メインメニューを開く

あらすじ編集

ニューヨークで連続殺人事件が発生するが、絞殺に使われた絹紐の他に手がかりは無く、被害者同士の接点や共通点も見つからないため捜査は一向に進まない。正体が全くつかめない殺人犯は「猫」と呼ばれ、誰しもが「猫」のターゲットになり得るという状況にニューヨーク市民は怯えきり、街では野良猫が絞殺される事件が多発、ついにはパニックによる暴動までもが発生した。

捜査責任者に任命されたクイーン警視は息子のエラリイに協力を要請する。『十日間の不思議』での失敗を引きずっているエラリイはなかなか引き受けようとしなかったが、ニューヨーク市長からも直々に要請されて遂に重い腰を上げる。

エラリイが加わっても捜査はなかなか進展しなかったが、9件目の殺人が起こった際、ふとしたきっかけで被害者が全て同じ産婦人科医の元で産まれたことが判明する。エラリイはその産婦人科医が犯人であると確信し、彼が10人目を襲う瞬間を狙って逮捕する。逮捕された産婦人科医は、全ての事件が自分の手によるものであると自白する。

事件はこれで解決したように思われたが、数ヵ月後、その産婦人科医が事件のあった夜はウィーンでの学会に出席していて犯行が不可能だったこと、彼は真犯人をかばって捕まるためにわざと10人目を襲ったことが判明する。しかし、エラリイがようやく真相に辿り着いたときには、産婦人科医と真犯人は共に服毒自殺を遂げていた。またしても自身の推理が悲劇を招いてしまったことで、エラリイの苦悩はさらに深まるが、最後に到着したウィーンで、老心理学者セリグマン教授は示唆に満ちた言葉を探偵にかける。「君は前にも失敗した。今後もするだろう。それが人間の本質であり、役割だ。」

作品の評価編集

  • エラリー・クイーン・ファンクラブ会員40名の採点による「クイーン長編ランキング」では、本作品は11位となっている[1]
  • 1977年に来日した際のインタビューにおいてエラリー・クイーン(フレデリック・ダネイ)は、作者自身が選ぶベストスリーとして『チャイナ橙の謎』『災厄の町』『中途の家』を挙げた後、「番外」として本作品を挙げている[2]
  • 東西ミステリーベスト100」(『週刊文春』)2012年版で、本作品は78位にランクインしている[3]

日本語訳書編集

備考編集

映像化作品編集

1971年に『ELLERY QUEEN: DON'T LOOK BEHIND YOU』(邦題『エラリイ・クイーン:青とピンクの紐』)というタイトルで、番組企画売り込み用のパイロットフィルムとして映像化された。しかしこの企画は採用されず、単発作品としてのみ放送された。

脚注編集

  1. ^ 『エラリー・クイーン Perfect Guide』(ぶんか社、2004年)
  2. ^ EQ』(光文社)1978年創刊号「対談:エラリー・クイーンvs松本清張」
  3. ^ 1985年版ではノーランク。