五龍背温泉(ごりゅうはいおんせん、ウーロンベイおんせん)は、丹東市振安区の郊外約17kmの五龍背鎮にある温泉。戦前には熊岳城温泉湯崗子温泉とともに満州三温泉地の1つに数えられた。五龍背山より名づけられ、「五龍神水」と称される。

太宗高句麗親征の際に療養したとの伝説が伝えられる。日清戦争中に日本軍の第5師団第11連隊兵站部が温泉を発見し、日露戦争時には日本軍の療養所となった。その後、日露戦争に従軍していた日本人が旅館を創業し、後に南満州鉄道(満鉄)が旅館の経営を引き継いだ。かつて満州国時代は、満鉄直営の五龍閣、保養館、聚楽館などの温泉旅館があった。現在は、日帰り入浴施設の温泉山荘「遊泳館」があり、温泉プールなどもある娯楽施設となっている。

丹東新区に2016年オープンした江戸温泉城は、五龍背温泉の湯が運搬されて使われている[1]

現在は背後の五龍山(海抜396メートル[要出典])を含む五龍山風景区として観光整備されている。

泉質 編集

  • 無色透明。泉温71℃。弱アルカリ性温泉。炭酸塩、重炭酸塩等を含む弱塩泉。

交通 編集

戦前 編集

満鉄安奉線五龍背駅が最寄駅で、温泉場は駅のすぐ近くに設けられていた。満鉄は温泉客の取り込みを積極的に行っており、安奉線を通過する急行列車の一部を五龍背駅に停車させる他、主要駅から五龍背駅までの往復割引切符を販売していた。

現在 編集

丹東駅前のバスターミナルより鳳山または五龍背温泉行きバス。

脚注 編集

  1. ^ “北朝鮮にもっとも近い露天風呂 北朝鮮を眺めなら温泉に浸る(1/2)”. (2020年4月30日). https://www.koreaworldtimes.com/topics/travel/7230/ 2020年5月4日閲覧。 

参考文献 編集

  • 『満洲鉄道まぼろし旅行』、川村 湊、文藝春秋、1998年