九州芸術祭文学賞(きゅうしゅうげいじゅつさいぶんがくしょう)は、公益財団法人九州文化協会が九州・沖縄各県、福岡市北九州市熊本市の3政令指定都市との共催で運営、公募する新人賞である。年に1度募集され、応募資格は九州(沖縄を含む)在住者に限られる。受賞作は『文學界』4月号に掲載されるともに、作品集が刊行される。受賞者から芥川賞作家を輩出するなど、地方文学賞としては異例の賞である。

受賞作一覧 編集

第1回から第10回 編集

回(年度) 受賞者 受賞作
第1回(1970年度) 最優秀作 「白い切り紙」 山田とし
第2回(1971年度) 最優秀作 「オープン・セサミ」 森田定治
第3回(1972年度) 最優秀作 「巨人の城」 松原伊佐子
優秀作 「雨と瓢箪」 高橋朔郎
第4回(1973年度) 最優秀作 「遠い日の墓標」 小郷穆子
第5回(1974年度) 最優秀作 「黎明の河口」 きだたかし
第6回(1975年度) 最優秀作 「頭蓋に立つ旗」 帚木蓬生
第7回(1976年度) 最優秀作 「水中の声」 村田喜代子
第8回(1977年度) 最優秀作 「ジョージが射殺した猪」 又吉栄喜
第9回(1978年度) 最優秀作 「賄賂」 佐藤光子
第10回(1979年度) 最優秀作 該当作なし
佳作 「一郎にすまぬ」 小山田正
「馬走らす」 宮里尚安

第11回から第20回 編集

回(年度) 受賞者 受賞作
第11回(1980年度) 最優秀作 「秋蝉の村」 西谷洋
第12回(1981年度) 最優秀作 「黄色いハイビカス」 蔵原惟和
佳作 「緋の袴」 佐々木信子
第13回(1982年度) 最優秀作 該当作なし
佳作 「お父ちゃん、ほたるになれ」 生田静香
「さくらベビーホテル」 木村英代
第14回(1983年度) 最優秀作 該当作なし
佳作 該当作なし
第15回(1984年度) 最優秀作 「桼の葉揺れやまず」 青崎庚次
第16回(1985年度) 最優秀作 該当作なし
佳作 「氷海の満つるとき」 武田美智子
「カラス」 岸田啓
第17回(1986年度) 最優秀作 「鼻の周辺」 風見治
第18回(1987年度) 最優秀作 「雪迎え」 岩森道子
第19回(1988年度) 最優秀作 「水上往還」 崎山多美
第20回(1989年度) 最優秀作 「犬盗人」 仲若直子

第21回から第30回 編集

回(年度) 受賞者 受賞作
第21回(1990年度) 最優秀作 「斜坑」 野島誠
第22回(1991年度) 最優秀作 「スク鳴り」 中村喬次
第23回(1992年度) 最優秀作 「神楽舞いの後で」 鶴ヶ野勉
第24回(1993年度) 最優秀作 「ヒロの詩」 阿部忍
第25回(1994年度) 最優秀作 「フユ婆の月」 吉井恵璃子
第26回(1995年度) 最優秀作 「静かの海」 田崎弘章
第27回(1996年度) 最優秀作 「水滴」 目取真俊
第28回(1997年度) 最優秀作 「妖魔」 崎山麻夫
第29回(1998年度) 最優秀作 該当作なし
佳作 「神様の失敗」 勝連繁雄
「大巾着」 染矢直己
第30回(1999年度) 最優秀作 「裸」 大道珠貴

第31回から第40回 編集

回(年度) 受賞者 受賞作
第31回(2000年度) 最優秀作 該当作なし
佳作 「サーンド・クラッシュ」 大城貞俊
第32回(2001年度) 最優秀作 該当作なし
佳作 「かたつむり」 富崎喜代美
第33回(2002度) 最優秀作 「モモに憑かれて」 吉永尚子
佳作 「八月のコスモス」 河合民子
第34回(2003年度) 最優秀作 「糸」 上原輪
佳作 「窓ごしの風景」 野沢薫子
第35回(2004年度) 最優秀作 該当作なし
佳作 「打棒日和」 相川英輔
第36回(2005年度) 最優秀作 該当作なし
佳作 「観用家族」 鮒田トト
第37回(2006年度) 最優秀作 「ナビゲーター」 芝夏子
第38回(2007年度) 最優秀作 「ダンス」 小石丸佳代
佳作 「ティッシュの箱」 松田るんを
第39回(2008年度) 最優秀作 「黒い顔」 近藤勲公
佳作 「勝也の終戦」 松原栄
第40回(2009年度) 最優秀作 「苔やはらかに。」 伊藤香織
佳作 「コトリ」 玉木一兵

第41回から第50回 編集

回(年度) 受賞者 受賞作
第41回(2010年度) 最優秀作 「サウナ ニュー・ナカノシマ」 中瀬誠人
佳作 「ケージ」 悦本達也
第42回(2011年度) 最優秀作 「おっぱい貝」 小山内恵美子
第43回(2012年度) 最優秀作 該当作なし
佳作 「声のゆくえ」 曽原紀子
第44回(2013年度) 最優秀作 「出航まで」 平野宏
第45回(2014年度) 最優秀作 「カーディガン」[1] 佐藤モニカ
佳作 「ダンザ屋敷で」 岩元正治
第46回(2015年度) 最優秀作 「黒い湿った土のにおい」[2] 野見山潔子
第47回(2016年度) 最優秀作 「酒のかなたへ」[3] 尾形牛馬
第48回(2017年度) 最優秀作 該当作なし
佳作 「砂場」 出町子
「霧の道標」 田ノ上淑子
第49回(2018年度) 最優秀作 「兎」 平田健太郎
第50回(2019年度) 最優秀作 「縁」[4] 日巻寿夫
佳作 「カラスどんぶり」 こおろぎ青
第51回(2020年度) 最優秀作 該当作なし
佳作 該当作なし
第52回(2021年度) 最優秀作 「足の間」 [5] [6] [7] [8] [9] [10] [11] 白石昇
佳作 「明治通りに打ち上げられたクラゲ」 [12] [13] 金名サメリ
第53回(2022年度) 最優秀作 該当作なし
佳作 「貉」 豊島 浩一
「工場にて」 城戸 祐介

脚注 編集

出典 編集

  1. ^ 九州芸術祭文学賞、佐藤モニカさん最優秀賞 県内7人目 - 琉球新報 - 沖縄の新聞、地域のニュース
  2. ^ 九州芸術祭文学賞、最優秀作に主婦の野見山潔子さん:朝日新聞デジタル
  3. ^ 九州芸術祭文学賞・最優秀作に熊本の尾形さん「酒のかなたへ」”. 産経新聞社 (2017年1月31日). 2017年12月3日閲覧。
  4. ^ 文學界2020年4月号では、表題が「終わらないジェンガ」になっている。
  5. ^ 第52回九州芸術祭文学賞 最終選考結果について 九州文化協会
  6. ^ 九州芸術祭文学賞最優秀作 白石昇さんの小説「足の間」 読売新聞オンライン
  7. ^ 「人もいい、ぬるま湯みたい」タイでの経験、行間に 西日本新聞
  8. ^ 九州芸術祭文学賞、最優秀作に白石さん 「足の間」着想から完成まで22年 西日本新聞
  9. ^ 「面白い表現 形にしていく」 九州芸術祭文学賞 最優秀作・白石さん 熊本日日新聞
  10. ^ 西の海を漂う倭寇 舟に積んだ言葉で 作品を作っていく 西日本新聞
  11. ^ 第52回九州芸術祭文学賞 選評 文学界編集長 丹羽健介 アジア人女性の描き方 説得力があった受賞作 西日本新聞
  12. ^ 九州芸術祭文学賞、金名さん佳作 沖縄地区優秀作「明治通りに打ち上げられたクラゲ」 琉球新報
  13. ^ 金名さん佳作受賞 九州芸術祭文学賞 沖縄タイムス

関連項目 編集

外部リンク 編集