井上章一
井上 章一(いのうえ しょういち、1955年1月13日 - )は、日本の建築史家、風俗史研究者、国際日本文化研究センター所長・教授。
人物情報 | |
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生誕 |
1955年1月13日(68歳)![]() |
出身校 | 京都大学 |
学問 | |
研究分野 | 歴史学(建築史)・民俗学 |
研究機関 | 国際日本文化研究センター |
来歴 編集
1955年、京都市生まれ。洛星高校、京都大学工学部建築学科卒業、同大学院修士課程修了。
京都大学人文科学研究所助手、国際日本文化研究センター助教授を経て、同教授。2013年から2016年まで副所長。2019年11月27日、小松和彦所長の任期満了に伴い、国際日本文化研究センター所長に選出された。任期は2020年4月1日から4年[1]。社団法人現代風俗研究会の中心的存在である[要出典]。
受賞・栄典 編集
人物 編集
- 建築史・意匠論が専門だが、一般には『美人論』で広く名を知られるようになり、一時はよくテレビにも出ていた。
- 『パンツが見える。』上梓後は「風俗史に転向した」とも発言している(ただし、建築にまつわる著作はその後も出されている)。
- ユニークな視点で広く日本文化について発言している。著書は建築・美人論・男性論・関西文化論・日本文化論・人形論ほか多くのジャンルにまたがる。
- 面食いを公言しており、美人論では面食いの正しさを主張。
- 阪神ファンでもあり、その来歴を踏まえた『阪神タイガースの正体』や『「あと一球っ!」の精神史-阪神ファンとして生きる意味』といった著書もある。
- 趣味は41歳から始めたピアノ[要出典]。
- 研究者であるにもかかわらず、スマートフォンもパソコンも持たない主義であると公言している[2](携帯電話は持っている)。
- 2022年現在、司馬遼太郎賞、サントリー学芸賞(社会・風俗部門)、山片蟠桃賞の選考委員を務めている。
著書 編集
単著 編集
- 『霊柩車の誕生』(朝日新聞社 1984年/朝日選書 1990年/朝日文庫 2013年)文庫解説:水道橋博士
- 『つくられた桂離宮神話』(弘文堂 1986年/講談社学術文庫 1997年)
- 『アート・キッチュ・ジャパネスク―大東亜のポストモダン』(青土社 1987年)
- 『戦時下日本の建築家――アート・キッチュ・ジャパネスク』朝日選書 1995年
- 『邪推する、たのしみ―アートから風俗まで』(福武書店 1989年)
- 『ノスタルジック・アイドル 二宮金次郎 ―モダン・イコノロジー』(新宿書房 1989年)
- 『美人論』(リブロポート 1991年/朝日文芸文庫 1996年) 解説:上野千鶴子
- 『美人研究―女にとって容貌とは何か』(河出書房新社 1991年)
- 『美人コンテスト百年史―芸妓の時代から美少女まで』(新潮社 1992年/朝日文芸文庫、1997年) 解説:わかぎえふ
- 『おんな学事始』(文藝春秋、1992年/改題『美人の時代』文春文庫、1995年)
- 『法隆寺への精神史』(弘文堂 1994年)
- 『狂気と王権』(紀伊國屋書店 1995年/講談社学術文庫 2008年)
- 『関西人の正体』(小学館 1995年/小学館文庫 2003年/朝日文庫 2016年)
- 『グロテスク・ジャパン』(洋泉社 1996年)
- 『南蛮幻想――ユリシーズ伝説と安土城』(文藝春秋 1998年/草思社文庫(上下)、2021年)
- 『人形の誘惑-招き猫からカーネル・サンダースまで』(三省堂 1998年)
- 『愛の空間』(角川選書 1999年/角川ソフィア文庫、2015年)
- 『キリスト教と日本人』(講談社現代新書 2001年)
- 『阪神タイガースの正体』(太田出版 2001年/ちくま文庫、2008年/朝日文庫、2017年)朝日文庫解説:松村邦洋
- 『パンツが見える。―羞恥心の現代史』(朝日選書 2002年/新潮文庫、2018年)解説:酒井順子
- 『「あと一球っ!」の精神史-阪神ファンとして生きる意味』(太田出版 2003年)
- 『アダルト・ピアノ―おじさん、ジャズにいどむ』(PHP新書 2004年)
- 『名古屋と金シャチ』(NTT出版 2005年)
- 『夢と魅惑の全体主義』(文春新書、2006年)
- 『日本の女が好きである。』(PHP研究所、2008年)
- 『日本に古代はあったのか』(角川選書、2008年)
- 『伊勢神宮 魅惑の日本建築』(講談社、2009年)
- 『伊勢神宮と日本美』講談社学術文庫、2013年
- 『ハゲとビキニとサンバの国 ブラジル邪推紀行』(新潮新書、2010年)
- 『妄想かもしれない日本の歴史』(角川学芸出版、2011年)
- 『現代の建築家』(ADAエディタトーキョー 2014年)
- 『京都ぎらい』(朝日新書、2015年)
- 『京女の嘘』(PHP新書、2017年)
- 『京都ぎらい 官能篇』(朝日新書、2017年)
- 『日本の醜さについて 都市とエゴイズム』(幻冬舎新書、2018年)
- 『大阪的 「おもろいおばはん」は、こうしてつくられた』(幻冬舎新書、2018年)
- 『プロレスまみれ』(宝島社新書、2019年)
- 『京都まみれ』(朝日新書、2020年)
- 『ふんどしニッポン 下着をめぐる魂の風俗史』(朝日新書、2022年)
共著 編集
- (高田公理・野田正彰・上野千鶴子・奥野卓司)『現代世相探検学』(朝日選書、1987年)
- (森岡正博)『男は世界を救えるか』(筑摩書房、1995年)
- (永井豪)『けっこう仮面が顔を隠す理由』(メディアファクトリー、1996年)
- (鹿島茂・原武史)『ぼくたち、Hを勉強しています』(朝日新聞社、2003年。朝日文庫、2006年)
- (関西性欲研究会)『性の用語集』(講談社現代新書、2004年)
- (鹿島茂)『京都、パリ この美しくもイケズな街』(プレジデント社、2018年)
- (本郷和人)『日本史のミカタ』(祥伝社新書、2018年)
- (郭南燕・川村信三)『ミッションスクールになぜ美人が多いのか 日本女子とキリスト教』(朝日新書、2018年)
- (佐藤賢一)『世界史のミカタ』(祥伝社新書、2019年)
- (郭南燕・呉座勇一・フレデリック・クレインス)『明智光秀と細川ガラシャ: 戦国を生きた父娘の虚像と実像』(筑摩選書 2020年)
- (磯田道史)『歴史のミカタ』(祥伝社新書、2021年)
- (青木淳)『イケズな東京 150年の良い遺産、ダメな遺産』(中公新書ラクレ、2022年)
- (斎藤光)『ヌードの東アジア 風俗の近代史』(淡交社、2023.3)
編著 編集
- 『性欲の文化史 (1・2)』(講談社[講談社選書メチエ] 2008年)
- 『性欲の研究 エロティック・アジア』(平凡社、2013年)
- 『学問をしばるもの』(思文閣出版、2017年)
共編著 編集
- (セップ・リンハルト)『日本人の労働と遊び・歴史と現状』(国際日本文化研究センター 1998年)
- (井波律子)『文学における近代――転換期の諸相』(国際日本文化研究センター 2001年)
- (井波律子)『幸田露伴の世界』(思文閣出版 2009年)
- (三橋順子)『性欲の研究 東京のエロ地理編』(平凡社、2015年)
- (御厨貴)『建築と権力のダイナミズム』(岩波書店、2015年)
- (神崎宣武、白幡洋三郎)『日本文化事典』(丸善出版 2016年)
単独論文 編集
- 「『干蘭』か『高床』か ―日中建築比較論のこころみ」、『江南文化と日本 ―資料・人的交流の再発掘(海外シンポジウム報告書18)』、2012年
文庫解説 編集
受賞 編集
- サントリー学芸賞、1987『つくられた桂離宮神話』
- 芸術選奨文部科学大臣賞、1999『南蛮幻想 安土城へ、ユリシーズ』
- 『中央公論』新書大賞、2016『京都ぎらい』
主な出演番組 編集
- 英雄たちの選択 (NHK、不定期)
- “いけず”な京都旅 - NHK(不定期)
- きょうとシアター(NHK京都放送局、2022年4月23日より、第4or第5土曜日10:30~)
- 朝日放送テレビ
- 「おはようコールABC」(2008年6月25日 - 2015年3月27日、水曜日コメンテーター)
- 関西テレビ放送
- KBS京都、関西テレビ☆京都チャンネル
- 「京都!ちゃちゃちゃっ」(ゲスト解説、不定期)
- 「飯星景子の京都からの招待状II」(ゲスト解説)
- サンテレビの阪神タイガース関連の特番(クイズ番組のゲストなど)
主な連載 編集
- 愛媛新聞社
- 愛媛新聞文化欄『こころの森』