丹参(たんじん、Salvia miltiorrhiza)は、シソ科アキギリ属植物、およびそのを精製した生薬名である。

タンジン
Salvia miltiorrhiza
分類
: 植物界 Plantae
: 被子植物門 Magnoliophyta
: 双子葉植物綱 Magnoliopsida
亜綱 : キク亜綱 Asteridae
: シソ目 Lamiales
: シソ科 Lamiaceae
: アキギリ属 Salvia
: タンジン S. miltiorrhiza
学名
Salvia miltiorrhiza
Bunge
和名
丹参
英名
Chinese red sage
生薬 丹参
生薬 丹参

名称について 編集

朱色を意味し、は薬用ニンジンのように膨大した根を意味する。党参、南沙参(以上キキョウ科)、北沙参(セリ科)、太子参(ナデシコ科)、苦参(マメ科)など、中国由来の生薬で、使用部位を根とするものに“参”の文字がしばしば使われる。植物分類上、ウコギ科の薬用ニンジンや、野菜ニンジンセリ科)とは、全く関係がなく、草花として親しまれているサルビアや、キッチンハーブのセージと同じシソ科アキギリ属の植物である。

植物 編集

中国に分布する耐寒性宿根草で、 草丈は30~80cmくらいになる。は角張っていて、は対生し単羽状複葉で、小葉は卵形で3~7個、有毛、鋸歯がある。初夏からにかけて咲き、2cmほどの藍色の唇形花が数輪から十数輪総状花序を作る。

生薬 編集

中国原産であるため、中国で一番古い生薬の書物である『神農本草経』にも掲載されているが、日本で主に行われている古方派の漢方では、あまり用いられていない。時代が下るに従いよく用いられる傾向があり、血の道と呼ばれていた月経不順や肝臓病、胸痛・腹痛などに用いられる。また、心筋梗塞狭心症特効薬として中国で近年よく用いられる「冠心II号」の主薬として用いられている。日本では2012年に公示された第17改正日本薬局方に収載となった。

薬理作用 編集

丹参には次の薬理作用があることが確認されている[1]血管拡張、血流増加、血圧降下、抗血栓血液粘度低下、動脈硬化の予防・改善、抗酸化鎮痛、抗炎症抗菌、精神安定

脚注 編集

  1. ^ 阿部博幸 路京華『脳と心臓の血管は丹参で蘇る』(リヨン社、2000年)、pp.104-108

参考文献 編集

  • 漢方のくすりの事典 鈴木洋・著 1994年 医歯薬出版
  • Encyclpedia of Herbs and Their Uses

関連項目 編集

外部リンク 編集