC - 大野東IC間の工事に着手。
  • 2015年(平成27年)4月9日 : 大野東IC - 大野IC間 (5.5 km) が事業化される。これにより大野油坂道路の全線が事業化。

永平寺大野道路編集

 
工事の様子(鹿谷高架橋) - 勝山市鹿谷町

永平寺大野道路(えいへいじおおのどうろ)とは、福井県大野市中津川(大野IC)と同県福井市玄正島町(福井北JCT/IC)を結ぶ、全長26.4 kmの道路である[21][1]

2017年(平成29年)7月8日に上志比IC - 永平寺IC間が開通したことにより、全線暫定2車線開通となった[4][34][35]。都市計画時は有料道路として整備した場合に石上PAを勝山IC - 上志比IC間に設置する計画があったが、道の駅禅の里が上志比ICの近くに開設されたため計画は中止となり、永平寺町や福井県、国土交通省の資料やパンフレットからも削除されている。

永平寺大野道路の要目編集

  • 起点 : 福井県大野市中津川
  • 終点 : 福井県福井市玄正島町
  • 全長 : 26.4 km(全区間供用済)
  • 幅員 : 22.0 m
  • 車線数 : 4車線(全区間暫定2車線)
  • 規格 : 第1種第3級
  • 設計速度 : 80 km/h
    • 制限速度70 km/hにて供用している。
  • 事業費 : 約1,290億円

永平寺大野道路の沿革編集

  • 1985年度(昭和60年度) : 福井県が、越坂トンネル関連区間(現・永平寺参道IC - 松岡IC間)の事業に着手する。
  • 1989年(平成元年)8月8日 : 都市計画決定され、大野IC - 永平寺参道IC間の基本計画が決定する。
  • 1990年(平成2年)11月1日 : 大野IC - 永平寺参道IC間の整備計画決定、永平寺参道IC - 福井北JCT/IC間の基本計画決定。
  • 1990年度(平成2年度) : 国が大野IC - 上志比IC間を、福井県が上志比IC - 永平寺参道IC間をそれぞれ事業化する。
  • 1992年度(平成4年度) : 用地買収に着手する。
  • 1992年(平成4年)8月21日 : 永平寺参道IC - 福井北JCT/IC間が都市計画決定される。
  • 1993年度(平成5年度) : 上志比IC - 永平寺参道IC間の事業を福井県から国へ移管。国が永平寺大野道路全線を事業化する。
  • 1993年(平成5年)
    • 6月1日 : 越坂トンネル関連区間(現・永平寺参道IC - 松岡IC間、1.8 km)の供用を開始する。
    • 7月30日 : 永平寺参道IC - 福井北JCT/IC間の整備計画が決定される。
  • 2001年(平成13年)12月 : 保田トンネル・吉峰トンネルが貫通する。
  • 2007年(平成19年)3月17日 : 永平寺IC - 永平寺参道IC間の供用を開始する[注釈 5]
  • 2008年(平成20年)3月30日 : 維持管理業務を福井県から国へ移管[36]
  • 2009年(平成21年)3月28日 : 勝山IC - 上志比IC間の供用を開始する。
  • 2011年(平成23年)8月1日 : 松岡IC - 福井北JCT/IC間着工。
  • 2013年(平成25年)3月24日 : 大野IC - 勝山IC間 (7.8 km) の供用を開始。
  • 2015年(平成27年)3月1日
    • 松岡IC - 福井北JCT/IC間 (2.2 km) の供用を開始[3]
    • 仮称・永平寺東ICは永平寺ICに、仮称・永平寺西ICは永平寺参道ICに、それぞれ正式名称決定。
  • 2017年(平成29年)7月8日 : 上志比IC - 永平寺IC間 (5.3 km) の供用を開始。これにより、全線開通[4]

地理編集

脚注編集

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注釈編集

  1. ^ 当道と国道158号とは起点・終点が逆になる。
  2. ^ 越美通洞および越美通洞手前の大藤路橋は当初、第3種第2級で設計速度は60 km/hであったが、のちに第1種第4級に変更し設計速度も80 km/hに引き上げられた。その他の区間は第1種第3級である。
  3. ^ 起工式は閉校した大野市蕨生小学校の体育館で開催され、式典には西川一誠知事や山崎正昭国会議員ら関係者約130人が駆け付けた。西川知事は「日本にも県にも重要な道路」と述べ、山崎議員も式典の1月前に開通した福井県の西側の玄関口である舞鶴若狭道になぞらえ「福井の東の玄関口として大きな成果を期待」と挨拶し、関係者からも交流促進や地方振興効果、災害時の“命の道”としての機能に期待の声が上がった。
  4. ^ 中部縦貫道の未事業化区間として残っていた大野東IC - 大野ICと油坂峠 - 和泉ICとで、後者が先に事業化された点について国土交通省福井河川国道事務所は「地形上の制約から道路を通せる場所が限られたため、ルートの決定が迅速だった」としている。国交省の新規事業採択時評価資料によれば、ルートの選定においてはバイパス新設案(第1種第4級、標準道路幅員13.0 m、車線道路幅員3.25 m、設計速度60 km/h)と国道158号現道改良案(第3種第3級、標準道路幅員10.75 m、車線道路幅員3.0 m、設計速度50 km/h)との2案が検討され、走行性・定時制・速達性など高速道路としての機能や自然環境への負荷等を総合的に勘案し、バイパスを新設する案が採用された。
  5. ^ 当時、永平寺ICは、仮称・永平寺東ICのまま暫定供用扱い、また永平寺参道ICは、仮称・永平寺西ICのままで、松岡ICとともにIC名表記の標識は設置されていなかった。

出典編集

  1. ^ a b c “北陸道-永平寺直結 中部縦貫道が部分開通”. 中日新聞 (中日新聞社). (2015年3月2日) 
  2. ^ a b 『中部縦貫自動車道 油坂峠道路工事誌』 国土交通省近畿地方整備局福井工事事務所、2001年、p9、p11、p184。
  3. ^ a b c 西尾述志 (2015年3月2日). “地元 歓迎と期待 中部縦貫道と北陸道直結”. 中日新聞 (中日新聞社) 
  4. ^ a b c d “E67 中部縦貫自動車道 永平寺大野道路 7月8日(土)永平寺IC〜上志比ICが開通します 〜 今回の開通により、永平寺大野道路が全線開通! 〜” (PDF) (プレスリリース), 国土交通省近畿地方整備局 福井河川国道事務所, (2017年5月26日), http://www.kkr.mlit.go.jp/fukui/press/h29/pdf/2017052601.pdf 2017年5月26日閲覧。 
  5. ^ “中部縦貫道、10年度事業化目指す 知事面談で国交相方針”. 中日新聞 (中日新聞社). (2008年11月20日). http://www.chunichi.co.jp/article/nagano/20081120/CK2008112002000015.html [リンク切れ]
  6. ^ 広報番組『まちかど県政』「いま、真に必要な道路〜中部縦貫自動車道〜」(2009年4月5日放送) ※参考 : 県の広報案内(2009年3月30日〜4月5日)”. 福井県. 2011年1月18日閲覧。
  7. ^ いま、「真に必要な道路」中部縦貫自動車道 (PDF)”. 福井県. 2011年1月18日閲覧。(2008年11月21日、政府・与党(自民党)・財務省・国土交通省宛に提出された「中部縦貫自動車道整備促進提言書」の説明資料)
  8. ^ 中部縦貫自動車道(松本波田道路)”. 国土交通省関東地方整備局長野国道事務所. 2011年1月16日閲覧。
  9. ^ 新件番号 1453、 件名 中部縦貫自動車道松本波田道路と国道百五十八号の整備に関する請願(第168回国会 請願の要旨)”. 参議院. 2011年1月16日閲覧。
  10. ^ a b “松本市と福井市結ぶ「松本波田道路」 12年ぶり説明会再開”. 信濃毎日新聞 (信濃毎日新聞社). (2013年12月12日). オリジナル2013年12月15日時点によるアーカイブ。. http://web.archive.org/web/20131215145405/http://www.shinmai.co.jp/news/20131212/KT131211ATI090019000.php 2013年12月12日閲覧。 
  11. ^ 『市民タイムス』2013年12月12日付
  12. ^ a b c d 『信濃毎日新聞』2018年4月20日付2面
  13. ^ a b 『市民タイムス』2018年4月20日付1面
  14. ^ 平成23年度新規事業候補箇所説明資料 (PDF)”. 国土交通省関東地方整備局. pp. 11-12. 2011年5月17日閲覧。
  15. ^ “平成23年度長野国道事務所の事業概要” (PDF) (プレスリリース), 国土交通省関東地方整備局長野国道事務所, (2011年5月17日), http://www.ktr.mlit.go.jp/nagano/information/h23data/83_110517_1_09.pdf 2013年1月4日閲覧。 
  16. ^ 高山清見道路(中部縦貫自動車道)”. 国土交通省中部地方整備局高山国道事務所. 2011年1月16日閲覧。
  17. ^ “中部縦貫道:高山清見道路、残り区間着工 丹生川−高山IC /岐阜”. 毎日新聞 (毎日新聞社). (2013年11月16日) 
  18. ^ 国道158号油坂峠道路 1”. 道路整備効果事例. 国土交通省近畿地方整備局. 2016年3月5日時点のオリジナルよりアーカイブ。2011年1月16日閲覧。
  19. ^ 国道158号油坂峠道路 2”. 道路整備効果事例. 国土交通省近畿地方整備局. 2016年3月5日時点のオリジナルよりアーカイブ。2011年1月16日閲覧。
  20. ^ 国道158号油坂峠道路 3”. 道路整備効果事例. 国土交通省近畿地方整備局. 2016年3月5日時点のオリジナルよりアーカイブ。2011年1月16日閲覧。
  21. ^ a b c 中部縦貫自動車道の概要”. 福井県. 2011年1月16日閲覧。
  22. ^ 『中部縦貫自動車道 油坂峠道路工事誌』 国土交通省近畿地方整備局福井工事事務所、2001年、p11。
  23. ^ 『中部縦貫自動車道 油坂峠道路工事誌』 国土交通省近畿地方整備局福井工事事務所、2001年、p9、p184。
  24. ^ 『中部縦貫自動車道 油坂峠道路工事誌』 国土交通省近畿地方整備局福井工事事務所、2001年、p52。
  25. ^ 『中部縦貫自動車道 油坂峠道路工事誌』 国土交通省近畿地方整備局福井工事事務所、2001年、p46。
  26. ^ 『中部縦貫自動車道 油坂峠道路工事誌』 国土交通省近畿地方整備局福井工事事務所、2001年、p43。
  27. ^ 『中部縦貫自動車道 油坂峠道路工事誌』 国土交通省近畿地方整備局福井工事事務所、2001年、p41。
  28. ^ 『中部縦貫自動車道 油坂峠道路工事誌』 国土交通省近畿地方整備局福井工事事務所、2001年、p207。
  29. ^ “福井の東の玄関口へ期待 中部縦貫道・大野油坂道路が着工”. 産経新聞 (産経新聞社). (2014年8月31日) 
  30. ^ a b “中部縦貫道、中京結ぶ玄関口期待 和泉―油坂の整備が事業化”. 福井新聞 (福井新聞社). (2012年1月13日) 
  31. ^ “平成24年度予算” (PDF) (プレスリリース), 国土交通省近畿地方整備局, (2012年4月6日), https://www.kkr.mlit.go.jp/profile/yosan/h24/qgl8vl000000b3r0-att/120406.pdf 
  32. ^ “平成27年度 道路関係予算配分概要” (PDF) (プレスリリース), 国土交通省道路局/都市局, (2015年4月9日), http://www.mlit.go.jp/road/ir/ir-yosan/h27yhai/pdf/h27yh-kf.pdf 
  33. ^ “大野・和泉地区の化石 “磨き”をかけ観光資源に”. 福井新聞 (福井新聞社). (2012年12月24日). オリジナル2013年4月30日時点によるアーカイブ。. http://archive.is/QAhQ8 2013年1月16日閲覧。 
  34. ^ “永平寺大野道路平成29年夏前までの全線開通について” (PDF) (プレスリリース), 国土交通省, (2017年1月16日), http://www.kkr.mlit.go.jp/fukui/press/h28/pdf/2017011601.pdf 2017年5月26日閲覧。 
  35. ^ “永平寺大野道路は7月8日全線開通 中部縦貫自動車道、奥越アクセス向上”. 福井新聞ONLINE (福井新聞社). (2017年5月26日). オリジナル2017年5月26日時点によるアーカイブ。. https://web.archive.org/web/20170526033132/http://www.fukuishimbun.co.jp/articles/-/198348 2017年5月26日閲覧。 
  36. ^ 平成20年政令第57号(2008年3月21日付)

関連項目編集

外部リンク編集