主計局(しゅけいきょく)は、中央省庁である財務省内部部局の一つ。

概要編集

国の予算の編成、決算の作成、会計制度の企画立案を主な業務としている。

予算編成を司っていることから、霞ヶ関の中央省庁に対し圧倒的な力を持っているといわれている。主計局は他省庁のワンランク上の者と対等の場で交渉することが認められており、例えば主計官(課長クラス)は他省庁の部長・審議官と、次長は他省庁の局長と、局長は他省庁の事務次官を交渉相手にすることが通例になっている[1][2]

組織編集

  • 主計局長
  • 主計局次長(3):次長は、配下に各課及び各主計官をそれぞれ分担して持っており、それぞれの担当の予算については決定権を持つ。
  • 総務課:局内の官房業務のほかに、予算の取りまとめをする予算総括係、予算編成の企画立案をする企画係を配下に含む[注 1]
    • 主計事務管理室:予算編成に使用するシステムの構築、運営、管理をしている。
      • 上席主計事務専門官
      • 主任主計事務専門官(2人以内)
    • 主計企画官
  • 司計課:決算の取りまとめ、決算の作成、予算執行の調査を行っている。また、予算を実際に執行する上での四半期ごとの支払計画を作成している。課長には「ベテランさん」と呼ばれる長年勤めたノンキャリアの者が充てられる。
    • 広域災害実地監査官
    • 会計監査調整官
    • 予算執行調査官(10人(うち9人は、関係のある他の職を占める者をもって充てられるものとする。))
  • 法規課:会計法規について、企画立案している。また、予算と法律との整合性のチェックを行っている。
    • 法規調査官
    • 会計制度調査官
  • 給与共済課:国家公務員給与について予算面からにおける制度設計や、国家公務員給与についての予算査定を行っている。また、一般企業社会保険年金医療)にあたる国家公務員共済制度について所掌している。
    • 給与調査官
    • 共済調査官
    • 共済計理官
    • 共済監査官
  • 調査課:財政についての様々なデータの収集分析、海外との比較、将来予測、財政についての広報。
    • 財政調査官
  • 主計官(11)
各府省庁等の予算査定を行っている。主な分担は以下のとおり。
  • 主計監査官
    • 上席予算実地監査官
    • 予算実地監査官(5人以内)

主計局長編集

現職編集

氏名 出身省庁 前職 就任年月日
矢野康治 大蔵省(1985年(昭和60年)) 主税局長 2020年(令和2年)7月20日

歴代編集

氏名 在任期間 前職 後職
中村建城[4] 1945年(昭和20年) -
1946年(昭和21年)
南西方面海軍民政府財務局長
野田卯一 1946年(昭和21年)-
1947年(昭和22年)
外資局長 専売局長官
福田赳夫 1947年(昭和22年)9月 - 銀行局長
河野一之 1948年(昭和23年)9月24日 -
1953年(昭和28年)8月14日
大臣官房長 事務次官
森永貞一郎 1953年(昭和28年)-
1959年(昭和34年)6月23日
大臣官房長 事務次官
石原周夫 1959年(昭和34年)6月 -
1961年(昭和36年)5月30日
大臣官房長 事務次官
石野信一 1961年(昭和36年)-
1963年(昭和38年)4月1日
銀行局長 事務次官
佐藤一郎 1963年(昭和38年) -
1965年(昭和40年)4月23日
大臣官房長 事務次官
谷村裕[5] 1965年(昭和40年)-
1967年(昭和42年)1月10日
大臣官房長 事務次官
村上孝太郎 1967年(昭和42年) -
1968年(昭和43年)6月7日
大臣官房長 事務次官
鳩山威一郎 1968年(昭和43年) -
1971年(昭和46年)6月11日
理財局長 事務次官
相澤英之 1971年(昭和46年) -
1973年(昭和48年)6月26日
理財局長 事務次官
橋口収 1973年(昭和48年)6月 -
1974年(昭和49年)6月
理財局長 国土庁事務次官
竹内道雄 1974年(昭和49年) -
1975年(昭和50年)7月8日
大臣官房長 事務次官
吉瀬維哉 1975年(昭和50年) -
1977年(昭和52年)6月10日
理財局長 事務次官
長岡實 1977年(昭和52年) -
1979年(昭和54年)7月10日
大臣官房長 事務次官
田中敬 1979年(昭和54年) -
1980年(昭和55年)6月17日
理財局長 事務次官
松下康雄 1980年(昭和55年) -
1982年(昭和57年)6月1日
大臣官房長 事務次官
山口光秀 1982年(昭和57年) -
1984年(昭和59年)6月27日
大臣官房長 事務次官
吉野良彦 1984年(昭和59年) -
1986年(昭和61年)6月10日
大臣官房長 事務次官
西垣昭 1986年(昭和61年) -
1988年(昭和63年)6月15日
大臣官房長 事務次官
小粥正巳 1988年(昭和63年) -
1990年(平成2年)6月29日
大臣官房長 事務次官
保田博 1990年(平成2年) -
1991年(平成3年)6月11日
大臣官房長 事務次官
斎藤次郎 1991年(平成3年) -
1993年(平成5年)6月25日
大臣官房長 事務次官
篠沢恭助 1993年(平成5年)-
1995年(平成7年)5月26日
大臣官房長 事務次官
小村武 1995年(平成7年)5月26日 -
1997年(平成9年)7月15日
大臣官房長 事務次官
涌井洋治 1997年(平成9年) -
1999年
大臣官房長
武藤敏郎 1999年(平成11年)7月 -
2000年(平成12年)6月30日
大臣官房総務審議官 事務次官
林正和 2000年(平成12年)6月30日 -
2003年(平成15年)1月14日
大臣官房長 事務次官
細川興一 -
2004年(平成16年)7月2日
大臣官房長 事務次官
藤井秀人 2004年(平成16年)7月 -
2006年(平成18年)7月28日
大臣官房長 事務次官
津田廣喜 2006年(平成18年)7月28日 -
2007年(平成19年)7月10日
大臣官房長 事務次官
杉本和行 2007年(平成19年)7月 -
2008年(平成20年)7月4日
大臣官房長 事務次官
丹呉泰健 2008年(平成20年)7月 -
2009年(平成21年)7月14日
大臣官房長 事務次官
勝栄二郎 2009年(平成21年)7月 -
2010年(平成22年)7月30日
大臣官房長 事務次官
真砂靖 2010年(平成22年)7月 -
2012年(平成24年)8月17日
大臣官房長 事務次官
木下康司 2012年(平成24年)8月17日 -
2013年(平成25年)6月28日
国際局長 事務次官
香川俊介 2013年(平成25年)7月 -
2014年(平成26年)7月4日
大臣官房長 事務次官
田中一穂 2014年(平成26年)7月 -
2015年(平成27年)7月7日
主税局長 事務次官
福田淳一 2015年(平成27年) -
2017年(平成29年)7月5日
大臣官房長 事務次官
岡本薫明 2017年(平成29年)7月5日 -
2018年(平成30年)7月27日
大臣官房長 事務次官
太田充 2018年(平成30年)7月27日 -
2020年(令和2年)7月20日
理財局長 事務次官
  • 中村建城、福田赳夫橋口収涌井洋治らは大蔵事務次官昇格を果たせなかったが、1999年就任の武藤敏郎以降は、全員財務事務次官へ昇格している。
  • 網羅して掲載していません
  • 省名を冠していないものは大蔵省(財務省)を指す

予算編成と主計局の1年のサイクル編集

通常、6月末の経済財政諮問会議における骨太の方針策定を経て7月、予算要求の基礎となる概算要求基準閣議決定される。これを基にして8月末日、各省庁の概算要求が財務省主計局に提出される。

9月1日より、主計局が中心となって予算編成が始まる。まず各省庁の担当者による概算要求の説明が行われ、一項目ごとに確認を行う。11月頃に説明がすべて終わると、各課の主計官と主査全員で要求額ひとつひとつを査定し、最終的に主計局長が加わって局議を行い、12月上旬に予算編成大綱が閣議決定される。近年は論点となるような予算はこの時点で事前大臣折衝で修正が行われ、12月20日ころに財務省原案が内示される。ここから更に大臣折衝を経て、24日頃に正式の予算案が決定、翌年1月下旬に国会に提出される。主計局はこの期間が最も忙しく、12月には昼間は業界団体や国会議員の陳情の対応に追われて仕事にならず、必然的に徹夜、泊まり込みが続くことになる。

脚注編集

注釈編集

  1. ^ 課長の下に数名の課長補佐のほか、総務係長、経理第一係長、経理第二係長、予算総括第一係長、予算総括第二係長、予算総括第三係長、企画係長、歳入・国債係長の役職が置かれている(2019年時点[3])。

出典編集

  1. ^ 岸宣仁「財務官僚の出世と人事」(文春新書)100頁
  2. ^ 主計局長は、指定職の中でも、財務省を含む全省庁の内部部局局長で唯一俸給が6号俸となっている。
  3. ^ 『職員録 令和元年版(上)』国立印刷局、2019年12月発行
  4. ^ 閨閥学 -偉人たちの経歴・家族・子孫- 婚姻により構築される一族の繋がり
  5. ^ 閨閥学 -偉人たちの経歴・家族・子孫-

参考文献編集

  • 神一行『大蔵官僚 超エリート集団の人脈と野望』講談社文庫、1986年10月15日。ISBN 4-06-183861-X
  • 『官界,第5~8号』行政問題硏究所、2001年。