五城目町
五城目町(ごじょうめまち)は、秋田県の中央部に位置する町で、南秋田郡に属する。
ごじょうめまち ![]() 五城目町 | |||||
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![]() 馬場目川上流域にある巨岩「ネコバリ岩」 | |||||
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国 |
![]() | ||||
地方 | 東北地方 | ||||
都道府県 | 秋田県 | ||||
郡 | 南秋田郡 | ||||
市町村コード | 05361-9 | ||||
法人番号 | 4000020053619 | ||||
面積 |
214.92km2 (境界未定部分あり) | ||||
総人口 |
8,032人 [編集] (推計人口、2023年2月1日) | ||||
人口密度 | 37.4人/km2 | ||||
隣接自治体 | 秋田市、南秋田郡八郎潟町、井川町、大潟村、山本郡三種町、北秋田郡上小阿仁村 | ||||
町の木 |
杉 (1985年10月20日制定) | ||||
町の花 |
やまゆり (1985年10月20日制定) | ||||
町の鳥 |
ウグイス (1985年10月20日制定) | ||||
五城目町役場 | |||||
町長 | 渡邉彦兵衛 | ||||
所在地 |
〒018-1725 秋田県南秋田郡五城目町西磯ノ目1丁目1-1 北緯39度56分38秒 東経140度06分41秒 / 北緯39.94389度 東経140.11133度座標: 北緯39度56分38秒 東経140度06分41秒 / 北緯39.94389度 東経140.11133度 ![]() | ||||
外部リンク | 公式ウェブサイト | ||||
ウィキプロジェクト |
概要編集
秋田市から北に30キロにあり、東部には山間部が、西部には市街部、田園が広がっている。国道285号が中心部を通過し、沿道には町役場、警察署、高校等がある。
高速道路は町の西端に五城目八郎潟ICがある。大川地区を奥羽本線が通るが、駅はない。かつては秋田中央交通線が八郎潟町の八郎潟駅とを結んでいたが1969年に廃止となり[1]、それ以降は代替の路線バスが奥羽本線の鉄道ダイヤに連携して運行され、利便性はある程度確保されている。
秋田市と能代市の中間でいずれの商圏からも離れているが、国道285号沿いにスーパーセンターがあり、週末を中心に周辺地域からの流入が多い。町内中心部では500年の歴史を持つ朝市(0・2・5・7のつく日)が開かれており、朝は賑わいをみせる。
かつては日本におけるスズムシ群棲地の北限として知られていた。1960年に群棲地に指定されたが、平成の初め頃から鳴き声が聞こえなくなり、2020年に登録が解除されている[2]。町内で「すずむしクラブ」(放課後児童クラブ)[3]、すずむし吟社(川柳団体)[4]など、様々なものにスズムシの名前が冠されているのは群棲地であることに由来するものであった。
地理編集
地区編集
五城目編集
馬場目編集
内川編集
旧内川村の地区。浅見内(村)、小倉、黒土、湯ノ又の4村が合併した際の創作された地名である(創作地名)[6]。類似した地名がほかにも存在する[7]。
浅見内編集
旧出羽国南秋田郡浅見内村の地区。浅見内川(創作地名の「内川村」が誕生した。以降は内川川の地名になった[8])に由来。支流として大場沢、滝の下沢が流れる。語源は「あざみない(薊の川)」で、「薊」の部分は日本語という説もある。浅見内神明社が存在する。大石孫右衛門の出身地。
字: 家ノ沢(いえのさわ)、後田(うしろだ)、大繋(おおつなぎ)、大場(おおば)、小川口(おがわぐち)、滝ノ下(たきのした)、堂ノ下(どうのした)、藤別当(とうべっとう)、札ノ前(ふだのまえ)、谷地田(やちた)[9]。
富津内編集
旧富津内村(ふつない)の地域。富田、中津又、下山内の3村の字を取った創作地名である。(合成地名)[10]。明治13年以前は、下山内はただ山内(さんない)と呼ばれていた。地域を流れる中津又川(富津内川)の別名の山内川に由来する。山内の地名はアイヌ語ではないという説もある。
気候編集
五城目(1991年 - 2020年)の気候 | |||||||||||||
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月 | 1月 | 2月 | 3月 | 4月 | 5月 | 6月 | 7月 | 8月 | 9月 | 10月 | 11月 | 12月 | 年 |
最高気温記録 °C (°F) | 12.9 (55.2) |
19.3 (66.7) |
20.0 (68) |
28.3 (82.9) |
31.7 (89.1) |
33.3 (91.9) |
36.6 (97.9) |
38.1 (100.6) |
38.1 (100.6) |
30.1 (86.2) |
24.6 (76.3) |
18.6 (65.5) |
38.1 (100.6) |
平均最高気温 °C (°F) | 2.6 (36.7) |
3.5 (38.3) |
7.7 (45.9) |
14.2 (57.6) |
19.8 (67.6) |
24.1 (75.4) |
27.3 (81.1) |
29.1 (84.4) |
25.4 (77.7) |
19.0 (66.2) |
12.1 (53.8) |
5.5 (41.9) |
15.9 (60.6) |
日平均気温 °C (°F) | −0.5 (31.1) |
−0.1 (31.8) |
3.1 (37.6) |
8.7 (47.7) |
14.5 (58.1) |
19.0 (66.2) |
22.8 (73) |
24.1 (75.4) |
19.9 (67.8) |
13.3 (55.9) |
7.2 (45) |
1.8 (35.2) |
11.2 (52.2) |
平均最低気温 °C (°F) | −3.5 (25.7) |
−3.6 (25.5) |
−1.2 (29.8) |
3.2 (37.8) |
9.4 (48.9) |
14.5 (58.1) |
19.2 (66.6) |
20.0 (68) |
15.4 (59.7) |
8.6 (47.5) |
3.0 (37.4) |
−1.3 (29.7) |
7.0 (44.6) |
最低気温記録 °C (°F) | −14.4 (6.1) |
−14.2 (6.4) |
−12.1 (10.2) |
−5.8 (21.6) |
−0.7 (30.7) |
5.5 (41.9) |
11.1 (52) |
11.3 (52.3) |
5.4 (41.7) |
0.5 (32.9) |
−6.1 (21) |
−10.5 (13.1) |
−14.4 (6.1) |
降水量 mm (inch) | 131.5 (5.177) |
101.2 (3.984) |
92.7 (3.65) |
94.0 (3.701) |
109.4 (4.307) |
107.4 (4.228) |
191.8 (7.551) |
174.4 (6.866) |
163.5 (6.437) |
164.0 (6.457) |
176.1 (6.933) |
159.1 (6.264) |
1,665 (65.551) |
降雪量 cm (inch) | 156 (61.4) |
126 (49.6) |
44 (17.3) |
1 (0.4) |
0 (0) |
0 (0) |
0 (0) |
0 (0) |
0 (0) |
0 (0) |
7 (2.8) |
79 (31.1) |
410 (161.4) |
平均降水日数 (≥1.0 mm) | 21.8 | 18.6 | 15.6 | 12.0 | 11.5 | 10.8 | 12.6 | 10.7 | 12.5 | 14.7 | 18.7 | 22.3 | 181.8 |
平均月間日照時間 | 36.8 | 59.3 | 105.0 | 155.0 | 176.4 | 173.6 | 146.8 | 174.5 | 145.4 | 127.7 | 80.4 | 43.7 | 1,424.6 |
出典1:Japan Meteorological Agency | |||||||||||||
出典2:気象庁[11] |
隣接している自治体編集
人口編集
五城目町と全国の年齢別人口分布(2005年) | 五城目町の年齢・男女別人口分布(2005年) |
■紫色 ― 五城目町
■緑色 ― 日本全国 |
■青色 ― 男性
■赤色 ― 女性 |
五城目町(に相当する地域)の人口の推移 | |
総務省統計局 国勢調査より |
歴史編集
- 日本三代実録で出羽国秋田郡姉刀村(あねたち)として成立したとされる。
- 平安時代中期(930年頃)に辞書和名類聚抄 (わみょうるいじゅしょう)において、秋田郡最北の村として率浦郷 (いさうらごう・いそうらごう)として記載されている。
- 1889年(明治22年)4月1日 - 町村制施行により五十目村(いそのめむら)発足。
- 1896年(明治29年)1月18日 - 町制施行、(旧)五城目町に改称。
- 1942年(昭和17年)4月1日 - 馬川村と合併。
- 1951年(昭和26年) - 町章を制定。中世にあった5城(浦城・岡本城・砂沢城・馬場目城・山内城)を象徴。
- 1955年(昭和30年)3月31日 - (旧)五城目町、内川村、大川村、馬場目村、富津内村が新設合併し、新たに五城目町として発足。
- 1958年(昭和33年)4月1日 - 八郎潟町の一部を併合する。
- 1982年(昭和57年)11月2日 - 現町役場庁舎が完成[12]。
- 1985年(昭和60年)10月20日 - 町の花・鳥・木を制定。
- 1990年(平成2年) - 明仁天皇即位の際に行われた大嘗祭において五城目町大川石崎の水田が斎田(悠紀田)に選ばれる。
- 2005年(平成17年)2月28日 - 隣接する井川町、八郎潟町との法定合併協議会廃止。
- 2020年(令和2年) - スズムシ群棲地の登録が解除され、日本における北限群棲地ではなくなった。
行政編集
町長編集
警察編集
産業編集
酒類編集
- 福禄寿酒造
繊維製品編集
- 秋田ホーセ
郵便局編集
- 五城目郵便局(集配局)
- 内川郵便局
- 高崎簡易郵便局
- 杉沢簡易郵便局
- 馬場目簡易郵便局
- 上樋口簡易郵便局
- 西野簡易郵便局
- 浦横町簡易郵便局
- 森山簡易郵便局
- 浅見内簡易郵便局
- 湯ノ又簡易郵便局
- 富津内簡易郵便局
- 下山内簡易郵便局
商業施設編集
地域編集
教育編集
かつて存在した学校編集
- 五城目町立馬川小学校(1970年五城目小へ統合)
- 五城目町立富津内西小学校(1968年五城目小へ統合)
- 五城目町立富津内小学校(2003年五城目小へ統合)
- 五城目町立杉沢小学校(2006年馬場目小へ統合)
- 五城目町立内川小学校(2010年五城目小へ統合)
- 五城目町立馬場目小学校(2013年五城目小へ統合)
- 五城目町立大川小学校(2015年五城目小へ統合)
- 五城目町立五城目中学校(1958年富津内中の一部と共に、五城目第一中へ統合)
- 五城目町立馬場目中学校(1969年五城目第一中へ統合)
- 五城目町立大川中学校(1974年五城目第一中へ統合)
- 五城目町立富津内中学校(1987年五城目第一中へ統合)
- 五城目町立杉沢中学校(2003年五城目第一中へ統合)
このうち2013年3月に廃校となった馬場目小学校の校舎は五城目町地域活性化センター(通称:BABAME BASE)として利用されている[13]。
放課後児童クラブ編集
医療編集
町内に公立の病院はない。
- 湖東厚生病院(八郎潟町・秋田県厚生農業協同組合連合会運営) : 湖東厚生病院の前身の湖東病院は五城目町上町の資産家近藤泰助の自宅を無償提供されていた[14]。
寺・神社編集
文化編集
川柳団体編集
交通編集
鉄道編集
JR東日本奥羽本線が通るが町内に駅はない。鉄道を利用するときの最寄り駅は、八郎潟町にある奥羽本線八郎潟駅。かつては秋田中央交通線の五城目駅があり、八郎潟駅との間を結んでいた。
路線バス編集
- 秋田中央交通:五城目バスターミナルから秋田駅行き。
- 南秋地域広域マイタウンバス(秋田中央トランスポート五城目営業所による運行):八郎潟駅、大潟村方面。
デマンド型乗合タクシー編集
路線バス廃止区間かつ南秋地域広域マイタウンバスの対象外となっている地域は、予約制の乗合タクシーを運行している。
道路編集
- 高速自動車国道
- 一般国道
- 主要地方道
- 一般県道
- (秋田県道112号久保秋田線)(町内は未供用)
- 秋田県道129号杉沢上小阿仁線
- 秋田県道219号三倉鼻五城目線
- 秋田県道220号真坂五城目線
- (秋田県道228号北の又井川線)(町内は未供用)
- 秋田県道298号道村大川線
出身有名人編集
- 新谷明弘 - 秋田銀行頭取
- 石井三友 - 著作家
- 泉谷力治 - 教育者
- 大石孫右衛門 - 篤志家
- 小野源蔵 - 教育者
- 北嶋南五 - 俳人
- 木村謹治 - ドイツ語学者、ドイツ文学者
- KO-TANG - プロダンサー
- 近藤泰助 - 実業家
- 郷錦廣次 - 力士
- 小柳愛子 - 歌手の母
- 中村徳也 - 歌人
- 矢田津世子 - 作家
- 菅原弥三郎 - レスリング選手、モントリオールオリンピック銅メダリスト
- 工藤政志 - 元プロボクサー
- 石川錬治郎 - 秋田県議、元秋田市長
- 斎藤忠生 - オペラ歌手
- 千葉喜久也 - 仙台大学体育学部教授
- 四ツ車大八 - 江戸時代関取め組のけんか
- 鳥井森鈴 - 民謡歌手。芸名の由来は五城目町のシンボルである美しいスズムシ[15]
- 若駒健三 - 1960年代前半に活躍した、大相撲力士
- 小川元 - 作家
- 渡辺銀雨 - 川柳作家。五城目町のシンボルであるスズムシに由来して川柳団体「すずむし吟社」を創設し、川柳句誌『すずむし』を創刊した[16]
- 畑澤聖悟 - 劇作家
- 福田笑迎 - 画家
- 分銅惇作 - 近代日本文学研究者
- 渡辺彦太郎 - 篤志家
ゆかりのある有名人編集
- 草皆五沼 - 俳人、医師。別の町の出身だが、養子に入り、五城目町で活動した。
指定金融機関編集
指定金融機関は、以前は、旧・五城目信用金庫を引き継いだ秋田信用金庫、指定代理金融機関として秋田銀行・北都銀行(旧・秋田あけぼの銀行)・あきた湖東農業協同組合の3機関を指定していたが、現在は秋田銀行へ指定金融機関が変更され、北都銀行・秋田信用金庫・あきた湖東農業協同組合の3機関は収納代理金融機関へ降格となった。
脚注編集
- ^ 川崎駅・高校前駅・五城目駅の各駅が存在した
- ^ 県天然記念物「スズムシ群棲地」 鳴き声消え、指定解除へ 北限の五城目、環境失われ /秋田 | 毎日新聞
- ^ a b すずむしクラブ(五城目町放課後児童健全育成事業) | ARUCO
- ^ a b 秋田県 川柳すずむし吟社|全日本川柳協会
- ^ “湖沼面積” (PDF). 国土地理院 (2015年3月6日). 2015年3月9日閲覧。
- ^ 秋田地名研究年報18号
- ^ 阿仁のアイヌ語地名 - 東北アイヌ語地名研究会
- ^ 石川富司『五城目の地名考(上)』(秋田地名研究年報7号 1991年)
- ^ 日本加除出版株式会社
- ^ 秋田の連結地名、名数地名、合成地名について(藤原國見)、地名余録7
- ^ “五城目 過去の気象データ検索”. 気象庁. 2023年2月20日閲覧。
- ^ “自慢の庁舎お披露目 五城目町役場で完成式” 秋田魁新報 (秋田魁新報社): p14. (1982年11月3日 朝刊)
- ^ 何が今起きているのか?秋田の辺境地、五城目町の刺激的変化を支える廃校活用オフィス「BABAME BASE」にお邪魔してきた - CLOCKNOTE(2016年8月3日)
- ^ “沿革”. 湖東厚生病院. 2015年1月5日閲覧。
- ^ 鳥井森鈴 | 五城目の誇り すばらしい先輩たち - 五城目町
- ^ 渡辺銀雨 | 五城目の誇り すばらしい先輩たち - 五城目町
外部リンク編集
- 五城目町
- 五城目町に関連する地理データ - オープンストリートマップ
- 地図 - Google マップ