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享保名物帳とは、徳川幕府8代将軍・徳川吉宗の命により、本阿弥家13代当主本阿弥光忠および本阿弥一族が編纂して幕府に提出した名刀リスト。

概略編集

内容は当時既に失われたものも含めて、世に名高い名刀約250口を収録した台帳で、江戸時代の武家社会において名刀の出自や伝来を公的に保証して格付けした。現在の刀剣研究では同書に掲載されている刀剣のみを狭義の「名物」としている。なお、『享保名物帳』という名前は編纂時の元号を冠しただけの便宜的な呼称で、幕府に提出されたとされる原本が現存しないため、当時の正確な名称は不明である。

原本は失われたものの複数の写本・転写本が残っており、大きく分けて2つに分けられる。一つは本阿弥家が幕府に提出した物の写しで、リストの最初が名物「厚藤四郎」から始まる。もう一つは、編纂にあたって本阿弥家でまとめた控帳を原本にしたとされるもので、リストの最初が名物「平野藤四郎」で始まる。両者は性質の違いから収録作品数や並び順に差異があり、前者を「名物帳第1類」、後者を「名物帳第2類」と呼び、更に幕末には第2類を底本に第1類の内容を取り込んだ「名物帳第3類」と呼ばれる写本もある。

戦国大名などが愛用した粟田口、正宗などの名物が記録されており、徳川家(将軍家および御三家)の名刀を筆頭に、加賀藩前田家、福岡藩黒田家など各大名家に伝わる名刀の伝承や逸話を記録している。

参考文献編集

  • 『名物刀剣─宝物の日本刀─』公益財団法人佐野美術館、2011年