京都マラソン(きょうとマラソン、英語: Kyoto Marathon)は、2012年3月11日に、京都府京都市で第1回大会が開催された、大規模な市民参加型マラソン大会である。

京都マラソン
平安神宮 (フィニッシュ)
開催地 日本の旗京都府京都市
開催時期 2月第3日曜日
種類 ロードコース
距離 マラソン
創立 2012年
スポンサー オムロンワコール
公式サイト kyoto-marathon.com

過去にも1969年(それ以前、戦前)から1982年まで同名のマラソン大会(ただしこの京都マラソンとは直接関連はない)が開催されていた。本項ではそれについても記述する。

沿革 編集

2010年4月23日、第1回「京都マラソン開催準備委員会」が開かれた。

2011年5月16日、第1回「京都マラソン実行委員会」が開かれ、第1回「京都マラソン」開催が発表された。「京都マラソン」の名を冠する大会としては30年ぶりの復活となる。なお当時と異なり、全国都道府県対抗女子駅伝競走大会も従来通り存続する。

概要 編集

参加者は1万6000人。制限時間は6時間。マラソン、ペア駅伝、車いす競技の3部門が行われ、距離はマラソンは42.195 km、ペア駅伝は85m長い42.28 km、車いす競技は 6.1Kmである。

コース 編集

2015年以降 編集

2014年以前 編集

  • スタート→五条通→葛野大路通→松尾橋東詰→桂川左岸→渡月橋付近→大覚寺付近→広沢池→一条通→仁和寺→西大路通→北大路通→船岡山付近→上賀茂神社付近→西賀茂橋(折り返し)→上賀茂神社付近→北山通国立京都国際会館付近(折り返し)→松ヶ崎橋西詰(折り返し)→洛北高校西側(折り返し)→(植物園内はなし)→賀茂川左岸→丸太町橋(折り返し)→白川今出川(折り返し)→フィニッシュ

参加資格 編集

開催年度の4月1日現在、満18歳以上で5時間40分以内に完走できる男女。

  • 参加料
    • 第1回 10,500円(海外選手は12,500円)、ペア駅伝(1組2名)は16,000円。
    • 第2回 - 第8回 12,000円(海外選手は15,000円)、ペア駅伝(1組2名)は20,000円。
    • 第9回以降 15,000円(海外選手は17,000円)、ペア駅伝(1組2名)は25,000円。

規定 編集

仮装は禁止されており、顔とゼッケンが見えるようにしなければならない。

優勝者 編集

 -数字- は優勝回数、      は(当時の)大会記録。

フルマラソン
開催日 男子選手 記録 女子選手 記録
1 2012年3月11日   牛山純一 (JPN) 2時間26分21秒   小林玲子 (JPN) 2時間48分47秒
2 2013年3月10日   五十嵐真悟 (JPN) 2時間20分30秒   小林玲子 (JPN) -2- 2時間49分06秒
3 2014年2月16日   横山裕樹 (JPN) 2時間25分18秒   野村友香里 (JPN) 2時間49分10秒
4 2015年2月15日   横山裕樹 (JPN) -2- 2時間21分14秒   古久保亜衣 (JPN) 2時間45分30秒
5 2016年2月21日   上門大祐 (JPN) 2時間17分54秒   松本久昌 (JPN) 2時間50分41秒
6 2017年2月19日   村刺厚介 (JPN) 2時間20分32秒   幾野由里亜 (JPN) 2時間45分15秒
7 2018年2月18日   久本駿輔 (JPN) 2時間23分44秒   中島いづみ (JPN) 2時間51分57秒
8 2019年2月17日   丸山竜也 (JPN) 2時間16分27秒   篠﨑理紗 (JPN) 2時間51分40秒
9 2020年2月16日   渋川裕二 (JPN) 2時間21分48秒   大前千晶 (JPN) 2時間45分25秒
10 2023年2月19日   福田裕大 (JPN) 2時間19分39秒   太田美紀子 (JPN) 2時間48分57秒
11 2024年2月18日   森井勇磨 (JPN) 2時間14分15秒   廣川風佳 (JPN) 2時間47分22秒

運営 編集

関連団体 編集

大会運営関係 編集

主催

共催

企画・運営

  • 京都マラソン実行委員会

主管

  • 京都陸上競技協会

運営協力

後援

協賛関係 編集

特別協賛/ゴールドパートナー

シルバーパートナー

オフィシャルドリンクパートナー

ブロンズパートナー

サポーティングパートナー

問題点 編集

  • 警備やレース運営に不備がある事や、第1回で2億3000万円以上の赤字を出し不足分は公金で賄った[1][2]。このため、第2回からは参加費の値上げや、寄付金を出す事で抽選無しで出場できる枠「チャリティーランナー」を作った。しかし、寄付金枠の名称が「本来のチャリティーと誤解を招く」と指摘があった。なお現在は「ふるさと納税枠」の名称で京都市スポーツ振興基金への寄付を募っている。
  • 長時間の交通規制に伴い京都市営バスの多くの路線が運休や経路変更の対象となる他、西賀茂営業所梅津営業所・衣笠操車場などが孤立し使用できなくなる。また、多くのバスが迂回路とする烏丸通の交通渋滞が頻発する。

テレビ中継 編集

スタートとフィニッシュのみKBS京都でテレビ中継される。2016年は8:30 - 9:25、12:30 - 13:25に放送され、そのほかにKBS京都と毎日放送が特別番組を制作、再放送としてCS放送とネット配信が行われた。

京都マラソン(1969年-1982年) 編集

京都新聞社の創刊90周年を記念し、1969年に第1回を開催した[3]。新人の登竜門、中・長距離選手の育成を大会の目的としており[4]、1977年の大会では瀬古利彦がこの大会でマラソン初挑戦の場となった[5]。1982年を最後に発展的解消され、翌1983年からは皇后盃全国都道府県対抗女子駅伝競走大会へ衣替えされた[6]西京極陸上競技場を発着する42.195kmのフルマラソンだがコースは同じ西京極陸上競技場で発着する都道府県対抗女子駅伝や全国高校駅伝(男子の部)とは異なっている[7]。テレビ中継は行われずラジオ中継のみNHKラジオ第一で全国に中継された[8][9]

1977年の大会では、鬼太鼓座の山本春枝と小幡キヨ子の2人の女性ランナーが出場したが、ともに途中の関門での制限時間を超えて、完走はならなかった[10]

優勝者 編集

日付 氏名 所属 タイム
1 1969年3月9日 深田清次 大昭和製紙 2:17:43:8
2 1970年2月8日 内野幸吉 東洋工業 2:16:55:8
3 1971年2月7日 谷村隼美 クラレ 2:13:45:2
4 1972年2月6日 佐藤進 日本大学 2:17:37
5 1973年2月5日 ジャック・フォスター ニュージーランド 2:14:53:4
6 1974年2月3日 マッティ・ボーレンマ フィンランド 2:15:10:8
7 1975年2月9日 阪本峰照 日立造船 2:17:15:4
8 1976年2月8日 大久保初男 大東文化大学 2:16:50:2
9 1977年2月13日 ウィリアム・ロジャース アメリカ合衆国 2:14:26:2
10 1978年2月12日 デーブ・チェトル オーストラリア 2:16:0:4
11 1979年2月11日 古田匡彦 長居AC(一般参加) 2:18:8:2
12 1980年2月10日 高取一男 東洋工業(一般参加) 2:15:23
13 1981年2月15日 川口孝志郎 中京大学 2:18:14
14 1982年2月11日 古田匡彦 長居AC(一般参加) 2:17:58
出典: 大会開催時の朝日新聞および読売新聞[11]

脚注 編集

  1. ^ マラソン運営、手腕に差 市民大会新設相次ぐ:yomiDr.(2013年1月25日)
  2. ^ 京都マラソン2億円赤字 安全対策費膨らむ:京都新聞(2012年5月19日)
  3. ^ 京都陸上競技協会/編『京都陸協五十周年記念誌』京都陸上競技協会、1983年、155頁。 
  4. ^ 京都陸上競技協会/編『京都陸協五十周年記念誌』京都陸上競技協会、1983年、156頁。 
  5. ^ 全国都道府県対抗女子駅伝競走大会第10回記念大会企画委員会/企画編集『美しい日々 熱走のドラマ 全国女子駅伝10周年記念誌』京都新聞社、1992年、134頁。 
  6. ^ 京都陸上競技協会/編『京都陸協五十周年記念誌』京都陸上競技協会、1983年、156-157頁。 
  7. ^ 京都新聞(縮刷版)1982年2月。
  8. ^ 1982年2月11日付中日新聞テレビ・ラジオ欄。
  9. ^ このような中継体制は、1977年までの別府大分毎日マラソンや1978年までの全国高等学校駅伝競走大会でも行われていた。
  10. ^ 高橋進『輝け!女子マラソン』碩文社、1983年、p.223
  11. ^ 大会開催日翌日の朝日新聞朝刊より作成(但し第5回は翌日読売新聞朝刊、第13回は翌日読売新聞夕刊より作成)

関連項目 編集

外部リンク 編集